Kakao Gamesからリリース予定のオンラインアクションRPG「クロノオデッセイ」のクローズドβテスト版をレビュー。その映像美やスリリングな戦闘など、同作ならではの魅力を紹介したい。
「クロノオデッセイ」は、Kakao Gamesからリリース予定のオンラインアクションRPG。本作の特徴は、Unreal Engine 5で表現された美麗かつ広大なオープンワールドと、時間を操るアイテム「クロノテクター」を用いた独特なゲーム性。さらに、マルチプレイにも対応している。
さまざまな要素が盛り込まれているため、これまでは一体どのようなプレイ感なのかイメージが難しい部分もあったが、今回クローズドβテストによって、部分的ではあるがそのゲーム性を実際に体感できることとなった。そこで、本作が一体どのような魅力を持つ作品なのか、この記事で詳しくレポートしたい。

圧倒的なビジュアルで表現されたダークファンタジー・アクションRPG
まず本作をプレイ開始して圧倒されたのが、そのビジュアル。そこには、本作の舞台となるファンタジー世界「セテラ」が、Unreal Engine 5による美麗グラフィックで表現されていた。

本作の舞台「セテラ」に住む人々は、「ヴォイド」と呼ばれる存在によって滅亡寸前の状況にあった。人類の唯一の希望は、時を操ることができるという遺物の存在。冒頭で主人公=プレイヤーは、この遺物「クロノテクター」の効果によって滅亡寸前の現在から、過去の「セテラ」へと飛ばされることとなる。

まずこの冒頭の絶望感が、圧倒的。敵の襲撃を受けた拠点、血のように赤い水が流れる川、宙を飛び交う魔物たち…。セリフがなくとも、「ああ、もう人類は終わりだな」という気分になってしまう。これぞ、ダークファンタジー!

もっとも、Unreal Engine 5を使って作られた最近のハイエンドなゲームであれば、一定以上の写実性は当然…という見方もあるだろう。だが、本作のビジュアル、単に「写実的だから美麗」というものではない。「絵として成立するカッコよさ」があるのだ。
どういうことかというと、たとえば、スマートフォンのカメラで適当にその辺の風景を写してみてほしい。カメラを使って現実世界を映しているのだから当たり前の話ではあるが、CGよりもはるかに「写実的で美麗」な画像が手に入ることだろう。だが、その写真を見て、「カッコいい!」だとか、「悲しい」だとかいった具合に感情が刺激されるかといえば、必ずしもそうではないはず。ビジュアルとしての魅力は、被写体やその構図、光の入り方や影のでき方…などなど、様々な要素が組み合わさることで作り出されている。「写実的」という要素だけがすべてではないのだ。
そして本作は、キャラクターデザインや質感の表現、風景の見せ方や光と影の配分がバツグンに巧い。その上で「写実的&美麗」なので、ビジュアルが圧倒的魅力を放っている。

筆者が今回のクローズドβテストで本作のビジュアルの魅力をもっとも体感したのは、ボスキャラクターの1体である「千の槍を持つ者」登場シーン。天井から差し込む光の中に漂うもや、赤く怪しく輝く壁、そんな風景の中に立つ「千の槍を持つ者」…。いや、こりゃあシビれるでしょ!

繊細な操作技術が問われる!骨太なアクションが味わえるソロプレイ
次に、本作のゲーム性について触れたい。なお今回、筆者はゲームパッドを使って、ソロでプレイしている。ゲームパッド以外でプレイしたり、マルチでプレイした場合、筆者の感覚とはまた違ったものになるだろうことを予め断っておく。

本作は正式リリース時に6つのクラスが実装予定だが、今回のクローズドβテストでプレイできたのは、そのうち剣士、レンジャー、バーサーカーという3種類のクラス。筆者はこの中から剣士をチョイスした。一般的なMMORPGのように、クラスを選択した後は、キャラクターの外見カスタマイズが可能。ちなみに、性別や外見はクラスによって固定されているわけではなく、自由にカスタマイズできるようだ。

キャラクターを選ぶと、オープニングムービーが流れてゲームスタート。冒頭は一本道となっており、クエストを1つずつ達成しながら、操作やシステムを学んでいくチュートリアル的な展開となっている。

冒頭の流れが一通り完了すると、オープンワールドの本領発揮。目的となるクエストは設定されるものの、自由に世界を移動可能!メインクエスト以外にサブクエストも用意されており、こなすことで様々な報酬を得ることができる。

自由に探索することは可能だが、世界には初期のプレイヤーがそのままでは太刀打ちできないような強敵も待ち受けている。その一人が、先ほども触れたボスキャラクター「千の槍を持つ者」。メインクエストで主人公の前へと立ちふさがる存在だ。
本作のバトルでは、移動と回避、通常攻撃と武器固有のスキル攻撃といったアクションを駆使して戦う。このアクションバトルの醍醐味を満喫させてくれるのが、「千の槍を持つ者」戦。「千の槍を持つ者」が繰り出す攻撃のうち、攻撃前に稲妻の走るものは強力なものが多く、こちらのレベルにもよるが体力の大半を奪われてしまう。特に、「千の槍を持つ者」が体力減少後に繰り出してくる攻撃には、一撃死レベルのものが存在。ちょっとしたミスが命取りとなる。

このため、敵の攻撃を的確に読んで回避し、攻撃後の隙へこちらの攻撃をヒットさせるという立ち回りが重要。そのためには、敵との間合い、敵の攻撃タイミング、こちらの武器の射程と攻撃スピード…といったものをしっかり把握し、繊細に管理しなければならない。ひとつ間違えれば確実に死に近づくというバトルは非常にスリリング。それだけに達成感も強く、「千の槍を持つ者」を倒せた時には思わず「やった!倒したぞ」と大声で口走ってしまったほどだ。

ここまでを読んで、いわゆる「死にゲー」的な難しさをイメージした人もいるかもしれない。確かに本作のバトルは「死にゲー」に通じる難易度の高さを持ってはいる。ただ、救済策も用意されている。たとえばそのひとつが、育成。レベルアップや装備変更によって与ダメージをアップし、逆に被ダメージを減らすことが可能なので、育成によってボス戦の難易度を引き下げることが可能だ。

また、ゲームが進めば「クロノテクター」の機能が解放されていく。「クロノテクター」は主人公を過去世界へ転送するという機能がストーリー的に描かれるが、ストーリー上のみならず、ゲームプレイ上の機能も持ち合わせている。
とはいえゲーム開始直後で利用可能なのは、過去の記憶を読み取って、次の目的地への軌跡を表示するという機能のみ。だが、「千の槍を持つ者」を倒すことで、なんと倒した「ヴォイド」を召喚し、自分のキャラクターを強化できるようになる。さらにゲームが進むと敵の時間を止めたり、自分の時間を巻き戻して体力を回復したり…といったことも可能になるようだ。筆者は今回、「千の槍を持つ者」の召喚機能まで体験したが、大幅にパラメーターが増強されるため、バトルのプレイ感が大きく変化した。

ほかにも、プレイ人数による難易度変化という面もあるだろう。先に書いた通り、筆者は今回ソロでプレイしていたが、プレイ中、偶然他プレイヤーと協力して戦うという局面があった。複数のザコ敵に囲まれ、残り体力的には非常にピンチという状況だったが、他プレイヤーのおかげでなんとか敵をすべて倒すことに成功。あくまでソロプレイ中に偶然遭遇したシチュエーションだが、それまでのプレイとは大きく異なるプレイ感だった。もしこれが「フレンドと一緒にボイスチャットしつつ、プレイしている」というシチュエーションだったら今回の冒険全体の印象が、違ったものになっていたことだろう。

続きがプレイしたい!リリースが待ち遠しい一作
今回本作をプレイして筆者は、「早くこの続きがプレイしたい!」と感じた。クローズドβテストなので仕方のないことなのだが、期間限定なのが残念だ。ちなみに。これはリップサービスで言っているわけではない。まずバトルの緊張感と、レベリングのバランスがよかった。「いや、さすがに勝てないだろ!」という敵と出くわしても、クエストを重ねることでレベルアップすれば、倒せる可能性が出てくる。その一方で、「レベリングしなくても、あともう一歩で勝てそうなんだけどな…」という挑戦意欲も湧き上がってくる、ほどよいバランス。そして強敵を乗り越えると、「クロノテクター」の機能解放という楽しみが待ち受けているので、ついつい先の展開が見たくなってしまうのだ。間違いなく、正式リリースが待ち遠しい一本といえる。

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※画面は開発中のものです。
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