「スト6」で対人対戦のハードルを下げた「Vライバル(※まねもんくん)」……その秘密はプレイヤーたちの対戦の学習にあった!?【CEDEC2025】

CEDEC2025
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7月22日~24日にかけて、パシフィコ横浜 ノースにて開催のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2025」。本稿では、24日に実施された講演「『ストリートファイター6』プレイヤーを模したAIとの対戦から、楽しみながら成長できる体験のしくみ」のレポートをお届けする。

講演者は2020年から「ストリートファイター6」チームに加わり、「アーケードモード」や「CFN」「Vライバル」などに携わっているカプコンの安原直宏氏で、自身も格ゲーおじのひとりだそうだ。

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「Vライバル(※まねもんくん)」は対人対戦へのハードルを下げるために生まれた

やはり人気タイトルだけあって、会場には「スト6」を遊んだ経験のある方が多数。時折安原氏の話に笑いが起きるなど、対戦格闘ゲームあるあるに共感する様子が見られた。

安原直宏氏
安原直宏氏

まずは「Vライバル(※まねもんくん)」がどういったものなのかを見ていくべく、ルーキー、シルバー、プラチナ、マスターと各ランク帯のAIの動きの違いを動画で追いかけることに。

ルーキーでは通常技や単発技が主軸だったところ、シルバーではドライブラッシュなどのシステムを使い出し、プラチナでは相手の行動への対応や間合いの管理、マスターではやり込みが見えるプレイと、まるで徐々に腕前を向上させていった人間のようなプレイとなっており、非常に興味深い映像となっていた。

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Vライバルは元々、同じ腕前の対戦相手を手軽に用意したいという発想から生まれたそうだ。やはり、初心者がいきなり対人戦へ向かうには高いハードルが存在しており、ひとり用モードからランクマッチへ行くまでの橋渡しとしても考えていたそうだ。

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そのために各ランク別のAIを制作、対戦で出来たことを肯定しできなかったことに対してアドバイスをする分析機能を実装。人と戦う前に疑似的な対人戦を体験できる要素としてまとめられたのだとか。

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AIが学習して強くなるまでの過程は人間と似通っていた!?

Vライバルはリプレイ映像を作り出す各プレイヤーのキー入力の履歴から、例えば波動拳を撃った部分を切り出して、その時点の残体力やSAゲージ、画面の位置や対戦相手との間合いなどの情報をタグ付けしたデータ(※スナップショットと呼ばれる)を学習させるいための材料として作成しているそうだ。

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ただし、この学習データだけではまだAIを作ることは不可能。なぜなら、データ数が少ないとSAをぶっ放して勝利したような対戦を学習して、良くない立ち回りを覚えてしまうから。だからこそ様々な対戦からデータを取る必要がある。

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AIが安原氏との対戦を通して人の動きを学習していく様を動画で見せるパートもあったのだが、最初は波動拳だけで倒されてしまったAIが、弾撃ちを覚えて波動拳を撃つようになるという光景が見られた。

これだけでも驚きなのだが、その後は何も考えずに波動拳を撃っていると飛びを通され、そこから高火力のコンボを叩き込まれて起き攻めまでされてしまう……という実際に対戦でもよくあるシチュエーションを再現。すると、波動拳に対してジャンプ攻撃を行うという選択肢を取ったのだ。

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もちろん安直にジャンプ攻撃をしたら、昇竜拳などの対空技で一方的に反撃を受けて地上に叩き落されてしまう訳だが、次の対戦ではこれも習得。AIが安原氏のリュウのジャンプ攻撃を昇竜拳で迎撃するなんて光景も繰り広げられた。

実際にはコンピューター上のプログラムなのだろうが、格ゲーを始めたばかりのプレイヤーにコーチングをしているかのような光景が見られたことから、筆者は少しAIに共感を覚えてしまった。

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あまりにも人間のプレイヤーが強くなるまでの過程と似通いすぎているし、強さよりもそのランク帯のプレイヤーらしさ、その人らしさの再現のほうに力を入れてチューニングされていることから、ますます人間のプレイヤーに近しく思えてしまう。現代は格ゲーでこんなことができるのかと本当に驚きの連続だった。

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その後は学習して強くなったAIがどういったプロセスでそのプレイをしたのかを解説していったり、対戦を分析して評価する機能の評価基準を掘り下げていった。

リーフェンというキャラクターがプレイヤーの対戦を評価してくれるそうだが、これについては勝ち負けよりもその対戦の中でできたことの方が重要。コンボや対空ができたなど、その後のモチベーションに繋がる嬉しい評価をもらえるとあって、初心者の大きな支えになったことだろう。

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データの更新については1週間に1度行われているそうで、実質的に別キャラクターとして数えられるクラッシックとモダンというふたつの操作タイプ、ランクなども含めて50,000通り以上のデータが存在。これらのリプレイをアップロードして更新をかけているそうだ。

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応用編では、自分のVライバルとの対戦が取り上げられた。現実では不可能なことだが、自分の対戦データを学習させることで実現。自分で自分の弱点を突いて戦わなければならないので、AIをボコボコにすると自分も反省したくなるという奇妙な体験が味わい深いそうだ。

他には疑似的に実在する誰かとAIを使って対戦できるという使い方も可能で、まだまだこの機能の可能性を感じさせてくれた。

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以上、「『ストリートファイター6』プレイヤーを模したAIとの対戦から、楽しみながら成長できる体験のしくみ」の模様をかいつまんでお届けした。講演後には質疑応答の時間が設けられ、来場者が時間が許す限り安原氏へと質問を投げかけていた。

この様子を含め、本稿ではまだまだ紹介しきれていない部分がある。8月4日10時まで以下にてタイムシフト配信が実施されているので、興味を持った方はチェックしてほしい。

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CEDEC2025公式サイト
https://cedec.cesa.or.jp/2025/

CEDEC2025特集

アニメ・ゲーム系の媒体でお仕事をしているフリーのライター。Gamerさんでは2022年夏頃よりお仕事をいただいている。 主にプレイするのは大作RPGからFPS、18禁の美少女アドベンチャーゲームなど。ゲームセンターが好きで「BLAZBLUE」や「MELTY BLOOD」などのコンボ重視の対戦格闘ゲームや、「機動戦士ガンダム VS.(バーサス)」シリーズなどをよく遊んでいたが最近はちょっと年齢を感じて辛い。 最近は仕事のために始めたカメラにハマり、スナップ写真や動物写真を撮ることも。使用しているカメラのメーカーはNikon。

本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。

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