Sunblinkとサンリオが共同開発したライフシミュレーション「ハローキティ アイランドアドベンチャー」。本稿ではU&Iエンターテイメントジャパンより2025年8月28日に発売されたパッケージ通常版(PS5/Nintendo Switch)をレポートする。
本作はハローキティやマイメロディといったサンリオキャラクターズと、オープンワールドでの冒険やスローライフを楽しめる箱庭ゲームだ。Appleのゲームサブスクリプションサービス「Apple Arcade」をはじめ、PC(Steam)、PS5、Nintendo Switchでも展開している。
サンリオキャラクターズと、不思議な島「フレンドシップ・アイランド」にたどり着いたプレイヤー。キャラクターの悩みを解決したり、好物をプレゼントしたりして仲を深めながら、閉鎖されたテーマパークを復活させるため奔走することになる。その合間に島中を探索しながら資材を集めるもよし、アバターの衣装や居住地の家具を充実させるもよし、さまざまなパズルに挑戦するもよし。さらに釣りをしたり、生き物を捕まえたり、ケーキやアイスといったお菓子作りに挑んだりと、自由気ままな生活を自分のペースで楽しむことができる。
Apple Arcade版と比べて内容に差はないようだが、このパッケージ版はコントローラーで操作できるのが1番のポイントだろう。スティックで海へ深く潜る、特定のギミックを動作させるといった動作がスムーズに行えるし、頻繁に呼びだすマップやクエスト一覧などは十字キーのショートカットも用意されているので、家庭用ゲーム機に慣れ親しんだプレイヤーにとってはこちらががオススメだ。
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可愛いサンリオキャラクターズと交流して、自分だけの思い出を作ろう
本作で重要なのは、何をおいてもサンリオキャラクターズとの交流だ。プレイヤーを含めた面々はフレンドシップ・アイランドに向かう途中、カップケーキマシーンの暴走でやむなく飛行機から風船で脱出したため散り散りになってしまい、最初に出会えるのはハローキティ、マイメロディ、ポチャッコ、タキシードサム、チョコキャットといった一部キャラクターのみとなる。
探索範囲が広がるとクロミ、ポムポムプリン、ハンギョドン、あひるのペックル、アグレッシブ烈子などにも出会うことができ、島に点在するキャビンを修理しつつ一定の条件を満たせばディアダニエル、ミミィ、カプチーノなど彼らの両親や兄弟姉妹も島を訪れる。
前述のとおり、本作の大きな目的はこの島の謎を解き明かすことだ。やがて記憶を失った「トップハット」というキャラクターと出会い、各エリアに散らばったクリスタルを集めていくことになる。クリスタルの力でこれまで動いていなかった施設が息を吹き返すと同時にトップハットの記憶も蘇っていき、この島の現状を知ることになる。


とはいえ島の謎について興味津々なのはチョコキャットくらいで、他のキャラクターは好きなように過ごしている。例えばマイメロディはリーダーのような働きをしてくれるし、ハローキティはカフェを開いていて焼き菓子を皆に振る舞っているし、おしゃれなタキシードサムは衣装を取り扱っているし、人を笑わせることが得意なハンギョドンはステージに立とうとしている。イタズラ好きのバッドばつ丸はハローキティに可愛いイタズラを仕掛けることもあるが、ユニット「はぴだんぶい」のメンバーであるけろけろけろっぴとは仲がよさそうな様子も見せる。
サンリオキャラクターズのファンであれば、こうした彼らの様子を間近で観察できるのが最も楽しい部分だろう。キャラクターによっては言い回しにやや気になる部分もあるが、総じて可愛らしい交流が待っている。仲が深まれば電話での呼び出しにも応じてくれるので、島の絶景やお気に入りのポイントで写真撮影をするだけでもあっという間に時間が経ってしまうはず。とくに島を訪れてくれる、看板キャラクターの友人や家族とも交流できる機会も見逃せない。自分の分身となるアバターも鳥や犬、ウサギ、馬、羊といった動物がベースとなっているので、一緒に並んでも違和感がないのも嬉しいところ。彼らと一緒に、たくさんの思い出を作ろう。


「こうだったらいいのに……!」に応えてくれる、細かい部分まで行き届いたシステム
まずはどのプレイヤーも、サンリオキャラクターズの可愛らしさに目を奪われることだと思う。しかし本作は、オープンワールドを舞台としたライフシミュレーションゲームとしても非常にクオリティが高い。
ゲーム性の部分でも、重要なのはキャラクターとの交流だ。島の探索に便利なアイテムを手に入れるにしろ、島の謎に迫っていくにしろ、カスタマイズ要素を拡張するにしろ、全てが島にいるキャラクターと「どれだけ仲良しになれたかどうか」にかかっている。サンリオキャラクターズと仲良くしようとすれば自然とあらゆる要素が解放されていく仕組みなので、誰でも無理なくスローライフを満喫できるというわけだ。


また、最初こそ素材集めや探索でやることが多く感じるかもしれないが、徒歩移動が大変になった頃にファストトラベルや長距離の移動に便利なジップラインが使えるようになり、素材の回収まで手が回らなくなる頃に指定した素材を自動で集める機能が利用できるようになる。さらに崖を登ったり深く潜ったりするのに必要なスタミナが拡張できるようになり、移動速度を速めたりスタミナ消費を軽減できたりするポーションが開発可能になり……と、プレイヤーがストレスを感じそうになるタイミングでシステムが一段便利に。
ライフシミュレーションゲームに十分慣れたプレイヤーほど、多かれ少なかれ色々なストレスを感じた経験は多いだろう。Apple Arcade版のリリース時にさまざまなアワードで受賞したのも決してキャラクターの可愛さを表現できているからだけではなく、こうしたプレイヤーへの配慮が行き届いているからなのが体感できるはずだ。
そして、のんびりした空気だけでは少し物足りないプレイヤーへのスパイスとして若干のアクションが要求されるミニゲームや、パズル的な謎解きも用意されている。クリアすると家具の設計図などが手に入るので、もう一歩、部屋のデザインにこだわりたいならクリアを目指していきたい。島の生き物を捕獲する「生物保護区」や、風景に紛れた「ぐでたま」を写真に収める「ぐでたま探し」をはじめ、レシピや衣装など実績獲得にまでのめり込んだら本格的に止め時が分からなくなること間違いなしだ。
オープンワールドの探索や収集をとことんやり込みたいプレイヤーから、サンリオキャラクターズとふんわり仲良くしたいプレイヤーまで幅広く受け入れてくれる奥行きのある本作。11月27日には多くのアイテムをあらかじめ含んだデラックスエディションに、サンリオのキャラクターグッズを同梱した「ハローキティ アイランドアドベンチャー ギフトボックスエディション」もNintendo Switch向けに発売されるので、自分のペースや趣向に合わせて「フレンドシップ・アイランド」を思うままに楽しんでほしい。
果たして、アグレッシブ烈子は夏季休暇を楽しめるのか……?
最後にまったくの私情で、毎年ひっそりと「サンリオキャラクター大賞」に投票している「アグレッシブ烈子」について紹介させてほしい。Netflixオリジナルアニメの配信なども行われているが、ゲームなどのコラボレーションで見かけることはそう多くないので、意外と知らない人もいるだろう。
彼女は会社の経理部で働くレッサーパンダで、無茶な仕事を押し付けてくる上司や自分勝手な同僚に振り回される日々を送っている。そんな彼女のストレス発散方法は仕事帰りの一人カラオケで、見た目からは想像できないデスボイスでメタルを歌うこと。今回は仕事から離れて休暇を楽しむはずだったのに、どうしても仕事がよぎってしまう様子の彼女には「ここまで来たんだから、気にしなくていいんだよ!」と思いつつ、気になる気持ち自体は分かる人も少なくないのでは。


フレンドシップ・アイランドに到着しても上司からのメールは止まらず、突然の飛行機トラブルで荷物も見失い……と全く落ち着かない様子が伺える。果たしてアグレッシブ烈子は、ちゃんとこの島でバケーションを満喫できるのか。何だかんだ横槍が入るのではないか。「アグレッシブ烈子がちゃんと穏やかに過ごしているのを見届けるまで、このゲームは止められない……!」と密かに誓ったのだった。
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※画像はすべてNintendo Switch版のものです。
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