第3期の最終話EDテーマ「生命換装」も初披露！TVアニメ「アークナイツ」初のフィルムコンサート・夜の部をレポート映像と音楽で、第1期から第3期までのストーリーを振り返る

2025.10.06 21:34 0コメント

TVアニメ「アークナイツ」初のフィルムコンサート「アークナイツ【暁光追奏/FILM ON ORCHESTRA】」が東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催された。本稿では10月4日・夜の部についてレポートする。

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本イベントはTVアニメ第1期「アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】」、第2期「アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】」、第3期「アークナイツ【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】」のアニメーション映像を、オーケストラとバンドメンバーによる生演奏で届けるフィルムコンサート。演奏はアニメをはじめコンテンツに特化した演奏集団「Heartbeat Symphony」が担当し、劇伴を担当した作曲家の林ゆうき氏も演奏に加わった。

指揮はクラシックのジャンルを超えて多彩な活動をしている吉田行地氏、スペシャルゲストとしてTVシリーズの主題歌を担当したReoNaさん、糸奇はなさんを迎え、昼公演と夜公演では一部異なる曲目が披露された。会場内にはフォトスポットも設けられ、多くのファンが撮影を楽しんでいた。

本公演は第1期から第3期までのストーリーを辿るように演奏され、この世界の過酷な環境、そして“鉱石病”やその感染者による“レユニオン・ムーブメント”について語られる中での「天災」から開演。続いてロドス・アイランドのリーダーである「アーミヤ」が「ドクター」を取り戻し、ドクターの采配がオペレーターを勝利へと導くような「勝利への架け橋」へ。オペレーター達に勝利を確信させるような、高揚感のあるサウンドに酔いしれるも「タルラ」という圧倒的な存在を前に犠牲を払うことになる。

レユニオンに対抗すべく、ロドスと手を結ぼうとする龍門。「ペンギン急便」の協力を得て「ミーシャ」を救うべく動くロドス。独特の空気感をもつペンギン急便らしいサウンドで緊張感がほぐれたのもつかの間、ヒリヒリとした「孤軍奮闘」や締め付けられるような「ドクター Pf Ver.」と「微かな光」、そして振り返れば第1期の悲しみや怒りの全てを内包していたかのような「黎明前奏」でミーシャとの物語は幕を閉じる。

やがて物語は龍門の思惑、そしてスノーデビル小隊のリーダー・フロストノヴァとの戦いへ。「浸透」から強さと儚さが同居するような「冬隠帰路」、メフィストとファウストの幼少期を辿る「追憶」が演奏される。底知れなさを見せつけるような「ウェイ」や「龍門近衛局」、複雑な胸中を抱える「チェン」、 Mon3trを思わせるグリーンのライトも合わせたクラウンスレイヤーを圧倒する「ケルシー」といくつもの戦いが巻き起こる中、苛烈を極めたフロストノヴァとの最期の戦いを「冬逝」が締めくくる。

そしてついに、物語はひとつの終幕へ。アリーナを失ったタルラの過去を「日常」や「平静」の穏やかな音色と共に垣間見ながら、立ち塞がる「パトリオット」との戦いが始まる。響き渡る低音が戦いの激しさを再び呼び起こし、アーミヤとチェンが対峙したのは凄まじい炎をまとう“不死の黒蛇”と化したタルラだ。静かな立ち上がりから激しさを増していく「焔燼曙明」は、まさにこの戦いを象徴する楽曲なのだと強く感じられるものに。エンディングテーマ「Truth」の歌声は、この世界から遠く去っていった者も含めて優しく包み込むようだった。

鳴りやまない拍手へ答えるように始まったのは「絆 Pf Ver.」。美しくも儚いピアノの旋律に乗せ、コシチェイの暗躍も見え隠れする。第3期の最終話エンディングテーマ「生命換装」は、どうしようもなかった多くの悲劇への鎮魂が込められているように感じられた楽曲だ。TVアニメ「アークナイツ」の登場人物たちが乗り越え、辿り着いた願いや祈りを彷彿とさせ、自然と涙が零れてしまう。最後は始まりでも終わりでもあるような、オーケストラの荘厳さを存分に味わえた「リーダー」で終演となった。

全ての演奏を終えた林氏はファンへの想いや感謝を語り、ステージへ再び糸奇さん、ReoNaさんを迎える。糸奇さんは作詞作曲を手掛けた「Truth」についてTVアニメ「アークナイツ」という作品や登場人物の抱える“真実”にまつわる想いを込めたとコメント。第1期、第2期、第3期と携わったReoNaさんは、制作チームの覚悟を感じたことや、今日という時間をファンと共有できたことへの感謝を伝えていた。