バンダイナムコエンターテインメントは1月24日・25日、「アイドルマスター」のアイドル・如月千早による単独公演「OathONE」を日本武道館にて開催。ここでは、1月24日公演の模様をお伝えする。
「誓い」を意味する「Oath」を冠した如月千早武道館単独公演。いつも応援してくれているファンや765プロダクションの仲間への1つの誓い、日本武道館公演という新たな挑戦や決意を込めた始まりの誓い、そしてこのライブに全力を尽くし、全てをかける誓い――それらが込められた本公演は、言葉通り新たな挑戦であり始まりでもある。武道館を埋め尽くしたプロデューサー(「アイドルマスター」ファンの呼称)たちとともに、自身の想いと誓いを込めた千早にしか出来ない最高のステージをみせてくれた。

なお、本公演のxRライブストリーミングチケットは2026年2月25日21:00まで販売しており、1月24日公演・1月25日公演とも2026年1月26日18:00~2月25日23:59(予定)の期間にアーカイブ視聴することが可能となっている。詳細は公演公式サイトを確認しよう。
如月千早武道館単独公演「OathONE」公式サイト
https://idolmaster-official.jp/live_event/oath_one/
――如月千早武道館単独公演
本公演の発表は、歓喜と驚き、そして感動を持って迎えられた。そして、ついにこの日、如月千早が1人で武道館の舞台に降り立った。
765PRO ALLSTARSのアイドル自身がパフォーマンスを行うライブ・コンサートとしては、これまで「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”」(2024年3月16日・17日開催/ベイシア文化ホール)、「高槻やよい・水瀬伊織 twin live“いつまでもなかよし!”」(2025年10月18日・19日開催/森のホール21)、「M@STER EXPO LIVE SHOWCASE」ステージ(2024年12月14日・15日/幕張メッセ「THE IDOLM@STER M@STER EXPO」内)を開催。961プロダクションとしても「961 PRODUCTION presents 『Re:FLAME』」(2024年8月24日・25日/ロームシアター京都メインホール)、同追加公演(2025年2月1日/フェニーチェ堺 大ホール)と、近年は数多く開催されてきた。
その現時点での到達点であり、未来への第一歩となったのが今回の如月千早武道館単独公演「OathONE」だ。公演直前に実施された生配信によると、企画当初は社内で不安視する声もあったそうだが、蓋を開けてみればチケットは両日完売。この日を夢見てきたプロデューサーたちの期待が、開演前から会場内外に充満していた。
場内のセット構成に目を向けると、アリーナ中央にステージがあり、そこから左右(東西)に花道が伸びて会場を2分する形で、前後どちらからでも同じようにステージが見られるようになっている。

開演時間となり場内が暗転すると、プロデューサーたちの拍手が鳴り響く。紗幕に映し出された水中の泡が幻想的な雰囲気を創出し、美しいハミングが響き渡る。荘厳なオーバーチューンとともに、「OathONE」の世界へとみんなを引き込んでいった。
そこに流れてきたのは「蒼い鳥」。美しくも想いに溢れた千早の歌声が響いてステージの紗幕がせりあがる。その段になったステージの最上部に、オサレカンパニーがデザインを手掛けた濃紺の公演衣装「Oath THE ONE」に身を包んだ千早が姿を現した。アーケード版の実装曲として、20年以上前から歌い続けてきたこの曲を1曲目に持ってきたのは感慨深く、蒼いライトが放射状に広がる真ん中で、高らかに歌い上げる姿は公演冒頭から感動を呼んだ。




「蒼い鳥」から始まった最初のブロックは、その名も「心壊」。まさに心が震え、壊れるほどのるほど想いを込めた歌声は、2曲目の「静かな夜に願いを…」でも会場に響き渡る。雪の結晶がスクリーンに舞い降るなか、プロデューサーたちは息を呑むように聴き入っていた。
ちなみに、前述したように会場中央にステージを配置する構成であるため、2番では逆サイドのプロデューサーの方を向き、席によっては後ろ姿が見えるのも本公演ならでは。指を1本ずつ閉じ、憂いを帯びた表情を浮かべるのも素敵だった。



さらに、管弦楽器の演奏とともに、オシャレでジャジーなミドルバラード「9:02pm」を温かく歌えば、自身のソロ曲「目が逢う瞬間」ではこの瞬間を噛み締めるように、ちょっと嬉しさを滲ませる千早。その目にはいつも以上に光が輝き、歌いながら優雅に踊る彼女の全身からは気持ちが溢れ、ラストで振り向く姿も印象的だった。



「今日は歌で、如月千早を伝えたいと思います」
MCでの挨拶後、そう口にした千早は、「歌うこと」への想いを語る。深くて暗くて音さえも届かない海の底のような暗闇から、小さな光を求めて、もがいて、もがいて、もがいて、しっかりと地に足をつけて一歩ずつ歩いてきた彼女。そんな真っ暗な暗闇からもう一度這い上がるような想いを込めて、次の曲へと向き合う。
2つ目のブロックは「哭諷」。まずは、ソロ曲「arcadia」で想いを歌声として昇華させていく。珠玉の美しさの高音を響かせ、情感たっぷりな歌声を力強く届けていくと、プロデューサーたちも歓声でそれに応えていった。




会場が赤いライトに照らされ、ステージに炎が吹き上がるなか、今度は「inferno」を熱唱。萩原雪歩とのデュエット曲ということもあり、これまでのライブでも2人で歌うことが多かった曲だが、それを1人で歌う千早は、感情剥き出しに叫ぶようなシーンでもみんなの心を貫いていく。





続いて「relations」へ。2007年に登場してから何度も披露され、「961 PRODUCTION presents 『Re:FLAME』」のステージも印象的だったこの曲を歌うことに、イントロから大歓声。それを受け取り、一段と気持ちたっぷりに歌い上げていくと、このブロックラストは、劇場版「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」の劇中劇「眠り姫 THE SLEEPING BE@UTY」の主題歌「Fate of the World」。その格好良さと熱さはいつも以上で、ロングトーンも気合満点で決めていた。



どの楽曲も、ひとつひとつ思いを込めて歌ったと語る千早。「歌っていると思うことがあるんです」と自身が感じた感覚を口にしていく。そんな「立ち止まったしまった独りの心の物語」を次のブロック「再醒」で物語を紡ぐように歌い上げていった。




「この歌があなたの側にそっと寄り添うことができたなら……」
そう言って「眠り姫」をアカペラで歌い始める。アカペラで直に心を揺さぶるその姿は、アニメ「アイドルマスター」第21話のシーンを思い出したプロデューサーもいただろう。2番からは重厚な伴奏が加わり、独りでも歩き出す決意を瞳に宿した千早の顔が、ステージ上の大きなスクリーンに映し出される。ラストの歌声もうっとりするほどの美しさだった。




さらに、ピアノのイントロから始まった「Snow White」で、その美声を会場いっぱいに届けていく。美しくも力強い千早の歌声、雪を手に取るしぐさもあり、ラストは吹っ切れたような穏やかな表情を浮かべていた。



続けて、「LOST」「隣に...」と、別れや大切な人を亡くした悲しみを歌った曲たちを、大切に歌い上げる千早。「LOST」で何度も繰り返す「あなたがすき」のフレーズ、「隣に...」であの日を思い出すように目を閉じ、噛み締めるように歌う姿。圧倒的な歌声に込められた想いが、武道館というステージで届けられていく。「隣に...」は三浦あずさのソロ曲であり、イントロでどよめきも起こっていたが、千早が紡ぐこの曲も素晴らしいのひと言だ。









歌い終わり、スクリーンに光の水面の映像が映し出されると、ここで千早は花道を歩いていったんステージをあとにする。
公演も折り返し。3つ目の「声廻」ブロックでは、先ほどとは違ったドレスに着替えた千早が登場。大きな月が映し出された紗幕があがり、心地良い弦の音色とともに今回の公演に向けて作られた新曲「輝夜」を歌い上げていった。この曲の作詞は、これまで数々の千早の曲を書いてきた森由里子さん。かぐや姫をテーマにした曲は以前よりあたためていたのだが、適したタイミングがなかったという。奇しくも、それはこの日のためだったようで、今の千早だからこそ織りなす歌声、想い……そういったものが、あえて音和を減らしたことで際立ち、月をバックに見事な歌声が武道館全体に広がっていった。





そして、このブロックでは、仲間たちみんなで歌ってきた楽曲や仲間たちが大切に歌ってきた楽曲を千早1人で披露していく。“歌”に関連した楽曲も多かったのも特徴だ。新曲に続いて披露した「my song」では、美しく軽快なリズムにのせて歌い上げる千早。サビでの感動的な響きも彼女の真骨頂ともいえるだろう。



続く「Kosmos, Cosmos」は、イントロから驚きの声があがる。萩原雪歩のソロ曲をこの舞台で千早が歌うのは感慨深いのと同時に、花道から登場したのは全面がスクリーンになった自走式のロボット。事前にアナウンスされていた通り、これはソニーが開発中のエンターテインメント向け群ロボットシステム「groovots」と呼ばれるもの。約0.3m×1.3m(幅×高さ)の4面スクリーンにさまざまな映像を映しながら、複雑なフォーメーションの動きをすることで、千早の歌を視覚的にも彩っていた。





ちなみに、先ほどの花道を歩いてステージから退場していく場面でも、ロボットシステム「groovots」を活用。今回初の一般公開となった約2m×2m(幅×高さ)の大型モデルのロボットのLEDパネルに如月千早を投影することで、その場で歌って踊るだけでなく、このように大きく移動させることが可能に。今後はもっとステージを自由に動き回るのを期待させるものとなっていた。
ロボットシステム「groovots」は次の「Light Year Song」でも活躍し、クラップに乗せて歌う千早と動き回るロボットたちの多彩な演出により、ステージは一段と魅力あふれるものに。上空のスクリーンには宇宙から見た地球が映し出され、コズミックな雰囲気が会場に広がっていった。






MCでは、この楽曲たちに自分の声を重ねることは正直不安で緊張したと明かす千早。でも、大丈夫と背中を推してくれた仲間や支えてくれるスタッフ、みんながずっと隣を歩いてくれたことを改めて感じたという。
そして、みんながみんならしく歩いてきたように「私も私らしく、胸を張って前を向いて、みんなと同じ空を見上げます」と顔を上げ、本編ラストブロック「吟我」の1曲目として「空」を披露。サビでパッと輝く曲調と千早の歌声、表情が先ほどの言葉とリンクして胸を熱くする。歌詞に合わせてロボットたちも虹色に染まり、最後は大きな虹がかかっていた。





続けて、温かいイントロから自身のソロ曲「君に映るポートレイト」を初披露。一世一代の舞台で、これまで披露する機会のなかったこの曲を歌うのは感無量で、溢れる想いとともに歌声をプロデューサーたちに届けていった。





そのまま、両手を広げて同じくソロ曲「Coming Smile」を歌い上げる。歌詞に「微笑みは絶望を消してゆくね」とあるように、表情は明るさを増し、笑顔を浮かべる千早。そこには悩みや苦しさではなく、純粋に歌とこのステージを楽しむ姿があった。




さらにソロ曲を畳み掛け、今度は「Just be myself!!」へ。高らかに突き上げる歌声は、弾むようでもあり、ロボットたちの演出を交えて軽快に披露。自信たっぷりな表情も印象的だ。「Coming Smile」も「Just be myself!!」もこれまで披露される機会があまりなかっただけに、このステージで聴ける嬉しさはイントロでのプロデューサーたちの歓声にも表れていた。



気持ちは同じといわんばかりに、ここでのMCの表情はどこか嬉しそう。迷ったり立ち止まったり、挫けそうになることもあったと吐露する千早だったが、それでも「歌が私をここまで導いてくれたんです」との語るその顔に迷いは感じられない。
そして、「ここまで歩いてきた時間と、歌への思い、私と仲間たちが積み重ねてきたひとつの答え。夢を描き続け、私が今ここにいる証の曲」として、本編ラストは「M@STERPIECE」。アカペラで歌い出した歌声にのせた想いが、みんなの心に響く。クラップとアコースティックでの伴奏が響くなか、自身もクラップをしながら言葉を噛み締めるように歌う千早。ピースして穏やかに微笑む表情やみんなに優しく手を振る姿も印象的で、歌い終わると大きな拍手と歓声が沸き起こっていた。





武道館に響くアンコールの声。「奏誓」と銘打たれたアンコールでは、その声に導かれて再登場した千早が「細氷」を披露する。12台のロボットたちもステージを彩るなか、荘厳なイントロから世界観たっぷりに歌い上げていく千早。その場にしゃがみこんでさらに想いを込めて歌う姿も目と耳を奪われるほどだった。




「最後にひとつだけ聞きたいことがあります。私の歌は、皆さんの心に届きましたか?」
MCでそう訪ねる千早。万雷の拍手がプロデューサーたちみんなの答えであり、彼女への感謝の気持ちでもあった。そして、「私の家族のように大切な仲間が、私に送ってくれた大切な曲」であり、「笑顔で歌い私の歌を好きと言ってくれた、私に歌う喜びを教えてくれたあなたへの約束」。ラストナンバーとして「約束」を歌い、想いを響かせていく。
そこにロボットが1台歩み寄り、ずっと隣を歩いてきた天海春香の色を灯す。さらに、次々と仲間たちの色と想いをまとったロボットたちが登場し、千早の周りで輝きを放つ。仲間たちの想いとともに歌い上げる千早は、最高のアイドルであり歌姫として、武道館の真ん中で大きな存在感を改めて示してくれた。歌い終わり、みんなを見渡し、感謝の言葉を述べる彼女の声には喜びが溢れていた。





最後はエンディングクレジットがスクリーンに流れ、この日の公演は幕を閉じた。クレジットではステージを彩ったロボットたちが「groovots #01 groovots #02……groovots #12」と1台ずつ紹介されていたのも、なんだか微笑ましいところだった。

セットリスト
――心壊――
01. 蒼い鳥
02. 静かな夜に願いを…
03. 9:02pm
04. 目が逢う瞬間
――哭諷――
05. arcadia
06. inferno
07. relations
08. Fate of the World
――再醒――
09. 眠り姫
10. Snow White
11. LOST
12. 隣に... ※(曲後の花道に使用)
――声廻――
13. 輝夜
14. my song
15. Kosmos, Cosmos ※
16. Light Year Song ※
――吟我――
17. 空 ※
18. 君に映るポートレイト ※
19. Coming Smile ※
20. Just be myself!! ※
21. M@STERPIECE
――奏誓――
22. 細氷 ※
23. 約束 ※
※はエンターテインメント向け群ロボットシステム「groovots」を活用した演出を導入した曲
(C)窪岡俊之 THE IDOLM@STER(TM)& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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