カプコンが2026年2月27日に発売予定のPS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/PC(Steam、Epic Games Store)用ソフト「バイオハザード レクイエム」。本作のディレクターを務める中西晃史氏へのインタビューの模様をお届けする。
「バイオハザード レクイエム」は、第9作に相当するシリーズ最新作だ。息詰まる緊張感と震い慄く恐怖、そして死を打ち倒す爽快感――。“レクイエム”はプレイヤーの精神(こころ)を激しく揺り動かす。テクノロジーの進化、そしてクリエイターの重ねた経験は、登場人物に豊かな感情を与え、物語とプレイ体験にはかつてないほどの没入感をもたらす。

インタビューでは、レオンとグレースのゲームプレイなど、メディア向けに行われた試遊を通して体験できたポイントについて伺うことができた。

――改めての質問にはなりますが、レオンという過去シリーズの人気キャラを出すという点では、開発としてもプレッシャーを感じたと思います。今作でのレオンについて、アクションやビジュアルなど含めて、注目してほしいポイントがあればお聞かせください。
本作では2026年のレオンを描いています。年を重ねたレオンがどういう大人になっているのか、何を考えてるのかを深掘りするところからスタートしています。
今回、レオンを実際に操作してみていかがでしたか?
――リメイクを除けば「バイオハザード6」以来の登場となりますが、ビジュアルはもちろん、アクションも年齢を感じさせないようなカッコよさがありました。プレイした際には確認できませんでしたが、ショーケースで紹介されていた銃を使ったカウンターのようなアクションがお気に入りです。
ショーケースは華やかなシーンを集めているので、余計にそう見えると思います。「バイオハザード6」系統っぽく思われているかもしれませんが、実際にプレイしてみるとそうではないというのは理解していただけたかと思います。
アクションに関しては、彼はずっと現役で戦い続けてきているので、動けるのはもちろんですが、技術的には熟練の域に達しているような表現をアクションとガンプレイおいてはこだわっています。「バイオハザード」シリーズにおいては、開発の中に銃の扱いに詳しい人間がおり、放っておいたら際限なくこだわって作っているので、本作でも今までやってこなかった細かい銃のアクションも用意しています。
本作では、近接武器でトマホークが登場しますが、長く戦い続けてきたレオンの厭世観やペシミスティックな雰囲気の象徴として斧を持たせ、血をいっぱい出させようとしています。なので、「レオンどうしたの?」と思うかもしれませんが、実は狙ってやっていることです。
彼も戦い続けてきましたが、思い通りに事態を解決できたわけではありません。「30年やってきて、世の中が変わったのか?」「自分のやってきたことは何だったんだろう?」と考えた夜もあったと思います。そういった部分を表現しつつ、「バイオハザード レクイエム」で自分の出発点となったラクーンシティに戻り、そこで見たもの感じたことを描いたら“エモい”のではないかというところで、スタッフとともに作り上げました。


――グレースとレオンで同じ場所を訪れるというシーンがありましたが、こちらは全体に共通するポイントなのでしょうか? 同じロケーションにグレースとレオンの面白さをそれぞれ入れるという意味では大変だと思ったのですが…。
実際にプレイして同じ場所を訪れた時にどう感じました?
――とても嬉しかったです。レオンは華麗なアクションを決めてくれるので、グレースとのコントラストの差が面白かったと思いました。
グレースの時に出会った厄介な敵が、レオンだったら簡単に倒せるというシチュエーションの狙いはまさにおっしゃっていただいた部分で、今後グレースで苦労した時に「ここにレオンがいてくれたら……」と思ってもらえれば私たちの思うツボです(笑)。
ホラーゲームは、同じことを繰り返すと展開が予想ができ、緊張感や不安感、怖さが薄れてしまいます。本作では体験いただいた内容を繰り返すのかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。最後まで良い意味で期待を裏切るような構成になっているので、ぜひ本編を遊んでみてください。


――今回の敵であるゾンビについてお聞きしたいのですが、いつになくゾンビに“知性”を感じました。これは人間味をつけるというコンセプトがあったのでしょうか?
皆さん、今までに何千体、何万体とゾンビを倒してきているので、ある程度動きが想像できると思います。ただ、ホラーゲームを作るうえで“油断のできない敵”というのは非常に重要なポイントとなります。なので、変化をつけるためにゾンビたちに知性を入れて、「嘘だろ!」と思わせるような瞬間を作っています。
――チェーンソー以外にも、ナイフや注射器を持っていたり、瓶を投げてくるゾンビも確認できました。体験版で見たものも、いわば氷山の一角となるのでしょうか?
氷山の一角と言うと大げさかもしれませんが、最後まで飽きさせず、油断させずというのが私たちのモットーなので、手を替え品を替え、楽しんでいただけるようにしています。

――ゲームタイトルにもある“レクイエム”と名付けられた銃も登場しましたが、こういった緊急回避的な武器はどういった経緯で考えられたのでしょうか?
“か弱い女性とゴツい武器”という組み合わせからインスピレーションを受けて、ゲームとしても“弾数は少ないけれども、ここぞという時に使える武器”という位置付けにしました。
――体験版では、レオンがレクイエムをグレースに手渡していましたが、グレース専用の武器となるのでしょうか?
今回の範囲では、武器を持っていないグレースに渡していましたが、最後まで彼女が持っているわけではありません。どういう経緯になるのかは、ぜひ遊んで確かめてみてください。

――チェーンソーなど、敵の落とす武器に使用回数などの制限があるのでしょうか?
武器によって異なります。ご想像の通り、チェーンソーは強い武器ですが、他の場所まで持っていけたら、強いがゆえにゲーム性がなくなってしまいます。かといってチェーンソーを弱くするのは違うと思うので、使える時の爽快感はありつつ、ユーザーの楽しみを損なわないように使えなくさせるという手段を取っています。今後出てくるものによって、使い勝手も変わってくるので、楽しみにしておいてください。
――レオンが使用するトマホークは、砥石を使用することで耐久度を回復させることができましたが、砥石自体には使用回数などは存在しないという認識でよろしいでしょうか?
基本的に使用回数の制限は設けていません。数に制限をかけていた時期もありましたが、体術やパリィに使用すると耐久度が減っていくので、研ぐ時間=リロードという感じでバランスをとるようにしました。
ちなみに、ゲームの難易度を上げていくと耐久度の管理が死活問題になってきます(笑)。あえてパリィしない選択肢をとらないと、いざという時に使用できないという場面も出てくるかと思います。


――プレイする中で、ホラーでありつつもどこか“ギャグ”っぽい、ゾンビならではの面白さがあると感じました。その塩梅はどのように調整されているのでしょうか?
グレースとレオンで違う方向性にしました。レオン編は“悪ノリ感”というか、人間の時の残滓が残っているゾンビという設定を元に、笑ってしまうような要素も入れています。
対してグレースは、狂気を帯びた敵に見えるよう“怖い”というラインを維持するように調整しています。
――具体的には発言を減らしたり、セリフ自体を変えたりしているのでしょうか?
例を挙げるとキッチンにいた料理人のゾンビは、最初はもっと饒舌でした。それだと怖くないということで、もっと寡黙にブツブツ言っているくらいに抑えました。そうしないとあのシーンの緊張感が出ないので、セリフは最小限にしています。
ショーケースの動画の最後に登場していた巨大なゾンビについても、「オデ…オデ…」と言うようなキャラにしがちでしたが、あえて真面目に喋らせることで、そのギャップによる恐怖を演出するといった調整を行っています。

――レオンは強さが前面に出ている印象ですが、制作中にレオンが強くなりすぎたといった場面もあったのでしょうか?
レオンは、グレースの時のようなジャンプスケアはやらない代わりに、プレイヤーにとって敵が“油断すると殺されるかもしれない”という脅威・緊張感がベースにあるように気をつけています。なので、レオンが強くなりすぎたと感じた時は、レオンを弱くするのではなく、敵を強化してバランスをとるようにしています。
今回プレイしていただいたパートは、グレースが最も弱い時期です。その分、レオン編は気持ちよくさせてあげようと調整しています。ただこの先、あのレオンでさえ追い詰められるような展開が待っています。その時に、レオンにも強化の要素などが登場して、強くしていかないと乗り越えられない状況になります。最終的には、過去一追い詰められて、本当にレオンの限界に挑むような戦いをさせようと考えています。
――グレースも成長していくような展開があるのでしょうか?
グレースは、最初は何も持っていないので隠れるか走るかしか対処法がありませんが、アンプルを手に入れたりと、サバイバルするための選択肢が増えていき、「この敵は倒しておこう」「怯ませてその隙に抜けよう」といったように、プレイヤー自身が成長して乗り越える手段が増えていきます。
ストーリー面でも精神的な成長を描いており、最初はビビりまくっていますが、少しずつ慣れていく様子を表現しています。
――体験版では日本語ボイスも確認できました。レオンは森川智之さんでしたが、グレースの声はどなたが担当されているのでしょうか?
グレースのボイスについては、まだ正式には公開していません。先日のショーケースで初めて日本語ボイスを世に出し、色々と予想してくれていますが、カプコンとしては「意外な人ですよ」という情報を出しています。どこかで正式に発表されるのをお待ちください。

――敵についてですが、死んだと思ったゾンビが時間をおいて復活していたような場面がありましたが…。
基本的には敵の数は有限に設定していたので、復活ではなく、とどめを刺しきれていなかったのだと思います。ゾンビの倒したかどうか分かりにくいという嫌な要素も、本作ではあえて取り入れています。
――グレース編では弾の枯渇はもちろん、アイテムのリソース管理にも頭を悩ませました。難易度を下げることで、弾の入手しやすくなるといった措置は存在しているのでしょうか?
難易度ごとに敵の強さも含めて変わるようになっています。何を持って行くかのやりくりは、昔から「バイオハザード」のゲーム性として存在しているのですが。特に今回プレイしていただいたパートは、インベントリも一番小さいタイミングなので、より厳しい状況だったと思います。
――レオン編ではグレースとのアイテムケースの大きさの違いに驚いてしまいました。
序盤の特徴でもあるのですが、レオンはストレスなくプレイさせてあげようというコンセプトがあります。ただ、先ほども言った過酷な状況になっていくと、お馴染みのアタッシュケースを上手く整理して、詰め込むような遊びも入ってきます。

――「Standard Classic」を選ぶとグレースでのゲームプレイ時に“セーブ“のためにアイテムとして“インクリボン”が必要になりますが、この要素を導入した経緯をお聞かせください。
「バイオハザード」シリーズも、これまで色々なものを作ってきたので、皆さんどれが好みか分かれると思います。遊んでいただいた皆さんならイメージしやすいと思いますが、このゲームにインクリボンの要素が加わると、かなりストレスフルになります(笑)。
実際、昔の「バイオハザード」をプレイしたことがある人からは「この緊張感がたまらない」と評価が高く、最近のシリーズからプレイし始めた人からは「現代のゲームではない」と意見も真っ二つに分かれています。であれば、バランスを取るよりも、いっそ分けてしまおうと。多様性に答えるべく選択肢として用意してます。
なので、昔の「バイオハザード」がやりたい人はぜひおすすめの要素となっています。
――ありがとうございました。

(C)CAPCOM
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。





































