バンダイナムコエンターテインメントよりPS5/Xbox Series X|S版が2026年7月9日、PC(Steam)版が同年7月10日に発売予定の「ソードアート・オンライン」家庭用ゲーム最新作「Echoes of Aincrad」。6月16日より配信となる体験版の先行プレイの模様をお届けする。
本作は、《SAO》の原点であるアインクラッド編のリブート作品であり、デスゲームと化した浮遊城《アインクラッド》の第一層・第二層を舞台に繰り広げられる、死と隣り合わせの仮想世界に囚われたプレイヤーたちの悩みや葛藤を描く始まりのRPG。プレイヤー自身が主人公となり、自分でカスタマイズしたアバターでアインクラッドを生き抜いていく冒険を楽しめる。

今回は、配信される体験版の序盤をプレイした模様を紹介。体験版は、製品版序盤のベータテスト編終了まで(約3~4時間)をまるごと遊べる非常にボリューム満点な内容となっている。
なお、本記事は先日掲載した第一層メインクエストの先行プレイと同日に行われたメディア体験会での内容ベースとなっており、体験版のプレイフィールはもちろん、プレイ後に行われた本作の制作担当・八幡泰広氏とSAOゲーム総合プロデューサー・二見鷹介氏へのインタビューの模様もあわせてお届けしていく。
ベータテスト期間に漂う不穏な影 衝撃の幕開けを迎える始まりの物語
体験版の物語は、主人公が《SAO》のベータテストをプレイし始め、先に仮想世界へと降り立っているパーティーメンバーたちとの合流を目指すところからスタートする。
広大なダンジョンを進み、襲い来るモンスターを撃破しながら先を急ぐ主人公。しかしその道中、パーティーメンバーからのチャットウィンドウに、徐々に不穏な空気が混じり始めていく。嫌な予感を胸に、彼らが待つ部屋へとようやくたどり着いた主人公が目にしたのは――あまりにも無残な姿となった仲間たちの姿だった。
呆然とする暇もなく、今度はモンスターの群れが主人公へと容赦なく襲いかかる。絶体絶命の危機。その窮地に鮮やかに駆けつけ、主人公を救い出したのがイオリだ。




もともとソロでアインクラッドを進んでいたイオリと、予期せぬ形で仲間を失い、流れでソロになってしまった主人公。この衝撃的な事件をきっかけに、2人は手を取り合い、さらなるダンジョンの奥へと進んでいくことになる。
2人の連携によって見事にボスを撃破した先では、さらに新たなキャラクターとの邂逅も待ち受けていた。一見すると心強い出会いのようにも思えるが、この過酷な世界には、モンスター以外にも潜む影があるようで……。その詳細はぜひ、本記事とあわせて公開しているプレイ動画のほうで直接確かめてみてほしい。
無事にさらなる強敵を打ち倒し、今回のプレイ範囲である最初のクエストはクリアとなった。ベータテスト編の物語はまだまだ続くので、この先は実際にプレイして楽しんでほしい。






そんな衝撃の物語もさることながら、体験版をプレイして改めて感じたのは、本作のアクションが持つ心地よい重みと緊張感だ。序盤のチュートリアルでは、その骨太なバトルの基盤となるシステムを一つずつ実践形式で学んでいくことになる。
まず意識することになるのが、ライトアタックとヘビーアタックの使い分けだ。隙は少ないが威力の低いライトアタックで牽制し、敵の大きな隙に威力の高いヘビーアタックを叩き込んでいくという、シンプルながらも奥深い駆け引きが求められる。
これらすべての行動の鍵を握るのが、攻撃やダッシュによって消費されるスタミナの管理だ。大技を連発したり、むやみに走り回ったりしていると一瞬でスタミナが枯渇し、回避も攻撃もできない無防備な状態を晒してしまう。
そのため、敵の攻撃を見極めるガードや回避の使い分けが極めて重要だ。敵のモーションをじっくりと観察し、ステップでいなすのか、あるいは盾や武器で強固に防ぐのか。体験版の序盤は、これら基本アクションの距離感やタイミングを安全に体に馴染ませるための、練習場として機能している。



序盤は使用できる武器が固定されていたため、複数存在するであろう武器種を自由に選ぶことはできない。しかしそのぶん、用意された武器が持つソードスキルの特性や、武器ごとに異なる技のリーチ、発生速度を徹底的に突き詰めることができる。
お馴染みの技が本作の骨太なバトルにどう落とし込まれているのか、その手触りを確認するだけでもファンならニヤリとできるはずだ。

そして、本作のバトルをさらに奥深く、スタイリッシュに昇華させているのが、パリィ・スラッシュ、ドッジ・スラッシュ、リバーサル・スラッシュという3つの固有アクションだ。
敵の攻撃を完璧なタイミングで弾き返すパリィ・スラッシュ、ジャスト回避から即座に反撃へと転じるドッジ・スラッシュ、そして窮地から一転して強力な一撃を見舞うリバーサル・スラッシュ。これらはどれも強力だが、相応の操作精度が求められる。体験版の時点でこれらの発動タイミングを完璧にマスターしておけば、製品版へ移行した際、あらゆる強敵に対して有利に立ち回れることは間違いない。




バトルを有利に進める上で欠かせないのが、背中を預けるパートナーの存在だ。体験版では自動で動いてくれるヒロインのイオリに対し、プレイヤー側から戦況に応じた的確な指示を出すチュートリアルも用意されている。
その中核となるのが、スイッチモードとフリーモードの切り替えだ。一体の強敵に対して集中攻撃を仕掛けたい時にはスイッチモードが有効。一方で、多数のモンスターに囲まれて乱戦になった際や、それぞれが臨機応変に立ち回るべき状況ではフリーモードが真価を発揮する。
この2つのモードを戦況に応じてリアルタイムに切り替え、さらにはパートナーとの連携スキルを叩き込む。そのバディバトルの手触り、そしてイオリとの息がピタリと合った瞬間の爽快感は、1クエスト分のプレイがあっという間に感じられるほど濃密なものだった。




先日お届けした第一層メインクエストのレポートでは、デスゲーム化の宣告による緊迫したアインクラッドの姿を描いたが、今回の体験版ではその前日譚にあたる、純粋にゲームを楽しめていたベータテスト期間の空気感をじっくりと味わうことができる。
チュートリアルを通じて本作の骨太なアクションの基礎を安全に学べるため、シリーズ未経験のプレイヤーにとってもこれ以上ない入門の機会だ。体験版の配信開始まではあとわずか。製品版へと繋がる始まりの物語へ飛び込むため、今から準備を整えておこう。

体験版のやり込みからファン驚愕のキャラクター設定まで、開発陣が語る本作の核心
プレイの後には、今回の体験を踏まえた上での制作担当 八幡泰広氏とSAOゲーム総合プロデューサー 二見鷹介氏へのインタビューが行われたので、そちらの模様もお届けする。

――体験版のボリュームが3~4時間ということですが、これはストーリーを一通りクリアするまでの想定でしょうか?
八幡:そうですね。サクサクとベータテスト編のストーリーだけをプレイしていただいたとしたら、だいたい3時間から4時間くらいを想定しています。ただ、体験版はある程度繰り返し遊べるようにしているので、「もっと遊びたいよ!」「製品版への引き継ぎのためにやり込みたい、アイテムを集めたい」という方がいたら、ぜひ自由に遊んでいただければと思います。
今回の体験版では、プロローグにあたる最初のクエストをプレイしていただきましたが、その後にイオリと一緒に鍛冶屋や道具屋を回るチュートリアルがあったり、その後もベータテスト編の物語が進行しながら、いくつかクエストをこなしていただく形になります。そのため、実際のプレイ時間は3~4時間よりも多くかかる方のほうが多いのではないでしょうか。完全にゲームの序盤そのものを切り取っており、システム的に塞がっている場所もそこまでありませんので、購入を検討いただく際の手助けになれば幸いです。
二見:武器種に関しては、最初からすべて選べるようになっています。ストーリーを一気に進めてもいいですし、途中から趣向を変えて別の武器のアクションを試すこともできる仕様です。3~4時間と言いつつ、実際の触り心地やゲームの空気感を一番に伝えられたらと思っています。
本作は、実際に触っていただくと画面が非常にサクサク動いて、軽快にアクションをこなしていけるのが大きな見どころです。動画で見ているだけでは伝わりづらい軽快な操作の心地よさを、ぜひこの機会に体験してほしいです。
――もうすこしベータテスターとしての物語を楽しみたいと思っていたので、この先にまだ続きがあるというのは非常に楽しみです。
二見:体験版の範囲としてはあと2~3クエストくらい?
八幡:4クエストくらいですね。
二見:意外にしっかりと先があるボリュームになっています(笑)。
――ちなみに、進行度に応じたアイテムや強化の上限(キャップ)はあると思いますが、レア武器も手に入るのでしょうか?
八幡:ストーリーの進行度に応じて、アイテムや強化の上限を設定しています。体験版の範囲内での強化は楽しめますが、やはり製品版を見据えたキャップを設けているという形です。体験版では、プレイヤーのレベルと武器熟練度にも制限を設けています。
――レアなものを最初に入手し、後ほど鍛えていくことで長期間使い続けられるようなロマン要素はありますか?
八幡:今回の体験版に関しては、そういったレアなものは出ないと言う方が正しいと思います。
二見:不満のない範囲で「序盤の進みがかなり有利になる」くらいのバランスに調整しています。
――ベータテスト編も含めて、アバタークリエイト画面に移行して本来の姿に戻るまでは、あの男の子っぽい姿のままで固定になるのでしょうか?
八幡:そうですね。テスト編の期間と、その後のアバタークリエイトで本来の姿に戻るまではあの姿で固定になります。
――体験版の後半で本来の姿に戻った際、元はおっさんアバターだったイオリが「騙してるようでごめんなさい」と謝るシーンが印象的でした。ただ、そこでプレイヤー自身が女性アバターを作ってプレイしていると、イオリはあんなに悩んでいるのに、自分は何食わぬ顔ですっと美少女アバターとして馴染んじゃったな……(笑)というギャップが面白かったです。
二見:イオリ自身、ある種の設定がありまして…。なので、現実の姿とのギャップに対して彼女なりに深く悩んでいる。ただ、プレイヤー側としては「お前もかい!」というリアクションをするよりは、そうした環境の違いをロールプレイとして楽しんでもらえればと思います。
――アバターのキャラクタークリエイトはやり直しはできない仕様なのでしょうか?
八幡:はい。これは現実の姿なので、やり直しはできません。
二見:簡単にやり直せないからこそ、このアバターがもう一人の自分自身なんだ、という感覚をゲームとして体験してほしいなと思います。動かしているうちに意外と愛着が湧くものです。
――スキンの切り替え(重ね着)は自由にできるのでしょうか?
八幡:初公開の情報になりますが、実際に装備している防具ではない、所持している防具の見た目に重ね着し、色も変更できる「コスチューム機能」が実装されています。
二見:物語のすぐ序盤で発生するサブクエストをクリアすると、カラーリングの変更などができるようになります。
八幡:本作は仕様上、防具にスキルが固定されているため、装備の性能を維持しつつ見た目にもこだわりたいという方は、ぜひこのコスチューム機能を活用していただければと思います。
――「Unanswered//butterfly」の試写会に参加したのですが、あの2人の主人公(エミルンとレックス)が仲間として登場する可能性はあるのでしょうか?
二見:あくまでゲーム本編は、プレイヤーとイオリたち仲間との物語がメインになります。基本的にはあの2人とは別の視点のお話だと思ってください。ただ、世界観は完全に共有しているので、リリース後にエミルンとレックスにゲームでも出会いたい!という皆さんの声が大きくなれば、同じ世界線にいる以上、今後の展開次第で出会える環境は整っています。皆さんの反響次第ですね。
八幡:補足すると、プロモーションアニメ自体はこのゲーム本編よりも少し後の時系列になっています。世界観を共有しているため、アニメのほうにイオリたちの姿が登場したりもしています。レックスたちの今後の動向を含め、ゲーム本編への登場は皆さんの反響次第で考えられればと思います。
――作中に登場する茅場晶彦のボイスですが、こちらは新録ですか?
二見:今回の茅場の音声に関しては、劇場版などのセリフの音声をお借りして使用させていただいております。あそこのシーンに関しては、原作やアニメの文脈をこちらの判断で下手に改変するわけにはいかないという強い思いがありました。それに、当時のアニメ収録時のテンションの音声のほうが、あの会話のシーンにおいては絶対にいいという制作上の判断もあったので。
キリトの視点から見ても、アニメで描かれている部分と描かれていない部分の文脈が綺麗に繋がっています。キリトが劇中でビーターの汚名を一人で背負おうとして周囲を突き放すシーンがありますが、その後の心情の連続性を考えても、当時の音声をそのまま直結させるのがベストでした。声優の方の、当時の演技に込めた熱量もありますからね。
――今回の収録にあたって、新録されたキャスト陣のリアクションで印象的だったことはありますか?
二見:キリト役の松岡禎丞さんが、開口一番に「今回は単独主人公じゃなくて本当に良かった……」としみじみ言っていたのが一番印象に残っています(笑)。
松岡さんが通常の「SAO」タイトルで主人公を演じる場合、セリフの収録量は最低でも2,000から3,000ワードを軽く超えます。しかも、過去のタイトルだとヒロイン個別ルートがあり、各ルートごとに約1,000ワードずつ用意されていたりします。松岡さんはそのすべてを1対1で掛け合わなければならないので、合計の収録数が簡単に1万ワード近くにいってしまうんです。これは想像を絶する膨大な拘束時間とエネルギーを必要とします。
しかし今回のゲームにおいて、キリトはある種、全体を支える先輩ポジション、物語の骨組みのような役割として登場します。そのため松岡さんも、いつも背負っている単独主人公としての凄まじい重圧から解放されて、今回は心にすごく余裕を持って、純粋にキリトというキャラクターを演じられたと仰っていました。一歩引いたところから冷静にキリトとしての立ち回りを見られたのが新鮮だったし、収録自体もめちゃくちゃ楽しかったと熱量高く語ってくれたのが非常に印象的でしたね。
――ありがとうございました!
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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