40周年の節目に挑む完全新作!「ロックマン: デュアル オーバーライド」開発陣インタビュー:ナンバリングを外した理由や凛々しくなったデザインの全貌に迫る自在なビルドを生むカスタムチップや新システム・オーバーライドの全貌

インタビュー
0コメント げっしー

カプコンより2027年に発売が予定されている「ロックマン」シリーズ最新作「ロックマン: デュアル オーバーライド」。試遊版のプレイに合わせて行われた開発陣へのインタビューをお届けする。

誕生40周年という大きな節目の年に解禁された試遊版では、凛々しく進化したロックマンのアクションをはじめ、新システム「チップ選択」や攻防の鍵を握る「オーバーライド」といった数々の新要素を体験することができた。

今回、インタビューで話を伺ったのは、ディレクターの生田真也氏、プロデューサーの南谷洋行氏、そして「ロックマン」シリーズプロデューサーの和泉真吾氏の3名だ。ナンバリングを冠さなかった理由や、現代に合わせたデザインへのこだわり、そして新アクション「オーバーライド」に込められた狙いまで、40周年を飾る完全新作の全貌についてじっくりと話を訊いた。

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40周年に挑む完全新作!「ロックマン12」ではなくサブタイトルを選んだ理由

――今回「ロックマン12」に相当する形でさまざまな告知がされていると思いますが、ナンバリングが冠されていないことには何か意味があるのでしょうか?お伺いできる範囲で教えていただけますか。

和泉:「ロックマン」シリーズは非常に長い歴史を持ったタイトルで、多くの方に応援していただいています。来年40周年を迎える歴史あるシリーズですが、我々としては新規の方にも手に取って遊んでほしいという思いがあります。「ナンバリングの数字が大きくなっていくと、少し敷居が高く感じてしまう」というご意見もいただいていたため、今回はナンバリングを外し、「ロックマン: デュアル オーバーライド」というサブタイトルを冠したタイトルにさせていただきました。

――今後のシリーズ展開としても、ナンバリングを外す形になっていくのでしょうか?

和泉:今後のことについては難しいところではあるのですが、弊社の他タイトルでいうと、例えば「モンスターハンター」なども「モンスターハンター:ワールド」以降はナンバリングを外しています。今後に関しては、同様に継続するのか戻るのか、また改めて考えていくことになるかなと思います。

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――本作の開発に至った経緯について教えてください。どのような出来事やアイデアがあって開発がスタートしたのでしょうか?

和泉:前作の「ロックマン11」が2018年に発売されてからかなり期間が空いてしまいましたが、この間IPとして何もしていなかったわけではなく、さまざまな挑戦や試行錯誤を行っていました。並行して「ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション」や「流星のロックマン パーフェクトコレクション」などをリリースしてきた経緯もあります。

やはり来年40周年という大きな節目の年に、何が何でも完全新作をリリースしたいという思いがありました。また、タイミング的に開発体制やメンバーを含めてベストな体制を組める機会に恵まれたこともあり、「ロックマン: デュアル オーバーライド」の開発を目指してスタートを切ったという経緯になります。

――「ベストな開発体制」とおっしゃいましたが、具体的にはどのような体制なのでしょうか?シリーズに関する知見が深い方が集まったのか、あるいはマンパワーが確保できたということでしょうか。

和泉:前者ですね。過去作に携わっていた知見の高いスタッフがチームに合流してくれたことで、「この機会ならかなりクオリティの高いロックマンが作れる」という体制が整いました。

南谷:過去作に携わったメンバーだけでなく、新しいメンバーも加わっています。昔の知識と新しい知識を持ち寄りながら、「こういうのが新しいロックマンなのでは?」と盛り上がりながら開発できたことが非常に良かったと感じています。

和泉:新メンバーとオリジナルメンバーの相乗効果を持って開発を進められました。

生田:本当にロックマン好きな社員がどんどん集まってきた感覚ですね。チームの雰囲気も良くモチベーションも高かったので、自身も楽しみながら開発を進めていけました。

――サブタイトルの「デュアル オーバーライド」について込めた意味があればお聞かせください。

南谷:「デュアル」に関しては複数の意味を込めて名付けましたが、その大きな意味については今後の発表をお待ちいただければと思います。

凛々しく成長したロックマンと、性別の垣根を越えた個性豊かなボスデザイン

――今回、「ロックマン8」以来と思われるボスキャラクターデザインコンテストが開催されました。久々の開催に至った経緯をお聞かせください。

南谷:ロックマン40周年を迎えるにあたり、「ファンの皆さんと一緒に楽しみながら開発できないか」という思いがありました。開発チーム内でも「昔実施していたボスキャラクターコンテストが良いのではないか」と機運が高まり、今回実施する運びとなりました。

――ボスキャラクターデザインコンテストについて、応募の傾向や関心したデザインなどがあれば教えてください。公式発表では英語圏の通過者が多い印象を受けました。

南谷:特に地域ごとの差はありませんでしたが、やはり人口やファンの多い地域からの応募は多かった印象です。選考にあたっては地域でフィルターをかけるようなことはせず、世界中から集まったすべての応募作を開発チームで拝見し、厳選させていただきました。「吸引アーム付きロボット」というお題に対して、単純な掃除機モチーフだけでなく、消防士のホースやバルブをモチーフにしたひねりのあるデザインなど素晴らしいアイデアがたくさんあり、開発メンバーも非常に楽しく拝見しました。

――公開されているPVなどもチェックしましたが、過去作と比べてロックマン自身の等身が上がり、顔立ちも凛々しくなっている印象を受けました。デザインを変化させた意図を教えてください。

生田:そこは意図的に変えています。ディテールも細かく線を入れ、デザインをリニューアルしました。「背伸び感」を出したかったと言いますか、かっこよさや凛々しさをもう少し出したいという思いがありました。色使いなども意識して変更しています。

南谷:デザインに関しては、子どもが見てもかっこいいを目指しつつ、大人のファンがご覧になっても十分満足できるクオリティを目指して制作した結果、現在のデザインに着地しました。

――今回のデザインは「ロボットヒーロー」的なかっこよさも感じられますが、現代のお子さんに向けた「かっこよさ」のアプローチとして工夫された点はありますか?

南谷:本作ではロックマンのキャラクター性を生かし、変身シーンなどを導入することで「ロボットヒーロー」としてより楽しめるような表現を目指しました。ディテールを含めて過去作からブラッシュアップしていますので、幅広い世代のお客様に楽しんでいただけると思っています。

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――ボスキャラクターについて、試遊では「トゥインクルガール」と戦わせていただきました。従来のシリーズの中では珍しく、非常にかわいらしく女の子らしいデザインだと感じたのですが、今回のボスキャラクターにおけるデザインコンセプトや方向性を教えてください。

生田:過去作でいうと、男性的なロボットやパワフルなイメージが強く、どうしても男性キャラクターに偏りがちだったのかなという傾向を感じていました。今回はデザインの幅を狭めないよう、キャラクター性をより豊かにすることを大切にしたかったので、あえて性別などを気にせずデザインしていこうという方向性で進めました。「トゥインクルガール」は一番最初に制作したボスで、「ここまで振り切っていいんじゃないか」と議論を重ねて誕生した、思い入れの深いキャラクターです。

南谷:まだ公開していませんが、他にもかっこいい系からコミカル系まで様々な種類のボスが登場します。かなり振り切ったデザインになっていますので、楽しみにしていてください。

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デメリットを排し、攻めの走りに昇華された新アクション「オーバーライド」

――「オーバーライド」システムについてお伺いします。任意で使用できるほか、HPが減少すると自動発動する仕組みになっていますが、改めてどのようなシステムなのかご説明をお願いします。

生田:一番大きな特徴は「最初から使える」という点です。ボスを倒して特殊武器を手に入れるだけでなく、最初からロックマン自身が変形し、強化されてカッコよさを味わえる仕組みとして導入しました。敵を倒すことでゲージが溜まり、任意で必殺技の「オーバーライド」が使えます。使いどころはプレイヤーによって異なりますが、最後にボスを気持ちよくカッコよく倒すカタルシスを感じてほしいと考えています。ちなみに、オーバーライドのファイナルチャージショットでボスを倒すとスコアにボーナスが加算される仕組みも入れており、ついつい狙いたくなるような設計にしています。

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――ボスのHPが減った際にも演出が入り、攻撃パターンが変化しました。あれは敵側の「オーバーライド」という認識でよろしいでしょうか?

生田:はい、その通りです。ボスもやってくるという点はちょっと胸アツな部分かなと思います。

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――前作「ロックマン11」の「ダブルギアシステム」と役割が似ているようにも感じられますが、あえて差別化した点や「オーバーライド」ならではの面白さを教えてください。

生田:一番の違いは「積極的に使っていってほしい」という点です。「11」のダブルギアはここぞという場面で使う必殺技でしたが、デメリットが大きく、使う機会を逃してしまうこともありました。今回はプレイヤーが能動的にアクションを行えばゲージが溜まり、強い敵が出てきたらどんどん使っていける設計にしています。使用後に弱体化はしますが、一定時間が経過すれば通常のロックマンに戻りますので、デメリットを気にせず楽しんでいただけます。

――今回、ボスに特定の特殊武器を特定のタイミングで当てた際によろけるような挙動が見られました。弱点属性以外にも、アクションに対するプラスアルファの要素が仕込まれているのでしょうか?

生田:かなり仕込んでいます。「本来はこの敵にこの武器は使わないだろう」という場面で使ってみると実は弱点になっているなど、遊ぶ中で新しい発見があるようなアプローチを色々用意していますので、何度も繰り返し遊んで探してみてほしいです。

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自分だけのビルドで挑む!「カスタムチップ」がもたらす攻略の幅と絶妙な歯ごたえ

――試遊では「カスタムチップ」のシステムが印象的でした。バリアが付与されるチップやチャージショットの自動化など、ゲームプレイを大きく変える攻めたシステムだと感じましたが、導入の狙いや裏話があれば教えてください。

生田:チップの導入自体に大きな迷いはありませんでした。とにかくチップをたくさん用意して、ユーザーにステージごとの組み合わせを悩んでほしいという狙いや、遊びの幅を広げたいという思いがありました。チップの組み合わせによってプレイヤー自身で難易度をある程度調整できる余白を残す設計にしたいと考え、バランスを調整しました。

南谷:従来のロックマンは8つのボスステージをそれぞれ攻略する形式でしたが、今作では1つのボスにつき3つのステージで構成されています。ステージをクリアしてネジを集め、カスタムチップを作成して自分だけのビルドを完成させていく段階的な成長体験ができるのが今作のチップシステムの魅力です。

――試遊版では最初からチップがセットされた状態でしたが、製品版ではプレイヤーが自由にカスタマイズするのでしょうか?

南谷:試遊版は体験用の特別仕様として3パターンのセットから選ぶ形にしていますが、製品版では1つひとつのチップをユーザー自身が選んで装着する形になります。組み合わせの数はかなりの数になります。

――製品版ではチップの装着数やコスト制限などのビルド要素が存在するのでしょうか?また、「自動チャージ」と「バリア」を同時に装着するような組み合わせも可能ですか?

生田:チップの制限方法についての詳細はまだお答えできませんが、基本的には複数のチップを装着して幅広く遊べる形を目指しています。「自動チャージ」と「バリア」の同時装着も可能です。もちろん同時に組み合わせられないチップもありますので、そのあたりも楽しみにしていただければと思います。

――今回の試遊版で選べた3つのチップセット(防御系・攻撃系・チップなし)の選定理由を教えてください。

生田:防御重視のセット、攻撃重視のセット、そして「特殊武器やチップを使わずにプレイしたい」という従来通りのプレイを好む方向けの「チップなし」という3種類を用意しました。プレイ感が大きく変わることを体感していただきたかったためです。

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――チップやオーバーライドにより初心者にも優しくなった印象を受けますが、ステージのギミックやボスの難易度自体は調整されているのでしょうか?

生田:歯ごたえのある難易度は「ロックマンらしさ」の核ですので、悔しくて何度もプレイしてしまうような絶妙な難易度に調整しています。今回の試遊版はリトライが無限にできる仕様だったため、ボスもあえて少し強めに設定しています。

南谷:難易度を下げて簡単に味わわせるのではなく、攻略の手助けとなる「選択肢の幅」を用意することで、歯ごたえのあるアクションを誰もが乗り越えられるような設計にしています。

――試遊版では残機がなく、チェックポイントから何度でもリトライできる仕様でした。製品版の難易度設定などはどうなるのでしょうか?

生田:試遊版はイベント用として無限にリトライできる仕様にしています。

南谷:製品版では初めから順番にステージを攻略していく形になります。

生田:なので、いきなりボスと戦うことはできません。

南谷:製品版の難易度調整や残機システムの設定については、現在も調整・検討を進めている段階です。

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世代を超えたチームが描く、グラフィック演出のこだわりとファンへのメッセージ

――開発にあたって、世代の違うスタッフ間でアクションゲームに対する考え方などでジェネレーションギャップや衝突はあったのでしょうか。もしあった場合、どのように判断を下されたのか教えてください。

生田:今回取り入れた仕組みにおいて、大きな衝突自体はありませんでした。ただ、チャレンジしている部分が多いため議論は重ねています。たとえばステージを3分割する点についても、「本当に3分割で良いのか?」といった部分は、これまでロックマンに携わってきたメンバーと意見交換をしました。従来のロックマンファンを大切にしつつ、いまのお客様にも届けることを考えると、こうした取り組みも積極的にやっていこうという結論に至りました。

――「ロックマン感」やアクションゲームとしての核となる見解は、世代を超えて統一されていたのですね。

生田:そうですね。「ロックマンらしさ」という部分は絶対にはずせないポイントです。シューティングアクションとしてのロックマンであることや、キャラクターが個性豊かに表現されている点、ボスの表情や演出などはすごく大事にしています。

――ダメージを受けると装甲が焦げたり、オーバーライドで逆転したりと、演出面でも熱いアプローチが印象的でした。こうした表現の導入はスムーズに決まったのでしょうか?

生田:「見た目が変化する表現は絶対やりたい」というところからスタートしました。変身シーンの尺については「少し長すぎるのではないか」という意見もありましたが、オプションで簡易的なものに切り替えることも可能です。

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――PS5やNintendo Switch 2といった最新ハードに合わせて、パフォーマンスや演出面でこだわったポイントを教えてください。

生田:背景を単なる「のっぺりとした絵」にしたくなかったので、奥ゆきを感じられる演出にこだわりました。今回の博覧会ステージでは、背景でロボットや車、モノレールが動いていたり、進むにつれてエントランスや展示エリア、大輪の花火が見えたりと、賑やかな世界観を表現しています。

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――本作のストーリー展開について、お話しできる範囲で雰囲気を教えていただけますか?

南谷:前作同様、ストーリーにも非常に力を入れています。詳細はお伝えできませんが、従来のファンの方はもちろん、今作から始める新しい方にも楽しんでいただけるドラマを用意していますので、ご期待ください。

――最後に、既存のファンと新しいユーザーの方に向けてメッセージをお願いします。

南谷:シリーズファンの皆様には、思わずニヤリとしてしまうような要素をたくさん仕込んでいますので楽しみにお待ちください。そして、これから新しくロックマンに触れる方にとっても、段階的なステージ構成やカスタムチップなどで少しずつ成長しながら攻略できる作りになっています。「まだロックマンを遊んだことがない」という方も、ぜひ手に取って体験していただければ幸いです。

――ありがとうございました。

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※画面は開発中のものです。

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