「CygamesEdge」ブランドプロデューサー・濱田修一郎氏にインタビュー!第1弾作品の高所からひたすら降下していく異色の3Dアクション「崩落の国」のレビューも【OIGS2026】ただ尖ったものを作って終わりではなく、変化する市場やプレイヤーの価値観に向き合い、常に新しい表現や体験を模索し続ける

インタビュー
0コメント 仁志睦

2026年10月3日から4日にかけて、大阪のコングレスクエア グラングリーン大阪にてインディーゲームのイベント「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」が開催された。ここでは、本イベントに出展されたCygamesEdgeの「崩落の国」のプレイレビューとCygamesEdgeのブランドプロデューサー・濱田修一郎氏へのインタビューをお届けする。

「CygamesEdge」ブランドプロデューサー・濱田修一郎氏にインタビュー!第1弾作品の高所からひたすら降下していく異色の3Dアクション「崩落の国」のレビューも【OIGS2026】の画像

3Dアクションゲームにおいて、落下したら即ゲームオーバーとなる目もくらむような高所を、わずかな足場を頼りに移動したり、届くか届かないかのギリギリの距離をジャンプして渡る際、思わず背筋がヒュっとなったことがあるという人は多いことだろう。

「崩落の国」は、この“高所でのアクションのスリル”をフィーチャーした三人称視点の3Dアクションアドベンチャーだ。Cygamesの新たなゲームブランド「CygamesEdge」の第1弾タイトルで、「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」にも出展され、多くの人にプレイされていた。

ここで出展されたのは10月16日17時(日本時間)より配信予定の体験版と同じもので、“降りていく”という本作の魅力を存分に体験できるようになっていた。配信に先駆けてプレイすることができたので、そのプレイフィールを紹介していこう。

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「高所から降りていくアクション」に特化したシンプルさとスリルが魅力

舞台となるのは、穢された地上から逃れた人々が、巨大な世界樹の枝に国を築いたというファンタジー世界。プレイヤーはこの世界のひとりの兵士となり、亡き娘の面影を宿す「忌み子」と呼ばれる謎の存在とともに地表を目指して世界樹を降りていくことになる。

ゲームはいたってシンプルで、ジャンプ、ダッシュ、つかまるといったアクションを駆使して、落下死しないようにしながらひたすら下へ下へと降りて行けばいいだけだ。しかし、降りていくための足場は、ちょっとしたことで踏み外してしまうような小さくて狭いものがほとんどで、操作を誤って墜落したら即ゲームオーバーとなる。しかも、着地の際に慣性がかかってつんのめったり、勢いがつくとブレーキがかかりにくかったり、風に流されて着地点がぶれたりするため、操作する手に思わず力が入ってしまうのだ。

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主人公は「忌み子」を背負って降下していくのだが、この忌み子の持つさまざまな能力を利用することも可能になっている。特に便利なのが、ふわふわ浮きながら落下する能力で、本来なら届かないような遠くの足場に飛び移る、落下地点を調節する、落下の衝撃をやわらげるなど、いろいろな使い方ができるので、さまざまな局面で役に立ってくれる。また、突風を吹かせることも可能で、このふたつの能力を組み合わせて、はるか遠くの足場に飛び移ったりすることもできる。

ただし、このふわふわ浮く能力を使うと忌み子のエネルギーが一気に消費されていき、エネルギーゲージが尽きると能力が使えなくなって落下してしまう。足場にたどり着くまでにエネルギーが切れて落ちてしまうことがあるかもしれず、わずかなミスが命取りなるゾクゾクするようなスリルを味わえることだろう。

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着地点に花を咲かせる「フラワーダイブ」というアクションも見どころのひとつだ。途中に生えている植物のつぼみを眼下の足場に投げ落とすと、そこに巨大な花が咲く。そして、その咲いた花に向かって飛び降りると落下によるダメージを受けずにすむというものだ。

どこに花を咲かせるかはプレイヤーの自由だが、あまりに下方すぎると花が咲いた地点に着地するのが難しくなってしまう。安全そうなポイントに花を咲かせるか、思い切ってはるか下方にある足場を狙うか、プレイヤーの判断が求められるのだ。

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さて、今回配信される体験版だが、スタート時から頼りない足場が多く、最初は多少おっかなびっくりだったものの、すぐに操作に慣れてある程度スムーズに進めるようになった。シンプルながら緊張感あふれるプレイを存分に楽しめる作りになっており、3Dアクションゲームが好きな人なら存分にハマれることだろう。

ただ、これなら問題なくクリアできるかなと思ったのも束の間、操作に慣れてきたあたりから難所が次々に出現。特に苦戦させられたのが、「忌み子」の能力で世界樹から巨大な植物の枝を伸ばし、この植物の葉を足場にして突破していくというポイントだ。

成長した葉や枝はわずかな時間で枯れて崩れ落ちてしまうため、立ち位置を調節したりする余裕はほとんどなく、立ち止まらずに次々に葉の上をジャンプして飛び移っていかなければならない。非常にスリリングで、最初のプレイではクリアにかなり時間がかかったが、それだけに成功したときの達成感は格別だった。

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終盤には坂道をノンストップで一気に滑り降り、道が切れているところを飛び越えていくという難所も出現。スピードがつきすぎて着地すべき足場を飛び越えてしまったり、途中でコースアウトして落下してしまったりと、かなり操作がシビアでスピーディかつスリル満点のアクションを楽しむことができた。

そのほか、暴風が吹いて飛距離の調節が難しいエリアや、非常に狭い足場を降りていくエリアなどのさまざまな難所が待ち受けている。非常に歯応えがあり、筆者も最初のプレイではクリアに1時間くらいかかってしまったが、2回目は一気にタイムを30分以上短縮することができた。操作に慣れればもっと短時間でクリアできそうだ。

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ちなみに、今回の体験版はメインストーリーのクリア後に追加予定のマップのひとつで、本編より難易度が高めになっているという。とはいえ、決して難しすぎず、かといって簡単すぎない適度な難易度になっているので何度でもチャレンジしたくなることだろう。ある程度進むごとにオートセーブが入り、やり直しのストレスがさほどないのもうれしい。一方、タイムアタックとなると失敗のプレッシャーは格段にハネ上がるはずで、極めつけの緊張感を味わえる。

今回は体験できなかったが、メインストーリーはボリュームが約3時間とコンパクトになっており、誰でも気軽に楽しめるようだ。もちろん、より短時間でのクリアにチャレンジするといったやりこみプレイも可能。そのためのルートを開拓していく面白さもあるので、やり応えは申し分なく、短時間ながら濃いゲーム体験ができることだろう。

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また、水彩画のような透明感のあるファンタジー世界も十分に魅力的だ。「忌み子」とはどういう存在で、主人公とはどのような関係なのか。なぜ、ふたりは地表を目指しているのか。そして、そこには何があるのか。謎に満ちた世界で展開されるストーリーにも大いに期待したい。

発売は2026年11月5日予定で価格は1,100円(税込)。3時間じっくりとメインのストーリーをプレイでき、タイムアタックもあって、この価格ならかなりお得感があるはず。シンプルながらスリリングなプレイを存分に楽しめるので、本記事でこのタイトルを知ったという人は、まずは10月16日に配信予定のこの体験版をプレイして、その魅力の一端に触れてみてほしい。

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CygamesEdgeのブランドプロデューサー・濱田修一郎氏にインタビュー

最初に述べたとおり、「崩落の国」はCygamesの新ブランド「CygamesEdge」の第1弾となるタイトルだ。「CygamesEdge」は小・中規模開発に特化し、自由な発想と機動力を活かして尖ったゲーム体験を届けることをコンセプトにしており、「Stay on the edge.(尖り続けろ)」をキーワードに掲げている。

そこで、「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」の開催中に、CygamesEdgeのブランドプロデューサーである濱田修一郎氏へのインタビューを会場にて実施。本ブランドの立ち上げの経緯や狙い、「崩落の国」が社内のコンテストから生み出されたこと、本作の開発の体制や見どころなど、いろいろ語ってもらった。

CygamesEdge ブランドプロデューサーの濱田修一郎氏 こちらはCygamesEdgeの「E」の文字を象ったEdgeポーズ
CygamesEdge ブランドプロデューサーの濱田修一郎氏
こちらはCygamesEdgeの「E」の文字を象ったEdgeポーズ

――まずはCygamesEdgeの立ち上げの経緯と、その意図を聞かせてください。

濱田:Cygamesは「ウマ娘 プリティーダービー」や「GRANBLUE FANTASY: Relink」など、大規模な開発体制のもと数年かけてユーザーの皆様に喜んでいただけるような最高のコンテンツを追求してきましたが、ここ数年ゲーム市場が顕著に変化してきていると感じております。プレイヤーの価値観や遊び方が多様化してきていて、ゲーム作りにもこれまで以上に柔軟な発想と変化に対応できるようなスピード感が求められるようになってきています。

CygamesEdgeは、そうした変化の中でCygamesが培ってきた開発力を背景に小・中規模のタイトルならではの機動力を活かして、ちょっと実験的だったり尖ったりしているゲーム体験に挑むために立ち上げた新たなゲームブランドになります。より多くの新規IPを生み出すには、従来とは異なる規模感やスピード感で作品を世に出すことが必要と考えていまして、将来的には大規模プロジェクトの影に埋もれがちなチャレンジングな企画や社内の若手クリエイターにもチャンスが回るような循環を生み出していきたいです。

――「Stay on the edge.(尖り続けろ)」という言葉をキーワードとして掲げられているのも、そうした理由からでしょうか。

濱田:CygamesEdgeとして何を大切にして、どこを目指すのかというところで、ブランドの方向性を端的に示す言葉が必要ということで考えたタグライン(ブランドの理念、価値観のこと)になります。ブランド名にある「Edge」には既存の枠におさまりすぎず、作品ならではの魅力をさらに研ぎ澄ましていくという意味を込めています。同時に、ただ尖ったものを作って終わりということではなく、変化する市場やプレイヤーの価値観に向き合いながら常に新しい表現や体験を模索し続けるという我々の姿勢を表しています。

CygamesEdgeはパブリッシングだけを担うブランドではありません。完全な内製、開発会社との協業、外部のパートナーを中心に開発を進めていただくなど、さまざまな体制を想定していまして、開発会社やクリエイターが持つビジョンと専門性を大切にしながら、最適な進め方をともに模索していく多様なIP展開を考えています。

――ブランドの立ち上げまでには、どれくらいの期間をかけられたのでしょうか。

濱田:構想が始まったのは2年ぐらい前ですが、小・中規模的なものもやっていかなきゃいけないよねという声はずっとありました。そのタイミングで、社内で行っているゲームコンテストがあったんです。

業務時間外に有志でチームを募ったり、個人で参加したりして一定期間内で自由にゲーム作りをする。それをみんなでレビューして優秀賞、最優秀賞を決めるみたいな社内の取り組みでして、そこで優秀賞を取ったのが「崩落の国」だったんです。社内でも好評で、これをベースにうまく商品化できないかみたいな話になりました。CygamesEdgeの構想はすでにあったので、だったら「崩落の国」をこのブランドの第1弾タイトルとして出そうということになったんです。

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――本作の開発はゼレオが手掛けられていますが、アイディア自体は社内から出てきたものだったんですね。

濱田:そうですね。ゼレオさんは以前私が担当していた別のプロジェクトで開発を担っていただいていまして、すでにコミュニケーションが取れていました。技術力の面でも彼らなら間違いないという確信がありまして、この企画を立ち上げるにあたってご相談したところ非常に前向きに乗ってくださって一緒に作ろうという話になりました。

役割としては、CygamesEdgeが企画・原案になります。「崩落の国」の原案を作ってコンテストで受賞した者もクリエイティブディレクターとして入っていて、レベルデザインも担当しています。あと、弊社側では一部のアートの担当と私がプロデュースとして入ってというような形で、それ以外の主な開発領域はゼレオさんに担っていただいています。我々Cygames側で常時入っているのは3、4名です。ゼレオさんも同じくらいでコアメンバーは10名弱ですね。

――CygamesEdgeの構想が始まったのが2年ほど前ということは、本作の開発期間も2年くらいだったのでしょうか。

濱田:構想が立ち上がったのはそうですが、企画として社内で稟議が通って、開発会社も決まってスタートしてからだと正確には1年5ヶ月ぐらいですね。本当は1年ぐらいでのリリースを目指していたんですが、ある程度完成してくると見えてくるものがあるといいますか、ここはもうちょっと詰めておいた方がいいよねとか、もう少しこういう風なことをやった方がいいよねといったところが出てきました。

CygamesEdgeの第1弾のタイトルで我々も丁寧に作っていこうという意識が強かったので、少し伸ばしてでもクオリティを突き詰めようということで今に至っています。

ただ、CygamesEdgeが掲げているコアバリューには「Speed & Agility」というものがあります。コンパクトで開発もスピード感よく作っていく。それによって変化する世の中の市場のニーズもキャッチアップできると考えています。

――若いクリエイターさんにとって、いい経験かもしれないですね。大きなタイトルは開発にかなり長い時間がかかるので完成までの経験をなかなか持てないみたいな話をよく聞きますし。

濱田:まさにその通りだと我々も考えておりまして、先ほども少し触れましたが、将来的には若手のクリエイターの活躍の場にできるような形も考えたいと思っています。もちろん、Cygames本体は引き続き最高のコンテンツを作るという目標のもと、大規模開発を並行して続けていきますが、若手の人材をうまく活かして、こちらで活躍してもらうことで成功体験を積んでもらうことはすごく重要だと思っています。

ゲーム開発は年々大規模化していて開発にかかる期間もさらに長くなっていますが、僕個人は割と作品に恵まれて、ちゃんと完成させてリリースさせていただくという経験を積み重ねることができました。やっぱりリリースして、お客様に触れていただいて、そこへのフィードバックを受けてっていうときが一番ドドっと経験値が入ってレベルアップできるんです。そこを若手のスタッフに体験してもらうのは、会社にとっても将来的にすごくいい資産になっていくんじゃないかなと考えています。

――今回、「崩落の国」をインディーゲームのイベントに出展された意図を聞かせていただけますか。

濱田:我々がインディーというのはおこがましいかなと正直思っていますが、Steamの市場を中心とした、個人開発のインディーからAAAまでがひしめき合う中での小・中規模というところをターゲットにしているので、その意味ですごくいい機会だなと思いました。

インディーのクリエイターさんたちとも交流できますし、こういった発表の場を設けること自体がCygamesEdgeにとってもCygamesにとっても非常に有益なものだと感じています。プロモーションもあまりお金をかけられなかったりするので、その意味でもありがたかったですね。もちろん、体験版の配信は予定していますが、そのちょっと前にクローズドでお客様の反応が見られるという点でも貴重な場になったと思います。

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――本編のプレイ時間を約3時間という、コンパクトな形にした狙いを教えてください。

濱田:先ほどの話と重複してしまうのですが、現代はゲーム市場の変化がすごく激しい時代になっています。世の中に手軽に楽しめるエンタメがあふれていて、僕自身もエンタメ大好き人間ですから配信のアレも観たい、コレも観たい、ゲームもやりたいと思っています。でも仕事もあるし、家庭もあるしという中で年々ゲームに割ける可処分時間が限られてきています。

それでも仕事柄いろいろプレイするんですけど、フルプライスのタイトルだとクリアまで20時間とか、やり込むならそれこそ50時間、100時間とか当たり前になっているじゃないですか。結果的にこうしたプレイボリュームがアピールポイントにならないユーザー層も一定数いらっしゃるのではないかと正直感じています。

でも、3時間であれば休日の半日ぐらいを使えばエンディングを見られます。エンディングまで見ると、ゲームをちゃんとクリアしたなっていう充足感みたいなものが得られるので、そこはメリットかなと考えています。

もちろん、長く作ろうと思えば作れるんですけれども、予算と期間が限られていますから要素としてはやっぱり薄くなってしまう。そうするぐらいだったら3時間にギュッと圧縮して、より濃密な体験をしてもらおうと。そのほうが、ユーザーさんにもメリットがあるんじゃないかと考えて3時間というボリュームにおさめました。

とはいえ、本編は世界観を重視していて3時間の中に起承転結があり、世界観やストーリーを楽しめるアクションアドベンチャーになっています。また、タイムアタックもできるようになっていて、ランキングなども用意しています。「あ、こういうルートもあった」とか「こういうショートカットがあった」みたいな感じで気に入った人が何回も遊べる形になっていますし、1回のプレイサイクル自体はとても短いので忙しい方でもリソースを費やせるのではないかなと思っています。

――メインストーリーが約3時間で、さらに高難度の追加コンテンツなどをいくつか出していくみたいな形になるのでしょうか。

濱田:はい。やっぱりボリュームを求められるお客様もいらっしゃいますし、3時間だと物足りないと思われる方もいらっしゃるかもしれない。ただ、降りるというアクション自体は、すごく研ぎ澄ますことができたと思っていますので、もう少し高難易度のものも作っていくのは全然アリだなと思っています。

今回遊んでいただいた体験版もそのひとつで、「降りていく」というゲーム体験に特化したアクション寄りの作りになっていてストーリー要素は含まれていません。現状では未定ですが、リリース後の反応や反響が良くて、もっとプレイしたいという声があれば、こうしたコンテンツをさらに追加していくことも十分にあり得るかなと思っています。

――「高所から降りていくアクション」にフォーカスした理由を聞かせてください。

濱田:先程お話しした、ゲームコンテストの原案者が作ったプロトタイプの時点で、ほぼほぼ今の形に近いものが出来上がっていました。タイトルも「崩落の国」と決まっていて、僕自身もこのタイトルを初めて見たときに「これは分かりやすい」、「つまりは降りていくんだろう、落ちていくんだろうな」と感心したのを覚えています。

尖った体験という部分で、どこかに一番強くフォーカスしなければいけないというのがありまして、それで選んだのがこの「降りていく」という体験になったわけです。

――いかにプレイヤーをビビらせるか、みたいなところも重要なポイントになっているのかなと思いましたが、その点はいかがですか。

濱田:高いところに立ったときの肝がヒヤッと冷えるような感覚ってあるじゃないですか。それをいかにこのゲームの中で出せるか。もちろん、どうしても人間ですから慣れてきます。実際、アルファ版ぐらいの時点で、30分ちょっとプレイできるレベルのものが出来上がってきたとき、もう慣れてしまってあんまり怖くないよみたいな声が出てきまして、これはなんとかならないかと開発チーム内でいろいろと議論しました。

ゼレオさんはアクションが得意な会社さんということもあって、アルファ版の時点ではもっと小気味いいアクションだったんですね。キュッキュッと小回りが効いて、ブレーキもしっかり効くみたいな精密なアクションだったので、けっこう細い足場とかでもピタっと乗れちゃったりするんです。そうすると、あんまり恐怖感が出ないんです。

そこからいろいろ試行錯誤した結果、ここをあえて生身っぽいアクション制御にしました。飛び降りて着地したときにちょっと滑ったりとか、ブレーキの効きが弱かったりとか。そうすることによって、レベルは変えていないのにちょっとゾゾっとするみたいなポイントがけっこう増えて、緊張感が強調されたものになったと思っています。

アート面でも工夫をしています。全体をガチガチのフォトリアルで作ると時間もコストもかかってしまうので、キャラや背景にちょっとアーティスティックな塗りのフィルターをかけているのですが、背景の奈落の部分までがっつりフィルターをかけてしまうと高さの感覚が急になくなってしまうんです。なので、そこはかけないようにしてあります。

最近のUnreal Engine(アンリアルエンジン)のゲームで見た目の良さを作るときは、少し被写界深度を浅くして背景をぼんやりさせるっていうのが定番なんです。ですが、このゲームと被写界深度はあまり相性がよくないので、被写界深度をあえて深くすることで奈落の高さや深さ感が強調されるように意識して作っています。見えそうで見えないほうがむしろ高さを感じられますからね。

――落下ダメージを消す「フラワーダイブ」も見どころのひとつになっていますが、このシステムを取り入れた理由を聞かせてください。

濱田:降りていくアクションにフォーカスする中で、何かひとつオリジナリティのあるコアアクションみたいなものがあるといいよねということで、企画チームといろいろ話し合って出来上がったものが「フラワーダイブ」というメカニクスになります。

どこに落とすかはある程度プレイヤーの自由で風の影響なども受けるので、投げた時に思ったところにいかないことも多々あると思います。でも、うまく落として着地できたら一気に難所を突破できるというパズル感みたいなものがあり、面白いポイントのひとつになっているかなと思います。

「CygamesEdge」ブランドプロデューサー・濱田修一郎氏にインタビュー!第1弾作品の高所からひたすら降下していく異色の3Dアクション「崩落の国」のレビューも【OIGS2026】の画像

――「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」での来場者のプレイはご覧になりましたか?

濱田:少し拝見させていただきました。社外の人にプレイしてもらうのは初めてなので真剣にプレイしてくださっているのを見て、すごくうれしく思っております。

――リリース後には突拍子もつかないやり方で、とんでもないタイムを叩き出すユーザーさんもいると思いますが。

濱田:そこは我々も楽しみにしているところのひとつです。あまりにこちらの意図しないところでのショートカットはデバッグの段階で削っていますが、それでもお客様が我々の思いもしなかったようなルートを発見してしまう可能性は十分あると思いますし、私自身もそういうのは歓迎です。

原案者はレベルデザイナーなので、やはり作った意図通りに進んで欲しいというのがあるようです。ただ、リアルタイムアタックはバグ技ありきのところもあって、それでコミュニティが盛り上がっていくこともあるので、「そんなの邪道だ」とか言うつもりはまったくないですし、見つけてもらえるならありがたいくらいに思っています。

――ちなみに、現在CygamesEdgeさんでは、本作を含めてどのぐらいのタイトルが動いているのでしょうか。

濱田:具体的な数は言えないですが、コンパクトながら尖りのある作品をコンスタントに提供していきたいと考えていまして、すでに複数本のタイトルが並行して動いています。ゲーム開発は何が起こるかわからないので確約はできないですが、目標としては年に2本か3本くらいのタイトルをコンスタントにリリースしていければいいかなと考えています。

――今回は3Dアクションですが、他にもいろいろなジャンルのゲームがリリース予定と考えてもよろしいでしょうか。

濱田:もちろんです。CygamesEdgeのコアバリューのひとつに「Creativity & Reach」という、広くいろんなタイプのゲームを出していこうという考え方があります。Cygames本体の方は王道の大規模タイトルで全方位に対してクオリティを突き詰めていくという戦いをしているのに対して、CygamesEdgeは同じように最高のコンテンツを目指しますが全方位ではなく、どこかに尖りを見つけてそこをターゲットとしているお客様にとっての最高のコンテンツを目指していこうと思っています。ですので、Cygames本体ができないところをCygamesEdgeで補完するという形が取れていければ、すごくいいかなと考えています。

――最後に「崩落の国」とCygamesEdgeに期待しているファンの方々にメッセージをお願いいたします。

濱田:「崩落の国」は地表を目指して降りていくというシンプルでありながら緊張感のある体験を突き詰めた作品です。足場を見極めて、風を読んで、落下を制御する独自のアクションを思う存分楽しんでいただきたいです。CygamesEdgeの第1弾タイトルとして皆さんの期待を超えられるように最後まで丁寧に作り込んでいますので、2026年11月5日の発売を楽しみにしていてください。

価格は1,100円(税込)になります。本編が3時間でこのボリュームで、この価格だったらちょうどいいよねというところでうまくバランスを取れたんじゃないかなと思っています。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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