集英社ゲームズより、2026年10月30日にPC(Steam)にて早期アクセスを開始予定の探索アドベンチャーゲーム「ATMOSFAR」。本稿ではプレビューをお届けする。
スウェーデンのApog Labsが開発を手掛けている本作は、直近の発表によるとウィッシュリスト登録が30万件を突破しており、かなりの注目作と言える作品だ。当初は2026年5月に早期アクセス開始が予定されていたが、品質アップのためにリリースが後ろ倒しになっており、今か今かと発売を待ちわびていた人も多いだろう。
今回、この注目作を早期アクセス前にいち早くプレイする機会をいただくことができた。この記事では期待高まる「ATMOSFAR」について、ソロプレイ視点から紹介する。
空の世界が舞台のサバイバルクラフト!
延々と広がる果てしない空に、無数の島々が浮かぶ神秘の惑星タイコス。
そんな美しい惑星の片隅にPACEの強制労働施設はあった。PACEはタイコスへの入植事業を行っている団体だ。人類の繁栄と幸福を謳うPACEだが、その意志に背く反乱分子を捕らえて強制労働を強いていた。
そこに囚われて2017日。プレイヤーは今日もまたスクラップの解体作業を行っていた。終わるはずのない解放までのノルマを課せられたプレイヤーにできることは、ただただ仕事をこなすことだけだ。

だがそんなとき、突如空が異様な雲に包まれ赤い稲妻が降り注ぐ異常気象が発生。恐ろしい状況だが、これによって監視ドローンも、脱出を阻む隔壁も、すべてシャットダウンしたようだ。
逃げるならば今しかない!
プレイヤーは施設を抜け出して停泊していた小型飛行艇「ワスプ」を奪い、広い空へと飛び立ったのだ。

「ATMOSFAR」は、こうして強制労働施設から逃げ延びたヴァガボンド(漂流者)となって、惑星タイコスを探検していくゲームだ。
惑星タイコスはオープンワールドで表現されており、広大な空で繋がる島々を自由に探検可能だ。遠景まで描かれる空の世界のルックスはかなりのもので、しかも、遠くに見える島も基本的に探索が可能というのが本作の魅力となっている。
ちなみにこのゲームは最大4人までのマルチプレイにも対応しており、友人たちと空の冒険を楽しむこともできる。

さて、着の身着のままで強制労働施設から逃げ出したプレイヤーだが、作業中だったためスクラップを解体する抽出ツールを持ち出せたのは幸運だった。
空の島々には打ち捨てられた数々のPACE設備、あるいは手つかずの自然が残されている。そこを巡ってスクラップを解体して資材を集めれば生活基盤が整えられるというわけだ。このゲームでは物語の最序盤で手に入るクラフトテーブルを使えば、資材を加工してアイテムや別の資材へと変換したり、さらなる設備を製造したりできる。
オープンワールドを探索し、資材やアイテムを集めて拠点を整えていく。俗に言うサバイバルクラフトと呼ばれるゲームスタイルが、このゲームの基本となっている。

少しユニークなのが電力の概念で、資材の採集を行う抽出ツールや修理を行う溶接ツール、原生生物や警護ドローンといった敵対NPCと戦うためのスタンガンなど、ほとんどのツールの使用に電力というコストが必要だ。
ただ、この電力は太陽電池により回復が可能となっている。少し時間はかかるものの日中であればいくらでも使用が可能だ。

ただ、夜間や屋内だと話が変わってくる。発電ができなくなり、ツールを使用するとすぐに電力が枯渇してしまうのだ。
特に敵対ドローンは厄介で、スタンガンで拘束後抽出ツールで分解しなければすぐにHPを全回復して復活してしまう。しかもドローンは基本的に放棄された施設、すなわち屋内を徘徊している。屋内はある程度許容できるにしても、夜間の探索はできる限り避けなければ、命がいくつあっても足りない。(もっとも、このゲームはやられても鞄の中身を落としてリスポーンするだけではあるが)

夜間や屋内で活動するためには日中にバッテリーを生産しておく必要がある。あるいは夜間は探索を諦めて拠点に帰る選択も必要だ。
飛行艇「ワスプ」を中心とした探索システム
しかし、このゲームで探索する島の規模はかなりのものだ。最初に着陸する島ですら徒歩で回るのは厳しいレベルとなっている。夜間に備えて拠点に戻るスタイルではいつまでたっても探索を終えることは難しい。
というか、そもそもこのゲームは浮島を巡るゲームである。戻るという行為そのものが非常に面倒な仕様なのだ。でも安心してほしい。このゲームは探索の足となる乗り物、最初に基地で奪ったワスプがめちゃくちゃ便利な仕様になっている。

ワスプはフライトシミュレーターのように自由に操縦可能な小型飛行艇で、加えてどんなところにでも着陸可能だ。もちろん変なところに降りればひっくり返ったり、滑落してしまったりはあり得るが、ワスプを使えば空から探索すべき施設や鉱脈を見つけることもできるし、直接着陸してそのまま探索に移ることだってできる。
さらにワスプにはキャンプをまるごと運搬できる機能が備わっている。キャンプに設置したクラフトテーブルや調理台、テントや研究デスクといった設備はすべてキャンプハブと呼ばれる装置に紐づけされており、これを担ぐと設置した全ての設備がそのまま移動できる。そしてこのキャンプハブをワスプに積み込めば、着陸先でもすぐにキャンプが展開できる。
しかも、ワスプは施設に据え付けられた発着場にボタン1つで呼び寄せることも可能だ。発着場は探索する施設に必ず設置されており、ワスプを停めた場所にわざわざ戻る必要すらない。

つまり、このゲームにおいて拠点は移動可能なものであり、拠点ごと移動して探索を進めることが基本スタイルになるというわけだ。これならどれだけ広い世界であっても、不自由無く探索することができる。
さらに言えばこのゲームには空腹度の概念は存在しない。探索を急ぐ必要はなく、かなりストレスフリーなゲームとなっている。ゆったりと自分のペースで空を飛び回り、島々を探索して回るのはかなり楽しい。
ワスプの操作は簡略化はされているものの、風や天候の影響がしっかりあるので、この島の自然のリアルさと、自然の中を飛んでいる感覚をしっかり感じさせてくれる。

ただ、注意してほしいのがワスプには燃料が必要ということだ。
燃料がなくなれば当然飛ぶことはできない。自由な探索はおろか、下手をすれば墜落の可能性もありえる。当てもなくただただ飛び回っているだけでは、燃料切れによってジリ貧になってしまうわけだ。島々を飛び回ることが主眼のゲームゆえに、燃料がほかのサバイバルクラフトでの空腹度のように作用してくる。
燃料は探索で拾うほか、資材の1つである水素結晶を使って生成できる。燃料の残りを考えて探索を進めるのがこのゲームの第一歩だ。
また、ゲームを進めると敵対NPCがワスプを運転しているプレイヤーに襲いかかってくるようになってくる。ワスプは部位ごとにダメージが計算されるようになっており、故障も発生する。ワスプの修理にもさまざま資材は使うので、ゲームを進行すると燃料だけでなく修理部材の確保も必要というわけだ。

もちろん、サバイバルクラフトには欠かせないビルディング要素もこのゲームは用意している。
ゲームを進めるとワスプの収容、離発着が可能な大型船「クラウドクルーザー」が手に入り、ワスプの燃料では渡れない長距離の移動が可能になる。
なんとこのクラウドクルーザーはブロックやパネルなどのパーツで構成されており、プレイヤーが自由に組み換え可能になっている。外見はもちろん、内部構造も含め造船ができるのだ。またクラウドクルーザーにはキャンプには建てられない上位設備も設置可能で、まさに空飛ぶ拠点として活躍する。

さらに、ワスプにも運搬タイプや戦闘タイプといった別タイプも登場し、できることの幅が増えていく。
例えば運搬ワスプで鉱脈から大型の鉱石を母艦へと運び入れて資材をがっぽりゲットしたり、戦闘ワスプで危険な空中機雷を除去したり……といった具合だ。

ワスプと、それを収容できる空飛ぶ移動拠点クラウドクルーザー。これを中心とした探索がこのゲームの最大の持ち味となっている。
惑星タイコスの秘密に触れられるのはまだ先!開発を待とう!
ここまで空の冒険の魅力を語ってきたが、一旦話をゲーム序盤に戻そう。
強制労働施設から逃げ出したプレイヤーのもとに1本の無線通信が入ってきていた。どうやらこの惑星にはプレイヤー以外の漂流者が存在しているようで、彼らから接触があったのだ。
こうして無線の主を探すのが最初の大きな目標になる。このゲームにはこうした明確なストーリーラインが存在し、物語は主人公の脱出のきっかけとなった異常気象調査に秘められた謎に迫っていくこととなる。

残念ながら早期アクセス初期の現在はストーリーの全ては実装されておらず、途中で中断となってしまう。どうやら物語では惑星タイコスの秘密と、過去に起きた大きな事故を追うことになるようだ。なぜ島々に建設された設備は廃棄され、ドローンだけが行き来する場所になってしまったのか? 異常気象の正体は? 惑星タイコスは人類繁栄の基盤となれる場所なのか? といったさまざまな謎が描かれていくようだ。
あくまで現状は早期アクセス。そこは理解して購入してほしい。
ただ、ストーリーミッションを進めることで、新しいツールや飛行艇が手に入るようになっているのは本作のいいところではある。何の説明もなく放り出されがちなサバイバルクラフトとしては珍しく、導線が設けられていることで遊びやすいゲームになっている。

しかし、それでもなお説明不足なところが多いと感じたのも正直なところ。これは今後の改善にも期待したい部分である。また、不具合も相応に残っており、プレイしていれば、どこかしらで不具合に苦しめられることもあるだろう。早期アクセスのサバイバルクラフトらしいとも言えるが、まだまだこれからに期待したいところだ。
だがそうした部分を体験してもなお、飛行艇を中心とした探索にはこのゲームならではの面白さがあった。今後のアップデートに期待したいゲームであることは間違いない。
広い広い空を、飛行艇を駆使して探検する。このロマン溢れる要素に惹かれた人にはぜひ早期アクセス開始後すぐにこのゲームを手にとって欲しい。早期アクセス初期の段階であっても、このゲームの良さはしっかりと感じられるはずである。
「ATMOSFAR」は2026年10月30日、Steamにて2,980円(税込)で早期アクセスを開始予定だ。
(C) 2025 Apoapsis Game Laboratories AB / SHUEISHA, SHUEISHA GAMES
ATMOSFAR(TM) is a trademark of Apoapsis Game Laboratories AB.
※画面は開発中のものです。
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