アメリカ・ロサンゼルスのLAコンベンションセンターにて2012年6月5日~7日(現地時間)まで開催された「E3 2012」。スクウェア・エニックスブースでは、「ヒットマン アブソリューション」についてのデモンストレーションや、ディレクターを務めるTore Blystad氏へのインタビュー機会が得られた。
「ヒットマン アブソリューション」は、伝説の暗殺者としてその名を知られた男「エージェント 47(フォーティーセブン)」として、過酷な任務をこなしていくステルスアクションゲーム。本作では、47にとって最も親しい友でもあるダイアナを暗殺するという、衝撃的なシナリオから物語がスタートする。
今回のデモンストレーションでは、チャイナタウンと呼ばれるステージで、ターゲットを暗殺する方法の一部を垣間見ることができた。残念ながらその模様は撮影禁止となっていたのでデモの画面をお届けすることはできないのだが、ターゲットを大胆に銃殺したり、車と一緒に爆殺したり、屋台の食べ物に毒を仕込んで事故に見せかけるなど、前回のインタビューと内容は違うながらも、プレイスタイルでゲーム性が変わることをしっかり感じ取れた。
また、インタビューではどういったストーリーが展開するのか少しだけ聞くことができたほか、開発時の苦労点、こだわりついても伺ってきたので、その内容をお届けしていこう。
――本作のストーリーは47がダイアナを殺害するところから始まりますが、その後の展開はどうなるのでしょうか。
Blystad氏:47は基本的に感情がないキャラクターとしてこれまでやってきたんですが、今回はパーソナルストーリー、47の心情に焦点を当てたようなストーリー展開をしていきたかったので、感情のない彼にも唯一の接点があったダイアナを最初に殺すというミッションを入れることで、みなさんに感情移入してもらえると思いましたし、47に人間味が出せるかなと考えました。そういったスタートから、ダイアナの最後に頼まれごとをするのですが、それを達成するために旅に出るという始まり方になっています。
――では47の内面的な部分もストーリーで垣間見ることができるのでしょうか。
Blystad氏:ゲームをプレイしていけば47のそういう気持ちを知ることができますが、設定的に47は感情を表に出さないキャラなので、どういう風に表現していくかが難しいところでした。なので彼の内面も多少なりとも分かる部分はあるのですが、どちらかというと47の周囲にいる人物たちを通して、彼の心情を説明していくような表現方法になっていると思います。
――デモンストレーションではチャイナタウンが舞台になっていましたが、現地には取材に行ってきたんでしょうか?
Blystad氏:プロジェクトの最初の頃に、写真を撮ったりするために行きました。シカゴにも行きましたし、デモの1つにあるストリートホープという場所にも行ってきました。ゲーム内に同じ場所があるわけではありませんが、色んな似たような街を組み合わせて現在のようなステージになっています。
実際に撮影した写真を参考にしていますが、本作を作る上で現実に似せることはそれほど重要ではないので、ゲームとしていかに楽しく、そしてドラマティックなステージを作れるかに焦点を置いています。なので写真はステージを作る上で参考にした程度で、現実世界を描写して作っているわけではありません。
――デモのステージにはかなりの数の群衆がいましたが、あれを表現するのはやはり大変でしたか?
Blystad氏:それを表現するために、クラウドコントロール、クラウドシステムを使って、群衆をどれだけうまく自然に配置したり、動かせるかというのは、技術的な挑戦でした。昔のゲームでもこのクラウドシステムはあったんですが、その時はもっと単純でシンプルなものでしたね。今回はたくさんの人数を1つのスクリプトで動かしているわけではなく、個々のAIが勝手に考えて行動しているので、ホットスポットと言われる移動しやすい場所はありますが、いつどのタイミングで行くかはその時の環境や、ほかのNPCとの関わりによって変わってきます。パターンも決まっていませんので、そういったシステムを構築するのはすごく難しかったです。
――ステージに登場するキャラクターすべてにAIが入っているのでしょうか?
Blystad氏:メインのNPCにAIは入っていますが、何百、何千といる市民は全部AIというわけではありませんが、全員がそういう風に動いているように見せる、統括したAIがあります。例えば食べ物屋の前で何かをくれと言っているように群衆が動いていたり、街中を歩き回っている人はとあるルートを回るような仕組みになっていますが、その時々によって、広場にもっと人が欲しい状況になれば誰かがそこに行くような設定があり、それらの設定に沿ってNPCが動いています。歩き回っている人もずっと歩いているだけじゃなく、時々立ち止まってどこかを見たりする要素を入れているので、自然に動いているようになっています。
また、インスティンクトのボタンを押すと47の周囲にいる人が少し白く光るんですが、これはブレンディングというスキルで、警官に見つかりそうなときなど、この人たちの周りにいて隠れているということを表しています。ほかにも、お寿司を売っている屋台でHide(英語版なのでHideという表記だが、隠す、見れなくするなどの意味)のボタンを押すと、あたかも寿司を注文している人のように見せかけ、近くを警官が通っても注意が向かないようにすることができます。
――そういったプレイヤーが関われるオブジェクトはステージにどれくらいあるのでしょうか?
Blystad氏:まだ最終段階のロムではないので具体的な数は把握していませんが、本作はこれらのオブジェクトにどれだけ関われるかで面白さが変わってくると思うので、相当な数を用意しています。僕でもまだプレイしている途中に「こんなものも触れるのか!」と発見することがあるぐらいです。
インスティンクトを使うと、47が触れるアイテムは黄色く光るので、何がどこにあるかを探しながらプレイできますし、物によってはこういう風に使えばいいよ、と分かりやすく表示されているものもあります。逆に全く使い道が分からないものもいっぱい落ちていますので、各オブジェクトをどう使えばいいのか自分で探ってもらうのもいいかなと思います。
また、触れるアイテムにもいろんなタイプがあります。例えばレンガを手にしてそれで人を殴って殺すことも可能ですが、レンガを持っていても周囲の人は47が武器を持っているという認識ではないので、特に騒がれることはありません。ですが銃を持って歩き回っていると、すぐに民衆や警官が集まってきますので、使い方だけでなく、何を所持するのがいいかも重要になってきます。もちろんレンガでも銃でも人を殺せますが、ほかの手法を使ってもいいので、どうやってターゲットを始末するかはすべてプレイヤーのチョイスによります。
殺し方のひとつには、屋台を回ってご飯を食べているターゲットがいたとき、フグの毒を入手して食べ物に仕込んでおくと、アクシデントを装って、怪しまれることなく毒殺することも可能です。
――5つの難易度が用意されていますが、難易度が高くなるごとにゲーム内のヒントが消えていく感じでしょうか?
Blystad氏:そうですね、一番難しいものだとヒントが全部消えたりします。ノーマルであればインスティンクトをずっと使っていることも可能ですが、難易度が高くなるとインスティンクトを使用している間、必要なゲージが徐々に減っていくので、常にインスティンクトを使って調べられる状況ではなくなってきます。
このゲージはプロフェッショナルな行動をしなければたまりませんので、ゲージがなくなると何をしていいか分からないような状態になりますので、試行錯誤が必要になってくると思います。あとは登場する警官の人数が追加されていたり、警官が取る行動パターンも変わってきますので、ほかの行動を考える必要性が出てきて、難易度によって違うプレイを要求されると思いますね。
――47が銃を持っていると警官や群衆が怪しまれますが、その怪しむレベルも高くなったりするのでしょうか?
Blystad氏:難易度を上げると警官も気づきやすくなりますし、撃ち合いになった時の銃撃の精度も上がります。開発としては、難易度を高くしたとき単に簡単になったり難しくなるだけではなく、レベルによって違うゲームをプレイしているのではないかと思えるような、毎回違った体験ができることを目指しました。
――ほかにも難易度による違いはあるのでしょうか。
Blystad氏:まだ調整中なので確定ではないのですが、一番難しい難易度にした場合、ミニマップや銃の弾数といったUIをすべてなくしたいと思っています。例えば弾が6発入った拳銃を手に入れて、何発か撃っても残りの弾数がいくつかという情報が出ないようなことを実現したいと思っています。
――本作のタイトルにもある「Absolution」には“完全な”といった意味合いがありますが、本作がシリーズのラスト、もしくは何かの節目となるのでしょうか?
Blystad氏:本作は47がダイアナに託された願いを達成するためのストーリーが展開していくので、そのお願いを必ず達成していくという決意のようなものがAbsolutionに含まれています。そのため、ダイアナのお願いをAbsolutionに達成していくという意味合いでこのタイトルが付いています。
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※画面は開発中のものです。
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