ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンは本日9月19日、東京・品川インターシティホールにて「SCEJプレスカンファレンス」を実施、PSプラットフォームの展開発表や、サードパーティの新作タイトル紹介などを行った。
カンファレンスではまずはじめに、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)プレジデント 河野弘氏と、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)代表取締役社長兼グループCEOのアンドリュー・ハウス氏が登壇し、それぞれ挨拶を行った。その中でハウス氏は、現行のPS3の機能はそのままに、さらなる小型・軽量化を行った新型PS3を発表した。
この新型PS3は、本体各部の構造が見直され、初期モデルと比べて50%以下、現行モデルと比べても25%の小型・軽量化を実現しているという。さらに価格は据え置きながら、HDD容量を160GBモデルは250GBに、320GBモデルは500GBに拡張することも明らかにした。カラーバリエーションは2色用意されており、チャコール・ブラックの250GB、500GBモデルが10月4日より、クラシック・ホワイトの250GBモデルが11月22日より発売となる。ちなみに欧州では、フラッシュメモリ12GB搭載モデルが用意されている。
続いては、PlayStation Mobile(以下、PS Mobile)の展開について。PS Mobileはクロスプラットフォーム、クロスデバイスをキーワードに、プレイステーション専用デバイス以外にもプレイステーションの世界を展開するSCEの新たな取り組みだ。10月3日からは、PlayStation Store(以下、PS Store)にてPS Mobileのコンテンツが9カ国で配信される。日本では50円から850円までの価格帯でタイトル提供が予定されているとのこと。
また、ソニー以外の製品でPS Mobileを正式にサポートする“プレイステーション サーティファイド”については、すでに参入しているHTC、ASUS、WikiPadに加え、新たにSHARP(シャープ)、FUJITSU(富士通)が参入することが発表となった。
この後は、現在PlayStation Network(以下、PSN)でPS3向けに提供されているサービス、PlayStation PlusがPS Vitaでも2012年11月よりサービスが開始されることが明かされた。これにより、PS Vitaユーザーはゲームの無料プレイや、コンテンツ購入のディスカント適用などの会員特典を受けることができる。すでにPS3で同サービスに加入しているユーザーや、PS Vitaで加入したユーザーは、追加料金を支払うことなく両プラットフォームでPlayStation Plusを楽しむことができるという。
この後は、SCEが以前にクラウドゲームサービスの技術を開発・提供するGaikaiを買収したことに触れられ、Gaikaiの持つ技術や人材を活用して、新たなクラウドサービスを立ち上げてさらにPSNを拡大していくと語られた。これによりハウス氏は、ユーザーにゲームを届ける方法や、遊び方そのものまで変えるような今までにない楽しみ方を提案し、ゲーム専用機としての可能性をさらに広げていきたいとした。
また河野氏からは、「みんなのGOLF」シリーズ15周年を記念して、新型PS3のクラシック・ホワイトの発売日に、新型PS3の250GBモデルと「みんなのGOLF6」をセットにしたスターターパックを発売することが発表された。価格は25,980円(税込)と、通常の250GBモデルにプラス1000円で購入できるというお得なセットになっている。
ほかには、今年の年末商戦に向けたものを中心に、PS3のラインナップとして、下記のタイトルが紹介された。
・「バイオハザード6」10月4日発売(カプコン)
・「テイルズ オブ エクシリア2」11月1日発売(バンダイナムコゲームス)
・「コール オブ デューティ ブラックオプスII」字幕版 11月22日発売、吹き替え版 2012年発売予定(スクウェア・エニックス)
・「真 北斗無双」12月20日発売(コーエーテクモゲームス)
・「龍が如く5 夢、叶えし者」2012年12月発売(セガ)
・「みんなのGOLF 6」11月22日発売(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
・「スポーツチャンピオン」11月29日発売(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
・「プレイステーション オールスター・バトルロイヤル」今冬発売(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
また会場では、一風変わったゲームシステムを持ったタイトルとして、本物のギターをコントローラに使うギターゲーム「ロックスミス」(ユービーアイソフト、10月11日発売)と、Wonderbookと呼ばれる専用の本とPlayStation Move、PlayStation Eyeを用いてプレイする「ワンダーブック:ブックオブスペルズ」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)のデモンストレーションが行われた。河野氏は「どちらもPS3に今までなかった、夢が広がるタイトルです」と期待を寄せていた。
さらにPS3のホームエンタテインメントとしての楽しみ方として、30日間1480円の定額制音楽サービス「Music Unlimited」や、ストリーミング映像配信サービス「Hulu」、自宅でオンラインカラオケができる「JOYSOUND DIVE」の紹介も行われた。「JOYSOUND DIVE」については、年内に採点機能や全国ランキングの対応も予定されているとのこと。そのほか、「torne(トルネ)」と「nasne(ナスネ)」についても改めて紹介が行われた。
続いては、PSPの展開について。PSPは発売から9年目を迎え、近年では小中学生向けのタイトルが増えてユーザー層が広場っているというが、その動きを加速させるため、価格改定が行われることが発表となった。改定は明日9月20日から実施され、価格は13,800円(税込)となっている。そしてバリューパックも用意されており、こちらはプラス1000円の14,800円(税込)とお得な価格設定となっている。
年末商戦に向けたタイトルには下記のようなラインナップも控えており、河野氏は「新しい価格と迫力満点のタイトルで、PSPの世界にも新しいファンが増えてくれると信じています」とコメントした。
・「ワンピース ROMANCE DAWN ~冒険の夜明け~」12月20日発売(バンダイナムコゲームス)
・「ファイナルファンタジーIII」9月20日発売(スクウェア・エニックス)
・「SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド」9月27日発売(バンダイナムコゲームス)
・「ダンボール戦機」10月18日発売(レベルファイブ)
・「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2013」11月1日発売(コナミデジタルエンタテインメント)
最後はいよいよPS Vitaの展開へと移り、これまでの取り組みと新たなニュース、新作タイトル情報の3つに分けて発表が行われた。まずこれまでの取り組みについては、現在パッケージ版が65タイトル、ダウンロード専用を含めると91タイトルが提供されており、インデックス(アトラス)の「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」や、セガの「初音ミク -Project Diva - f」などが大きくヒットしたとコメント。
また、PS Vita初となる本格フリートゥプレイタイトルであるセガの「サムライ&ドラゴンズ」も人気を博しており、3Gとの親和性の高さなどをアピール。同タイトルは「PS Vitaでのフリートゥプレイの今後の可能性を示してくれました」と語った。現在はNTTドコモ主催による、3Gの新規契約や継続によるプレゼント企画が実施されていることについても触れられた。
8月28日からはPS Vitaが「ゲームアーカイブス」に対応し、初代プレイステーション規格のゲームが楽しめるようになっており、その対応日から9月18日までにゲームアーカイブス全体で約18万ダウンロードを記録するほど好調だという。
こうした取り組みだけでなく、PS Vitaではほかのプラットフォームと連携することで実現する新しいゲーム体験にも力が入れられている。PSPとPSPユーザー、あるいはPSPとPS Vitaユーザーがプラットフォームを超えて協力・対戦する「Cross-Play(クロスプレイ)」をはじめ、PS Vitaをコントローラとして使ってPS3のゲームを遊ぶ「Cross-Controller(クロスコントローラ)」、PS3とPS Vitaのセーブデータを双方で共有し継続してプレイできる「Cross-Save(クロスセーブ)」、ダウンロードしたコンテンツをPS3とPS Vitaの両プラットフォームで楽しめる「Cross-Goods(クロスグッズ)」、PS3とPS Vita両方で発売されるタイトルのうちどちらか一方を購入するともう一方のタイトルを特別価格で購入できる「Cross-Buy(クロスバイ)」などがある。
会場ではこれらのうち、クロスコントローラ機能について「リトルビッグプラネット2」を使ったデモンストレーションが行われた。
そのほか、タイトル制作の門戸を広げる試みとして、角川ゲームスと共同で実施する「Project Discovery(プロジェクト ディスカバリー)」についても触れられた。
この後は新しいニュースとして、まず新本体色としてコズミック・レッドとサファイア・ブルーが11月15日に発売されることが明かされた。これによりPS Vitaの本体色は4色となる。
また新しいアプリについて、ニコニコ動画に生放送を配信する機能が2013年に追加されることも発表となった。会場では開発中のデモとして、カンファレンスの模様を生放送で配信している様子が披露された。PS Vitaでの生放送は、ワンボタンで全面と背面のカメラを切り替えたり、3G通信を利用して移動しながらの実況などを実現できるのではないかという。
さらに10月中旬より、「Reader Store」でのコミック配信がPS Vitaでも対応される。会場では河野氏が実際にPS Vita上でコミックを読み進め、タッチによるページ送りだけでなく、縦持ち(縦表示)に対応しているところや、縦持ち時のLボタンによるページ送りなど、有機ELによる画面の美麗さだけでなく操作性をアピールした。
最後はタイトル情報となり、はじめに「コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド」がスクウェア・エニックスより2012年12月に発売されることが明かされた。
続いては、comcept代表取締役社長/コンセプターの稲船敬二氏が登壇し、同氏が手掛ける「ソウルサクリファイス」の情報が公開された。まずは、これまで今冬としていた発売日が2013年春に変更されることが明かされた。稲船氏は発売時期の延期について、ゲーム内容をもっとよくしたいのが理由で、単純に開発が遅れているからではなく、東京ゲームショウなどで試遊した人たちから寄せられた意見を取り入れていきたい話す。
発表はこれだけでなく、当初予定されていた発売時期の今冬には、体験版が配信されることが決定した。稲船氏は「ゲームをプレイしていただいた方からたくさん意見をもらいたい」と述べた。
次いでマーベラスAQLのはしもとよしふみ氏が登壇し、新作タイトル3つを発表した。1つめは「ヴァルハラナイツ3」で、発売は2013年初頭の予定となっている。「ヴァルハラナイツ」はPSPで誕生したタイトルだが、今回満を持してPS Vitaにステージを移しての発売となる。
ゲームとしては原点回帰の思いが込められているようで、繰り返しプレイヤーをカスタマイズして敵にチャレンジするという魅力を突き詰めて制作しているとのこと。会場ではスクリーンショット3点が公開され、フィールドや戦闘画面のほか、大人な空間が用意されていることが明かされた。この大人の空間についてはしもと氏は「男性には喜んでもらえる、かなり過激なタイトルになっています」とコメントした。
2作目は2013年2月28日に発売となる「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女たちの証明-」。PS Vitaでは「閃乱カグラ」の新しいシリーズとして展開していきたいとしており、「『閃乱カグラ』をご存知の方なら分かると思いますが、いろんな部分での展開にチャレンジして制作していきます」と語った。
最後となる3作目は、2013年3月28日発売となる「朧村正」。本作はWiiで発売された、和の世界が特徴のアクションゲームだ。和の部分は中間色が多くて発色が難しいと言うが、PS Vitaでうまくグラフィックを表現しているようで「美麗なところを改めて実感してほしい」と自信を見せていた。本作では追加コンテンツも計画しているようで「一度プレイした人も新たな気持ちでプレイしてください」とした。
この後は、コーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏が登壇。PSプラットフォームの完全新規プロジェクトとして「討鬼伝」を2013年に発売予定であることを発表した。本作は「無双」シリーズでお馴染みのω-Forcdが開発を手掛ける、和と歴史をキーワードにしたアクションゲーム。異形の敵である鬼との死闘を描いた、新たなシリーズになるという。発売はPS VitaとPSPの同時リリースとなり、クロスプラットフォームでのマルチプレイにも対応するとのこと。
次はバンダイナムコゲームス 第2事業本部 第1プロダクション ゼネラルマネージャーの稲垣浩文氏が登壇。まずは「ガンダム」ゲームシリーズについて、1995年にPS用ソフトとして発売された「機動戦士ガンダム」から、9月27日発売となるシリーズ最新作「SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド」など、同シリーズの歴史を大まかに振り返った。
その「ガンダム」ゲームの常識を覆すタイトルとして、PS3とPS Vita向けに“破壊”をテーマにした新作「ガンダムブレイカー」を2013年に発売することが明かされた。モチーフはガンプラとなっており、ガンプラだからこそできる、今までの「ガンダム」ゲームの枠にとらわれない遊びを実現していきたいとした。
会場ではそのための一部要素も公開された。登場する機体はプラモデルなので腕などのパーツにこだわって制作しているほか、戦場はこれまで世界観やストーリーの再現を重視してきたが、ガンプラなのでジオラマで戦うといった特徴があるという。原作のシチュエーションも再現されるようだが、お台場に等身大ガンダムが設置されたように、ダイバーシティ東京の前で戦闘するといったことも可能になるとのこと。
またスケールについても、ガンプラにいくつかある144分の一、100分の一、60分の一といったサイズの違いを活かし、例えば144分の一ガンダムで60分の一ガンダムに挑むといった、迫力ある戦いも考えているようだ。現在は公式サイトとTwitterが公開されているので、そちらもチェックしてほしいと締めくくった。
同じくバンダイナムコゲームスからは、第1事業本部 第2戦略ディビジョンマネージャー/マネージャーの富澤祐介氏が登壇。挨拶のあとすぐにプロモーション映像が公開され、「ゴッドイーター2」がPS Vitaでも発売されることが判明した。発売日は依然2013年としているが、PSPとPS Vitaの2機種同時発売が予定されている。
両機種間でのクロスプレイが可能なほか、PS Vita版でもアドホック・パーティー経由の通信プレイに対応される予定だ。PS Vita版の特徴としては、ハードの性能を活かしたグラフィックと、ハードに合わせた操作性が最適化されているという点があるが、それ以外はストーリーなど同じ内容、ボリュームとなっている。
最後には河野氏が再度登壇し、PS Vitaで発売されるサードパーティタイトルのラインナップ情報や、東京ゲームショウでの出展内容を紹介してプレスカンファレンスを締めくくった。
・「イース セルセタの樹海」9月27日発売(日本ファルコム)
・「地球防衛軍3 PORTABLE」9月27日発売(ディースリー・パブリッシャー)
・「零の軌跡 Evolution」10月18日発売(角川ゲームス)
・「FIFA13 ワールドクラスサッカー」10月18日発売(エレクトロニック・アーツ)
・「ダンボール戦機W(ダブル)10月18日発売(レベルファイブ)
・「ストリートファイター×鉄拳」10月25日発売(カプコン)
・「アサシンクリードIII レディ リバティ」11月15日発売(ユービーアイソフト)
・「Fate/stay night [Realta Nua]」11月29日発売(角川ゲームス)
・「AKB 1/153恋愛総選挙」12月20日発売(バンダイナムコゲームス)
・「プレイステーション オールスター・バトルロイヤル」今冬発売(ソニー・コンピュータエンタテインメント)