角川ゲームスより2013年2月14日に発売されるPS Vita/PSP用ソフト「さくら荘のペットな彼女」。いよいよ発売を間近に控えた本作のプレイレポートをお届けします。
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「さくら荘のペットな彼女」は、電撃文庫より刊行中の鴨志田一氏による人気小説で、2012年10月からはTVアニメ化も放送されているなど、さまざまなメディアミックスが行われています。
「さくら荘のペットな彼女」初のゲーム作品となる本作では、プレイヤーは水明芸術大学付属高校(通称:スイコー)に通う高校二年生の主人公・神田空太となり、天才画家、アニメ作家、シナリオライター、プログラマー、声優と、それぞれに才能を持った「さくら荘」の住人たちと力をあわせてゲームを制作し、コンテスト優勝を目指します。
その一方で、アニメの魅力的なヒロインたちとの恋愛や、さくら荘住人とのコミュニケーションも楽しめるゲーム制作シミュレーション×恋愛アドベンチャーゲームとなっています!
ここでは、原作の第1巻発売時から本作を追い続け、今でも毎週アニメを楽しく視聴しつつ、空太、ましろ、七海たちの物語の行く末をやきもきしながら待ち続けている筆者が、本作のプレイレポートをお届けします!
鴨志田氏監修によるここだけのオリジナルストーリーが楽しめる!
本作では、空太たちが「銀河猫にゃぼろん」を披露した文化祭の後から物語がスタート。原作の時系列とは関係しない、本作だけのオリジナルストーリーが展開します。
そのストーリーの肝となるのが、本作のオリジナルキャラクターである中野乙羽です。乙羽は、空太たちの作品を見て感動し、お手伝いを申し出るとともに、本作の主目的となる「スーパークリエイター発掘コンテスト」への参加を提案してきた女の子です。
さくら荘のメンバーと違って、取り立てて特技があるというわけではない彼女ですが、空太に近いポジションのキャラクターとして、ゲーム内では広報兼デバッガーとして、空太たちのお手伝いをしてくれます。また、酢こんぶが好物で、ところかまわずさくら荘メンバーに差し入れようとする姿も特徴的です。
彼女を含めた計7人のさくら荘メンバーで、コンテスト優勝を目指してゲームを制作するわけですが、当然ながらライバルはつきもの。本作では、空太たちが通うスイコーのゲームサークルが立ちはだかります。部長である品川孝一を中心にゲーム制作を行う彼らのクオリティは高く、空太たちにとっての大きな壁となりますが、それだけに熱い展開が待っていますよ!
ゲーム制作の過程をわかりやすく説明!
まずはストーリーの点について触れていきましたが、本作ならではの面白さのひとつとして、ゲームを完成させるまでの工程を擬似的に体験できる点があると思います。
主人公の空太はゲーム制作への情熱はあるものの、まだまだ駆け出しですし、乙羽を含めたその他のメンバーの中でも、ゲーム制作を理解しているのは、すでに現役のプログラマーとして仕事をしている龍之介ぐらいです。
そんなメンバーたちと一緒にゲーム制作をするわけで、当然ながらわからないことがたくさん出てきます。そこで役に立つのが、本作に搭載されたTIPS機能です。
これは、ゲーム内のさまざまな用語に対して、その場で解説を読むことができるという優れもので、当然ながらゲーム開発に関わる用語もたくさん登場します。中には、ゲームの開発を手がける側だからこその含みのある説明もあり、ここを読むだけでもゲーム作りのポイントや苦労が伺えますので、ぜひ読んでみてください!
サクサクと進められるゲームシステムのバランスも魅力!
本作では3ヶ月の期間で、「企画書」「α版」「β版」「マスター版」の4つの工程を経て、ゲームを完成まで導くことが目的となりますが、ディレクターである空太(=プレイヤー)の仕事は、ゲームの仕様を作成し、各スタッフに作業を振り分けていくことにあります。
現実のディレクターの方もそうだとは思いますが、ここで苦労するのがメンバーのタスク(=作業)の管理。さくら荘のメンバーにはそれぞれモチベーションと体調のステータスが設定されていて、モチベーションが最大の時は作業効率が倍になる一方、モチベーションが落ちて「悩み」状態になったり、体調を崩した時には作業がストップしてしまいます。