ゲーム開発をサポートするための「ミドルウェア」を長年提供し続けているCRI・ミドルウェア。同社で営業を担当する及川直昭氏と、研究開発部のチーフマネージャーを務める櫻井敦史氏にインタビューを行った。

CRI・ミドルウェア(以下、CRI)は、1996年にセガのプロジェクトに参画する形でセガサターンにミドルウェアを提供してから、2001年にCSK・セガグループから独立して現在の会社を立ち上げ、今に至るまでミドルウェアを提供し続けている会社だ。

現在提供されている製品には、サウンドのデザインが出来るだけでなく、オーサリングツールやファイル管理機能まで搭載したオール・イン・ワン型のオーディオソリューション「CRI ADX2」(以下、ADX2)をはじめ、ゲームに最適化されたムービー再生システム「CRI Sofdec2」(以下、Sofdec2)などのラインナップがある。

同社のミドルウェアは総じて「CRIWARE」と呼ばれ、2013年2月現在でCRIWAREを採用したタイトルは2500本を超えている。ゲームやアプリ起動時にロゴを見たという人も多いのではないだろうか。

ゲーム起動時などに表示されるCRIWAREおよびCRIWARE mobileのロゴ

また、記憶に新しいところでは、2013年2月14日にADX2の無償版となる「CRI ADX2 LE」(以下、ADX2 LE)の提供が開始された。このADX2 LEは、プロ向け(つまりゲーム会社)に提供しているものとほぼ同等の機能が無償で使えるという、会社としてはかなりチャレンジングなものだ。

今回のインタビューでは、そのADX2 LE提供の理由をはじめ、ミドルウェア開発におけるこだわりや今後の展望などを伺った。

――CRIではサウンド、動画再生、ファイル管理・圧縮、グラフィックと、大きく分けて4つの分野がありますが、特に注力しているものは何でしょうか?

櫻井敦史氏
櫻井敦史氏

櫻井氏:プラットフォームやゲームのジャンル、方向性によって求められるものは異なりますが、サウンドと動画の分野が大きな2つの柱になっています。ファイルの管理については、PSPの頃から表に出してアピールした分野ですが、サウンドや動画を下から支えるための存在ですので、技術研究はずっと続けてきています。

――ADX2やファイルマジックPROなどは、アドベンチャーゲームでの採用が多い印象ですが、ほかのジャンルでも使いやすいといったアピールポイントはありますか?

櫻井氏:日本ではアドべンチャーゲームのタイトル数が多いので採用例として目立っていますが、アクションやRPG、シューティングにパズルまで、まんべんなくお使いいただけます。音のないゲームでない限り、出番があると思っています。

及川直昭氏
及川直昭氏

及川氏:採用タイトルを見ていただくと分かる通り、ジャンルで何かを区切っているということはありませんので、多彩なジャンルで採用されている実績があります。ただ、アドベンチャーゲームはセリフが多く、セリフも当然音ですので、多数のタイトルでご活用いただけているのだと思っています。

ムービーシーンがないゲームはありますが、音が鳴らないゲームはあまり多くありません。そう考えると、全てのジャンルで活用いただけると思います。また今後、新しいジャンルのゲームが出てくれば、サウンドが違った使われ方をするかもしれませんので、そういった新しいものにもしっかりと付けていきたいという想いはあります。

――長年ミドルウェアの会社を続けてきた中で、新ハードが出た時など、特に苦労された時期はありますか?

櫻井氏:確かにプラットフォームは大きな節目になります。弊社の場合だと、据え置き機はセガサターンやドリームキャストから始まり、最近発表されたPS4、そして現世代機のPS3、Xbox 360、Wii Uに対応し、携帯ゲーム機はPS Vita、3DS、DSとPSP、そしてiOS、Androidといったスマートフォンまで幅広くミドルウェアを提供しています。ここ1、2年は、スマートフォンが入ってきたことで幅が広がり、考えなければいけないことが増えたという意味では、大変な時期ですね。

――社内で据え置きチーム、携帯チームのようなチーム分けはあるのでしょうか?

櫻井氏:どこをメインに担当するかといったことはありますが、厳密には分かれていません。サウンド系なのか動画系なのか、それからプラットフォームは緩く分けていますが、厳密に分けるとトータルでものすごく人数が必要になってしまうので(笑)、あくまで緩く分かれています。

――携帯機はDSとPSPから参入とのことですが、そのきっかけは何でしょうか?

及川氏:ゲーム開発者の皆さんからの声が多かったことです。例えば「DSでちょっと面白い企画があるんだけど」といったお話をいただくことがあり、ゲーム開発者の皆さんがやると言われるのであれば、弊社としても「よし、やろう!」という感じで進めていました。PSPも同じ流れですね。

――同じ製品でも、各プラットフォームによって少しずつカスタマイズされているのでしょうか?

櫻井氏:サウンドと動画のどちらも、基本部分は共通で同じように使え、できれば同じデータも使えることが理想ですが、共通であることにこだわりすぎてしまうと、各プラットフォームの良いところを潰してしまうことになりかねません。それだと非常にもったいないので、各機種でしかできないことも取り入れながらやっています。

――カスタマイズする際のこだわりはありますか?

櫻井氏:ゲーム開発者の方が、その機能を必要とするかどうかを考えています。例えば、ユーザーさんが取り込んだ音楽を再生しながらゲームを遊べる機能が本体に付いていた場合、取り込んだ音楽を流している時は、ゲーム側の音楽を流さないようにする機能があると便利ですよね。そうした開発者視点で便利なところをはじめ、細かいところではプラットフォームごとに再生できる音声のコーデックに違いがあったりしますので、その対応も行うようにしています。

――機能改善はメーカーからの要望を受けて実装する割合が多いのでしょうか?

櫻井氏:新しい機種が出た時には、この機種には何が必要か、ということをまずは自分たちでも考えます。例えばWiiはリモコンから音を鳴らすことが出来ますが、ADX2でテレビ側だけでなく、リモコンからも簡単に音を鳴らせるようにしたりといった形ですね。ゲーム機のハードウェア構成をチェックすると見えてくるところがありますので、なるべく最初からフォローしておき、もっと凝った使い方になった時は、実際にゲーム開発をしている方の要望を受けて、ということが多いです。

――現世代機やスマートフォンなどで、こうした機能を実現したいといった考えはありますか?

櫻井氏:スマートフォンでは、単純にサウンドや動画を再生するだけでなく、そこから先の性能、ファイルの圧縮率のような部分ですね。アプリケーションのサイズはアプリストアの容量制限や、ダウンロード時間の長さを考えても小さいに越したことはないですし、音声を圧縮しながらどれだけ複数同時再生ができるかなど、地味な話ですが、そうした研究は常に行っています。

また、スマートフォンでは、音を鳴らす命令があってから実際に音が聞えてくるまでの時間が、機種によって差があります。例えばアクションゲームで敵を攻撃して、その音が遅れて聞こえてくるのは気持ち悪いじゃないですか。細かいところですが、そうした問題を少しでも改善できるよう常に戦っています。

――御社では基本的にアプリやゲームの制作はされていませんが、ミドルウェアという裏方のような存在に徹する理由やこだわりはあるのでしょうか?

櫻井氏:弊社の生い立ちでいうと、元々はゲーム開発部門があり、かつて「エアロダンシング」シリーズなどを作っていました。ですが今のCRIに関しては、昔からのミドルウェア開発チームが独立し、ミドルウェア開発をやってきたメンバーが中心に動いています。会社としてはゲームを作るよりも、ミドルウェアを鍛えていく方針です。

仮にCRIにゲーム開発チームがいて「ミドルウェアも一緒にやります」となると、正に現場で発生していることに対して、すぐ隣でミドルウェアで対応できるため効率がいいですし、面白いとも思います。ですが、現在はいろんな会社さんにミドルウェアを提供しており、たくさんの要望をいただけますので、それを聞きながら必要なものを実装していくことが出来ます。

――研究開発の一環としてアプリ開発をしてみるといった考えはあるのでしょうか?

櫻井氏:実は音域測定アプリ「あなたの音域測定します」を2012年12月に配信しており、その前にも「オシテメッセ」というパズルゲームをiPhone向けに出しています。スマートフォンをサポートしていく過程で、自分たちでアプリを出してみようという考えはあります。しかし、大規模なものや本格的なゲームを作るとなると、開発に必要なパワーも大きくなってしまいます。技術研究的なアプリは出していきたいなと思っていますが、ミドルウェアでサポートしていくことをメインに考えています。

――ここ数年、スマートフォンが非常に普及していますが、モバイル向けに特化した製品を出すような予定はあるのでしょうか?

及川氏:スマートフォン向けのゲームそのものが多くなってきていますし、弊社にお問い合わせいただくモバイル向けの案件も増えています。ゲーム開発の方々のお話を聞くと、据え置き機とスマートフォンではミドルウェアの使い方が全然違いましたので、先ほどお話した各製品のプラットーフォーム向け対応という部分で、ADX2とSofdec2にiOSやAndroidの各機種に最適化した機能を持たせています。

スマートフォンでは、ムービーを使って演出を簡単に実現したいというお問い合わせが多く、ムービーには特に力が入っています。スマートフォンでは「αムービー」という透過値を付けたムービーでの演出法が使われることが多くなっています。

――スマートフォンというとiOS/Androidが主流ですが、Androidだと端末によって性能が異なります。その点での苦労はあるのでしょうか?

櫻井氏:そこは本当に大変ですね(笑)。ただ、カッコつけたことを言ってしまうと、サウンドと動画に関しては、ミドルウェアに振っていただければ、その苦労はCRIが買います。CRIが苦労を買うと皆さんの共通部分を担うことになるので、我々が苦労することでいろんな人が幸せになれるかなと。Androidでの開発は確かに大変ですが、ミドルウェアの会社としては、だからこそ頑張りどころだと思っています。

及川氏:元々ミドルウェアとしては、コンソールでマルチプラットフォーム展開するゲームに対し、できるだけハードによる差を均して、同じように開発して横展開ができるようにするお手伝いがメインでした。Androidの機種ごとによる差は確かに大変ですが、そこもしっかりサポートして、コンソールと同じようなことが実現できるようにお手伝いをしています。

――御社の公式サイトではGoogle Native Clientのデモを公開されていますが、こちらにも力を入れていく予定はあるのでしょうか?

櫻井氏:Google Native Clientはどちらかというと実験的な試みで、社内に好きなスタッフがいたこともあり試してみたら動いたため発表しました。現状ではお問い合わせはあまり多くないのですが、Google Native Client向けにゲームを作りたい方がいらっしゃれば、力を入れていきたいと思います。

ミドルウェアは単体で存在できず、ゲームに組み込まれて初めて価値が出てくるものです。新しいプラットフォームや環境への研究開発は随時行っていますが、お客様がいらっしゃるところを特に一緒にやっていくようにはなりますね。

――スマートフォンに限らず、日本と海外でメーカーからの要望に差を感じたことはありますか?

櫻井氏:日本では、まず音をADX2で作りたいというお客様が多いですが、海外ではSofdec2に注目が集まります。海外では各社さんそれぞれ自前で仕組みを作っていて、「音なら自分たちで鳴らせる」「ファイルの読み込みも自分たちでやる」といったケースが多いですが、動画だけはマルチプラットフォームで何とかしたい、といった要望を受けることが多いです。

――先日ADX2 LEをリリースされましたが、LE版を提供しようと思ったきっかけから教えてください。

及川氏:以前から社内でもフリー版のようなものを用意したいという動きがあったのですが、なかなか踏み出せずにいました。ですがここ数年、インディーズの開発の皆さんがすごく盛り上がっています。我々がお付き合いしているゲーム会社で開発をされている方から、趣味でゲームを作っているという話を聞く機会もあり、昨年頃から本腰を入れました。

元々ADX2には、できるだけ多くの方に触っていただきたいという想いがありましたので、そういった新たな分野に踏み出していこうと思って形にしたのが、ADX2 LEになります。

――ADX2 LEは機能的に製品版とほぼ変わりませんが、機能を絞らなかったのはなぜでしょうか?

及川氏:今申し上げた通り、ADX2はたくさんの方に使ってもらいたいと思っています。ADX2 LEであまりにも機能を制限してしまうと、せっかく慣れていただいても、いざ製品版を使ってみた際、違うものだという印象を持たれてしまいます。そこでツール面ではできるだけ同じものを触っていただけるようにしたいと思いました。

櫻井氏:仮に「ADX2の製品版にはこんな機能がありますが、LE版では使えません」というのは、プロの開発者の方からいただいた意見・要望を反映した機能を削ることになってしまいます。ですので、プロと同じ環境を提供する、というのであれば、やれることはどんどん出していきたいという考えです。

及川氏:ADX2 LEはバンタンゲームアカデミーさんの授業でもお使いいただいています。当初は、サウンドコースの生徒さんが対象だったので、このエフェクトを掛けるとどうなるか、ゲームの音はこういう風に作っていけばいいといったことを把握する授業の目的を考え、音をデザインしたり編集するツール側だけをお渡しして、ゲームに組み込んで再生するプログラム側はお渡ししていませんでした。

ツール側も、使用できる圧縮コーデックの制限など、ゲームに組み込まないのであればあまり必要がない機能には制限をかけていました。ですがサウンドの制作だけでなく、実際にゲームプログラムで音を鳴らすところも授業で出来たら面白いんじゃないかということになり、現在はアプリとツールで通信してサウンドの聞こえ具合を確認する、プログラム側もセットでお渡ししています。

ADX2 LEのツール画面

――ADX2 LEでもUnityのランタイムが提供されていますが、ゲームエンジンにミドルウェアを提供する時に気を使っていることはありますか?

櫻井氏:ゲームエンジンに組み込む時は、ゲームエンジンを使うゲーム開発者の方がどれだけ自然に使えるかが重要となります。多くのゲームエンジンは、大抵は最初から音を鳴らす仕組みを持っています。

その中で「ADX2を使うとこんなことが出来て便利ですよ」といった部分がアピールポイントになってくるのですが、ゲームエンジンでもADX2を使うために開発者の方が苦労しなければいけないとなると、非常にもったいないですよね。自分たちでゲームを作っているわけではありませんので、いろんな意見を聞きながらの試行錯誤になってしまいますが、どれだけ自然に使えるかは重要視しています。

――ゲームエンジンとミドルウェアはライバル的な関係なのかなと思ってしまうのですが、実際のところ立ち位置的にはどうなのでしょうか?

及川氏:Unityさんをはじめ、ゲームエンジンを提供している各社さんは、ライバルというよりはむしろタッグを組む相手と考えています(笑)。ゲームエンジンと協力して開発環境を統合してみたり、実際にゲームエンジンを使っているゲーム会社さんから「サウンドはADX2を使いたい」と言われることもあります。そうするとゲームエンジンも使えますし、ADX2も使ってもらうことが出来ます。このようにどちらも使っていただける形を目指すのが、各ゲームエンジンとの付き合い方として一番良いのではないかと思っています。

櫻井氏:競合でないかと言われると、競合の部分も存在します。ほかのオーディオミドルウェアを作っている会社となれば競合にならないはずがありませんし、ADX2と他社さんのオーディオミドルウェアが一緒に使われることは、さすがに滅多にありません。ですが、他社さんのオーディオミドルウェアと、弊社のSofdec2を一緒に動かすことは可能です。

実際に海外では似たようなケースがあり、サウンドに関しては別のミドルウェアメーカーのものを使用していても、動画は弊社のものを使ってみたいというお話をいただきます。その瞬間、そのタイトルにとって他社さんのミドルウェアというのは、競う相手ではなく共存する相手になります。そう考えると、競合と言うよりもミドルウェア仲間と思って、使いたいと思った人が、使いたいと思った組み合わせで動かせることの方が重要かなと思います。

――CEDECでの展示やデモンストレーション、ワークショップ(※)などを積極的にやられていますが、そうした方針もあるのでしょうか?

櫻井氏:ADX2のツールはサウンドの専門ではなく、普段はプログラムを書いている人でも使えるぐらい、見て理解できるツールを意識して作っています。とにかく触っていただける機会を増やしたいという想いがありました。

セミナーなどでツール画面をモニターに映し、「こうするとこんなことができます」と説明すると、その場では理解できたり便利そうだと思っても、結局忘れてしまうことが多いんじゃないかと思います。ですが直接自分の手で触れる機会があると、やりたいことがやりたいように出来ることを実感していただくことができます。実際に参加していただいた方からも、分かりやすいという声はいただいていますので、これからもたくさんの人に触ってもらえる機会を作りたいと思っています。

――ワークショップで寄せられる意見では、普段メーカーから寄せられるものとは違った視点の意見などはありますか?

櫻井氏:ありますよ。ワークショップに限らず、ツールを直接触っていただいた人からフィードバックをもらえるのはすごくありがたいです。例えばゲーム会社さんにADX2のツールをお渡しして、サウンド担当の方が使ってみて「ここが使いづらい」「ここが操作しづらい」と感じても、それをメールや電話で伝えてもらうことが難しいんですよね。そのため、直接触ってその場で意見をもらえるのは、こちらとしてもありがたいです。

――LE版をリリースされていろんな人が触れるようになりましたが、スマートフォンやインディーズゲーム市場など、注目しているところはありますか?

及川氏:目先のところでは、今まで接点のなかったインディーズゲーム開発者の皆さんや、学校さんなど、LE版を触っていただいている方に使い続けてもらうことと、さらに多くの方に触ってもらえることを目指しています。もちろん今までのゲーム開発者さん向けのサポートもしっかりやっていきますし、既存の機種だけでなく、新しく出てくるものに対しても同じような環境で開発できるようにしていきたいと思っています。

櫻井氏:ゲーム会社さんもスマートフォン向けの開発チームが増えていたりするので、ここ1、2年は我々もスマートフォンに力を入れていて、そこをフォローできるようにしています。いわゆるテレビゲームの大型タイトルの話も常にありますし、むしろ要望のレベルはそちらの方が高いので当然手は抜けませんし、もう一度気合を入れ直そうと、テコ入れをしているところです。

――これまでずっとミドルウェアの開発を行ってきたと思いますが、ミドルウェアの進化によって目指す理想のようなものをお聞かせください。

及川氏:昨今、ゲーム市場は縮小傾向にあると言われていますが、その中でキーワードになるのがゲーム開発の効率化だと思います。大規模ソフトウェア開発は長い年月を要しますので、ミドルウェアを使っていただき、開発の効率化をしていただきたいと思っています。PS3だと発売されてから6年以上が経っていますが、その内の何年間も開発中で過ごすのはもったいないじゃないですか。ミドルウェアによって開発の効率化とクオリティアップのお手伝いをして、その結果、いいゲームがたくさん出てくることが理想のひとつです。

もうひとつミドルウェアとして目指すものは、ご要望をいただいて進化する流れを止めてはいけないと思っています。ADX2は何年も提供しているものですが、各社さんからサウンドの面白い要望をいただいており、その結果として「AISAC(アイザック)」や「ブロック再生」といった、インタラクティブに音楽をコントロールできるような機能を追加することができました。

こうした流れを押し進めていき、意欲的で面白いゲームが出てきた時に弊社が要望に応え、最終的にはユーザーさんが面白い体験をできるゲームがたくさん出てほしいです。弊社にはゲーム好きや音楽好きが集まっていますので、サウンドの面白いタイトルをたくさんお手伝いできるようになりたいと考えています。

櫻井氏:私自身、ゲームを遊ぶことが大好きなので、弊社のミドルウェアを使っているかどうかはこの際あまり関係なく、最終的には面白いゲームをいっぱい遊びたい、それだけですね(笑)。我々は自分たちでゲームを作っていませんが、ミドルウェアはそのお手伝いができる貴重なポジションだと思います。

独立したミドルウェアの会社はあまり多くないと思いますし、サウンドや動画、ファイルシステムのような下回りをミドルウェアに振っていただくことで、そこでの苦労は我々が解決します。ゲーム開発をされている皆さんは、苦労点を解決済みのミドルウェアを使えば楽ができる部分もあると思いますので、ぜひ活用していただきたいという気持ちがあります。

全てのゲームで必ずADX2を使ってもらえることは、なかなかないと思います。ですが、ゲーム開発に携わる方が以前に試したことがあるという状況だと、ツールを使いたいと思った時に導入するハードルが下がると思いますので、いつでも気軽に使える、導入しやすいポジションにしていきたいと考えています。

弊社はミドルウェアを押し売りしない会社なんです。例えばサウンドの話で相談させてほしいとミーティングに行った時、動画の話が一緒に出ることもありますが、「オープニングムービーだけならSofdec2じゃなくて、プラットフォーム標準の機能でいいと思います」といったことを営業の前で言ってしまうような会社なので(笑)、必要なところだけ上手く使っていただければと思います。

――ありがとうございました。

(※)CRI・ミドルウェアでは、随時「ADX2 LE」ワークショップを開催しています。詳細は「ADX2 LE」のウェブサイトをご覧ください。
「ADX2 LE」イベント・セミナーページ:http://www.adx2le.com/event/index.html

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