よりリアルに、遊びやすく生まれ変わった「FIFA 14 ワールドクラス サッカー」ハンズオンプレビュー&開発のキーマン・牧田和也氏へのインタビューを紹介

発表会・イベント取材
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エレクトロニック・アーツが2013年秋に発売予定のPS3/Xbox 360/PS Vita/PSP用ソフト「FIFA 14 ワールドクラス サッカー」。ここでは、PS3版のハンズオンプレビューと、エグゼクティブプロデューサー・牧田和也氏へのインタビューを紹介する。

FIFA公認サッカーゲームとして、世界中のサッカーファンから愛される「FIFA」シリーズの最新作「FIFA 14 ワールドクラス サッカー(以下「FIFA 14」)」は、プレイヤーのインスピレーションによって、自由に試合展開を作れる新機能が搭載された意欲作だ。

今回のメディア向けハンズオンプレビューに先立ち、エグゼクティブプロデューサー・牧田和也によるセッションが行われたので、まずはそちらを紹介しよう。

牧田氏はまず、前作までにあったドリブル時のターン角度が左右、22.5度に制限されていたが、本作ではそれを取り払い、あらゆる角度へ自由に反転できるようになったことをアピール。これにより、方向転換時の細かい操作が可能になったという。これに伴い、選手の動作もよりスムーズなものへ改良したそうだ。また、選手の重心移動が正しく表現されている点も注目のポイントだという。

次に紹介されたのは、ドリブル中のさまざまなボールタッチを再現した「バリアブルドリブルタッチ」だ。この機能が搭載されることによって、オフェンスとディフェンスの駆け引きという、サッカー本来の楽しみが味わえる。

そして、選手のポジション取りについても新たなシステムが搭載されている。前作までは、オフェンスをマークしなければいけないディフェンスが、棒立ちのまま動かないケースがあったと牧田氏は話す。しかし今回は、数手先の試合展開を読めるように改善され、あらゆるパターンを想定しながら動くようになった。もちろん、改善されたといってもディフェンスが必ず勝つわけではなく、サッカーの醍醐味である駆け引きを現実的に再現している。

この改善が行われたことで、直線的で単調になりがちだった試合展開に緊張感が生まれている。そのほか、クリアしたときのボールが、アタック側に奪われる傾向にあった点も見直されているとのこと。

さらにシュートシステムも見直し、蹴る前の歩幅や進入角度を状況に応じて調整でき、違和感のないシュートが打てるようになった。さらにアプローチ角度を操作することで、ボールの芯を捉えた、より完璧なシュートを放てる。

また、本作ではボールの軌道そのものにも修正が加えられており、カーブがかかったり、沈んだりといったシュートも打てるようになった。牧田氏によると、低い弾道から沈むシュートはユーザーからの要望も多かったそうで、今回ついに実現できたという。

操作感が一新された「FIFA 14」プレイインプレッション

ここからは、本作をプレイしてのインプレッションを紹介しよう。まず1試合をプレイして感じたことは、前作よりもドリブルで崩して点を奪うことが難しくなり、パスの重要性が上がったことだ。しかし、相手ディフェンダーのAIが強化されたためか、パスもなかなか繋がらない印象。今まで以上に味方AIとの連携をしっかり考え、試合を組み立てることが大切になる。

もちろん、味方ディフェンダーのAIも同様に強化されているので、失点は防ぎやすくなっている。また、オフェンスとディフェンスの距離が縮まったため、よりタイトで、激しい攻防が楽しめようになった。

安易にスプリント(ダッシュ)や反転をすると、簡単にボールを奪われてしまう点も特徴のひとつ。このあたりは、よりリアルな動きを追求した結果といえる。速攻を仕掛けることが難しくなっているので、カウンターの際も単独で攻めるのでなく、味方と協力することがポイント。

また、スキルムーブ(フェイント)が手軽に繰り出せるようになったことは大きな改善点だ。前作まではL2/LTボタンと右スティックを駆使しなければならなかったが、今回は右スティックによる操作だけで行える。難しい操作に戸惑っていたサッカーファンの人も、本作からは気軽に、格好良くスキルムーブを扱えるだろう。

そのほか、R2/RTボタンと右スティックで、トラップ後にさまざまな方向へボールを置ける新操作は使い勝手が良いと感じた。蹴り足とボールの微妙な間隔を調整できるので、正確なロングパスを送りたいときは重宝する。

攻撃中に相手ディフェンダーにボールを取られないようにする動き、いわゆる「シールド」も、楽に行えるように刷新されている。本作では左スティックの操作だけでボールと相手ディフェンダーの間に回りこみ、前線でボールをキープできるようになったため、単独でドリブル突破したあと、味方の飛び込みを待つといった作戦も立てやすくなっている。

また、本作ではドリブルしながらでもシールドは行えるので、例えばドログバ選手(トルコ・ガラタサライ所属)のような、相手を引きずりながらドリブル突破を行うことも可能だ。

進化したシュート技術「ピュア ショット」も魅力のひとつ。シュートを打とうとすると、自然なモーションで歩幅を合わせて蹴る動作に入るため、今までにあった違和感が解消されている。一方で、体制を崩した状態でのシュートも忠実に再現されていることも特徴。体制を崩した状態だと、当然ながら力のないシュートしか打てないので、ポジション取りやディフェンダーとの位置関係を意識することが必要になる。

全体的にこれまでセオリーとされていた攻撃が通用しなくなっているが、その分、完璧な連携で相手を崩し、点を奪ったときの爽快感は格別。また、使用するチーム、フォーメーションによって、千差万別の攻撃パターンを組み立てられるのは、本作ならではの面白さといえるだろう。

今回は開発途中のビルドということもあり、ドルトムントやリヴァプールなど一部のチームしか選択できなかったものの、世界中のあらゆるクラブが収録される製品版では、この面白さがさらに増すことだろう。

牧田和也氏へのインタビューを紹介!

今回のハンズオンイベントでは、本作のエグゼクティブプロデューサーを務める牧田和也氏に話を聞くことができた。短い時間ではあったものの、新システムについて、そして新たに開発したエンジン「EA SPORTS IGNITE」について伺ったので、その内容を紹介しよう。

――プレイしてみると、ボールの軌道がこれまで以上にリアルに再現されていると感じました。

牧田和也氏
牧田和也氏

牧田氏:今回はボールの挙動にこだわって作っているので、トラップした時のボールの落とし方だけを見ても、前作とはかなり変わっていますね。トラップが新しくなることで、そこから生まれるシュートも変わるので、いろいろなパターンを試して欲しいです。

――天候がボールの動きに影響することはあるのでしょうか?

牧田氏:雨のときはボールがスリップしやすかったり、パスが難しくなる部分はあります。

――公式サイトを見ると、進化したシュート技術「ピュア ショット」が真っ先に紹介されていますが、やはりシュートに関する技術は最大の注目点になるのでしょうか?

牧田氏:遊んでいて気持ちいいと思えるとこととなると、やはりゴールの瞬間なんですよ。トラップでボールを落としてからのミドルシュートや、ドリブルでゴールを狙うスピード感、そういったサッカーならではの爽快感が詰め込まれています。

あとはアニメーションも見直しているので。ボディバランスを崩しながらシュートを打ったりだとか、リアルな動きが再現できています。

また、シュートを打ったあとのボールは「リアルボールフィジックス」によってリアルな軌道を描いてくれます。本作のシュートは、さまざまな新要素が組み合わさってできたものと言えますね。

――シュートだけでなく、そこへ行き着くまでの過程も楽しめそうですね。

牧田氏:より自由にドリブルをできるようになりましたし、「プロテクトボール」で味方の展開を待つこともできますし、遊び方はかなり増えていますね。

――ディフェンダーをブロックする新機能「プロテクトボール」は、なぜ導入することになってのでしょうか?

牧田氏:これまではボールを奪ったときに、ダッシュで仕掛けるか、ボールを止めてスローテンポで攻めるかの2択だったんです。しかし「プロテクトボール」によって、攻め上がりつつもボールをキープし、味方が来るのを待ったりと、攻撃時の選択肢が広がっています。

――「プロテクトボール」を有効的に使える場面はどこだと思いますか?

牧田氏:狭いスペースでで味方の飛び込みを待つときは使いやすいと思います。

――選手の挙動を再現する中で、苦労した点はどこになるのでしょうか?

牧田氏:アニメーションのつなぎ方や、人が走る際の歩幅の計算には時間がかかりましたね。もちろん、簡単な設計でしたらすぐに終わるのですが、細かい調整を含めると苦労しましたね。「FIFA 14」の挙動を実現するまでに2年半ほどの時間を使いました。

――2年半前というと前作まで使用していた「プレイヤーインパクトエンジン」を使用していた時だと思いますが、当時から選手の挙動は進化するべき点として捉えていたのですか?

牧田氏:そうですね。ロコモーション(運動表現システム)の出来自体に満足はしていなかったですし、長い期間をかけて研究していましたね。

――例えばドイツ代表のラーム選手のように、重心が低いおかげで全速力からでも反転できる選手はいますよね。そのような、選手ごとの個性的な動きはゲーム内でどのように反映しているのですか?

牧田氏:ロコモーションを一新したことで、個性を出しやすくなっています。また、アニメーションの調整によってさらなる個性付けも可能です。

――では、ただ単に足が早いだけではなく、さまざまなバリエーションが出てきそうですね。

牧田氏:そうですね。また、走るときの姿勢ですとか、細かい動きでも選手ごとの個性が引き出せるように開発を進めています。

――選手の挙動で言えば、ヘディングのアニメーションも増えましたよね。これも注力したもののひとつになるのですか?

牧田氏:エアプレイの表現は改善点のひとつでしたし、今回はアニメーションが非常に豊富になっています。さまざまな角度からクロスは入ってきますが、あらゆるパターンに対応できるようになっています。

――クロスからの得点が入りやすい印象でしたが、ディフェンス側のエアプレイはどのような調整が行われているのですか?

牧田氏:ディフェンスとオフェンスのバランスは、最後の最後まで調整するところです。さまざまな不備を潰していかないと最適なバランスにはならないですし、キーパーの調整もまだなので、現在のバージョンではどうしてもオフェンス側が強くなってしまうんです。最終的には、ディフェンス側もしっかり対応できるように調整します。

――本作のAIは一手先、二手先を読んで動いてくれますが、二手先のプレイをイメージすることは現実同様難しいことだと思います。どのようにAIを調整したのでしょう?

牧田氏:二手先を読む際は、「この動きは無理だろう」と思う、不可能なものを潰していくんです。そうして残った可能性を、AIに詰め込んだ形になります。とはいえ、残った可能性もさまざまなので、プレイヤーさんの意図とは違う動きをすることもあります。あとは、選手の能力にも依存してきますね。

――選手の動きがリアルになった分、操作が難しくなった麺もあると思います。リアルとゲームとしての手軽さのバランス取りで意識した点はありますか?

牧田氏:自由に選手を操作できる分、ゲームバランス崩れる可能性は確かにあります。今まで自由にしていなかったのは、それに伴う問題点をクリアできなかったからです。本作ではステップのひとつひとつから見直し、研究してクリアすることができました。

――今回から開発に導入されたエンジン「EA SPORTS IGNITE」について、率直な感想をお聞かせください。

牧田氏:次世代プラットフォームも出てくる中で、テクノロジーの統一化は必要になってくると思います。それは私達「「EA SPORTS」にとっても同じで、それぞれの作品で違ったエンジンを使っていたら整合性が取れません。例えば、他のチームが作った素材を流用するとなったときに、余分な作業が発生してしまいますし。そうなると、「EA SPORTS IGNITE」のもつ意味は大きくなると思います。

――「EA SPORTS IGNITE」によって実現した、「FIFA 14」の新要素はなにかありますか?

牧田氏:どこか一部分が進化したというより、全体的な底上げができたという印象です。その中でもグラフィックのレンダリングについては、すでに他の開発チームと共有もできているので強みになりましたね。

――エンジンの開発・チューニングにはどれくらいの期間をかけたのしょうか?

牧田氏:いろいろなテクノロジーを集めて作ったエンジンなので、具体的な期間を言うのは難しいですね。テクノロジーのひとつひとつを見ると、何年も前から取り組んでいたものもあります。

――日本人選手の固有の顔は増えているのでしょうか?

牧田氏:今はデータを取れるだけ取った段階で、それをどこまで実装できるかは分からないですね。世界の主要チームにいる選手は、もちろん再現したいと思っています。

――「FIFA 14」はPS3、Xbox 360以外にも、PSPやPS Vitaで発売しますよね。携帯ハードにも、「プロテクトボール」などの新機能は搭載されるのですか?

牧田氏:PSP、PS Vita版に関しては、「FIFA 13」のバージョンアップという位置づけなので、他のハードにある新要素は搭載されません。

――それでは、PS4やXbox One版については…?

牧田氏:次世代ハードについてはまだ秘密です(笑)。そちらに関しては、E3での情報を楽しみにしてください。

――なるほど。では、次世代ハードに関して、簡単な印象だけでも聞くことは可能ですか?

牧田氏:今はスマートフォンが普及して、据え置きハードの立場も盤石ではないので、ゲーム業界の活性化という意味でも素晴らしいハードだと思いますよ。スペックが上がることで、今まで不可能だったこともできるでしょうし。

――「FIFA」シリーズは毎年体験版を配信していますが、今年も配信するのでしょうか。

牧田氏:詳細はまだ決めていませんが、配信する予定です。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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