カプコンより、2013年7月25日に発売となったシリーズ最新作「逆転裁判5」。大阪研究開発ビルにて実施した開発陣のインタビュー【後編】をお届け!

2013年7月25日についに発売となったシリーズ最新作「逆転裁判5」。プラットフォームをニンテンドー3DSに移し、約6年ぶりに進化を遂げた本作の開発陣に、当時を振り返りながら、システムやキャラクター、シナリオも含めたっぷりとお話を伺ってきたので紹介しよう。

インタビュー後編では、「逆転裁判5」プロデューサー「江城 元秀」氏とシナリオディレクター「山﨑 剛」氏、そしてキャラクターデザインを手がけたアートディレクター「布施 拓郎」氏の3人に個性豊かなキャラクターについてガッツリ聞いてきたので読んでもらいたい。

「逆転裁判5」開発チームインタビュー【前編】

「逆転裁判5」公式サイト

「逆転裁判5」公式開発ブログ

「逆転裁判」らしいキャラクターデザインとネーミングの苦労とは

――各キャラクターのデザインで特に苦労した点はどこですか?

グラフィックデザイナー「布施 拓郎」氏
グラフィックデザイナー「布施 拓郎」氏

布施氏:ココネとユガミという重要な新キャラクターがやはり、苦労した点は多かったですね。ココネに関しては、ナルホドくんやオドロキくんと同じ弁護士という立場と、シリーズでおなじみのヒロイン・助手のポジションの2つの位置に立てるような、2つの要素を併せ持つデザインにするのが大変でした。

ユガミに関しては、検事と囚人というムジュンした要素をミックスすることが大変でしたね。最初は片方に寄ったデザインだったんですが、うまくまとまらなかったものを和装と洋装を合わせたデザインに落ち着きました。

山﨑氏:初期にデザインしていた馬等島なども大変でしたよね?

布施氏:ユーザーさんが一番最初に出会うことになる「馬等島晋吾」と「森澄しのぶ」の2キャラクターは、初期にデザインしたこともあり、やはり思い入れがありますね。

山﨑氏:「逆転裁判」シリーズのキャラクターって特徴があるんですが、行き過ぎても地味すぎてもダメなので、落とし所が難しいんです。「現実とファンタジーの境目」をシナリオとともに狙って作らないといけないので、布施がそのポイントをつかむまで苦労したようです。

――いそうでいない、いなくもないけど、でもやっぱりいないキャラに?

山﨑氏:境目が難しいんですよ(笑)。

布施氏:アウチなど、疲れたサラリーマンみたいな意外とその辺にいそうなキャラもいれば、振り切ったファンタジー色の強いキャラもいるので、全体のバランスが重要ですね。

――馬等島はわかりやすいデザインですよね。

山﨑氏:アイツは一話の犯人だというところも重要で「なんか怪しい」とわかりやすいインパクトを持っているので、その加減の調整も難しかったですね。

――ナルホドくんが青、オドロキくんが赤、ココネちゃんが黄色といったカラーのバランスなども考えて作られているんですか?

布施氏:ナルホドくん、オドロキくん、ココネちゃんの3人の「青・赤・黄」と、ユガミとバンの「白と黒」のバランスは考えてデザインしました。初期の段階からメインカラーが決まるのは早かったですね。

――メインの3人は髪型がどこか「トガって」いますよね。

布施氏:ココネちゃんは弁護士なので、あまりキワモノにはできないキャラクターですが、今回のヒロインでもあるので、マヨイちゃんやみぬきちゃんのようなデザインのヒロインも「逆転裁判」では求められてしまいます。髪型に関しては、成歩堂や王泥喜と同じように、マンガ的な要素を入れて、シルエットでも誰かわかるようなデザインにしています。

――モニ太やココネちゃんのグローブなども布施さんがデザインしているんですか?

布施氏:はい。ココネのデザインとココロスコープのシステムはリンクしているので、並行してデザインしていきました。ココロスコープを起動したときの宇宙空間のようなデザインは心理学からきたもので、それを受けてココネの衣装やペンダントもちょっと近未来的に。

――イヤリングをいじったり、感情によってモニ太の表情が変わったり、ココネのモーションは多めですよね?

江城氏:一番ココネが多いですね。僕がテストプレイしている際に「おお!こんだけ動くんや!?」って思うぐらい入れ込んでますね。開発はある程度コンセプトや作業内容が決まったら後はどれだけサービス精神で入れ込むだけですから。そのスケジュール管理をすることも僕の仕事のひとつです。時間あげればあげるほど、どんどん追加してきますよ(笑)。ココネに関しては思い入れが強かったんだと思います。法廷での机を叩きつけるパターンも3種類ありますし、「異議あり!」のモーションもナルホドくんより多いんですよ(笑)。

布施氏:ココネちゃんは、重要なキャラクターなので、もともと多い予定だったんですが、担当したモーションデザイナーも「こういうのどうですか?」とさらに提案してくれました。予定になく、試しに作ったモーションが採用されたこともありました。

――新モーションがシナリオに影響することも?

山﨑氏:スゴイよくありますね。最初にキャラクターの設定は渡すんですが、「こいつにはこういう動きをさせたいからコレを持たせよう」などデザインとモーションを同時に考えていくんです。ラフを描いてもらうとビジュアルとキャラクター性がより深まっていき、「こいつはこんな動きをする」ならシナリオにもそういうシーンを入れようと、相乗効果でキャラクターがどんどん深まっていくんです。

そして最終的に「こんなモーションを10個お願いします」と発注するんですが、さらに上回るモーションが作られてどんどん増えていくんです(笑)。特にココネは力を入れて作ろうと決まっていたキャラなので、とても遊び心が詰まっているんです。

――やはりプラットフォームが3DSになったからこそでもあるんですね。

布施氏:今回3Dになることで今までできなかった表現ができるようになり、かなり生き生きとしたモーションを付けることができました。ただ、従来のシリーズの印象も必ず残しつつ、イメージを壊さないことは心がけています。

山﨑氏:モニ太はもともとしゃべる設定じゃなかったんですが、布施がモーションのラフで「異議あり!」としゃべらせたところから始まったんです。モニ太の声でアウチがイラつくという流れは、その後に生まれました。

――新キャラクターで特にデザインや設定が二転三転したキャラは誰ですか?

山﨑氏:ココネが一番ですけど…(笑)。

江城氏:あんまり大きくブレたのはないんじゃないですかね。

布施氏:デザインしていく中で根本的な設定が変わることがはなかったのですが、どのキャラクターも初期段階ではそれなりに二転三転はしていますね。

――衝撃的なムジュンを持つ囚人検事のユガミはどのようにして誕生したのですか?

山﨑氏:囚人で検事という衝撃的な設定を狙って作りました。今までもスゴイ検事がたくさん出てきているので、さらにインパクトのある設定を考えました。最初はまわりに「手錠してるのにどうすんの?」と言われていました。無理言ってデザインしてもらいましたね。

――しかも相棒は鷹の「ギン」ですよね?

山﨑氏:ユガミの和装のサムライ風のデザインが決まってきたところから「鷹」というキーワードも出てきて「これは面白い!」と食いつきました。彼は手錠で拘束されており、本人は動けないんです。今までのムチで殴ってきたりとバラエティー豊かな検事も多かったんですが(笑)。鷹のギンを飛ばして攻撃することで彼のキャラクター性としてもふくらむんではないかと。

江城氏:自由すぎますよね(笑)。

布施氏:書類すら自分で持たないでギンを使いますからね(笑)。

――さらに御剣検事も出ますよね?

山﨑氏:大変なんですよ、弁護士も検事も多すぎます(笑)。本作ではユガミ検事を立てなければならないんですが、ナルホドくんの復活となれば当然御剣検事も出したい、オドロキくんも出るなら牙琉検事も出さなきゃ、とどんどん人数が増えました。それぞれの弁護士・検事をどういう風に配置するのか、バランスを考えるのが本当に大変でした。

――オールスター感を強く考えているんでしょうか?

江城氏:「逆転裁判5」でオールスター感を出そうと考えていたわけではなく、「逆転裁判4」の1年後の物語なので、多少前作のキャラクターが出てこないと…と考えていくと、すでに検事が4人…。オールスター感を出そうとしたというよりは「物語を考えていると自然とそうなった」というのが本当の理由です。

ただ、ユーザーさんが登場させてほしいキャラクターを「ただ出演させる」とゲームとして何を語りたいのか分からなくなってしまいますし、ドラマ的に必要じゃないキャラをチョイ役で出すのだけはやめようと当初から決めており、出す以上はしっかり物語に絡んで活躍の場を持たせています。

――ネツゾウくん、エンザイくんなどアイテムのデザインはどのようにして生まれたのでしょうか?

山﨑氏:ネツゾウくんとエンザイくんはもともと開発スタッフの落書きだったんです。開発チームの掲示板でジョークの画像などを投稿してツラい開発の息抜きにするような場所があったんですが、そこに背景デザインのスタッフがネツゾウくん、エンザイくん、ダンザイくんなどを冗談で投稿していたのを僕が勝手にシナリオで使ったのが始まりです。まさかスタッフもゲームに登場してキーホルダーにもなるなんて、思ってもいなかったようです(笑)。

本作のテーマ「法の暗黒時代」がどうしても重くなってしまうところもあったので、ちょっとキャッチーでユーモラスなキャラクターだったので使わせて頂きました(笑)。

――シリーズおなじみのキャラクターの独特なネーミングで苦労した点は?

山﨑氏:名前は本当に苦労しました。

布施氏:なかなか決めてくれないんです(笑)。

江城氏:ココネだけの案だけで200個を超えています(笑)。

山﨑氏:ココネについてはいろいろ案を出して、シナリオチームとしては「希月心音(キヅキココネ)」でいきたい!と提出したんですが、一度江城からNGが出てるんですよ。

江城氏:「希月心音(キヅキココネ)」って「ここに気付く」をモジっているじゃないですか?それがヒロインの名前としてピンとこなかったんです。成立はしているんですが「ベタやな~」と。今までのシリーズのキャラクターの「綾里真宵(アヤサトマヨイ)」や「狩魔冥(カルマメイ)」などアリそうでない適度なオシャレ感があったので、もうちょっと考えようよと不採用にしました。

山﨑氏:キズつくな~(笑)。

江城氏:その後、別のプロジェクトで海外出張に行っていて、一度自分の中の感覚をフラットにしてから再考してみたのですが、自分が選んだ名前とココネちゃんの名前を見比べてどっちが「逆転裁判」らしいかと考えたときに「あ、ココネだ」とスッと自分の中に落ち、国際電話で「やっぱりココネでOK!」と山﨑に伝えました。そういう面でもスタッフにいつ刺されてもおかしくないですよね(笑)。

山﨑氏:ちょっとユーモラスな名前で、そのキャラクターに合っていないといけないので、いつもいつも悩んでおります。

江城氏:「夕神迅(ユウガミジン)」に関しても、最初見た時「夕」がカタカナの「タ」に見えて良く見えなかったんです。でも山﨑は設定も含めて「夕」の字にはめっちゃこだわりがあるらしく「そこはゆずれない!」と言ったので最終的には、夕神迅に決定しました(笑)。

山﨑氏:メインのキャラクターはプロモーションに強く関わってくるので、必ず江城にしっかりと確認してもらっています。逆にサブキャラクターなどはこっちで自由に決めていますね。もちろんカタカナで表記される名前も同時に考えています。

――ちなみに「番轟三」は「ジャスティス学園」と関わりがあるんですか?

江城氏:ないですないです(笑)。

布施氏:カプコンのキャラクター作りの根底みたいなものは「逆転裁判」や「ジャスティス学園」にもニュアンスは入っていると思います。

――はみちゃんは登場も決定しましたが、マヨイちゃんは今どうしていますか?

江城氏:いったい何をしているんでしょうかねェ(笑)。

――本作の中でみなさんが一番好きなキャラクターは誰ですか?理由も教えて下さい。

江城氏:自分は悪カッコイイユガミ検事ですね。

布施氏:全員好きなんですが、産みの苦しみも考えるとココネちゃんですかね。苦労した分だけ愛着もあります。

山﨑氏:僕は最初の犯人ということもあり、いろいろ考えながら作った馬等島ですね。

――最後にこれからプレイする人に向けてメッセージをそれぞれお願いします。

布施氏:本作では新旧、いろいろなタイプのキャラクターが登場し、ひとりひとりに面白いことを組み込んでいますので、ぜひすみずみまで、クリアしてしまった人も改めて細かいところを見てもらえたら嬉しいです。

山﨑氏:シナリオ的には「法の暗黒時代」「法廷崩壊」といった大きなテーマも登場しますし、ナルホドくんとオドロキくん、ココネのドラマも描かれます。各話それぞれの事件や、そこで起こる法廷バトルもかなりこだわって作っており、楽しめるようになっているので、ぜひ手に取って遊んでもらえればと思います。

江城氏:すでに購入してクリアされたユーザーさんもいらっしゃると思いますが、6年間ナンバリングタイトルが出ないという中で、「どんなゲームになっているんだろう」と待っているユーザーさんも多かったと思います。そんな思いの中で一番良いカタチ、行き着くべきところにキチッと到達したタイトルになっていると思います。まだプレイされていない方、アドベンチャーゲームが苦手な方、シリーズを遊んだことのない方にこそ、ぜひ一度プレイして頂けたらと思います。もちろん過去作を遊んでいなくても問題ないので、まずは是非体験版をプレイして頂けたらと思います。こういうゲームの存在を知って楽しんでもらえたらても嬉しく思います。

――ちなみにブログに書いてあった「山﨑さんを殴ってもいい券」は何枚発行されましたか?

江城氏:365枚です!!(笑)。

布施氏:数えられないです!!!(笑)。

――ありがとうございました。

「逆転裁判5」開発チームインタビュー【前編】

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逆転裁判5

カプコン

3DSパッケージ

  • 発売日:2013年7月25日
  • 価格:5,990円(税込)
  • 15歳以上対象
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