雨の世界で繰り広げられる魅力的なゲーム体験―期待通りの新作だったPS3「rain」のプレイインプレッション

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ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアから2013年10月3日に発売となるPS3ダウンロード専用ソフト「rain(レイン)」のプレイインプレッションをお伝えする。

「rain」は、姿を失ってしまった少年たちの物語を描くアクションアドベンチャーゲーム。独特な世界観や幻想的に作り込まれたビジュアル、そして感情に寄り添ったサウンドなど、プレイヤーの心に眠る「懐かしさ」や「切なさ」といった、感情に強く訴えかけるゲーム体験の提供がコンセプトになっている。

本作が発表されてから、プロデューサー&ディレクターへのインタビューや、メディア向け体験会でのインプレッションなどをお届けしてきたが、ついに明日10月3日に発売を迎える。今回は製品版の内容を最後までプレイすることができたので、序盤の細かい内容に加え、中盤以降はネタバレのない範囲でインプレッションをお伝えしよう。

ゲーム起動後のメイン画面。ここで流れる雨の音が一気に「rain」の世界へと引き込んでくれる。

冒頭では、主人公の少年が怪物に追われている“透明な少女”を見つけ、その後を追うと雨の降る街にたどり着き、自分の姿も消えてしまっていた…という舞台背景が描かれる。このオープニングは本編と異なる絵本のようなタッチとなっているが、ここで描かれる雨の表現も非常に印象的だった。

続いてチャプター1では、姿の消えた少年を操作するという、特徴的なシステムと対面。雨が降っている場所に出ると少年の姿が浮かび上がり、雨の当たらない屋根の下などに行くとその姿が消える。少年や少女を襲う怪物たちも同様で、このギミックが本作のベースとなっている。

姿が消えた少年を操るといっても特別難しいことはなく、雨の降っていない場所でも、濡れたばかりの状態では足跡が残るようになっている。ずっと乾いた場所にいれば足跡も残らなくなるのだが、カメラワークで大体の場所が把握できたり、環境によってはジャンプをすることで埃が舞ったりすることもある。チャプター1はチュートリアルも兼ねた内容となっているので、ゲームの雰囲気を感じつつ、こうしたシステムや操作感に慣れていける。

世界の中に文字が浮かび上がる独特な演出。いざプレイしてみると違和感はなく、むしろマッチしているとさえ感じた。

チャプター2からは、泥の水たまりや少年を襲わない怪物といった新たな要素が登場する。泥で汚れてしまうと雨の降らない場所でも姿が浮かび、怪物に気付かれてしまうため、通常の水たまりや水に浸かれる場所で体をキレイにしていくのだ。こちらを襲ってこない怪物は体が大きく屋根がわりになるので、先へ進む際は遠慮なくお世話になろう。

ここまでの内容は、以前のインプレッションでお伝えしていたり、動画で公開されているのでチェック済みの人もいるだろう。ただ、チャプター3ではさらに新しいギミックも登場する。その内容はここまでと少し雰囲気も異なり、ロッカーの中に隠れて怪物をやり過ごしたり、オブジェクトを動かして道を切り開いたりと、周囲の環境を自分の手で動かして状況を打開していくシチュエーションが増える。

特にロッカーに隠れる場面では、今まで怪物に追われる恐怖だけだったものが、本当に見つからないで済むのか…と、別種の恐怖が感じられる。いわゆるゾンビ的なホラーではなく、日本風とでもいうべきか。ホラーではないものの、こうしてドキドキ感を煽られるシーンがあるのも本作の魅力のひとつだ。

このチャプター3では、少年が助けようとしている少女と協力する場面も出てくる。雨の世界では声が出せないため、少女とコミュニケーションを取ることもできず最初は逃げられてしまうのだが、怪物に襲われている少女を助けることで、こちらの存在に気付いてもらうのだ。

最初は少女を助けることが多いのだが、初めて少女に助けてもらった時は、声はなくとも人は通じ合えるのだと感動したことを覚えている。相手を助けると怪物の注意がこちらに向くこともあるのだが、それに構わず助け合う、長く一緒に冒険してきたかのような二人の相棒っぷりはぜひ注目してほしい。

ここまで駆け足でお伝えしてしまった気もするが、実際チャプター3まではサクサクと進められ、これ以降にチャプターごとのボリュームが増してくるといった流れになっている。チャプター4以降も新たなギミックが登場するのだが、とある状況の変化によって、そのギミックの趣もだいぶ変わったものになっている。

チャプターごとに新しい要素が出てくると難しそうに感じるかもしれないが、躓きそうな場所ではヒントが用意されている。操作的な難しさはあまりなく、発想に重きが置かれているのだが、それも難解なパズルを解くというより、何度か試して正解の道にたどり着くといった印象のものになっていた。

また、怪物に攻撃されたりするとミスになってやり直しだが、手軽にリスタートできるのも特徴。筆者がノーヒントでエンディングまでプレイした限りだと、ちょくちょくミスする場面はあったものの、ほとんど2~3回目のプレイで突破できた。唯一、5~6回ミスを重ねたポイントもあるのだが、そこも解き方が分からないといったミスではないので、難易度の高さで躓いたり、ミスによるやり直しで大きなストレスを感じる心配はないだろう。

ミスをすると「子供たちは闇に飲み込まれた」と表示される画面は、初めてみたときは衝撃的だった。

透明な少年と少女がどうなるのか、ストーリーの展開についても色々と書きたいところではあるのだが、当然、そこはプレイしてのお楽しみだ。過去のインタビューで、プロデューサーの鈴田氏が本作について「ユーザーの皆さんが好きそうな匂いがすると感じたら、必ず気の合うゲームになっている」と述べていた通り、独特の世界感、そしてそこでプレイヤーを待っているゲーム体験は期待通りのものだった。本作の世界観に惹かれた方は、ぜひプレイしてみてほしい。

※画面は開発中のものです。

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