コーエーテクモゲームスが2014年1月23日に発売を予定しているPSP用ソフト「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 神南」に、土岐蓬生役として出演する石川英郎さんへのインタビューをお届けする。
「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 神南」は、2010年2月に発売されたPSP/PS2用ソフト「金色のコルダ3」と同じ年の夏を舞台にした恋愛・育成シミュレーション。
「主人公がもしゲーム中に登場するライバル校・神南高校(以下、神南)の生徒だったら…」というIFストーリーを描くシリーズ最新作となっており、新たな恋の舞台で起こるドキドキのラブロマンスが体験できる。
ここでは、本作で攻略対象キャラクターのひとりとして登場する土岐蓬生役・石川英郎さんに、アフレコ収録後、話を聞くことができたので紹介しよう。
――アフレコを終えてのご感想をお願いします。
石川さん:やっと終わりました(笑)。こういった恋愛ゲームはワード数が多いこともありますが、一日で録るわけではなく、何時間か決められた中で何日かに分けて録るので、すごく長く収録していたような気がします。
――石川さんが演じられた土岐の魅力をお聞かせください。
石川さん:神南が神戸ということで、ほかのキャラクターは標準語ですが、土岐だけ現地の方言で喋っていて、それが一番の魅力だと思います。
関西の人に対して関東の人が思うイメージって、どちらかというと漫才のような感じの明るい人だと思うんです。土岐も基本的には明るい人なんですけど、漫才みたいな感じではなくて、雅の世界にいるような感じの独特な関西人なので、その点も魅力だと思います。
――ご自身との共通点はありますか?
石川さん:歳のせいなのか、最近目が悪くなってきて、メガネを日常的にかけることが多くなってきているので、メガネぐらいですね(笑)。
土岐みたいに女の子に独特の雰囲気で迫ることなんかできないですし、違うどころだらけなので、逆に土岐を演じるにあたっては割りきって、共感することはできないですが、納得することはできます。
――「金色のコルダ3」で演じたときと比べて、土岐に対する新たな発見はありましたか?
石川さん:まず、土岐を演じるにあたっての制作者様とのディスカッションの中で、一番最初に収録した時の感覚でセリフを書いていただいているという話を聞きました。土岐と接してから3年半経ちますので、自分の中にある土岐を表現しようとしても、一番最初の土岐とのズレがどうしても出てきました。
土岐も成長していますし俺も成長しているので、それを最初に戻すというのは役者として辛いところはありましたが、その違いが収録を終えて一番感じたところです。
――今回は神南を中心に描かれるということで、「金色のコルダ3」とは違った魅力があると思いますが、いかがでしょうか。
石川さん:神南は神戸にあるということで、いろんな神戸の名所も明確に名前が出ていて、神戸に来てみたいなと感じてもらえるようなゲームになっていると思います。知らない方もたくさんいらっしゃると思いますが、本当にいいところですよ、神戸は。
横浜に似ているという話もありましたが、確かに似ていると思います。港町ですし、中華街もあって西の横浜みたいな感じがするので、ゲームを遊ばれる関東の方も興味を持ってもらえると思います。
――ゲームにも出てくる、オススメの場所はありますか?
石川さん:ぶっちゃけた話、神戸って買い物に行くか、女の子とデートするか、ナンパするかの3つだけでしたが、雰囲気のいいところや夜景の楽しめるところ、港のスポットなどある中で、メリケンパークというところでずっと船を行き来するのを眺めていましたね。
ただ、震災時に神戸の主要なところが相次いでなくなり、そこから復興して新しい名所を作ろうという動きもあり、そういう部分も若干ゲーム内で出てるかもしれないので、その点も楽しみにしていただければと思います。
――ライバル関係にある大地とのバトルのみどころはありますか?
石川さん:正直全部喧嘩なのですが、その中でもお互いの意見が一緒で同調する時が結構あると思いますので、楽しみにしていただけたらと思います。
――喧嘩の感じは星奏にいた時とは違って、神南がホームで向こうから大地がやってくる感じですか?
石川さん:大地は時と場所を選ばないのでどこに行っても一緒ですし、逆に言うと土岐も図々しくてホームも何もないので、関係ないです(笑)。あの2人はそういう部分で共通しているんでしょうね。
――主人公が神南に入ったことで、主人公との関わり方に変わった点はありましたか?
石川さん:他校生と、自分と同じオケ部という風に考えると全然違いますよね。よく社会でもあるかもしれないですが、自分のところに入ったら後輩を可愛がったり、逆に言うと後輩の失敗も自分で感じてそれを補ったり、それをプラスに変えていくという点で責任という部分が絶対に出てくると思います。
転校生でも何でも後輩となると上が責任を持たなければいけないので、その責任の部分を含めて言うと全然違いますね。責任を持たなくていい分、他校生のほうが全然楽だと思います。
――恋愛的に考えるとどうでしたか?
石川さん:土岐として考えるのであれば、どちらでもいいと思います。逆に近くにいてラッキーみたいな感覚で、遠距離恋愛でできなかったことをできるようになることは得だと思いますが、それ以外はどこに行っても土岐は変わらないと思います。
――土岐のifストーリーがあるとしたら、どの高校でどういう絡みをさせてみたいですか?
石川さん:土岐って、みんな合わなそうな気がするんですけど、逆に考えると、みんな合いそうな気もするんですよね。基本的に演奏では土岐はソリストではなく、人間としても合わせるということに長けていると思うので、どこに行っても合うと思います。
その中でも至誠館は無理かもしれないですね、土岐は男ばっかりで汗臭いの嫌いなので(笑)。
――「金色のコルダ3 AnotherSky」では、主人公が「もし別の学校に転入していたら」のifストーリーになっていますが、もし石川さんが引っ越せるとしたら、どこに行ってみたいですか?
石川さん:沖縄に行きたいです。僕は高校時代にのべ1年、夏の間だけ沖縄で過ごしていたので。基本的に夏は好きで、沖縄の暑さも大好きなので、あと何十年かしたらセミリタイアして沖縄に住めたらと思いますが、たぶん無理でしょう(笑)。一生現役です。
――沖縄ではどのようなことをしていると思いますか?
石川さん:ビーチの仕事ができたらいいですね。肉体労働で結構大変なんですが、歳を重ねて第二の人生と思った時には、そういうのもいいかなと思います。
――石川さんの好きな子が別の高校に転校することになったらどうしますか?
石川さん:小学、中学、高校と思いは違うでしょうね。小学校の時はそんな関係を育めるわけがないので仕方がないと思うのですが、中学や高校になると連絡を取り合うことができるかもしれないので、そういう意味では離れていても、という気持ちで接することができると思います。
――もし石川さんが神南に入学したとしたらどのような学園生活を送ってみたいですか?
石川さん:みんな関西弁なので、僕は普通の学生生活できるでしょうね。ただ、ゲーム内で出てくる神南の生徒の中で関西弁使っている土岐だけなんですけどね(笑)。
多分、全国から管弦楽部に入りたくて来た人がいるから標準語が多いのでしょうけど、もし神南に入るのであれば、関西弁バリバリの人懐っこい石川でいるんじゃないですかね。
――土岐と仲良くなれると思いますか?
石川さん:そこそこ仲良くなれると思います。彼は車を持っているので、僕の足にするかもしれません(笑)。行動範囲が広がりますので、ダブルデートみたいなことをするんじゃないかなと思います。
ただね、基本的に誰でも好きなので、自分が狙っている女の子を取られる気がします。その時には喧嘩になると思いますが、喧嘩を通して仲良くなって、親友になって親交を深めていくんじゃないですかね。
――「ネオロマンス・フェスタ 金色のコルダ~Featuring 4 Schools~」で本作が発表された際、お客さんの反応を見た時の感想をお聞かせください。
石川さん:いやもう、びっくりしましたね。舞台裏にいましたがすごい歓声で、みなさんが期待してくれているというのが声で体感できて単純に嬉しかったです。その声も未だ俺の中に残っていますので、血反吐吐くまで頑張りました。
――「金色のコルダ3」では主人公が攻略キャラクターとお弁当を食べて親密度を上げていくというイベントがあったのですが、石川さんがもし相手が作ってきてくれたら好きになるかもしれない料理はありますか?
石川さん:お弁当ってものすごく夢みたいな話ですよね。学生時代に1回だけあったのですが、その時は嬉しかったですね。女の子ってお弁当をすごく小さく作ってくるのですが、それがまた嬉しかったです。
料理としては肉じゃがと卵焼きを作るのが上手な人がいいですね。俺は甘い卵焼きがダメなので、今後俺に卵焼きを作ってくれる人は甘くしないでください(笑)。
――「金色のコルダ」の登場キャラクターたちは毎日演奏の腕を上げるために練習に励んでいるのですが、石川さんが今取り組んでいること、上達したいことはありますか?
石川さん:原稿を見て一瞬でわかるぐらいの読解力と、それを完璧に表現できるのスキルを身につけていけたらと思いますが、無理ですね。台本は読めば読むほどニュアンスも違ってきますし、自分の解釈も違ってくるので、やはりじっくり読むのが一番です。あとは最近スロット出ないな、ぐらいですね(笑)。
――「金色のコルダ」ではクラシック音楽がたくさんBGMやキャラクターが演奏する曲として登場しますが、もし石川さんが演奏するとしたらどんな曲をやってみたいですか?
石川さん:昔バイオリンをやって、ピアノをやって、トランペットもやったことがあるんですよ。あとはギターやベースを遊び程度にやって、オペラとかの声楽もやっていたので、ひと通りはやっているのですが、がっつりずっとというのは無いんですよ。
音楽って一度やめるとダメで、元に戻すためにはやっていた期間の5倍はかかるので、多分死ぬまでできないんじゃないかと思いますし、それまで続けていればよかったなと思います。
この間のイベントでも言ったのですが、声楽ができたらなとは思いますし、昔とった杵柄で似たようなことはできるのですが、本格的にできないので勉強してやれたらなとは思います。
――最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。
石川さん:「金色のコルダ」10周年ということで、歴史的なものを感じています。「金色のコルダ」の歴史の移り変わりに「金色のコルダ」の仕事をしているということがすごく幸せなことで、10年前にこんなことを思っているとは想像していませんでした。
「金色のコルダ」はみなさんに支えられていますので、それが続く限りは20年でも30年でもやれたらいいなと思っています。とにかく自分が演じられる限り、そしてそれを応援してくれる方がいる限り、「金色のコルダ」という世界をもっともっと楽しんでいきたいと思いますので、みなさんと一緒に楽しんでいきましょう。
――ありがとうございました。