コーエーテクモゲームスが2014年3月27日に発売を予定しているPSP用ソフト「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 至誠館」に、火積司郎役として出演する森田成一さんへのインタビューをお届けする。

森田成一さん
森田成一さん

「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 至誠館」は、2010年2月に発売されたPSP/PS2用ソフト「金色のコルダ3」と同じ年の夏を舞台にした恋愛・育成シミュレーション。

「主人公がもしゲーム中に登場するライバル校・至誠館高校の生徒だったら…」というIFストーリーを描くシリーズ最新作となっており、新たな恋の舞台で起こるドキドキのラブロマンスが体験できる。

ここでは、本作で攻略対象キャラクターのひとりとして登場する火積司郎役・森田成一さんに、アフレコ収録後、話を聞くことができたので紹介しよう。

火積司郎
火積司郎

――アフレコを終えてのご感想をお願いします。

森田さん:とにかく大量でした(笑)。最初にこの台本をもらった時にあまりの分厚さに驚愕しました。これ、全部火積で言うのかと思うとキツイな、と思いながら収録を始めたのですが、実際に収録を進めていると長く感じずにサラサラと終わりました。

フルボイスになり、物語の最初から最後まで一連で追いかけられて気持ちが作りやすかったことが、時間を短く感じられた要因かなと思います。

――今作では火原(「金色のコルダ」「金色のコルダ2」で攻略対象キャラクターとして登場した火原和樹)も収録されましたね。

森田さん:今まで先生になった火原はそんなに多くは演じていなかったので、成長した火原をどう演じるのかというところはひとつの課題ではあったのですが、上手く自分の中で火原を成長させることができたかなと思います。

今回、成長して先生という立場になったからこその火原らしさや、雰囲気を、改めて感じられました。それを自然に演じることができましたし、逆に火原和樹という人間だったら、こうは言わないというのがはっきり見えたのが、僕にとってとても嬉しかったことですね。

10年以上付き合っているキャラクターなので、そういう違いを自分の中でしっかりと精査できたのは、火原とのシンクロ率がものすごく高くなっていて、自分の中にしっかりと火原和樹という人間がいるんだなということを再確認することができたとてもいい時間だったと思います。自分で演じていて変な話なのですが、とても感動しました。

――森田さんが演じられた火積の魅力を教えてください。

森田さん:火積は顔にバッテンの傷があって、裏地にファイヤーパターンのある学生服というとんでもない格好をしていて、見た目があからさまに恋愛シミュレーションゲームに出てはいけない人なんですよ(笑)。

およそ恋愛シミュレーションゲームにプレイヤーのみなさんが求めるものとはかけ離れたところにいるので、きっと避けて通る方が多いと思うんですけど、彼はものすごく可愛らしいし、とっても人間味溢れる人物です。純朴なキャラクターだと思います。

身なりやしゃべり方は本当に怖いのですが、根はものすごく素朴で、プレイしていく内に素朴さや可愛さがにじみ出てくるようになっていると思います。僕もそういう風に演じているので、ぜひ見た目に惑わされずにプレイしていただきたいです。

――「金色のコルダ3」で演じたときと比べて、火積に対する新たな発見はありましたか?

森田さん:今回フルボイスになったことで、今まで語られなかったことや僕自身もよくわかっていなかったことが、はっきりと言葉として表れてきました。イベントの中で描ききれなかったオフの火積司郎などが網羅されました。それによって彼の人間味が増したと思うし、僕も自由に動かせることができたので、街中にいる姿や家族の中にいる姿といった、至誠館の火積ではない火積を見られたのが面白かったです。ぜひプレイヤーのみなさんも、新たな発見をプレイしていきながら見つけていくと、きっと火積司郎が厚みを増すのではないかと思います。

――ご自身との共通点はありますか?

森田さん:顔に傷もないですしね(笑)。昭和な感じがするああいうタイプの人間が僕は好きで、そういう雰囲気を火積で出せたことは嬉しいです。共通点となると難しいのですが、自分の中にもともとあった蓄えてきたものを、こうして出せたのはすごく嬉しく思います。しかも、恋愛シミュレーションゲームで出せているのが、いい意味で裏切っている気がして、痛快ですね(笑)。

――主人公が至誠館に入ったことで、主人公との関わり方に変化はありましたか?

森田さん:小日向と話す機会がすごく増えました。今まではイベントごとの大きな会話がピックアックされていましたが、私生活での他愛もない話もするようになって、小日向自体のキャラクター性もより一層浮き彫りになったと思います。

もちろん、プレイヤーの方が操作するキャラクターなので際立った個性はつけていなくて、それはプレイヤーの方自身がつけていくものだと思うのですが、それでも小日向自身のベースというものが前作よりもはっきりしたと感じました。

その中で僕が特筆して言いたいのが、小日向がすごく明るい子であるというのと、その明るさを押し付けるのではなく上手く相手に経験してわかってもらう、というのを自然な流れで感じてもらえるキャラクターになったなというのが新しい発見でした。

――「金色のコルダ3 AnotherSky」では、主人公が「もし別の学校に転入していたら」のifストーリーになっていますが、もし森田さんが引っ越せるとしたら、どこに行ってみたいですか?

森田さん:僕は一度も転校したことがなくて、引っ越しも家を建て直すときのほんの数ヶ月間だけですし、東京がものすごく好きなので思い浮かばないです。全国津々浦々、海外までいろいろなところに行っていて、どこでもと思うのですが、強いて挙げるとすれば、海の幸が豊富に取り揃った北海道に住みたいかな。あそこまで逃げれば事務所の手も届くまい、と思ったりして(笑)。

――もし森田さんが至誠館に入学したとしたらどのような学園生活を送ってみたいですか?

森田さん:僕は男子校出身で吹奏楽部だったのですが、夏の高校野球にも応援に行っていて、応援団みたいな役割も果たしていました。至誠館とほとんど変わらない感じだったんですよ。吹奏楽部自体は男女混合だったのですが、至誠館の感じはすごくしっくり来ました。

音楽に関するお話だったので「1」「2」もすんなり入っていけたし、コンクールがどういうものかも知っていたのでリアルに演じることができました。僕は管楽器ではなくてパーカッションではあったものの、すごく気持ちはよく分かるしやりやすかったですね。その点については、ほかのキャストより一層リアルに分かっていると思います。

――至誠館で吹奏楽部に入部したとして、火積たちと仲良くできると思いますか?

森田さん:吹奏楽部は結構バラエティに富んでいるんですよ。逆にもっと扱いづらい奴がいっぱいいるので、火積のほうが扱いやすいですよ。人との付き合い方や喋り方がぶっきらぼうなだけであって、根は真っ直ぐなのでやりやすいと思いますね。

なので至誠館に入っていくこと自体は問題ないし、部長がああいう風にしっかりしている人で人望も厚いので、逆にやりやすいんじゃないですかね。八木沢部長はやたら大人ですからね。なので至誠館だったら全く問題なく過ごせると思います。

――「金色のコルダ3」では主人公が攻略キャラクターとお弁当を食べて親密度を上げていくというイベントがありますが、森田さんがもしお弁当を作ってもらえるとしたら、どんなメニューがいいですか?

森田さん:できれば茶色い感じがいいです。いわゆるお母さんが作っているお弁当がベストです。赤があって、緑があって、黄色があってというのが見た目は綺麗だと思いますが、高校生の弁当は量ですよ。あとスタミナがつくもの、パワーが出るものが一番いいですね。

僕は高校の頃、弁当を2つ持っていっていました。朝練があって6時ぐらいには学校に着かなければいけなくて。母親が作ってくれた弁当と、それだけでは足りないので自分で勝手に弁当を作って、朝練が終わった直後に食べていました。

可愛らしい弁当は見た目はいいのですが、高校生の僕たちにそんなものは関係ない。質より量なのだよ!(笑)

――森田さんの好きな子が別の高校に転校することになったらどうしますか?

森田さん:高校生の時は男子高で私立だったのでそういうことは無かったですね。そもそも高校生に追っかける財力は無いだろうと(笑)。僕たちの時代は携帯電話とかメールとかないので、好きな女の子に電話するにしても、一生懸命電話のコードを引っ張ってきて、部屋に持ち込んで電話を掛けるというのが常でした。

幸運にも遠くに行ってしまった好きな子と連絡が取れるのであれば電話するだろうけど、現実的には長くは持たないんじゃないかなぁ。

でも大学生になって、彼女が地方から東京の大学に入って、ある時サークルの合コンか何かでバッタリ会っちゃって、みたいなのがドラマじゃないでしょうか(笑)。

――火積のifストーリーがあるとしたら、どの高校でどういう絡みをさせてみたいですか?

森田さん:一番バランスがとれていますし、やっぱり星奏学院じゃないですか。僕も星奏学院に対する思い入れが大きいので、。

僕、仙台の街もすごく好きなのですが、横浜が遠くなった寂しさもあって、キャストとして星奏学院に戻りたい気持ちはあります。

――星奏学院では火積はどのようになると思いますか?

森田さん:火積は上着がスカジャンに変わります。でもきっと火積は仙台のことを想っているので、後ろの刺繍は笹か、独眼竜の兜になって、スカジャンにの色も青や緑になると思います。それで本牧あたりでブイブイいわせてほしいです。

――「ネオロマンス・フェスタ 金色のコルダ ~Featuring 4 Schools~」で本作が発表された際、お客さんの反応を見た時の感想をお聞かせください。

森田さん:今までのコンスタントだった流れからすると、今回は少し間を置いた感じがします。発表の時によってお客さんから「キャー」という声が上がったことが嬉しかったのですが、同時に、これはかなりしっかりと作らなきゃと思いました。

至誠館に関してはものすごく温かい作品になったなというのが僕の今の率直な気持ちですね。

――今回担当された作品ならではの今だから言えるエピソードはありますか?

森田さん:始めて火積司郎のキャラクター設定画を見たときのことなんですが、「金色のコルダ3」が出ることも知っていましたし、キャラクターが変わるということも知っていたのですが、なんでマネージャーは他のゲームのキャラクターを出してきたんだと思いました。「は?」となりましたね。

そしてスタジオに行って収録するときに、「明らかに恋愛シミュレーションになりませんけど、どうしましょうか?」と言ったら、「その線で言ってくれ」と言われて、「いわゆるその選択肢ですよね?」と返したら「そうですね」と言われ、「本当にいいんですか?」と何回も聞き続けたというのが、僕と火積のエピソードです。

結局、そのかたちになって今は落ち着いていて、今やっと迷いがなくなってきましたが、ネオロマンスのイベントで火積をやる度になんか恥ずかしいんですよね。周りがすごく甘いセリフを甘く言っている中で、火積が言ってもなんかシーン、とするんです。

最近は「火積君可愛いんですよ」とみなさんからフォローしていただけるので嬉しいです。

――最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。

森田さん:かなり大量のセリフを読みました。ということは、すなわちこのゲームはやり終えるのにものすごく時間がかかるということです。それだけスタッフの熱がものすごく込められている作品ですし、ものすごく作りこまれている作品ですので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

キャストの僕たちも、スタッフのみなさんの熱意をしっかりと受け演じさせていただきましたし、ファンのみなさんの期待を裏切らないように作っているので、ぜひ「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 至誠館」をしっかりとやり込んで、心を温めていただきたいと思います。

――ありがとうございました。

金色のコルダ3 AnotherSky feat. 至誠館

コーエーテクモゲームス

PSPダウンロード

  • 発売日:2014年3月27日
  • 12歳以上対象
  • PS Storeダウンロード版

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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