【TGS 2014】国内市場をどのようにして盛り上げていくのか-新プレジデント盛田厚氏が語るSCEJAの戦略

インタビュー
0コメント 仁志睦

9月18日、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2014にて、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)の新プレジデントである盛田厚氏に合同インタビューを実施。SCEJAの国内市場における戦略や現時点での課題などについて語ってもらった。

営業時代にはMSX版初代「ドラゴンクエスト」に没頭

ソニー・コンピュータエンタテインメント<br />ジャパンアジア<br />プレジデント 盛田厚氏
ソニー・コンピュータエンタテインメント
ジャパンアジア
プレジデント 盛田厚氏

――まずは盛田さんのこれまでの経歴を教えてもらえますか?

盛田氏:私はソニーに入社したのが30年くらい前でして、最初は国内の営業部隊に配属されました。そのときにMSXフォーマットのパソコンをゲームPCとしてプロモートしていくことになりまして、その営業で日本全国を飛び回りました。それがゲームとの出会いですね。話がそれますが、そこですごく苦労した記憶があるので、初代プレイステーションが広まったときは本当にうれしかったです。

そのあとイギリス赴任を経て、帰国後は違うことをやってみたいと思い経営管理部隊に入りました。8年ほど前にSCEに移ってからも経営管理的な仕事をしてきまして、このたびSCEJAの現場に携わるようになった次第です。

――よろしければ特に好きなゲームを聞かせて下さい。

盛田氏:MSXの営業をしていたとき、お店で説明をするために家でゲームの練習をしていたのですが、そのときプレイした「ドラゴンクエスト」ですね。RPG的なものをやったのが初めてで、最初はこういうものに没頭できるのだろうかと少し懐疑的だったのですが、すごくハマってしまいまして(笑)。そういう思い出があるので、先日の「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」の発表は本当にうれしかったですし、反響もすごかったですね。

プレイステーションフォーマットのポテンシャルは高い

――先日のカンファレンスで「日本のコンソール市場は欧米から遅れている」と言われていましたが、その意図と現在の日本のゲーム業界をどのように認識しているか聞かせて下さい。

盛田氏:日本でPlayStation 4(以下「PS4」)を発売したときの勢いなどを欧米と比較すると、現時点ではまだ我々が目標としていたところに届いていないということを認識しなければいけないという意図がありました。ただ、だから日本のゲーム業界自体が遅れているとか厳しいとかいうわけではなく、日本のユーザーの期待するタイトルがその時点で提示できていなかったことが原因のひとつだったとも考えています。

今回のゲームショウでは、そういったユーザーさんの要望への答えを出しているつもりでいますので、それを皆さんにちゃんとお伝えして体験していただき、もう一度PS4を盛り上げていきたいですね。日本はカジュアルゲームを含めて、いろいろなデバイスでゲームを遊んでいる人がたくさんいます。日本のゲームエンタテインメントのポテンシャルはすごくあると思っていますので、決して悲観的にはなっていません。

――リビングに人を呼び戻すための新しい体験が必要になってくると思いますが、そういった部分でプレイステーションフォーマットのどの部分をアピールしていきたいと考えられていますか?

盛田氏:まずは、今までゲームが好きで遊んできた人たちに、スペックも含めたPS4ならではの体験をアピールしていくことが第一だと考えています。それが先日のカンファレンスで話したことでもあります。さらに、PS4というのは人のプレイを見るとか自分のプレイをシェアするとか、ものすごく遊び方に広がりが出てきていると思います。その広がりを楽しんでいただくことも重要だと思っています。PS4を中心としたプレイステーションフォーマット全体で、今までとは違うゲーム体験を提供していく。さらに、プレイステーションフォーマットというものを拡大していくことがキモになるのではないでしょうか。

――最近はゲーム実況が人気になっていますが、そういったものも追い風になっていると感じますか?

盛田氏:楽しみ方が広がっているのは、とてもいいことだと思います。我々がこれまで考えていなかった楽しみ方が、これからもどんどん出てくるでしょうし、逆にユーザーの皆さんが新しい楽しみ方を作っていくこともあるでしょう。そういった皆さんが楽しめるためのいろいろな施策は打っていきたいですね。それができるようになったのがPS4でありPlayStation Vita(以下「PS Vita」)です。そういう意味ではプレイステーションフォーマットはものすごくポテンシャルがあると考えています。

今回のゲームショウでユーザーに提示するもの

――今回の東京ゲームショウにおけるSCEさんのコンセプト、見どころなどを教えて下さい。

盛田氏:宣伝みたいで恐縮ですが、盛りだくさんです。先日のカンファレンスでもご説明させていただきましたが、PS4のタイトルがようやく揃ってきました。もちろん、PS Vitaのほうもタイトルが出てきていて、どちらも多数の試遊台を準備しております。まずはそれらの体験を楽しんでいただきたいですね、

また、「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」の展示も行っております。皆さんの体験をもとに我々もさらに前へ進めると思いますので、楽しんでいただくと同時にご意見もいただけたらうれしいです。

――やはり、先日のカンファレンスでは「Project Morpheus」への反響もかなり大きかったのでしょうか。

盛田氏:これまでも各イベントで出させていただいていたのですが、今回のゲームショウ前の反響は特に大きかったですね。

――日本と海外のユーザーとの嗜好の違いがあると思いますが、そういった部分での日本独自の戦略を聞かせて下さい。

盛田氏:おっしゃるとおり、日本のユーザーが特に好むゲームとか楽しみ方があると思いますし、そういったものを提供していかなければならないと思っています。そのためには日本のパブリッシャーさんやデベロッパーさん、インディーも含めて幅広い人たちにタイトルを作ってもらうことが重要になるので、その部分でのコミュニケーションは密にとっていきたいですし、さまざまなサポートもしていかなければならないと考えています。そのひとつとして、例えば今回のゲームショウのインディーコーナーなどは我々も全面的にバックアップしています。

日本のお客様に向けた日本のメーカーさんが作るタイトルが重要になってきますので、そこはちゃんとやっていきたいですね。その意味では、くり返しになりますが、今回のゲームショウではひとつの答えを出せているのではと思っています。

ただ、欧米のゲームでも、すごく面白くて日本のユーザーさんにも響くものがありますし、実際に少なくない数が売れるようになってきています。例えば、最近発売された「Destiny」はハードウェアを牽引するほど購入していただいています。ですから、欧米のタイトルでも面白いものは日本でも受け入れられると思いますので、ちゃんと提供していきたいですね。

――「Destiny」のようなFPSは以前なら敬遠されがちでしたが、日本のユーザーの嗜好が変わってきたのでしょうか。

盛田氏:「Destiny」に関しては、アクション的な要素やRPG的な要素も組み合わさっているなど、新しい体験をできることが人気の要素になっていると感じます。もちろん、ユーザーの嗜好も変化してきているでしょうが、それだけではなくてゲームの体験が変化しているというのが大きいのではないでしょうか。

――先ほどインディーコーナーをスポンサードされていると言われていましたが、その意図を詳しく教えてもらえますか?

盛田氏:ゲーム業界はハードウェアだけでは成立しないので、クリエイターさんたちと一緒に拡大していくことが必須の条件になります。クリエイターさんたちが自由な発想を実現できるような形にもっていくことが、ユーザーさんのためでもありますし、ひいてはゲーム業界全体のためでもあると思っています。ですから、これは我々のやらなければならないことのひとつで、注力していきたいですね。

――それでは最後に今後の意気込みをお聞かせ下さい。

盛田氏:まず、日本のマーケットを盛り上げていくためのけん引役にプレイステーションがなりたいと思います。さらに言うと、日本を含めたアジアが世界のゲームエンタテインメントをリードするというところに持っていきたいですね。そのために業界全体が一丸となって盛り上げていくことが私のやりたいことです。ほかのハードメーカーさんと戦うとかではなく、みんなで切磋琢磨して一緒に盛り上がっていくことが第一だと考えています。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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