スクウェア・エニックスから2015年4月23日に発売された3DS用ソフト「ブレイブリーセカンド」のプロデューサー・浅野智也氏とアシスタントプロデューサーの高橋真志氏にインタビューを実施。本作の開発秘話や現在の心境から気になる続編のことまで、さまざまなお話を聞くことができたので、紹介していこう。
目次
注)本稿は序盤の展開に関するネタバレを含んでいます。これからプレイするという人やプレイし始めたばかりの人は気をつけてください。
序盤のサプライズだったパーティー編成、体験版で三銃士が主人公だった理由
――発売からもうすぐ3週間(インタビューが行われたのは5月11日)ですが、現在の手応えを聞かせてください。
浅野氏:続編に向けて2年半くらいずっとやってきたので、今は反響をひとつひとつ楽しんでいるところです。もちろん、期待に応えられなかった部分も目にしていますし、真摯に受け止める部分は受け止めつつ、その上で次はどうしようかなと企画を練っているところです。
――すでに次の話が動いているんですか?
浅野氏:ええ、そうですね。
――非常に気になるところですが、その前にまず本作についてうかがっていきたいと思います。かなり前作を踏まえた内容になっていますが、そのようにした意図を教えてもらえますか。
浅野氏:「セカンド」を作るにあたって、開発チームも含めてかなりの議論をしました。すべてを一新してという考えも当然あったんですけど、やっぱり前作の舞台やキャラクターに思い入れがありまして。ファンの皆様の声も多かったですし、自分も前作の続きが見てみたいなと思ったところが大きかったですね。
――前作のようなサプライズを求める声はプレッシャーになりませんでしたか?
浅野氏:当然期待されるだろうと思っていたので、いかにそれを越えるか。そうした期待に応えて、それ以上の楽しみをどう作るかといったところで骨を折りましたね。
――体験版では三銃士+マグノリアが主人公で、当然本編もと思っていたら意外な展開になっていました。序盤からサプライズだったわけですが、このようにした狙いを聞かせてください。
浅野氏:バトルのことを考えるとできるだけ早く4人のキャラクターをそろえて、育てていくのを楽しんでもらいたいというのがあります。ユウ、ジャン、ニコライの関係をたっぷり描くと、なかなかパーティーがそろわないということになってしまいますからね。ですので、そうした部分は体験版で遊んでもらうことにしました。そうすれば本編で驚きも得られますしね。
体験版を本編の一部を切り出す形にすると、本編の楽しみを奪うことになると思うんですね。ですから、体験版は体験版として別物にして、それでいて本編がより楽しくなるためのものはどういったものかというのを考えました。ただ、「ジャン、ニコライと冒険できると思っていたのに」という声もけっこう見ていまして、そういった方たちには申し訳なかったなと思っています。
――こうしたサプライズがあるだけに、事前情報の出し方にもかなり気を使ったと思います。
浅野氏:どのタイミングから「セカンド」の情報を追いかけてくれているかという、お客様の深度と言いますか、そういったものもかなり意識したつもりでいます。ずっと追いかけてくれている方には、あるタイミングまで「三銃士だよ、今回は!」というように見せておいて、発売直前から情報を目にした方や体験版を遊ばないような方には主要キャラがティズ、イデア、ユウ、マグノリアと見えるようにと。
――どういうタイミングで情報に触れても楽しんでもらえるようにということですね。
浅野氏:そうですね。ずっと追いかけてくれている方にはそれにふさわしい……というとおかしいかもしれませんが、ビックリは届けられたのではないかと思います。
――総プレイ時間はどのくらいを想定されていますか?
浅野氏:「フライングフェアリー」のときは、最初20時間くらい遊べればいいだろうと考えていたのが60時間以上みたいになってしまったんですね。ただ、ボリュームのあることがけっこう喜ばれたので、今回は最初から50~60時間くらいをターゲットにしました。僕は60時間ほどかかりましたが、高橋みたいにうまい人がプレイすると……。
高橋氏:僕は40時間くらいでしたね。もっとも、それは取らなくてもいいものは取らなかったという場合で、全部のシナリオやアイテムをとなったら100時間はプレイしないといけないと思います。
浅野氏:ジョブもものすごく多いので、いろいろなプレイをしていただけると思います。
高橋氏:浅野はどちらかというと全部のジョブをまんべんなく使ってバトルを楽しみたいというタイプですが、僕はこのジョブと決めたらそれに特化していくほうですね。このように、プレイヤーそれぞれのスタイルで遊べるというのも強みじゃないかと思います。
また、「フォーザ・シークウェル」もそうでしたが、今回も戦闘の4倍速やエンカウント率の切り替えなど、遊びかたに合わせたカスタマイズをいろいろとできるようになっていますから、なかなか快適にプレイできるんじゃないかなと思っています。
――確かに便利なシステムがたくさんありますね。
浅野氏:今回はLRボタンで攻撃回数を操作できるようになっていますが、あれはすごく便利ですよ。攻撃を4回するとか、特定の技を複数回使用するといったときに重宝しますね。
――「ブレイブリーセカンド」のSPがプレイ中でも貯まるようになりましたが、そうした理由を教えてもらえますか。
浅野氏:「フォーザ・シークウェル」のときは思ったほど使ってもらえなかったので、それを受けての改善です。「ブレイブリーセカンド」中はクリティカルの出る攻撃はすべてクリティカルになるとか、いろいろ遊びやすくしてありますから、ピンチのときや大きなダメージを与えたいときに、積極的に使ってもらえればと思います。
――自分は社会人でスリープにしている時間が長いので重宝しています。ただ、1日に長時間ヘヴィにプレイする人には貯まるのが遅く感じるかもしれませんね。
浅野氏:1日1時間で1か月かけてプレイする方や1日30分で2か月以上かけてプレイする方もいれば、1日に5、6時間プレイして1週間くらいでクリアしてしまう方もいるわけで、どういった人をプレイヤーとしてイメージするかというのは難しいところです。
ただ、基本的には難易度がノーマルでエンカウント率をいじらず、サブクエストでどちらかのジョブを取ってバトルから逃げずに、というように進めていけば、ちょうどいいプレイができるように調整しています。1作目の歯応えがあったところが面白かったという方は難易度をハードにしてもらえればと思いますし、逆にカジュアルにすれば、すごく簡単になります。
さまざまな試行錯誤があったという新ジョブの開発
――主人公のユウですが、坊ちゃん気質でちょっとヘタレでと、前作の主人公のティズよりもキャラクターが濃いという印象があります。このような性格にした理由を教えてもらえますか。
浅野氏:前作に登場したキャラクターはプレイヤーの思い入れが強いんですよね。ですから、彼らに負けないようにキャラクターを見せていこうというのがありました。
――特にお気に入りのキャラクターはいますか?
高橋氏:新キャラクターで言うとジャンですね。彼が背負っていたものというのが後半になって分かってくるんですけど、改めてプレイしてみてジャンのストーリーも見てみたいなと思いましたね。同じくらいの年齢のティズやアニエスとかと比べても、けっこう深い過去を持っているキャラクターですし、その分、考え方も大人っぽかったりするので。
――最初は子供っぽいユウと対照的ですね。
浅野氏:はい、そこは意図していたところですね。
――では、浅野さんの好きなキャラクターは?
浅野氏:僕はティズが面白いかなと思います。「セカンド」を考えるにあたって、前作からどう変えるかみたいなところをティズがすごく象徴していると思います。ビジュアル的にも「どうしてこうなったんだ」というような謎がありますし。パッケージの絵にも秘密が含まれていて「セカンド」のお話の根幹を担っている存在です。
――ティズやイデアといった前作にも登場したキャラクターの場合、変えてはいけない部分と変えなければならない部分があったと思います。そういったところで特に気をつけたことを教えてください。
浅野氏:例えば、イデアの場合は2年たって立場も変わって、本当はもっと大人っぽくなっているはずなんです。けれども、「セカンド」でみんなが会いたいイデアはどうなのかなというのも考えて、できるだけ前作のイメージを踏襲しています。ただ、まったく同じだと成長がないと言われちゃいますから、入口といいますか、最初の印象はあまり変わらないようにしていますが、全体を通して見ると成長した部分を感じられるようになっています。特に、イデアの場合はバーターサブシナリオを体験していってもらえれば、大人になった部分を実感してもらえると思います。
――新しいジョブについて聞かせてもらえますか?
高橋氏:わりとトリッキーなものが多いと思いますが、それをいかに使ってもらうかというところを情報出しも含めて意識していましたね。例えば「ウィザード」の修飾句の場合、「魔法のあとに言葉が付けられるのってどういうことなんだろう」という引きになるポイントを重視しました。前作をプレイしてジョブやアビリティに詳しい人なら「こんな遊び方もできるんじゃないかな」と、いろいろ夢がふくらむジョブじゃないかと思います。
――攻撃魔法を使うということで、黒魔道士と対比されてしまうので難しかったのではと思います。
高橋氏:そうですね。「黒魔道士とどう違うの?」っていうのは最初に考えた部分で、いろいろディスカッションしました。「ビショップ」も同じですね。白魔道士と同じになっちゃいけないと。
――そのふたつの登場が早いのは狙いがあったのでしょうか?
高橋氏:物理攻撃、回復魔法、攻撃魔法が早くそろうようにというのは意識しましたね。最初に手に入る4つのジョブに関しては特に気を使って順番を決めました。
浅野氏:ただ、ビショップが手に入るのが若干遅いんですよね。それまではポーションで回復してもらわなければいけないわけで、そのために「すっぴん」に「はんぶんこ」という全体を回復できるアビリティを入れました。
――「チャリオット」が「なげる」で使った武器を回収できるのはすごくありがたかったです。あのアイディアはどこから?
高橋氏:「なげる」が使えるようになるのは、通常はだいたい中盤か終盤くらいだと思います。その頃には武器ってけっこう持っていて、余っているものは投げてしまえというのがあるんですが、今回は序盤から使えるようにしたので「武器を投げるのはもったいない」となるだろうと思いまして。それは良くないだろうと、強いからどんどん使ってほしいというのがあってアレンジを加えました。
――確かにもったいないという意識が働きますね。
高橋氏:序盤は特にそうですよね。
――初期の構想と大きく変わったというジョブはありますか?
浅野氏:バランス調整の部分ですね。「ブレイブリー」はバランスの部分をすごく大事にしていて、社内チームでのテストプレイを何度も行っています。プレイして調整して、またプレイして意見をとって、またもう1回と。これだけ磨いているタイトルはなかなかないと思いますが、その過程で魔法の強さとか、アビリティの威力とか、並び順とか、1回目の頃から見るとすごく変わりましたね。
――新たなジョブを考える上で気をつけたことは何でしょうか?
浅野氏:「戦士」や「武闘家」みたいなのは、ちょっと新ジョブに選びにくいんですよ。やはり、新しさを感じてもらわないといけませんから。ただ、イロモノ的なものばかりになってはいけないというのもありましたね。「ブレイブリー」の場合、アスタリスク所持者のイメージにくっつけていかなければいけないというのもありますし。
――ネーミングの部分は特に大変だったわけですね。二転三転したものとかはありますか?
浅野氏:最後に決まったのはチャリオットでしたね。「ゴッドハンド」というのも候補に上がっていましたが、遊びの幅の広がりを考えると、素手のイメージが強いゴッドハンドよりも、武器を使いこなすジョブの方が有利と考えました。
――新ジョブは特徴を際立たせなければいけない分、調整も大変だったでしょうね。
高橋氏:そこはすごく気を使いましたね。ふつうはダメージ1000くらいだけど、このジョブとアビリティの組み合わせだと5000くらい出ちゃうってのいうはよくないですから。特に、ウィザードの修飾句は当初バランスブレイカーになっている部分があったので、いろいろ大変でした。
――おすすめのアビリティを教えてもらえますか?
浅野氏:ウィザードの修飾句の「ミスト」ですね。個人的に補助系が好きなので、敵にはダメージを与える系のものを、味方には回復系のものを「ミスト」でかけてとか。パティシエのケーキを投げる弱体化もいいですね。防御を弱くして弱点属性を付けまくって、ケーキまみれになったところをやっつけるという。
高橋氏:ケーキは僕もよく使っていましたね。一番爽快感があるなと思ったのはフェンサーのかまえを変えながらの攻撃です。「ウルフファング」→「バイソンホーン」→「ウルフファング」と、かまえを変えてパラメーターを上げながら攻撃していくというのは新しいゲーム性だと思いましたね。ねこ技もハマると強いです。攻撃、回復、補助が全部できてしまいますから、4人全員をねこ使いにしていた時期もあります。
浅野氏:バランスチェックのチームから聞いて驚いたのは、ボス戦で敵にケアル+ウォールをかけるというものですね。そうすると、攻撃したときに敵にはダメージが入って、こちらはウォールで回復されると。こんな使い方があったかと思いましたね。きっとこういうのが、ほかにもいっぱいあると思います。
「バーターサブシナリオ」導入の意図とそのほかのお楽しみ要素について
――前作のジョブが手に入るバーターサブシナリオですが、このシステムを導入した理由を教えてもらえますか?
浅野氏:今回はジョブの数が多いので、ゲームのバランス的にも、お話の進行的にも適当でないと考えました。基本的にサブシナリオは寄らなくていい作りにしているんですけど、やっぱり出たら行くじゃないですか(笑)。そうすると寄り道ばっかりになってしまいます。また、序盤から旧作のジョブが手に入りすぎるのもどうかという危惧がありましたね。
高橋氏:ただ、全部のジョブを最初から集めていきたいという声もけっこう届いていまして。どうだっただろうかと気になっているところではあります。
――これは自分の個人的感覚かもしれませんが、欲しいジョブを持っているキャラクターのほうが、心情的に味方したいということが多かった気がします。そういった意図はあったでしょうか?
浅野氏:あらゆる要素で悩ませようとはしていますね。でも、それを選んだから大失敗ということはないようにもしてあります。どのジョブもすごく強いですから。
――サブシナリオだと「赤魔道士」と「シーフ」が最初に登場しますが、こちらの順番はどのような意図から決まったのでしょうか。
浅野氏:シーフと赤魔道士の場合、その時点で一応ビショップとウィザードの魔法が使用可能になっています。ただ、新しいなじみのない魔法ですので、従来の魔法も使いたいだろうということで赤魔道士を。さらに、アイテムを盗むプレイをしたい人は早く「ぬすむ」のアビリティが欲しいでしょうからシーフとの2択にして、どっちがいいかと。基本的にそういった形で並べていっていますね。
高橋氏:自分たちの攻撃力を上げるスーパースターと相手の攻撃力を下げる海賊ですとか。ナイトと忍者の場合も両手持ちがいいのか、二刀流がいいのかとかですね。
――なるほど、分かりました。事前情報でのジョブの発表の順番もかなり気を使ったと思いますが、どのように決められていたのでしょうか。
浅野氏:最初に紹介したトマホークなどは体験版に入っていたので、その配信日に合わせてですね。
高橋氏:「ブレイブリー」ってネタバレできないキャラクターもけっこう多いので、間際まで出せないキャラクターのジョブはおのずと後になります。そうでない場合は後半手に入るジョブだけど先に出そうとか、そんな感じで決めていましたね。
――フェンサーとビショップのジョブが公開されたとき、アスタリスク所持者の紹介がありませんでした。ここでカンのいいファンに気づかれたみたいなことはありましたか?(フェンサーとビショップのアスタリスク所持者はジャンとニコライ)
高橋氏:そのふたつは発売前週に公開したので、そういった部分で盛り上がったということはなかったですね。もちろん、「あ、フェンサーってもしかして……」と気づいた人はいたと思いますが、自分の心の中だけという方が多かったのではないでしょうか。ただ、男の子のジョブの衣装を出すと、さすがにバレバレなので、公開するのは女の子の衣装だけにしましたね。
――そのほかのお楽しみ要素について聞きたいと思います。今回の「月面基地復興」では、ほかのプレイヤーと協力して魔王を攻撃できますが、この要素を取り入れた理由を教えてもらえますか?
浅野氏:前作の「ノルエンデ村復興」はすごく楽しんでもらえたと思います。ただ、終わりのあるゲームだったので、今回は魔王を受け取ったら受け取っただけ、村人がいればいるだけ遊び続けられるコンテンツにしようということで入れることになりました。
――前作のノルエンデ村はかなり好評だったわけですね。
高橋氏:皆さん魔王が欲しいというよりも人口を増やしたいというのがあるようで、「セカンド」でも「すれ違い」を頑張っているなあと思いますね。秋葉原とか行くとすごい数とすれ違いますから。
――人口の上限はどのくらいなんですか?
高橋氏:9999人ですね。前作は999人が上限だったんですけど、あっという間にカンストしちゃったという人が多くて、今回は大幅に増やしました。
――今回は新たなミニゲーム「カプカプメーカー」も追加されています。これを入れようと思い立った理由を教えてもらえますか?
浅野氏:どうやったら「ブレイブリー」がもっと広まるか、みたいなのが発端でしたね。前作のノルエンデ村復興などで3DSをカバンに入れて持ち歩いてもらうというのは達成できたと思います。今度は「ながらゲーム」といいますか、友だちと話しているときに3DSを開けておいてもらって、「何それ?」となって会話のきっかけになってもらえればと。それで、「ブレイブリー」を紹介してもらったら、さらにうれしいなというのが最初の狙いでした。
――でも、差し入れをしたりとか、けっこうイジりたくなりますよね。
高橋氏:そうなんですよ。置いておけばいいよと告知していたんですが、「このタイミングで差し入れボタンを押すといい」とか、けっこう手間ヒマかけて楽しんでいる方が多いなと思います。周りでも本編はあまり進んでいないけど、「カプカプ」はカンストしそうとか、1日中やっていますとかという人がいるくらいで。当初の狙いとは少し違いましたが、楽しんでもらうというのが第一なので、予想していた以上にやってもらえてよかったなと思っています。
スムーズだったryoさんとの音楽作り、そして気になる今後の展開は?
――今回はryoさんが音楽を手掛けられたわけですが、お仕事をしてみた感想を聞かせてもらえますか?
高橋氏:ryoさんも前回のrevoさんと同じく大変なゲーム好きで、前作をカンストに近いくらいプレイされていたので、「こういうシーンで使いたいんですけど」、「ああなるほど」とツーカーで話が通りました。ですから、ゲームに関する説明は本当に支障がなかったですね。こういう感じで使いたいんですというのがすぐに発注できて、曲もすぐにできたので、ゲームが好きな方はやっぱり違うなあと思いました。
ゲーム作りが進んでいないボンヤリとした段階で、まずラフ曲を作ってもらって、ゲームが製品版に近いものになったら、またそれをお見せしてさらに一段上の曲にしてもらうというように、ゲームの制作チームと音楽のチームがお互いに切磋琢磨することができました。ゲームが良くなると曲も良くなりますし、制作側でも曲に合わせて「イベントをもっとこういう風に演出しよう」となって、すごく相乗効果があったなあと思います。
――曲の作り手側にイメージを伝える際、特に気をつけていることは何でしょう。
高橋氏:曲作りに限った話ではないのですが、こちらが意図していることを間違いなく伝えるということが一番だと思っています。曲にせよ絵にせよ、生み出す作業というのは本当に大変で、神業に近いと僕は感じています。ですから、曲を作ってもらったり、絵を描いてもらったりするときにはキチンと丁寧に説明して、後で意思の齟齬からやり直しの作業が発生しないようにと思っています。
ただ「こんな曲にしたい」というようなことは一度も言っていないと思います。「こういう世界観で、こういうキャラクターで、こういう演出がありまして、こういうシーンでかかる曲なんです」という感じで、「○○の曲みたいにして下さい」というような具体的なことはあまり言わずに、ryoさんの感性で作りたいものを作ってもらおうと。そのように意識して発注するようにした記憶があります。
――それでは今後の展開について聞いていきたいと思います。まず、魔王配信の予定で決まっているものがありましたら教えてください。
高橋氏:5月15日から6月14日まで弊社のグッズショップの「ARTNIA」で行うコラボで、今まで一度も公開していない魔王を限定配信します。増田セバスチャンさんにデザインしていただいた最後のモンスターで、すごく特徴的ですので、ぜひ入手してもらいたいですね。
浅野氏:それで魔王に関してはひと通り配信したことになります。すでに配信した第一から第六までの魔王も週イチくらいのペースで、強さを変えて再配信というのを続けていく予定です。ですから4月末に配信されたものを取り損ねちゃったという方も、そのタイミングで取ってもらえたらいいかなと思いますね。
――スマートフォン向けアプリの「ブレイブリーアーカイブ」やPCブラウザゲームの「プレイングルージュ」との連動などはありますか?
高橋氏:「セカンド」を買っていただくと「アーカイブ」でアニエスがもらえるという早期購入キャンペーンをやっています。そのほかセカンド内でもらえる特典満載ですのでぜひチェックしてみてください(http://www.jp.square-enix.com/second/preorder-campaign.html)。
浅野氏:5月末までですので、ユーザーの皆さんはお忘れなく。
高橋氏:5月中に登録しないといけないので、迷っている方や忘れている方はぜひ(笑)。
――ちなみに、追加シナリオの配信のようなものは考えておられますか?
浅野氏:修正のパッチなどは予定していますが、お話の追加といったものは考えていないですね。
――「フォーザ・シークウェル」のような強化版のリリースというのは?
浅野氏:それもないです。海外版のことを考えているくらいですね。
――それでは冒頭で言われていた、「その次」について聞かせてもらえますか?
浅野氏:そうですね、続編が適当なのか新作が適当なのか、まだ考えているところではあります。今自分らの中でも一番ホットな話題ですね。
高橋氏:どういうものが求められているのか、皆さんの意見をフィードバックしながら、いろいろ考えています。
――期待しています。それでは、最後にファンへメッセージをお願いします。
高橋氏:「ブレイブリー」は昔ゲームが好きだったけれども、最近ちょっとプレイしていないなという方たちにすごく支持してもらって、作り上げてきたシリーズだと思っています。僕たち作っている側は、2年3年かけてようやく発売にこぎつけたという一定の達成感がある一方、いろいろな反省点も感じているところです。
もちろん、楽しんでくれたらやはりうれしいですし、遊んでみて「ここがもっとこうだったらいいな」とか、ちょうどスクエニメンバーズでもアンケートを取っているので、そちらにもぜひ、ご意見をいただければと思っています。今後も「ブレイブリー」シリーズやスクウェア・エニックスのゲームで、皆さんの期待に応えていけるようなものを作っていこうと思っていますので、今後の動向にもぜひ着目していただきたいですね。
浅野氏:次、どうしようかということで、今すごく考えています。いつごろ情報を出せるのかな(遠い目)……まあ、普通に考えて当分先と思います。ただ、1作目も今回の「セカンド」も皆さんの声をおうかがいしながら作っていったもので、その制作スタイルはこれからも変わらないと思っています。何を作るか、まだ企画を練っているところですが、そう遠くないうちにまた皆さんの声をおうかがいしたくなるでしょうから、そのときはまたご協力していただけたらと思います。
――ありがとうございました。
(C) 2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
MAIN CHARACTER DESIGN : Akihiko Yoshida.
※画面は開発中のものです。
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