スクウェア・エニックスのニンテンドー3DS用ソフト「ブレイブリーセカンド」。現在発売中の人気RPGを実際にプレイしてみたので、そのインプレッションをお届けしよう。

「ブレイブリーセカンド」は「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー」と、その改良版「ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル」の続編となる作品だ。前作の数年後が舞台となっており、新主人公のユウ・ゼネオルシアとヒロインのマグノリア・アーチを軸に新たな冒険が展開される。

「ブレイブリーデフォルト」は王道RPGと思わせて、実はRPGのセオリーを逆手に取ったような意外なストーリーが大きな話題を呼んだ。特に、終盤の展開とサブタイトルに隠された真の意味には多くのファンが驚かされたことだろう。筆者もそのひとりで、まさかの展開に「ネットとかでネタバレを見なくて良かった!」と心から思ったものである。

それだけに続編となる本作には、いやがおうでもサプライズを期待してしまう。事前情報を見ても、「実はこのキャラクターは○○じゃ……」、「あのキャラクターは○、それとも……?」など、ついつい深読みしてしまうのだ。つまり、本作はプレイヤーがミステリーを読むように、いろいろ疑いながらプレイすることを宿命づけられたタイトルと言える。

というわけで、筆者もプレイ前にあれこれ想像をめぐらしていたのだが、不覚にも序盤から「ええっ?」と思わされてしまった。前作のヒロインのアニエスがグランツ皇帝オブリビオンにさらわれるところから始まり、新主人公のユウが正教騎士団の仲間たちとともにアニエスを奪還するべく冒険の旅に出るのだが、そこからいきなり物語は二転三転するのだ。詳細はネタバレになるのでここでは紹介しないが、「なるほど、今回はそうきたか!」とうならされること間違いなしだろう。

意外な展開を楽しむためにも某大型掲示板や攻略サイトなどは極力見ないようにすることをオススメする。
ティズが目覚めるシーンでは「フォーザ・シークウェル」に収録されていたジャイロムービーが見られる。

もうひとつ注目したいのが、前作を踏まえた展開が多いこと。エタルニア、ラクリーカ、エイゼンブルグなど、おなじみの街やダンジョンが再び冒険の舞台となるほか、前作のキャラクターたちも多数登場してくるので、街やキャラクターがどう変わったかなど、さまざまな発見を楽しむことができる。

ことにイデアを中心に展開される「バーターサブシナリオ」は見逃せない。対立する前作のアスタリスク所持者たちのどちらを支持するか選ぶというものだが、彼らの意外な素顔や側面が見られるものが多く、前作のファンはニヤリの連続だろう。もっとも、未プレイの場合は「?」となってしまう部分があるのも事実で、このあたりは評価の分かれるところかもしれない。

なお、「バーターサブシナリオ」は支持しなかった側と戦闘になり、倒すと相手のジョブが使用可能になる。心情的に肩入れしたいほうが欲しいジョブを持っていることがけっこうあるので、毎回悩みまくることだろう。実際、とあるサブストーリーではクリアしたあとも、「やっぱりもうひとつのほうを選ぶべきだったんじゃ……」と後悔することしきりだった。キャラクターの言い分や好感度で選ぶか、割り切って相手のジョブで選ぶか、かなり迷うことになるので心しておこう。

アスタリスク所持者と戦うときの戦闘曲が「彼の者の名は」なのもうれしい限り。

ストーリーのほうに目を奪われがちな本作だが、システムも秀逸だ。前作と同じく1ターンでの複数回行動を可能にする「ブレイブ&デフォルト」システムと、「ファイナルファンタジー」シリーズでおなじみの多彩な「ジョブ&アビリティ」をベースに、さまざまな改良がなされており、さらにプレイしやすくなっている。

特に便利なのが、パーティーのジョブ、アビリティ、装備などを一括で保存できる「マイセット」だ。本作は登場する敵や戦い方に応じてジョブやアビリティをさまざまに組み替えられるのが面白いのだが、いちいちステータス画面を開いて変更するのは意外と手間がかかる。ジョブを変えた場合は、武器や防具もあわせて変更する必要があるため、けっこう時間がかかってしまうのだが、このシステムを使ってお気に入りの組み合わせを保存しておけば、いつでも簡単に切り替えることができる。

敵の出現率を変えられる「エンカウント率の操作」と1ターンで敵を倒すと新たな敵との連戦になる「連続チャンス」の存在もありがたい。レベル上げをしたいときはエンカウント率を最大にして敵と連戦して一気に稼ごう。連続チャンスで倒していけば、入手できる経験値やジョブポイントが大幅にアップするため、てっとり早くキャラクターのレベルアップをはかることができる。

事前情報を見たときから「これはいいな」と思っていたのだが、実際に使ってみると想像に以上に便利でかなり重宝しているので、積極的な利用をおすすめする。ちなみに、「連続チャンス」はちょっとレベルの落ちる敵が出現するエリアで狙っていくといい。弱い相手でも3~4連勝くらいすれば意外と経験値やジョブポイントを稼ぐことができる。

歯応えのあるプレイがしたいという人は難易度を上げたり目的地マーカーを消したりするといい。

もちろん、多彩なジョブの数々も見どころのひとつ。前作は「ファイナルファンタジー」シリーズでおなじみのものがほとんどだったが、今回はオリジナルのジョブが多数登場するので、使い方を手探りで覚えていく面白さがある。カスタマイズの幅も広がっており、多彩なキャラメイキングを楽しむことができる。

今回、新たに加わったジョブにも簡単に触れておこう。いずれもユニークな特徴を持っており、覚えるアビリティも多彩だ。まだ、すべてのジョブを試してみたわけではないが、今のところ筆者が特に重宝しているのが「チャリオット」、「トマホーク」、「ウィザード」の3つ。特に、チャリオットは攻撃力が高く、かなり使い勝手がよい。武器を投げて攻撃する「なげる」のアビリティを使用した際、戦闘後に使用した武器を回収できるのも魅力だ。これまでのように武器を捨てることにはならないので、安心して使用できる。

トマホークは物理攻撃系ながら全体攻撃ができるのがうれしい。攻撃に火や水などの属性を付けたり、貫通能力を付与したりすることもできるのでアタッカーとしての活躍が期待できる。同一ターン内での攻撃行動の回数に応じてダメージが上がっていくアビリティ「バラージ」も非常に便利だ。

「修飾句」で魔法に追加効果をつけられるウィザードも面白い。強力な黒魔法や白魔法と組み合わせることも可能なので、使い方次第でかなりの威力を発揮してくれる。ただし、十分に能力を発揮するには黒魔道士や白魔道士のアスタリスクを入手してジョブレベルを上げる必要もあるなど、少しクセが強いタイプともいえそうだ。

そのほか、「ねこ使い」や「占星術師」なども面白い能力を持っており、大いに役に立ってくれそう。自分の戦い方に合わないジョブでも、覚えたアビリティをほかのジョブと組み合わせることで意外な効果を発揮する場合があるので、ぜひいろいろ試してみたいところだ。ただ、その点で上述の「バーターサブシナリオ」は入手できないジョブが出てくるためちょっとうらめしいが、きっと何らかの救済措置があると信じよう。

ジョブチェンジしたときのコスチュームの数々も注目。

いろいろなシステムが搭載され、ジョブの数も大幅に増えるなど、さらなるパワーアップをした本作。少し敷居が高いと感じるかもしれないが、段階的に使用できるシステムが増えていくなど、そのあたりのケアはかなりしっかりしているので心配は無用。ダンジョンに対応レベルが表示されていたり、強力なボスキャラとの対戦の前にHPやMPを回復できるようになっていたりと、初心者に向けたさまざまな配慮がなされており、初めての人でも違和感なくプレイできる。

ちなみに、現在の自分のプレイ時間は30時間強で、ようやく中盤にさしかかったあたりかなといった感じだ。じっくりプレイしているので、通常よりもやや時間がかかっているとは思うが、それでもかなりのボリュームであることは間違いない。物語のほうも先が気になる展開の連続で、このあとどんなサプライズが待ち受けているのか、楽しみにしたいところだ。

最後にスクエニメンバーズの利用について紹介しておこう。インターネットに接続してメンバー登録をすると、月面基地に「魔王」と呼ばれる強力なモンスターが出現する「魔王配信」を受けられるほか、進行状況に応じてさまざまな報酬がもらえる「アチーブメント」や全プレイヤーとひとつのクエストに挑む「ブレイブリ―クエスト」など、さまざまなコンテンツが利用可能になる。特に、さまざまな魔王と戦うことができる「魔王配信」は歯応えがあり、倒すとレアなアイテムがもらえることもあるので、ぜひ挑戦してみてほしい。

魔王は、すれ違い通信で受け取ることも可能になっている。

ブレイブリーセカンド エンドレイヤー

スクウェア・エニックス

3DSダウンロード

  • 発売日:2015年4月23日
  • 15歳以上対象
  • ニンテンドーeショップ ダウンロード版

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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