8月22日に「ファイナルファンタジーXIV」の“新生エオルゼア”サービス開始から2周年を記念して行われた「2周年記念14時間生放送」。ここでは、放送外で行われたブロガーと吉田氏による「コミュニティーサイト座談会」の模様を紹介する。
14時間生放送では、吉田直樹氏がメインMCとなるメイン放送と、高井浩氏や祖堅正慶氏らが中心になって行われていたサブ放送があったが、実は放送のされていない裏の時間が存在していた。それが、「FFXIV」ブロガーと吉田氏による「コミュニティーサイト座談会」だ。
さまざまな「FFXIV」関連のブログを運営するブロガーが招待されたようだが、今回この場に集まったのは総勢16名。
今回、何故このような催しを行うに至ったかについて、吉田氏は「海外ではこういったファンとのコミュニティがあるけれど、日本では目立つコミュニティは叩きにあったり晒されたりしやすく、なかなかな難しかったんです。でも今回、新生から2年たって、そういう風潮もあまりなくなってきたのではないかと思い、試みとしてこういう場を設けさせていただきました。まずは一度やってみないと、わかりませんしね」と参加者一同に向けて語った。
…というのは、吉田氏曰く「堅苦しい理由」であり、もうひとつは吉田氏自身が「FFXIV」のプレイヤーということもあり、普段は身分を隠してプレイしているためよくオフ会にも誘われたりすることがあるのだが、もちろん吉田氏としてはそこに一プレイヤーとして姿を現すわけにいかず、個人的にオフ会をやりたかったそうだ。なので今日はオフ会だと思って参加してほしいと述べると、それまで緊張した面持ちだった参加者一同からはどっと笑いが沸き起こった。
なお、今回の座談会の趣旨は、あくまで”吉田氏とブロガーとの座談会”であり、その詳細な内容は各ブロガーの方々がツイッターなどのSNSや自身のブログを通じてお伝えすることとなっているため、我々メディアはそこで語られた詳細な内容を紹介することはできない。
よって、以下は主に実際に参加したブロガーの方々の様子や、今回の会への感想などをメインにお伝えする。
意外と多いライト層?まだ機工城アレキサンダーに行っていないという人も。
参加者には、ビールやジュース、そして今日のために媒体より贈られたケーキなどがふるまわれ、飲み食い有りな和やかな雰囲気の中で行われた。
まずは参加者一同の自己紹介と吉田氏への質問からスタートした座談会だが、筆者が驚いたのは意外と参加者の中にレガシー勢が多いことと、そして「機工城アレキサンダー:起動編(以下ノーマルアレキ)」にまだ行っていない、と語る人が多かったことだった。
今回呼ばれたブロガーの人たちは、吉田氏はもちろんのこと開発陣などにそのブログを普段から読んでいるファンがいるということで声を掛けられたようなのだが、筆者はブロガーというと攻略などを中心にやっている人たちなのだろうと思い込んでいたため、その予想は大きく外れる結果となった。
実際には、メガネに並々ならぬ愛を注ぎひたすら「FFXIV」の世界のなかでメガネを追い求めるブログを運営している人や、日々の旅行記、エオルゼアの綺麗な風景を紹介、スクリーンショットの加工職人、数か月ごとにサーバーを移動してサーバーごとの特色を紹介、など、参加者のブログの内容は実にバラエティに富んでいた。
どちらかというとほとんどの参加者はエオルゼアでのスローライフを楽しんでいるようで、レイドコンテンツにはそこまで興味がない、という。もちろんノーマルアレキくらいまではクリアしました、という参加者もいるにはいたが、16名の参加者のうちのほんの数名だった。
この座談会の前にメイン放送で行われたエオルゼア領勢調査でも、ノーマルアレキの踏破者数はまだおよそ20万人前後という結果が出ている。分母がわからないため、この数字が多いのか少ないのか、明確なところはわからないが、今回この座談会の参加者のノーマルアレキのクリア者数からしても、恐らくは全アクティブユーザのうち機工城アレキサンダーや極蛮神討滅戦などに挑んでいるようなユーザは意外と少ないのではないかと感じた。
座談会参加者のうち6名に、この座談会の様子を直撃インタビュー!
前述の通り、座談会で具体的にどのようなことが話されたのかは触れることはできない。参加者が自身のブログで今回のことをまとめていたり、ツイッターで発信したりしているので、内容が気になる人は「FFXIV」ブログ巡りの旅に出てみてほしい。ツイッターでのハッシュタグ「#XIV14」や「座談会」などで検索をかけてみれば、参加者のブログの更新情報などが探せるだろう。
ここでは今回座談会に参加した、もすぅさん、たけおさん、あぐりさん、イシュさん、ふなっしーさん、みいなさんの6名に座談会終了後、ご自身の活動の在り方や感想などを伺うことができた。次回にこのような機会があれば参加したい、というようなブロガーたちの参考になれば幸いだ。
――今日、実際にこういうイベントが行われたことに、どういった意義を感じましたか?
たけおさん:今回のイベントで思ったのは、開発陣がネットで一番話題になりやすいバトルコンテンツ以外のところにも興味を持っていて、そういったバトルコンテンツ以外の活動をしている人たちを今回集めたような感じがしました。それがちょっと嬉しいです。「FFXIV」ってバトルだけじゃなくて色々なことができるゲームなので、色んな方面に向けての活動というのがユーザー側からだけでなく、公式からもアプローチがあるというのは面白いかなと思いました。
あぐりさん:「FFXIV」が新生に入るタイミングで相当数のコミュニティがニコ超に出席したりだとか、ファンフェスをやったりだとかで、積極的にユーザとコミュニケーションをとろうとする姿勢は感じていました。なおかつ今回ブロガーとの座談会という、ゲームの外で活動しているひとたちをフォーカスして更にそういうひとたちとコミュニケーションをとり、インゲームだけではなくアウトゲームのところまで色々なことができないか、という運営側の姿勢は我々としてもとても励みになります。僕たち自身がやってきた活動はほとんどが自己満足なんですけれども、それを見ていてくれたということが、やっていてよかったなと感じました。
イシュさん:僕は、今回集まったコアな皆さんとは違って、カジュアルにブログをやっていまして、だからこそこんな機会に呼ばれるだなんて想像もしていなくて、GMさんから電話が来たときには本当にびっくりしました(笑)。
一番びっくりしたのは、公式とか開発チームがユーザに対して直接アポイントを取ってくる、というような事態があると思っていなかったんですよ。なんというか、プレイヤーと運営側には絶対的な壁というか、距離感があると思っていたんです。それが開発側からユーザのほうに距離をつめてくるというのは、すごく衝撃的でした。
僕はもう本当に自分の趣味の範囲でやっていたんですけれど、そういう人にもこういう機会を与えてもらえるというのがユーザからしてみたらすごく可能性を感じます。たまたま僕は今回運は巡り合わせがよくて参加できましたが、一般プレイヤーを呼び込むことで更に他の一般プレイヤーとの一体感なども出てくると思いますし、僕は元々そういった方々への発信をしていきたいのがあったので、とても可能性を感じるイベントとなりました。
ふなっしーさん:メーカーさん側とゲームの利用者、それぞれの立ち位置っていうのがあって、一番もったいないのはミスコミュニケーションだと思うんです。「FFXIV」をやってみたけれど、そこで感じた不満などを運営側・開発側が聞いてくれていない、だからもうやめる、となってしまうのが本当にもったいないと思うんですね。
ただそういうのを、直接吉田さんに聞くことができ、そしてそれをもすぅさんがすぐにツイートで「今こういう動きをしているらしいよ」と発信することでプレイヤー側は安心してプレイしていけると思います。こういう場を設けてもらい、僕たちブロガーが開発側とユーザ側の緩衝材、みたいな存在になっていければ、より良い関係性を築いていけるのではないでしょうか。
――似た機能を持つものとしてフォーラムがありますが、やはり違いますか?
ふなっしーさん:そうですね、実際に吉田さんの声を聞いて目の前で自分たちにちゃんとわかるように話してくれて、それを「吉田さんがこう言っていたよ」と伝えられるのは、やはり違うと思います。
もすぅさん:一番感じたのは距離感でしょうか。今回すごく近く感じることができて、最初は緊張しましたけれど徐々に慣れてきて、色々お話を聞いていると自分のブログも読んでくださっているのが解って、すごいびっくりしたのと同時に嬉しさもあり、これからも頑張ろうと思いました。
――また同じような場が開かれて参加できるとしたら、次はもっと少人数でじっくり話し合いたいとか、逆にもっと大人数でディスカッションのようにやりたいだとか、こういうことがしてみたい、とか、そういう希望はありますか?
たけおさん:グラフィックチームの鈴木健夫さんとはお話しがしてみたいですね。たまたま同じ名前で運命的なものを勝手に感じていたりもするんですけれど(笑)、立場ごとに言えることって違うと思いますし、プロデューサーとしてまとめている方の言葉と、開発の方の言葉ってまた違うと思うので、そういうところでのやりとりもしてみたいなと思いました。
みいなさん:世界設定が好きな人とか、それぞれこれが好き、あれが好き、という分野が違っているので、各自の好きなコンテンツに関わっているスタッフさんたちと直接話してみたいな、というのはありますね。
――今日の座談会は、休憩も含めて約2時間半でしたが、体感的に長いと感じましたか? 短かったですか?
たけおさん:あっという間でしたね(笑)。自己紹介だけで三分の二くらい終わっちゃってましたからね(笑)。
みいなさん:みなさん自己主張の強い方ばかりなので、そこは仕方がないですね(笑)。
たけおさん:でも思ったよりも色んな話に飛びましたよね。スクリーンショットの加工などからトリプルトライアドのこととか。
――逆に自分の好きな分野の方だけ集まったらどうなってたでしょう?
みいなさん:そうなるとまた色々と難しいものがあるでしょうね(笑)。
たけおさん:定期的に開催されるならば今月は○○について、とかそういったやりかたもあるでしょうけれど。
――みなさん、今日吉田氏とお話をして感じたと思うんですけれど、吉田氏はいつもその場でちゃんと聞かれたことに対して真剣に考えて、嘘を言わないで、相手に誤解を与えないように慎重に言葉を選んで回答されるんですが、ああいう姿勢をご覧になってどうでしたか?
もすぅさん:本当に素晴らしいと感じました。ちゃんと自分の答えてほしいことを答えとして返してくださるので、質問した側としてはすごくうれしかったです。
あぐりさん:さっきもミスコミュニケーションの話が出ていましたが、言葉でしか伝えられない以上、それが実際どうゲームに反映するのかっていうのを伝えられる限度があるじゃないですか。で、その吉田さんの立場で発言したことっていうのは、かなり重さがあって、それがどのように伝わるかの危険性は吉田さんご自身が一番理解されていると思うんですね。なので、言葉を選んでわかりやすく答えるっていうのは、ゲームに対して悪影響を与えないように、というのもあるでしょうし、開発がやっていることを正しく伝えるためにすごく慎重にやられているんだろうという印象は受けました。
――みなさん、今後のPLLの見方とかも変わってくるんじゃないでしょうか? より伝え方が変わってくるというか。
たけおさん:それは、現時点で既に「のほほん旅日記」のあるひゃさん(今回の座談会の参加者の一人)がやっておられると思うので、そこを理解しているからこそ今回こういうメンバーを集めたんじゃないかな、という気がしています。
イシュさん:割とお互いに知っているメンツが多かったですからね。
たけおさん:みんなサーバーは違うんですけれどね(笑)。
――みなさん初対面なんですよね?
たけおさん:いや、実際に会われている方もいますし、初対面の方もいます。
みいなさん:僕とあぐりさんは同じLSですしね。
あぐりさん:みいなさんがブロガーズミーティングとか開催して割とすごかったですから、そこからですかね。みいなさんを中心に広がっていった感じです。
ふなっしーさん:誰かに触発されてブログを始めた、という人は多いですよね。
あぐりさん:特にSS加工なんかは、見て自分もやってみたいという感じでばーっと広がった感じがありますね。
たけおさん:僕は「蒼天のイシュガルド」の発売カウントダウンっていう企画のお手伝いをさせてもらっていたんですけれど、その時に集まってくる加工SSの数がすごかったんですね。総プレイヤー数からしたら大したことのない数だったのかもしれませんが、日を追うごとにどんどん増えていきまして。それをかたっぱしからリツイートする、ということをやっていたんですが、FFのゲームの中の活動じゃないのにそれだけ頑張ったのは、みんなが「FFXIV」を好きなんだというのをそれで実感できるからでした。なのでプレイヤーコミュニティって、今回みたいに直接つながっているひともいればそうでない人もいますけど、みんなゲームを通じてどこかでつながっているのかな、と感じました。
もすぅさん:ブログとかだと、サーバーの壁って感じないんですよね。みんなで同じゲームを楽しんでいるというか。
あぐりさん:「FFXIV」はサーバーを超えて会いにいくというのが凄く簡単にできるので、いこうとおもえばすぐに会いにいけるし、チャットで話すこともできますしね。
みいなさん:イベントとかやってると若葉マークの人がいるんですね。そこでまたコミュニケーションが広がって、それをご自分のサーバーに持って帰ってもらって、そこからまた広がって…というのは目に見える形で反映されるので、楽しいですね。
――イベントを開催すると他のサーバーからも来てくれるということですが、皆さんそのたびにサーバー移動費を支払って参加されるんですか?
みいなさん:いえ、大抵の方はメインキャラではなくてイベント参加用のサブキャラでやってくるような感じですね。
たけおさん:実際にサーバー超えてくる方もたまにいますけれどね。「エオルゼアワールド旅行記」のアラムラムさん(今回の座談会の参加者の一人)は基本的に数か月ごとにメインサーバーを変えていく人なので、そういう人たちはサーバーごとに違う風景があるというのを知っているひとたちなんですよ。そこにどんなプレイヤーがいて、どんなプレイスタイルをしているのか。前に聞いた話なんですけど、ラムウの攻略法ってサーバーによって違うらしいんですよ。
――侵攻一層の視線切りとかもそうですよね(笑)。ちなみに私のサーバーはTonberryなんですよ。JPサーバーなのに外国人が多いことで有名なところなんですが、モブハントでAモブ以上が湧くと画面が「LFP」シャウトで埋まるんですよね(笑)。
みいなさん:ああ、モブの文化は大分違いますよね。日本人の多いサーバーでは、割と一人の人がPTを作ってどんどんと集まる人を誘っていくような感じが多いみたいです。
たけおさん:「蒼天のイシュガルド」のカウントダウン企画をやっていたTaechanさんは、全ワールドにキャラクターを持っていますよ。で、イベントの宣伝のために1時間ごとに違うサーバーに入ってカウントダウン企画の宣伝シャウトをしていたんですよ。なので、精力的に活動している方って我々の想像を超えるようなことをしていたりしますね。
――今日参加してみて、今後の活動方針に変わるところはあったりしますか?
一同:いや、方針は変わらないです。今日この場に集められた人は、これで方針が変わるような人はいないと思いますよ。ただ、もっと自由奔放になりそうな人はいるでしょうね(笑)。みんなやりたいことを突き詰めていくっていう。
――なるほど、今後も我々メディアとは違った切り口で「FFXIV」の世界観に迫っていってくださいね。今日はありがとうございました。
座談会後インタビューに応じてくれた6名のブログ(※敬称略)
ヒマワリのタネ(イシュ)
http://FF14isyublog.blog.fc2.com/
めがねや!(たけお)
http://FF14-0t0.blogspot.jp/
Moon Gravity(みいな)
http://magicgate.ddo.jp/blog/
ぶらりFF14(ふなっしー)
http://burari-ff.com/
Aguri Greygoose(あぐり)
https://www.flickr.com/photos/aguri_ffxiv/
FF14 もすぅちゃん日記☆ミ(もすぅ)
http://ff14mosuchan.blog.fc2.com/