千葉・幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2015」。DMMブースで9月20日に行われた「シュヴァルツェスマーケン」のスペシャルトークステージの模様をレポートする。
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「シュヴァルツェスマーケン」は、PC用恋愛シミュレーションゲームとして発売された「マブラヴ オルタネイティヴ」のスピンオフ作品で、原作は小説として全7巻が発行されている。その小説をPC向けにゲーム化した「シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章」が2015年11月27日に、「シュヴァルツェスマーケン 殉教者たち(仮)」が2015年冬に、それぞれ発売が予定されている。
今回は特に11月27日に発売日される「シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章」について、アイリスディーナ・ベルンハルト役の山本希望さん、カティア・ヴァルトハイム役の田中美海さん、そしてアシッドの代表取締役で「マブラヴ」シリーズの原作者である吉宗鋼紀氏がステージに登壇し、作品の裏話などを語った。
「シュヴァルツェスマーケン」のイベントに出演するのは初めてという、山本さんと田中さん。まず、PVでも使用されている「シュヴァルツェスマーケン」の主題歌の話題に。
吉宗氏は「今作は外伝で、オルタよりも過去とかの話なので、暗いばかりじゃなくていままでと違った切り口でこういう曲もいいかなって思ったんですよね。このオープニングはできあがってきたとき、社内の盛り上がりがすごかったですね」と、fripSideが歌う主題歌の完成度の高さをアピール。
山本さんも田中さんもfripSideのファンで、いち早くこの曲を覚えてしまったという。吉宗氏からfripSideへのオーダーは「できるだけかっこよくしてください」のみだったそうだが、会場にいるファンからも「最高!」「かっこいい!」と主題歌への感想が上がっていた。
軍事用語からドイツ語に英語が入り混じる大変な作品…ヒロイン二人が収録の苦労を語る
「シュヴァルツェスマーケン」は1983年の東ドイツを舞台にした作品。東ドイツ軍に所属する戦術機部隊「第666戦術機中隊”黒の宣告”(シュヴァルツェスマーケン)」とBETAの戦いを描いた物語。
山本さんは、アイリスディーナ・ベルンハルトについて「一見冷徹に見えるけど、母性とかがあって理想の女性です。スーツがギリギリな感じでそそりますしね!」と、会場にいる男性ファンのような視点で自身のキャラクターを語った。
田中さんが演じるカティア・ヴァルトハイムは、もともとは西ドイツで戦っていたものの戦場で主人公のテオドールに救出され、東ドイツに亡命。健気で可愛いが、「西と東がひとつになればBETAにも勝てる!と言っちゃうような頭がお花畑な子なんですけれど」という田中さんのコメントには、ファンからも「言っちゃったよ!」と笑い声が上がっていた。
なお、ゲーム「シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章」の音声の収録はもう終わっているそうだ。
専門用語や軍事用語がかなりたくさんあったようで、山本さんは台本で解らない言葉があると辞書を引いて調べたり、辞書でも解らないことはパソコンで調べたものの、読み方がわかってもイントネーションがわからず、アイリスは役柄上威厳を感じる強めの口調を求められたので息が切れそうだった、と収録時の様々な苦労を振り返った。
田中さんは「666」が読めなくて、「ろっぴゃくろくじゅうろく」なのか「ろくろくろく」なのかなど、軍事用語だけでは終わらない独特の世界観だからこその苦労を語った。カティアは「卵焼き」という単語ひとつでも「卵白、卵黄を加熱処理」のような独特の言い回しがあり、そこも慣れるまでは大変だったという。
「シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章」の中から一部ゲーム画面を公開!
現在も鋭意開発がすすめられている「シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章」から、ゲーム画面を一部公開。吉宗氏や山本さん、田中さんがそのシーンについてコメントをする…が。そのコメントの真偽については、読者に委ねたい。
吉宗氏「これはアイリスが失敗して立たされているところですね。カメラが下に動くと両手にバケツを持っています」
山本さん「そんなシーンとってませんよ!?(笑)」
吉宗氏「あまりネタバレしてもよくないかなって(笑)」
田中さん「カティアはここは絶望しかないようなシーンです。おもらししていてもおかしくないですし!」
吉宗「いや、このあとでしょう(笑)」
田中さん「あ、こっちがおもらしです!」
吉宗氏「泣いてるの? 違うよ、目からおもらしだよ~、みたいなね! すいません、背中から変な汗出てきました(笑)」
吉宗氏「フィッシュアンドチップス食べてますね。テオドールが食べているのは、ドイツ人はほんとはあまり食べないソーセージです。この作品の監修をしてくれているドイツ人のスタッフがいるんですが、オクトーバーフェストはドイツでは全然はやっていないとか、アイスバインって言っても何その食べ物って言われたりとか。じゃあドイツの伝統料理ってなんなんだと聞いたらピザとパスタって返ってきました」
吉宗氏「ファム姉は、寝てても花は取れないんです。一体化してるんで」
吉宗氏「これはリズの小さいころですね。小説ではなかなかみれないビジュアルも、ゲームではいっぱい入れられるので期待していてください」
吉宗氏「これはテオの記憶のなかのシーンですね」
吉宗氏「これはうちのゲームの特徴で、ミニキャラで感情表現をしたりしています。殺伐しかないところに、ちょっとしたさわやかなレモン汁を垂らしたようなシーンですね」
吉宗氏「これはカティアがまたお花畑なことを言ったんでしょうね」
田中さん「実際カティアの扱いってこんな感じなので、テオドールさんにはよく舌打ちされます」
吉宗氏「MiG-23という戦術機ですね、これは3Dで組んでます。モデリングの調整をおこなっている段階で、実際に出力して細かい部分の調整をしているところです」
吉宗氏「イントルーダーA-6というマブラヴお馴染みの人気の機体のモデリングですね。こういう要素もあるゲームなんだっていう、アピールです(笑)」
「シュヴァルツェスマーケン」アニメ化決定!その他最新情報も!
既にティザーサイトで公開されているが、「シュヴァルツェスマーケン」が2016年1月からテレビアニメとして放送される。
何故「シュヴァルツェスマーケン」を、ゲームとアニメで同時進行させるのかについて、「シュヴァルツェスマーケン」同様「マブラヴ オルタネイティヴ」のスピンオフ作品だった「トータル・イクリプス」の時はアニメの後にゲーム発売したが、アニメはどちらかというと世界観や物語の背景などはそぎ落として、人物の物語を軸にしていくのだと吉宗氏は感じたという。
だがゲーム版については、小説に絵と声と音楽がついたようなものなので、アニメでは時間の都合で出来ない説明などがしっかりとできる点が魅力だ。そういうメディアの違いによる描き方をどちらも楽しんでもらうため、今回のゲームとアニメをほぼ同時に展開することにしたそうだ。
また、声優さん側の事情として、ゲーム版のほうがセリフが長く難しいため、先にアニメからやってしまうとゲームの時のセリフ収録が大変なのだという。その点ゲームで先に慣れておいてもらえたほうが、アニメの時の収録がスムーズになるのだとか。
アニメ化以外にも、10月からは「ラジオ シュヴァルツェスマーケン」も始まる。パーソナリティは山本さんと田中さん。番組宛のメールを現在募集しているとのことなので、ぜひファンはゲームやアニメの質問や、このステージイベントの感想などをメールしてみよう。
なおDMMでは現在、PCブラウザ/Android向けに「マブラヴ」の新作ゲームを開発中で、2015年冬リリース予定。まだ詳細は明かされていないが、そちらにも期待をしていてほしい。