千葉・幕張メッセにて9月17日より4日間にわたって開催された「東京ゲームショウ2015」。本稿ではインディーゲームコーナーに出展されていたタイトルのプレイレポートをお届けする。

近年の東京ゲームショウではインディペンデント系のゲームメーカーや開発者の作品を展示する「インディーゲームコーナー」が設けられているが、今年はさらに規模が拡大。9~11ホールを使って、世界各国のインディーメーカー・開発者の作品が多数紹介されていた。その中で個人的に目を引いた3作を紹介していこう。

「チャーリーとヘディング工場」(ジェムドロップ)

ジェムドロップのブースで展示されていた、VRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を使用してプレイする3D体感ゲームだ。次々に飛んでくるボールを実際に頭を振ってヘディングではね返し、積み重ねられたお菓子の山に当てて崩していく。途中で出現する巨大な的にボールを当てることができたら、次のエリアに進むという仕組みだ。

面白いのは的にボールを当てると足元の床が開いて、散らばっているお菓子がバラバラと下に落ちていくこと。このとき「下を見ないほうがいい」と警告が表示されるのだが、あえて見てみたところ、かなりの深さを実感することができた。こうした演出はVRならではで、プレイヤーが落ちていく演出があれば、かなりのフリーフォール感を味わえるのではとも思ったが、ちょっとそれは心臓に悪そうだ。

ちなみに、ボールはやや大きめのビーチボールくらいなので、頭に当てるだけなら簡単で、子供でも十分楽しめる。ボールの飛んでいく方向や勢いなども、ほとんど違和感がなく、仮想のバッティングセンターやバスケットのシューティングゲームなど、さまざまな応用ができそうだ。

「水没都市~シマダシステム」(ブレインストーム)

こちらも「Oculus Rift」を使用する3D体感ゲームで、水中に潜って海底に水没した都市を探索するというもの。舞台となるのは新宿、ニューヨークなどの実在の都市で、ブースに展示されていた解説によると、ゲーム内の地形は実在の地図や地形データから生成しているそうだ。筆者は新宿を選んでプレイしたのだが、確かに新宿の高層ビルが水面にニョキっと顔を出しており、「このあたりが東口かしら」などと思わず考えてしまった。

水中での探索や移動はゲームパッドを使用するのだが、進む方向を決定するには、実際にその方向を見なければならない。つまり、水中に潜る際には思い切りアタマを下げて足元を見つめ、後方に進む場合には後ろを向けばいいわけだ。意外と思うように動けず、ちょっと慣れが必要だが、操作時の浮遊感はなかなかのものがあり、特に水中に潜っていくときの独特の感覚はちょっと言葉では言い表せないものがあった。こうした体感ができるのはVRならではだろう。

ゲームは海中に落ちている「遺伝子のかけら」というものを3つ回収して、特定の場所まで運べばクリアとなる。ただ、制限時間の3分以内にすべて集めるのはかなり難しく、結局1個しか回収することができずゲームオーバーとなった。リアルな新宿が舞台だけに、次の機会があればもう少し水中散歩を楽しんでみたい。

ちなみに、本作のシステムは地図、地形データさえあれば、世界中のあらゆる都市をステージにできるのだという。Unityで作成されたほかのゲームにも応用可能とのことなので、さらなる発展を期待したいところだ。

「Lost in Harmony」(Digixart Entertainment)

VRゲーム以外の作品もひとつ紹介しておこう。「Lost in Harmony」というタブレットでプレイする音楽ゲームで、開発者はUbisoftの2Dアクションパズル「バリアント ハート ザ グレイト ウォー」を手がけたYoan Fanise(ヨアン・ファニス)氏だ。

プレイヤーはスケートボードに乗って走る、カイトという少年を操作。荘厳なサウンドが流れる中、左右にフリックして背後から迫ってくる車やバイクをかわしたり、前方から現れる障害物を上にフリックして飛び越えたりしていく。一定以上かわすことに成功するとサウンドに合わせてアイコンが出現し、これらをリズミカルにタッチしていくという、アクションゲームと音楽ゲームを組み合わせたような内容になっている。

出展されていたバージョンはとにかくサウンドが美しく、ゲームを忘れて聞き続けていたいと思わされたほど。音楽ゲームの部分も非常によくできていて、メロディーに合わせてうまくタッチできたときの気持ち良さはメジャーな音ゲーに劣らぬものがあった。ちょっとアクション部分の操作感がつかみにくく、多少の慣れが必要だが、決して複雑ではないので誰でも手軽にプレイできる。

ユニークなのは主人公のカイトがアヤという少女を背負いながら走っていること。リリースによると、本作にはストーリーがあり、音楽を通して物語が語られていくのだという。詳細は不明だが、どのようにしてストーリーが展開していくのか気になるところだ。2016年リリース予定となっており、日本語のトレーラーも公開されているので、興味がある人はチェックしてみるといい。

ほかにも独自のデバイスを用いたものや斬新で独創的な内容のものなど、さまざまなタイトルが出展されていた今年のインディーゲームコーナー。海外ではこうしたインディータイトルの中からメジャーに劣らぬヒットを記録するものが次々と生まれているだけに、この機会にぜひ注目してみてはいかがだろうか?

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※画面は開発中のものです。

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