ロサンゼルス・コンベンションセンターで開催した「E3 2016」の会場にて、「バイオハザード7 レジデント イービル」の開発者にインタビューを行った。

「E3 2016 PlayStation Press Conference」の会場で突如発表された「バイオハザード7 レジデント イービル」。本作は当初「KITCHEN」という名で、PlayStation VRのテックデモとしてお披露目された。当然、「KITCHEN」が「バイオハザード7」だと知るものはいないため、その正体が判明した時は、会場の誰もが驚きを隠せない様子だった。アイソレートビュー(一人称視点)の採用や、PS VRへの対応、そして、恐怖に絞りきった世界観など、どれをとっても、昨今の「バイオハザード」にはない新鮮さを感じる。

そこで今回は、E3 2016の会場にて、「バイオハザード7」のプロデューサー川田将央氏、ディレクター・中西晃史氏、プロモーションプロデューサー神田剛氏を直撃し、色々なことを聞いてみたので、興味のある方は、ぜひ一読を。

――まずは、「バイオハザード7 レジデント イービル」の発表おめでとうございます。カンファレンスで「7」の存在が明かされた時は、会場が物凄い盛り上がりを見せましたね。

川田氏:ありがとうございます。我々のボスである竹内(第一開発部統括の竹内潤氏、第1作「バイオハザード」他、多数のシリーズ作に参加)は、今回E3には来られなかったんですけど、ライブ中継を見ていて物凄く喜んでいました。あんなに喜んでいる竹内を見たのは久しぶりですね。

――それではまず、「バイオハザード7」を最初、PS VRのデモである「KITCHEN」として発表した理由をお聞かせいただけますか?

川田氏:もともと「バイオハザード7」として開発していたVRデモ、「KITCHEN」の評判がとても良かったので、ここまで来たら、VRでガッツリ開発しましょうという話になったんです。その判断が下されたのは、去年(2015年)の秋くらいですね。

中西氏:「バイオハザード7」に関しては、早い段階から、何かしらの形でVRに対応させようとは思っていたんです。「KITCHEN」はあくまでテックデモとして開発したものですが、評判が凄くよかったので、VRには部分対応はなく、フル対応しようという流れになりました。

――「バイオハザード7」はPS VR無しでも遊ぶことができますが、VR有りと無しでは、遊び方に違いが出るのですか?

中西氏:基本的には同じだと思っていただいてかまいません。「VRなしの通常プレイで充分以上に楽しめる」事が大前提ですので。ただ、VRの特性上、カメラやスクリーンのエフェクトなど、VRに合わないものは、VRに適した形になるように調整しています。見せ方が部分的に異なるということはありますが、ゲームの基本は変わらないです。

あと疲れてきたら、途中でヘッドマウントディスプレイを外して普通にTVモニターでもプレイすることが可能なので、ぜひ使い分けて遊んでほしいですね。

――発売日が2017年の1月26日といきなり発表されてビックリしたのですが、開発自体はかなり以前から行われていたのですか?

川田氏:そうですね。紆余曲折ありましたが、2014年の2月辺りから本格的な開発が始まりました。

――では、VRに対応するうえで、特に意識した部分はありますか?

神田氏:VRって、プレイしているうちに酔ってしまう人もいると思うんですけど、そういった部分は今後の最適化で、遊ぶ方の負担を出来るだけ減らす調整を行う予定です。

中西氏:なるべく多くの部分で、快適に遊べるような調整を目指しています。酔いの問題に関して言うと、たとえばポイントを選択して移動する(ワープする)タイプのVRゲームだと酔いにくいと思います。

ただそれだと、「バイオハザード7」のプレイ体験として少し弱いものになってしまう。僕らが目指しているものは、フルゲームを、なるべく快適な形で遊べるようにすることです。なので、フルゲームの部分はきちんと維持しつつ、そのうえで問題点を改善していきたいですね。

川田氏:酔いに関しての問題に関してはSIEさんにもご協力を頂きながら、さまざまな改善を行っているところです。VRに関しては、ユーザーさん毎の向き不向き、そして慣れもあると思います。VRの「バイオハザード7」を作っているスタッフの中にも、最初はVRの感覚に馴染めなかったけど、今では何時間もプレイできる人もいるくらいなので。

中西氏:いま川田が言った「慣れ」って、実は大きいんですよ。速く歩くと酔いやすいと思っている方もいるかもしれませんが、実はそんなことはないんですよ。本当は、自分が想像している速度とは違う速度で歩くと、酔いやすくなるんです。なので、ゲームの移動速度に慣れていくと、だんだん酔わなくなってきます。

今回はE3出展用の体験版なので入れていませんが、実は、オプションでカメラの移動方法を変えられるようにはなっているので、その辺りも試してみてほしいですね。

アイソレートビューがもたらす恐怖とは

――「バイオハザード7」では、アイソレートビュー(一人称視点)が導入されたことが大きな一つのポイントだと思うのですが、アイソレートビューを採用することになった経緯を教えて下さい。

中西氏:「バイオハザード7」を作るうえで気をつけたことは、「恐怖」の表現方法です。どうやったらプレイヤーさんに恐怖を伝えられるのか。そこで選択したのが、アイソレートビューです。皆さん感じておられると思いますが、ホラーって、一人称視点との相性がいいんですよ。

――今作では、「恐怖」を伝える方法としてアイソレートビューを選択したわけですが、今後の「バイオハザード」全てがアイソレートビューになるわけではない?

中西氏:まだそこまでは決めてないです。ただ、ナンバリングの「バイオハザード」は、毎回新しい要素を取り入れ、ずっと挑戦してきたタイトルです。なので、もし次を作るとしても、おそらく今回と同じように、「次はどうしよう?」と、一からあれこれ考えると思いますよ。

――ストーリーに関してなのですが、「7」ということは、「6」の続きなのですか?

中西氏:ここはクリアにしておいたほうがいいと思うのでハッキリ言いますけど、「バイオハザード7」は、「バイオハザード」の「1」から始まった、脈々と続いている「バイオハザード」の世界観の中の作品です。リブートでもないですし、過去作をなかったことにしているわけでもない。

――なるほど。

中西氏:先ほど、「バイオハザード7」は「恐怖」にフォーカスすると言いましたが、じゃあ「バイオハザード」の恐怖とは何か。

僕もその1人なんですけど、第1作「バイオハザード」をプレイした時の、何が何だか分からない恐怖ってありましたよね。洋館にしろ、クリーチャーにしろ、何にしても、情報がないから凄く不気味です。実は「バイオハザード」の本質って、その辺りの感覚なのかなと思っています。

――自分の置かれている状況が分からない不安感は、確かに物凄い恐怖ですね。

中西氏:ですね。「今回の敵はウェスカーです!」とか分かりやすく言うと、ミステリーにならない。なので、「バイオハザード」のユニバースとして「7」と過去作の世界は繋がってますが、何でもかんでも登場するわけではないです。今回、一番重要なのは、プレイヤーが未知のミステリーを体験することなので。

――昨今、コンソールでもインディー作品でも、主観視点のホラーゲームが増えてきていると思いますし、映画やドラマでも、ゾンビものも多いですよね。「バイオハザード」に関しても、スピンオフや移植作など、多くの作品が発売されていますが、その中で「バイオハザード7」が大きく影響を受けたタイトルはありますか?

中西氏:色々なものから影響を受けています。だからこそ、「バイオハザード」の強みとなる部分は、プレイヤーさんに伝わりやすいもにしようということになったんです。

例えば、「バイオハザード6」は色々な要素をミックスしたゲーム性ですが、ああいった方向性を喜んでくれている方もいますし、そうでない方もいます。個人的に「6」に関して言えば、一つのタイトルの中で色んなことをやりすぎたとも感じているんですね。

なので、今回はフォーカスするべきところを絞ってフォーカスしています。そして、おっしゃる通り、昨今主観視点のホラーゲームが多くなってきています。そういう作品は僕も大好きですし、1ゲームファンとして驚かされてもいます。

その中で思うのは、やっぱり主観視点とホラーは相性がいいということですね。もう一つ、これは「バイオハザード」の特徴だと思うのですが、最終的に恐怖の対象を倒せるということです。この恐怖と達成感のコントラストが、「バイオハザード」の強みだと思っています。

今回のデモにバトルは入ってないんですけど、敵を倒す達成感は本作でも健在です。

「7」では、「深く狭く」を目指す

――「バイオハザード7」は、空間づくりに非常に力を入れているという印象を受けたのですが、特にこだわっている部分はありますか?

中西氏:そこを見ていただけるのは嬉しいですね。その通りで、かなり力を入れて作っています。企画立案の時に、竹内が「深く狭く」と言ったんですよ。

僕らはこの作品でオープンワールドゲームを目指すつもりではないので、狭い空間で物凄い密度の恐怖を体験してもらうことに注力しています。「狭い空間」を作るという制作のビジョンが最初からしっかり固まっていたので、高いレベルの空間作りができたんだと思います。

神田氏:モニターで1080p、60fpsを出すのを前提ですが、VRに落とし込んでもパフォーマンスを落とさずに再現できているので、そこは、我々が作った新しいエンジン「REエンジン」のパフォーマンスのおかげだと思います。

――空間作りに繋がる話ですが、実際に「バイオハザード7」をプレイした時は、良い意味で嫌悪感が半端じゃなかったですね。「この先行きたくない!」と思わせる怖さや気持ち悪さが物凄い。

中西氏:そう思っていただけたらメシウマですね(笑)。そういう感覚って、「バイオハザード」の原体験の代表的なものなので。

あと、三人称視点より主観視点のほうが、ドアを開けたりするのが怖かったりするじゃないですか。少しだけ覗けたりするのが、また怖い。なので「バイオハザード7」では「ドアを開けたくない」と思わせる経験を、より強く感じてもらえると思います。

――ちなみに今回、正式タイトルは「BIOHAZARD 7 resident evil」になりますが、「resident evil」が日本版のタイトルになるのは初めてだと思います。サブタイトルに「resident evil」と付けた理由を教えて下さい。

川田氏:「バイオハザード」は、グローバルで展開している我々の大切なIPです。なので、今後グローバル展開するうえで、「BIOHAZARD」と「RESIDENT EVIL」を一つにまとめたいという思いがありました。そこで、国内では「resident evil」をサブタイトル化することで、インパクトをつけながら両方のタイトルを皆さんに認知していただきたいという狙いもあります。

かつ、「7」では、「BIOHAZARD」と「RESIDENT EVIL」、この2つのタイトルが持つ意味をきちんとテーマとして扱っているタイトルということもアピールしたいと思って、「BIOHAZARD 7 resident evil」というタイトルに決めました。

――今回、プラットフォームは、PS4/PS VR/Xbox One/PCとなっていますが、PS4以外のプラットフォームでも、VR対応にする予定はありますか?

川田氏:将来的には分からないですが、現時点でのVR対応は、PS VRのみになります。まだPS VR版が完成していないので、まずはそちらをしっかりと作って、きちんとした形のものを皆さんに楽しんでもらえるよう頑張らなければならないと思っています。

――トレーラーについてお聞きしたいのですが、トレーラーの最後に「7」(海外版はVII)という文字が出て、その後「BIOHAZARD」の文字と同化していく演出がありましたが、あの案は、最初から考えられていたのですか?

川田氏:ロゴデザイン担当のスタッフが提案してきましたが、非常に良いデザインでしたね。最初は「分かりにくいんじゃないか」という意見もありましたが。シンプルでナンバーだけがやたら目立つこともないので気に入っています。

神田氏:「BIOHAZARD(7)」とも「RESIDENT EVIL(VII)」の両方の文字にハマってよかったなというのが正直なところです(笑)。実はバラしてしまうと、「KITCHEN」の「T」には線が入っていて、そこでも「7」を表現しているんです。

――それは気が付かなかった(笑)。

川田氏:今回でシリーズは7作目になるわけですけど、タイトルの後ろに数字を付けるのは、もうそろそろいいんじゃないかなという思いもあったんです。なので、分かりにくかったとしても、敢えてシンプルに見えるデザインのロゴを採用しました。

あと、我々としては、新しいマスターピースを作るんだという意気込みも込めています。それはロゴデザインだけではなく、ゲームデザインもそうです。なので、我々の本気度を感じてもらえたら嬉しいですね。

――本日はありがとうございました。

</td>
左から、中西晃史氏、川田将央氏、神田剛氏

(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

※画面は開発中のものです。

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PS4XboxOneSwitchPC
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会社
カプコン
シリーズ
バイオハザード
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システム
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