ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアが7月19日に開催したPS4用ソフト「GRAVITY DAZE 2(グラビティデイズ2)」発表会。会場では一般参加者が眺める中、外山圭一郎氏へのインタビューショーを実施した。

昨日行われた「GRAVITY DAZE 2」の発表会にて、本作のディレクターを務める外山圭一郎氏へ、メディア陣による囲みインタビューが執り行われた。会場には当然、一般の参加者が多く詰めかけていたため、インタビューの模様がまるでショーのように見られるという、なかなかに珍しい形式が取られていた。

本稿ではそこで尋ねてきたゲーム内容、プロモーション展開から開発裏事情などなど、さまざまな質問内容を紹介していく。

「GRAVITY DAZE 2」に迫る

――参加者がゲームを実際に遊んでいる姿を見られて、いかがでしたか?

外山氏:すみません、実のところ、皆さんが遊んでいる姿はあまり見られていなかったんです(笑)。

ただ、先日のE3 2016も含めてですが、本作で心配していたことは「独特なアクションであること」でして、これにより実際にプレイされた方々が「よく分かんない」と感じてしまうのではないかと懸念していました。ですが、杞憂に終わったというか、大変評価していただけてありがたく思います。

初プレイではルーナチューンもあって、ユピトールチューンもあって、どうすればいいのか分からないという人も多くいたようですが、体験が終わる頃には「自分のフィーリングでゲームを楽しんでいいんだ」といった雰囲気になって下さっていたようなので。

――このインタビューの前に、会場でユーザーさんとコミュニケーションを取っていたようですが。

外山氏:なかなかこういう機会がなかったので、色々な方々と会話させていただきました。中には「『GRAVITY DAZE』発表時に公開されたスクリーンショットを見たときからファンでした!」という方もいて、非常に嬉しい気持ちです。反面、絶対に期待を裏切れないというプレッシャーにもなりましたので、スタッフ一同、改めて気合を入れることができます。

――会場で初公開となったPVでは、新キャラクターの姿が映されていましたが。

外山氏:今回初公開しました新キャラクターは「アンジェ」といいまして、ヒーロー的な立ち位置の守護天使としてゲーム内に登場します。

――アンジェは3人目の重力使いなのでしょうか?

外山氏:いえ、重力使いではありません。彼女は異なる能力者で、パワーファイターです。肉体を再生する力を持っています。彼女の謎も本編で明らかにされるので、楽しみにしていてください。

――今回“完結編”と謳われていますが、これはシリーズの終わりなのでしょうか? それともキトゥンの物語の終わりなのでしょうか?

外山氏:「GRAVITY DAZE 2」は、キトゥンの物語の完結編です。現時点でこれからの展開を考えているわけではないので、今はただ、発売日まで開発に集中して取り組んでいきます。

――PS4への移行で懸念していたことはなんでしょうか。

外山氏:単純に苦労したのは、ストーリーですね。本シリーズは立ち上げの時点で完結までのストーリーを用意していましたが、前作ではPS Vitaの盛り上げの一環として、出来るだけ早いリリースを求められていたので、キリのいい中盤までしか描けませんでした。

その結果、今回の「GRAVITY DAZE 2」から初めてプレイする人が当然生まれてくると考えています。そういったユーザーさん方に、どうすれば「GRAVITY DAZE 2」の物語にスンナリと入っていただけるのか、本来描きたかった物語を楽しんでもらえるのか、こういった部分についてはスタッフ間でもかなり議論してきました。

――アニメでは「GRAVITY DAZE 2」の前日譚が描かれるようですが、なぜアニメという形式を選んだのでしょう。

外山氏:(前作「GRAVITY DAZE」から若干時間が経っている)「GRAVITY DAZE 2」に至る導入のお話というのはあらかじめ考えていて、なんらかの形を取ってユーザーさんに届けられればと思っていました。Web上でサラッと見せるのも一つの手ですが、スペクタクルな内容にしたかったので、できればリッチな媒体で見せたいと思い、アニメという媒体を採用しています。

――発表会では伝えきれていない、各チューンでできることはありますか?

外山氏:前作でも操作にありましたが、□+×ボタンを入力すると、それぞれのチューンで特殊な技が発動します。特にルーナチューンの場合は、これを使うと急降下することができるので、ちょっと下に落ちたいときに便利です。ほかにも上級者向けのテクニカルな技などは用意していますので、期待していてください。

――クロウが一緒に戦ってくれる感がとても良かったです。

外山氏:クロウは自律的に動き、キトゥンの動きに合わせて、敵に攻撃をしてくれます。ただ、これにもスタッフとの議論がありまして、キトゥンの攻撃時に必ずクロウが追撃してくれるなど手順が決まってしまうと、彼女がどうしても“攻撃オプション”のような存在になってしまいます。

それでは共闘感が薄れてしまうので、状況によって「今なら(クロウが)来てくれる」というときに加勢してくれるなど、調整を施している部分です。

――クロウのプレイアブル化は予定されているのでしょうか。

外山氏:プレイアブル化の要望は多くいただけているので、いつかできたらとは考えているのですが……、今のところは予定していません。

――デモプレイのときは空に「虹」がかかっていましたが、ああいった天候の特殊効果はほかにも搭載されているのですか?

外山氏:天候の特殊効果ではありませんが、“とある時間になると、花火が打ち上がる場所”などがあったりします。これらは見つけた人と情報交換するなど、各々で楽しんでみて下さい。

――ゲームボリュームはどれくらいになりますか。

外山氏:まず、「滅茶苦茶多い」という言葉が出てきます。発表会の場でも少し言ったのですが、最近になってやっと全貌が掴めてきたもので(笑)。本作では「採掘モード」というものがありまして、「タリスマン」と呼ばれるアイテムを探して、それを持ち帰ると固有能力が付加できるようになりました。いわゆるハック&スラッシュみたいな要素ですね。

こういったやり込みのほかにも、まだテスト段階ではありますが、ネットワークを使ったコンテンツも想像以上に濃く遊べるものになっています。前作と比べて、少なくともマップは3倍近くですが、やり込みに関しては前作とは比になりません。

――採掘モードとはなんですか?

外山氏:採掘モードは、ゲームの冒頭でキトゥンが出会う、採掘家業の集団との仕事がきっかけで解放されます。採掘場は一つだけでなく、メインストーリーの進行によって解放されていったりもします。前作でやり込み要素が不足していたことを反省し、本モードは収録コンテンツの中でも特に作り込んでいますよ。

――ネットワークを活用した遊びには、どのようなものがありますか?

外山氏:フォトモードが一つと、採掘モードにおいてはフレンドの進行状況を共有すると異なるイベントが発生したり、自分がやられてしまった地点に遺留品が残っていたりと、ちょっとした楽しみも用意しました。

あと、「トレジャーハント」というものがあり、これは“突然、街中に宝箱が現れる”というイベントです。ユーザーさんはこの宝箱の場所のヒントを写真に収めて、オンラインで他者と共有することができるんです。もし、共有した違うユーザーさんが写真をヒントに宝箱を発見すれば、自分にも“ちょっとイイこと”があるようになっています。

――フォトモードについても詳しく教えていただけますか。

外山氏:ユーザーさんには、フォトモードを使って「異世界に旅行に来た」みたいな感覚を味わってもらいたいです。このモードではフォトアイテムを使って小道具を用意したり、フィルターを変えて色調を変化させたり、三脚モードを使えばキトゥンの自撮りもできます。

特にフォトアイテムには、ゲーム中に出てくる背景物などがたくさん詰め込まれていて、それらをリワードなどで入手できるようにしているので、一発ネタな写真を撮ることだってできます。あと、ゲーム内での撮影はPS4のスクリーンショット機能と連動していて、PS4本体にも写真が記憶されるようにしています。

――音楽面では「インタラクティブ」なる斬新な手法が取り入れられていますが、こちらはどのような発想から生まれたのでしょうか?

外山氏:私が「そういうことできるのかなー」と知らないことの強みで田中先生に伝えたら、思った以上の大事になって進んでしまったものです(笑)。ただ、田中先生は面白がってくれて、「むちゃくちゃ言うなー」と言いつつも、絶対にそれに応えるという気概で臨んでくれました。音楽に関しては互いに驚きを感じつつも、楽しみながら制作してこれましたね。

本作における音楽の多様性は素晴らしく、サウンドトラックに関しても「これだけ幅広い音楽は入ったものはないだろう」と感じるくらいです。

――本作ではどのようなDLC展開が予定されていますか?

外山氏:前作ではサイドストーリー的なものを3分割で配信しましたが、今回はメインのゲームの中にサイドストーリーを約50ほど収録していますので、同じことをやっても仕方ありません。そのため、一つだけですが、DLC専用キャラクターなどが出てくるような番外編として、しっかりとやり応えのあるコンテンツを提供できればと考えています。

――今後、発売までどのような点に注力して開発を進めていくのでしょうか。

外山氏:……延期しないように(笑)。本作は別個の開発コンテンツが多いながらも、それらが一つに合わさったときに、相乗効果をもたらすような流れを作れています。このベースが崩れてしまうと大変ですが、我々のチームは比較的安定していますね。そのため、残った時間は純粋な調整に費やしていきたいと考えているところです。

――何度か、「最近になってやっと全貌が掴めてきた」とお聞きしましたが、一つのゲームとしてコンテンツを統合しはじめたのは、最近のことなのでしょうか。

外山氏:そうですね、最近になってようやくコンテンツを取りまとめて、一つのゲームとして遊べるようになりました。それが想像以上に面白かったので、自分でも楽しみになっています。

――ゲームの限定版と通常版が同価格での提供となるのは、かなり思い切ったのでは?

北尾氏(※脇に控えていたSCE広報でお馴染み、北尾泰大氏):弊社のタイトルではこういった形で販売させていただくものが多いのですが、今回はこれまででも一番盛り沢山な内容になっています。なぜなら、皆さまに予約していただきたいからです(笑)。

あと、限定版が収納ボックス仕様になっているのは、発表会に登壇していた和家佐が「ゲームもアニメも一つのボックスに入るようにしたい」と考えてのことでした。

――今後、一般ユーザーさんがゲームに触れられる機会というのはあるのでしょうか?

外山氏:TGS 2016にはもちろん出展させていただく予定です。

北尾氏:できるだけ、発売までにそういった機会を多く設けていきたいと考えています。

――ちなみに、体験版の予定は?

北尾氏:「GRAVITY DAZE 2」に関しては、無いですね。

――最近はどこに行っても尋ねられるかと思いますが、「PS VR」への対応は?

外山氏:「GRAVITY DAZE 2」のVR対応は予定していませんが、もちろん興味はありますし、開発チームでは実際にVR機器を使ってテストプレイもしてみました。

――重力アクションをVRでとなると……酔っちゃいそうなのですが?

外山氏:それが、主流の1人称視点でやってみたところ、相対感がないというか、あまり楽しくなかったんですよね。ただ、通常のゲームカメラと同様の3人称視点で試したところ、結構楽しかったので、予定はありませんが、将来的に機会があればやってみたいと思います。

GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収敛した選択 初回限定版

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PS4パッケージ

  • 発売日:2017年1月19日
  • 15歳以上対象
  • スペシャルアニメーション:「GRAVITY DAZE The Animation~Ouverture~」Blu-ray Disc,サウンドトラック:「GRAVITY DAZE 2 ディレクタ-ズチョイス」ダウンロードコード,.スペシャルコスチューム:「ホワイトキトゥン」ダウンロードコード,豪華収納BOX
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ソニー・インタラクティブエンタテインメント

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  • 発売日:2017年1月19日
  • 15歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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