千葉・幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2016」。その会期中である9月15日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(以下SIE JA) プレジデントの盛田厚氏にインタビューした。
――東京ゲームショウのブースには多くのPlayStation Vita(以下、PS Vita)タイトルが出展されていました。PS Vitaの今後は?
盛田氏:昨年PS Vitaが拡大できたのは「マインクラフト」のおかげでもあります。しかし、イベントで子供たちにアンケートをとるとPS Vitaを持っていない人が結構多く、理論上はまだ倍売れてもおかしくないです。PS Vitaと「マインクラフト」のキャラバンはこれからも続けていきたいですし、「ドラゴンクエストビルダーズ」(株式会社スクウェア・エニックス)を含めて、子供層へのアプローチと拡大は重要なテーマの1つなので、引き続き力を入れて頑張っていきたいです。
――カンファレンスでは「キッズの星 プロジェクト」が発表されました。
盛田氏:「キッズの星 プロジェクト」は、文字通り子供たちに遊んでもらうことが目的です。子供層にリーチしたいという考えは、2年前にSIE JAに着任したときからもっていました。子供の頃からコントローラーに触れているかがとても重要だと考えているのですが、今はコントローラーを使って遊んでいないのではないかと思っていました。
PS Vitaがさらに拡大しより多くの子供たちにゲームの楽しさを知ってほしい。そういう意味で、子供たちに愛されるキャラクターを自ら作り上げ、さらにゲームだけでなく、ソニーグループのさまざまな企業と連携することによって面白いものができるのではないか、そういう思いからのチャレンジです。
――具体的にはどのような展開になるのでしょうか?
盛田氏:具体的には言えませんが、来年には何かお話できる状態にしたいです。リアルな取り組みかも知れませんし、アニメや音楽、ゲームかもしれません、さまざまなものを連動させながら展開していきたいです。
――一方でハイエンドユーザー向けのハードであるPlayStation4 Proも発表されました。
盛田氏:PlayStationのユーザーをいかに拡大するのかが我々の目的です。日本のユーザーの皆さんが待ち望んでいたタイトルが出揃う9月にあわせて、マジックプライスだと考えている新型PS4を発表しました。ここで、待っていた人やPS4の購入を悩んでいた人たちに一気に拡大していきたいという考えがひとつ。
今までライフサイクルが長かったPlayStationですが、その中でユーザーの環境が変化していきました。PCやスマートフォンは1年ごとのサイクルでアップデートしていきます。ハイエンドモデルをリリースすることで、それらのアップデートを横目で見ていたPS4ユーザーの方に、もっと楽しんでもらうことにチャレンジしました。
このように、ハイエンドの層を拡大するのと、横に広げる展開の両方を達成していきたいと考えています。
――PS4 Proはどのようなユーザーがターゲットですか?
盛田氏:すでにPS4で遊んでいていただいて、さらにハイエンドを望んでいる方や、PCゲームのユーザー、4Kのテレビを買おうと思っている人など、ハイエンドのゲームを楽しみたいユーザーがターゲットです。
――PlayStation Now(以下、PS Now)のPC対応やフォワードワークスの設立などがありましたが、SIEにとってPCやスマートフォンはどのような存在なのでしょうか?
盛田氏:大きなくくりとして、ゲームを楽しむという意味では同じです。PlayStationとしてゲームを生業としている会社として、市場の大きいところはやったほうが良いという考えです。PS NowのPC対応というのは、PCを持っていればPlayStationのタイトルを体験できます。フォワードワークスは、日本で多くの人が持っているスマートフォンに、我々のノウハウを活用したゲームを提供していきたいという考えで設立しました。
――PlayStationのハードが根幹にあり、そこから横に広げていくようなイメージでしょうか?
盛田氏:我々が考えているのは、ゲームが楽しいと思ってもらい、最高の体験ができるということです。それができるのはコンソールゲームですし、最高の楽しさを提供できるのはPlayStationですので、そのPlayStationの世界を広げてきたいです。
――スマートフォンタイトルにSIEのIPを入れるような動きは?
盛田氏:まだ具体的に言えることはありませんが、フォワードワークスではスマートフォン向けのゲームを我々が作ったらどうなるかというところにチャレンジしていきたいです。
――それは、単純な移植ではなく新規に作るのでしょうか?
盛田氏:いろいろな可能性があると思います。せっかくやるからにはPlayStationがやるとこんなにおもしろいゲームが作れるのか、と言われるようなものを作りたいです。
――海外でPS Plusの値上げが発表されましたが国内では値上げを検討されていますか?
盛田氏:今は、お答えできるようなことはありません。
――「DAZN」に関して、PlayStation VR(以下、PS VR)での展開の計画は?
盛田氏:PS VR向けに何かあるわけではありませんが、いろいろな可能性はあると思います。VR自体がさまざまな可能性があるので、VRによってより楽しくなることはできるだけPS VRで実現したいです。
ゲーム以外のコンテンツも非常に重要だと考えています。ゲームの楽しさを伝えることもちろんですが、もうひとつ、各家庭にPlayStationがある状態を目指すためにVRは非常に良いテクノロジーだと思います。そのためにもさまざまなコンテンツを作れるようにしたいです。
――盛田さんがプレジデントに就任されてから2年が経ちました。当時、Project Morpheusと呼ばれていたPS VRがいよいよ発売されます。心境はいかがですか?
盛田氏:盛り上がっているVRですが、まだPS VRは販売されていませんし、市場自体もこれからの状態です。ハードウェアのテクノロジー自体も進化していますし、コンテンツの作り方もノウハウをためて洗練されてきており、進歩してきたと思います。みなさんはここまで来たと思われていると思いますが、我々としてはこれからなので、これから頑張ります。
――PS VRの予約が殺到していますが、事前に予測されていましたか?
盛田氏:思っていた以上に好調です。
――予約せずに購入できるようになるのはいつ頃でしょうか?
盛田氏:予測は難しいのですが、できるだけ早く解決しなければいけないと考えています。PS VRは、将来に向けていろいろ可能性のある商品なので、今年、来年、その後というテクノロジーの進化を目指していかなければなりません。
今年何台売れたから良かったというのではなく、買ってくれた方に楽しかったと思ってもらい、人に勧めてもらえるような状態にいかにするかが、来年以降で重要だと思います。ハードウェアとコンテンツのクオリティもフォローしていかなければならず、今年はそのほうが大事だと考えています。
――今年のPlayStationブースではどのような点に注目してもらいたいですか?
盛田氏:まず、充実したタイトルを体験してもらいたいのがひとつ。もうひとつはPS VRです。とにかくVRは体験してもらうことが一番です。今年は我々だけではなくVR自体が盛り上がると思います。大事に育てていきたいと考えているので、PS VRを体験してもらい、ご意見をいただき、それを糧に次のステップにいきたいです。
――ありがとうございました。
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