9月15日より幕張メッセにて開催されている東京ゲームショウ2016。ここでは、PS4用ソフト「人喰いの大鷲トリコ」の試遊プレイレポートをお届けする。
12月6日に発売されるPS4用ソフト「人喰いの大鷲トリコ」。「ICO」「ワンダと巨像」を手掛けた上田文人氏による作品だ。
今回、メディア向けに本作の中盤のとあるシーンをプレイする機会が与えられた。そのプレイインプレッションをお届けしよう。
筆者は以前、本作の物語の冒頭をプレイする機会に恵まれた。その時は巨獣・トリコとプレイヤーが操る少年との邂逅から、心を通わせるまでを体験することができた。今回は物語の中盤ということで、2人の間には一定の親密な関係が築かれている。
少年とトリコが冒険を進める巨大遺跡には多種多彩な仕掛けが施されているが、ゲーム中にヒントめいたものはほぼないと言っていい。強いて言えば仕掛けそのものがヒントであるが、明確に「ああするといい、こうするといい」というメッセージはない。「次はどこに向かえばいいんだろう」と足を止めてしまったのは、前回プレイ時も今回も変わらない。
その代わり、何らかの操作ができる場所に近づくとコマンドが表示される。例えば天井からぶら下がっている鎖に近づくと、「ジャンプ」の操作が画面右上にポップアップされるという寸法だ。この「何らかのアクションを起こせる」サインは、その先に進むことができる証左でもあり、ヒントと捉えてもいいだろう。
もっとも、「そのアクションができるだけ」ということもないわけではない。こうした、現在のゲームシーンでは珍しいほどの骨太な謎解きが、本作の醍醐味のひとつになっている。
遺跡のギミックを解くために、トリコの力を借りるシーンがある。少年の何倍も大きな大鷲・トリコは、人が到底登れないような場所に飛び移ったり、重い扉を開けたりすることができるのだ。
今回は特に、序盤プレイ時にはなかった「トリコに飛んだり、しゃがんだりといった指示を出す」という行動が、先へ進むための鍵になっていた。トリコの背に乗りながら指示を出すことも可能で、これを利用して高いところへ移動することもできる。こういった点も、物語が進んで少年とトリコの関係が深まったことが感じられるポイントだ。
一方で、トリコではどうにもならない場所もある。例えば、トリコの身体では当然ながら狭い空間に入ることができない。また、なぜかトリコが怖がる模様が掲げられている場所があり、そこに差し掛かるとトリコが先に進めなくなってしまう。
その時は、身体が小さくて丈夫な少年の出番だ。狭い空間に入り込み、その先にある仕掛けを説いてトリコが通れるようにしてあげたり、落ちているものを使いながら、トリコが怖がる模様を取り除いてあげたりする。
こうしてプレイしていくと、トリコを仲間だと思う感覚がだんだんと強くなっていく。彼(?)の“生きもの”らしさが、ひしひしと伝わってくるのだ。
単に助け合っているからそう感じるわけではない。天井から吊るされた鎖が気になって手で揺らしてみたり、ジャンプする前ににじりにじりと体勢を整えてから飛んだり、そんなトリコの動物らしいひとつひとつの仕草に、生きていることが感じられるのである。これも本作の大きな魅力のひとつだ。
ゲーム的に処理するならば、飛ぶコマンドを入力すればすぐに飛ぶものなのだろうが、この作品はそのような描き方をしていない。「どうすればいいんだろう?」と前のめりになってしまう骨太な謎解きと、つい先に進むのを忘れて見入ってしまうトリコの“生きもの”らしさが、VRコンテンツとはまた質の違った没入感を覚えさせてくれる。気づいたら数時間経っているような、そんな作品に仕上がる予感を抱かせてくれた。
※記事内の画像は、英語版の動画をキャプチャしたものです。
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