東京ゲームショウ2015のときにSCEブースの巨大スクリーンに生息していたリアルなトリコがついに家庭のテレビにやって来る時代になりましたので、「人喰いの大鷲トリコ」のインプレッションをお届けします。
巨大なトリコとの初対面
できる限り情報をシャットアウトしてきたため、「人喰いの大鷲トリコ」といえば少年と巨大なトリコが冒険するアクションアドベンチャーなんだろうなぁ、という漠然としたイメージしかなかったりしますが、そんな状態でいざプレイステーション4の電源を入れ、「人喰いの大鷲トリコ」に挑み始めました。
土に埋まっている何かに近付く少年らしき影。これがボクなのでしょうか?
シンプルなタイトル表示の後、虫から鳥、哺乳類というように生き物の進化の過程を示すようなイラストが次々と映し出されます。
さらにファンタジーの世界にのみ生息していそうな幻想的な動物が現れてきて、最後に現れたのが……。
続いて訪れたのは暗闇。今見てきた生き物の絵は何だったのだろうか? 夢? 示唆? 予兆? 暗闇から見える一筋の光。そして、たくさんの記号が浮かんできました。この、目の前を覆ってしまうほどに現れた記号は何なのだろう? ジタバタしていると視界が開けてきました。どうやら眠ってしまっていたようです。
タイトルからの一連の流れについては、まだ何が起きているのかよくわかりませんが、気が付くと奇妙な世界に誘われていました。プレイヤー自身が何も知らないのは当然のことなのですが、ナレーションによると、画面にいる少年も何が起きているかわからないようです。
ナレーションの声はかなり渋い声のため、きっとこの声の男が少年の頃の話なのではないかと感じ取れます。ナレーションの男の回想として語られる少年。この少年の出来事をプレイヤーは体験していくのです。
少年の横には先ほど見たばかりのイラストにあった生き物の姿がありました。イラストには「TRICO」と描かれていたので、この巨大な生き物がトリコのようです。更に、少年自身の体を見ると、見覚えのない奇妙な紋様。
イラストでは穏やかな顔をしていたトリコ。ところが目の前にいる巨大な生き物はかなり狂暴に見えます。顔のサイズが少年の前進よりも巨大ですから、戦ったところで勝ち目がありそうにありません。というか、そもそも戦うことになるのでしょうか?
狂暴に見える生き物ですが、どこかおかしいです。周りを見ると閉鎖された空間のようです。荒れた岩場に雑草が生い茂り、その中に不釣り合いなチェーンが一本。巨大な生き物はそのチェーンでつながれていて、遠くに行けないようです。でも、なぜチェーンでつながれている? 野生の生き物じゃないの? もしかして捕えられている? もしかして苦しんでいる??
トリコに前から近づくと、息が強すぎて近づくことができません。遠くに離れると、トリコは近づいてきません。トリコは場所をそれほど変えないため、容易に回り込むことができます。別の視点からトリコを見ると、どうやら何かが刺さっていてケガをしているようです。
トリコの体毛を掴んでみると、よじ登ることができました。トリコは適度に暴れるため、振り落とされてしまいました。石が傾斜になっているため、坂の一番高いところからジャンプをしてみると、トリコの上に乗ることができました。
トリコに刺さっている槍を引き抜いてあげると、その時の痛みからトリコは暴れ、少年は振り落とされて足で蹴られて壁に激突して気絶してしまいました。
まだストーリーの始まりにすぎず、ただ操作方法を学んでいるだけなのに、なぜか楽しいのです。トリコはまだ全然懐いていないのに、勝手に触っているだけなのに、トリコをなでなでしてあげるだけで、なぜか嬉しいのです。
新しい操作が発生する所になると、テキストやカメラによるナビゲートがあり、何か新しい展開がありそうな場面では、ナレーションと字幕でそれとなく行動を教えてくれます。基本的にはプレイヤーの気づきによってゲームを進めていくようになっています。
若干時を進めましょう。
少年は駆け回ることができ、ジャンプで届く範囲の岩のでっぱりに掴まることができ、多少高い所にはよじ登ることができます。多少高いところから飛び降りることはできますが、ちょっと高いと足を痛めることがあり、更に高いところから飛び降りると、暗闇の中に多数の記号が現れ、ジタバタすると再び視界が開けてきます。どうやらあの高いところから飛び降りたことは夢の彼方へ。
一方、トリコはあまり大きくは動きません。しかし、少年が移動すると、ドシッドシッと歩いていきます。少年がトリコの体毛を掴み、登っても、びくともしません。トリコの上に乗って動いても嫌な顔一つしません。
少年は大きなスイッチがあれば、動かすことができます。水があれば泳ぐことができます。鎖があれば上り下りができ、大きな木の箱を押したり引いたりでき、樽があれば持って投げることができます。そして今、手には鏡があります。
トリコが少年の近くにいるときに、壁などに鏡から反射した光を当てると、トリコの尻尾から放出されるいかずちを使ってモロい場所を破壊することができます。
少年だけでもそれなりに動き回ることができ、小さい穴などは少年しか潜り抜けることはできません。しかし、トリコがいないと届かない場所や進めない場所があり、結局、少年はトリコと共に冒険を続けます。
トリコとの関係性
ストーリーの序盤。閉鎖された空間から脱出した少年は、トリコの体ではその閉鎖された空間から脱出できないと思い、別れを告げます。ところが、トリコはいとも簡単にその場から脱出し、少年に付いてきます。少年は村の近くにいるのかと思ったら、実は全然知らない世界にいたことに気づきます。少年はトリコが何者かわかりませんし、トリコが何を目指しているかもわかりません。それでも、少年とトリコは一緒に冒険をします。
このふんわりとした設定が、プレイヤー自身をゲームに没入させます。少年とプレイヤーが対等の関係でゲームを進めていくことができます。
トリコは何を考えているかさっぱりわかりません。少年に付いてくるし、離れている時に呼べば近づいてきますけど、トリコにやってほしいことを直接指示することはできないので、時には勝手に飛んで行ってしまうこともあります。
トリコは確かに飛ぶのですが、少年の指示に沿って飛ぶわけではなく、飛距離も長くはありません。まぁ、飛ぶとはいっても、ほんのちょっと先まで移動する程度なので、少年と同様、自由に移動できるわけではありません。トリコは翼を傷めているため、羽ばたいて大空を飛ぶことができないのです。
こんなトリコですが、かなり頼りになるヤツです。鎧の敵が出てくると少年は太刀打ちできません。こんな時、巨体を揺り動かして戦ってくれるのがトリコです。鎧の敵とトリコの戦いは壮絶を極めるため、なかなか近くで静観して見守ることができないのですが、戦いが終わった後の鎧の砕け散り方を見ると、その激しさを知ることができます。
そして、激しい戦いが終わった後は、トリコの興奮を取り除くために撫でてあげるのです。
トリコに対して、感情的に見ることは大事なのですが、その一方でロジカルに見ることも忘れてはいけません。周りを見渡して、「トリコに乗ったらあそこに行けそうだな」と思い、少年が一人ではいけないところにトリコが行ってしまったら、「トリコを呼び戻して、トリコに乗っかれば進めそうだな」と思考をめぐらすのです。
そしてトリコに
「人喰いの大鷲トリコ」の序盤をプレイしていて、「ICO」をプレイした時の感覚を思い出しました。周りを見渡してマップ上の何が使えるか、何をどうすれば先に進めるか考えていく、いわゆるパズル的な思考をめぐらしていき、アクションを通してトライ&エラーを繰り返していくような遊び方が共通しているのです。
その反面、「ICO」では弱い少女を守るために、少女から離れている時には常に少女の事を気に掛ける必要がありましたけど、今作ではトリコは強いのである程度はパズル部分に集中できます。
ただ、トリコ自体がマップの一部のような役割をすることがあり、トリコはある程度コントロールが効くところがありながらも、必ずしも進んでほしい方向に進んでくれない時もあり、そのジレンマが意外性を生み出す要素もあるのかな、と思いました。
「ICO」では、後半に進むごとに巨大な3Dマップの位置関係を把握した上での、大掛かりなパズルを解いていくような楽しさがありましたけど、今作ではマップ以外にトリコの使い方が重要になってくるようなことが予想され、大変楽しみなところがあります。
設定的には、トリコが苦手にしていそうなモノや、気絶している時に見た過去を感じられる映像にも何か秘密がありそうですね。
また、ストーリー的にも、他にも巨大な生き物がいるようなので、パズル的要素、トリコの設定、ストーリーがこの後どのように絡んでいくか楽しみにしながら、ひたすらこの世界観に浸りたいものです。
あっ、でも、やっぱり個人的には、ちょっと離れたところから呼びかけたときのトリコの表情をかなりオススメしたいです。いろんな場面でトリコに呼びかけて表情を楽しんでみてください。かなり癒されますよ。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/
■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame
■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
http://www.amazon.co.jp/dp/B008GYU7B4/
■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00CJ320S6/
■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DI3T160/
■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション4」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00IXLHLVE/
■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション5」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00KA6CZWU/
(C)2016 Sony Interactive Entertainment Inc.
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。


























































































