東京ゲームショウ2017開催発表会をレポート―今年はネット配信やe-Sports分野を強化、「VR/ARコーナー」を設置

今年の東京ゲームショウ（以下、TGS）は、2017年9月21日（木）～24日（日）の4日間、幕張メッセにて開催される。昨年のTGS2016ではVR関連ハード・ソフトが話題をさらったが、今年はどんなゲームショウになるのだろうか。

世界から注目を集めるTGS

CESA会長・岡村秀樹氏は、出展社数、来場者数ともに過去最高を記録したTGS2016を象徴することとして、海外からの出展社数の増加を挙げた。614社中345社と、その数は国内からの出展社数を超えている。世界のデジタルエンタテインメントのトレンドや勢力図が日々変わるなかで、TGSは海の向こうからかなり注目されているようだ。岡村氏は、今年は今まで以上に海外からの出展が増えるのではと展望を述べた。

また日経BP代表取締社長・新実傑（にいのみ すぐる）氏は、VRを始めとした新たなテクノロジーが人々の生活のレベルに浸透し、世界を変えていることを実感したと振り返る。今回のTGSではライブ動画配信を強化し、国内外から注目される企画を立てていきたいと意気込んだ。

TGSのグローバルにおける注目度の高さを、データ面から見てみよう。日経BP 東京ゲームショウ事務局 船本泰弘氏によると、前述のとおり出展社数は前年比28％増の614社、うち海外出展社数は過去最多の345社と、2年連続で国内を上回っている。特にアジアからの出展数の多さが目を引く。

来場者数は271,224人と、2013年から4年連続で25万人を上回る。特にビジネスデイの来場者数が伸びており、TGSアポイントシステムを介して世界中の企業・関係者と商談ができる環境が用意されている。

VRが注目を浴びたこともあり、メディアを含めた来場者数もリアル・ネットともに増加。船本氏は、TGSの訴求力、情報発信力はますます高くなっていると総括した。

今年のテーマは「さあ、現実を超えた体験へ。」

続いて、日経BP 東京ゲームショウ事務局長・秦和俊氏から、東京ゲームショウ2017の開催概要が発表された。

今年のテーマは「さあ、現実を超えた体験へ。」だ。この言葉には、テクノロジーの進化でよりリアルになったゲームだけでなく、TGSそのものも新たな体験を提供できるようになろう、という思いが込められているという。その上で、秦氏は4つの強化軸を掲げた。

ネット動画配信で世界に発信

今年のTGSも、ニコニコ動画とtwitch、Tokyo Otaku Modeの協力を得て、さまざまな番組が国内外に向けて配信される。

昨年は国内向けのニコニコ生放送で81番組が配信、439万9,762人が来場した。その中で視聴地域は1都3県以外が3分の2を占め、30代のネット来場者はリアル来場者に比べて10％以上高くなっている。会場には行けないものの、その様子を見たい層がいることが分かる。

これを受けて、今年は90番組の配信、500万人の来場者が目標に掲げられた。会期前は視聴者の多い土日に番組を配信したり、先出し情報を強化したりしながら期待を高め、会期中は動画配信と親和性の高いe-Sports中継を強化したり、日本ゲーム大賞受賞者へのインタビューを実施。さらに閉場後の番組配信も企画されている。

また海外に向けては、新たに中国に向けて動画配信が行われる。プラットフォームは後日発表されるとのことだ。

e-Sportsの本格普及へ

世界のe-Sports市場規模はここ2年拡大傾向にあり、2019年には11億に到達すると推測されている。TGSではe-Sportsを「スポーツ」として楽しめるよう、大型タイトルを招へいするなど、この分野を大幅に強化する方針だ。

VRに加えAR/MR分野も拡大

昨年新設されたVRコーナーが「VR/ARコーナー」に改称。AR（拡張現実）、MR（複合現実）も出展分野に加わった。昨年はこのコーナーに35社が出展したがほぼ初出展で、BtoCはもちろん、BtoBでも注目を集めている。

出展・来場はさらにグローバルに

世界のゲーム業界の新星となる企業・団体を紹介するニュースターズコーナーには、海外出展社の4分の1が集まった。

TGSは海外からの出展・来場を誘致する活動を強化しており、つい先日開催されたインドゲーミングショー2017をはじめ、さまざまな展示会に赴いてTGSへの出展を呼びかけている。また、特にインドネシアのゲーム市場が急成長していることを受け、3月には日経BPが「ゲームネットワーキングジャカルタ2017」を開催する。

ファミリーゲームパークや公式アプリがリニューアル

このほかには、ファミリーゲームパークのリニューアルや、CEDECのインタラクティブ展示が行われることが発表された。会場計画も披露されており、幕張メッセイベントホールにはフードコートと休憩エリアが引き続き設置される。

※会場計画は変更の可能性があります。

また公式アプリもバージョンアップされる。プッシュ通知機能が強化されるほか、SNS連動を実施、より見やすくなったマップも搭載されるとのことだ。