5月6日に大田区民ホール・アプリコにて開催される「東京ゲームタクト2017」出演者へのインタビューを、計5回にわたって掲載する。第3弾は霜月はるかさん、エミ・エヴァンスさん、SAK.さん。
「東京ゲームタクト2017」に出演予定のアーティストらに、今回の「ゲームタクト」への意気込みなどを語ってもらう出演者インタビュー。第3弾では、大ホール公演で歌声を披露する三人の歌姫、霜月はるかさん、エミ・エヴァンスさん、SAK.さんが登場。
霜月はるかさん、指揮に初挑戦
――まず皆さんが歌唱される曲や、指揮をされる曲についてのご説明をお願いします。
霜月さん:私は「猛獣たちとお姫様」メドレーをやらせていただくんですが、このゲームの曲は私がサウンドプロデュースをしていて、作曲も歌も全部やらせていただいたタイトルです。それを演奏していただくだけでなく、自ら指揮をして歌まで歌うという、前代未聞な感じになっています(笑)。
ゲームタクトには、前回の沖縄公演にも参加させていただきました。みんなで作り上げる雰囲気のあるイベントで、沖縄の時から変わらない演奏者さんやスタッフさん、作曲家さん、みんなが熱意を持って作り上げていくところが素敵だなと思っています。そんなポジティブなパワーを感じながら、今回もがんばります。
SAK.さん:私は昼夜公演で「エースコンバット04」の「Blue Skies」を歌わせていただきます。原曲はニューヨークのシンガーさんが歌っているんですが、東京でコンサートをするにあたって、作曲家の大久保(博)さんからご指名をいただき、歌わせていただくことになりました。今年は「エースコンバット7」が発売される(編注:2017年発売予定)スペシャルイヤーなので、この歌を歌わせていただけることをとても光栄に感じます。
私も3年前の沖縄ゲームタクトに出演させていただいたのですが、それまではなかなかゲーム音楽の世界に触れることがありませんでした。作曲家の皆さんとゲーム音楽が好きな人たちの距離がとても近いゲームタクトを見て、こんな世界があるんだと感動しました。その時にいろんな作曲家の方々と出会うことができて、3年前の沖縄のゲームタクトがあったから今ここにいさせてもらっていると言っても過言ではないと思っています。
おかげさまで「消滅都市」にも参加させていただくことができ、エミさんと一緒に歌わせていただいたので、本当に幸せに思っています。今度の東京公演もとても楽しみです。
エヴァンスさん:私は「消滅都市」の「世界の終わりと最後の言葉」という曲を、私にしては珍しく日本語で歌います。いつもは英語や“未来語”などで歌うのですが、日本語で歌うと伝えられた時は本当に私でいいのかなと思いました。だけどとてもメロディーが温かくて、ホッとする曲で、歌っていて気持ち良かったです。昨年末のコンサートでもSAK.さんと一緒に「消滅都市」の曲を歌わせてもらいましたね。
――もうオーケストラと合わせて練習されたのですか?
霜月さん:練習しました。人生初の指揮なので、難しくて奥深く、日々勉強で毎回ドキドキしながらやらせてもらっているんですけれども、練習を重ねるごとに演奏者さんもまとまってきて、私自身もフィードバックしながら次に活かしています。
自分自身の曲をオーケストラで演奏していただくのは初めてなので、作曲家としてとてもうれしいですし、自分がタクトを持たせていただくというのも貴重な経験です。一生に一度かもしれないという気持ちでやらせてもらっています。
歌もオーケストラに合わせて歌わせていただきます。今回演奏するのは柔らかい曲なので、本番でもリラックスして歌えたらなと思っています。
SAK.さん:私は2回ほどオーケストラの練習に参加しました。オーケストラで歌うのは初めてで、いろいろ勉強になります。
普段接している音楽は、バンドスタイルやDJスタイルといった、エレクトリックでノリノリなものばかりなんです。「Blue Skies」も元々はエレクトリックな曲なんですが、今回はオーケストラならではの重厚なアレンジになっています。
オーケストラは音にとても余白があって、バンドスタイルの中で育ってきた私にとってはその中でリズムをキャッチするのがすごく難しいんです。でもすごく勉強になっていますし、これを本番に良い形でお届けしようとがんばっています。
大久保さんはシンコペーションが大好きなので、今回のアレンジでもシンコペーションが多いですね。6拍子みたいなのがあったりして歌いにくいのですが(笑)、大久保さんに納得してもらえるようにがんばります。
エヴァンスさん:私は1回だけ合わせました。オーケストラの皆さんにとっても1回目の練習の時だったんですが、私とSAK.さんは練習の前に外で撮影をしていて、すごく冷えたところでスタジオに入ったら、室内が温泉のように暑くてびっくりしました。みんなの熱い気持ちを感じてうれしかったのですが、逆に「期待されているな、がっかりさせたらダメだな」と緊張して、変な声が出ちゃいました(笑)。
私は本番までもう合わせられないけれど、この曲は「消滅都市」のイベントでSAK.さんとたくさん歌ったので、いい気持ちで歌えると思います。赤ちゃんとお散歩する時もベビーカーを押しながらこの曲を歌ったりしていますよ。いい子守唄になるんです。ぼーっとして歌うくらいがちょうどいい感じで、「次の歌詞はなんだっけ?」と考え始めるとパニックになるので、あまりオーケストラの音に影響されないように歌いたいですね。
SAK.さん:あの「世界の終わりと最後の言葉」をレコーディングした時、エミさんはちょうど妊娠中だったんですよね。すごくやさしい、お母さんになる感じの声だった。
エヴァンスさん:とってもお腹が重かった(笑)。お腹が大きくていっぱい息が吸えないのにブレスが必要な曲で、大変でしたね。
――素敵な秘話、ありがとうございました。本番を楽しみにしています。
大ホール公演内容
昼公演
- Blue Skies(「エースコンバット04 シャッタードスカイ」より)
ヴォーカル:SAK.- MAIN THEME -SPACE HARRIER-(「SPACE HARRIER」より)
- モンスターストライクシンフォニー 第6楽章~爆絶~ゲームタクトバージョン(「モンスターストライク」より)
指揮:桑原理一郎- 猛獣たちとお姫様メドレー(「猛獣たちとお姫様」より)
ヴォーカル:霜月はるか- 閃光(「ファイナルファンタジーXIII」より)
- GATE OF STEINER(「STEINS;GATE」より)
- Awakening(「ファイナルファンタジーXI」より)
- 今あたしがつむぐ日々(弦楽四重奏)(「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」より)
- High Sky(「TERRA BATTLE」より)
ヴォーカル:河野暁子- Theme from THOUSAND MEMORIES(「サウザンドメモリーズ」より)
指揮:いとうけいすけ- 文豪とアルケミスト(「文豪とアルケミスト」より)
指揮:坂本英城- 「LUNAR2 ETERNAL BLUE」メドレー(「LUNAR2 ETERNAL BLUE」より)
指揮:岩垂徳行- Beyond the Sky(「ゼノブレイド」より)
ヴォーカル:サラ・オレイン- 「世界樹の迷宮」メドレー2017~迷宮I 翠緑ノ樹海~迷宮V 遺都シンジュク~(「世界樹の迷宮」より)
指揮:古代祐三- Glory(「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」より)
ヴォーカル:サラ・オレイン/指揮:坂本英城夜公演
- Blue Skies(「エースコンバット04 シャッタードスカイ」より)
ヴォーカル:SAK.- MAIN THEME -SPACE HARRIER-(「SPACE HARRIER」より)
- モンスターストライクシンフォニー 第6楽章~爆絶~ゲームタクトバージョン(「モンスターストライク」より)
指揮:桑原理一郎- 猛獣たちとお姫様メドレー(「猛獣たちとお姫様」より)
ヴォーカル:霜月はるか- 閃光(「ファイナルファンタジーXIII」より)
- 甘い時間 弦楽四重奏(「夢王国と眠れる100人の王子様」より)
- 街曲メドレー(「ワイルドアームズ」シリーズより)
指揮:なるけみちこ- トキワノオロチ -時輪大蛇-(「討鬼伝2」より)
指揮:坂本英城- 約束のうるおい(「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」より)
指揮:谷岡久美- 銃声とダイヤモンド(「銃声とダイヤモンド」より)
指揮:いとうけいすけ- 世界の終わりと最後の言葉(「消滅都市」より)
ヴォーカル:エミ・エヴァンス- 法廷組曲 逆転裁判6(「逆転裁判6」より)
指揮:岩垂徳行- 遠くからあなたを(「アナタヲユルサナイ」より)
ヴォーカル:河野暁子- 蒼き革命のヴァルキュリア(「蒼き革命のヴァルキュリア」より)
ヴォーカル:サラ・オレイン- The Final Time Traveler(「TIME TRAVELERS」より)
ヴォーカル:サラ・オレイン/指揮:坂本英城※掲載順はプログラム順ではありません。
出演者プロフィール
霜月はるか
さまざまなゲーム・アニメ音楽で歌唱を担当するヴォーカリストであり、ファンタジックな世界や物語を音楽で描く活動をライフワークとするシンガーソングライター。
コミックマーケット・M3等をフィールドとする同人音楽の黎明期より、CD数十枚の手売りからスタートし、独自の幻想音楽で地道に固定ファンを獲得。その活動が注目されるとともにヴォーカリストとして歌唱依頼を受けるようになり、歌唱した楽曲は2016年現在、600曲を超える。
作編曲や作詞、楽曲提供等、クリエイターとしての活動も精力的に行っており、コーエーテクモゲームス・ガストブランドの「アルトネリコ」「サージュ・コンチェルト」シリーズ内歌曲の制作や、2016年にはオトメイトから発売の女性向けゲーム「猛獣たちとお姫様」でBGM制作も含めゲームのサウンドプロデュースを担当。
ユニット”canoue”、”kukui”での活動や”Sound Horizon”サポートボーカル、音コンテンツの企画・プロデュース、楽曲提供、ラジオパーソナリティなども行う。2015年8月にメジャーデビュー10周年を迎え、ベストアルバムや全国ツアー、海外公演等10周年プロジェクト続々進行中!
公式サイト
http://shimotsukin.com/
https://twitter.com/shimotsuki_hSAK.
ゴスペルミュージックを土台としたパワフルな歌声、観る者を魅了するステージパフォーマンス、英語および日本語を問わない作詞力に定評がある。2014年沖縄ゲームタクト以来の出演。ノイジークローク加藤浩義氏との出会いを契機に数々のゲーム作品に携わることとなり、ハウスやEDM等ダンスミュージックを生かした場面を中心に活躍の場を広げている。
主な参加作品は「消滅都市2」(作曲:加藤浩義氏/歌唱・作詞)、「湾岸ミッドナイト マキシマムチューン 5DX PLUS」(作曲:古代祐三氏/歌唱・作詞)、「タイムトラベラーズ」(作曲:坂本英城氏/英訳詞)等。また、SATO(佐野電磁氏と加藤浩義氏によるEDMユニット)や大久保博氏による個人作品にも参加している。コンサート関連では2015年「Game Sound Maniax 2015 Beijing LV.1」(中国・北京)、「東京ゲームショウ2015」(消滅都市DJステージ)、2016年「消滅都市 FUTURE CONCERT」他。
公式サイト
http://39diva.com/エミ・エヴァンス(Emi Evans)
歌手/作詞/作曲作家/チェリスト/アンビエントのエレクトロニカユニットfreesscapeのボーカリスト。英国人の父と日本人の母を持つことから英語、日本語をはじめ、フランス語、はては宇宙語、未来語まで自由に操る。
音楽のジャンルもジャズ、クラッシック、ケルティック、シャンソン、ボサノバ等、幅広くこなす才能を持ち、心にソフトに響く歌声は聴く人々の心を和らげ、その感動的なサウンドは幻想的な空間をクリエートしてくれる。2000年の来日以降、多数のビデオゲーム、TV CM、TVドラマ、映画、ブランドイベントで歌う。現在も国内/海外を問わず、数種のプロジェクトに参加中。
参加ビデオゲーム
- 世界中の迷宮1&2
- NieR Replicant
- Drakengard 3
- Dark Souls
- ACE COMBAT ASSAULT HORIZON
- 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 4
- Fantasy Lives
- Dark Souls 2
- Monster Hunter Frontier G
- 魔女と百騎兵
- Terra Battle
- Emil Chronicle
- 消滅都市「世界の終わりと最後の言葉」
- 消滅都市 2
- ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団
- NieR Automata
公演概要
公演タイトル
東京ゲームタクト2017
開催日
2017年5月6日(土)
大ホール・オーケストラ昼公演
開場:12時15分
開演:13時00分大ホール・オーケストラ夜公演
開場:16時45分
開演:17時30分※そのほか、小ホール/展示室でも公演多数
会場
大田区民ホール・アプリコ
チケット
大ホールS席:6,500円
大ホールA席:5,500円
小ホール:2,000円(各公演)※未就学児の入場はご遠慮願います。
公式サイト
http://gametakt.com/主催
ノイジークローク/公益財団法人大田区文化振興協会
※画面は開発中のものです。
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