アメリカ・ロサンゼルスで現地時間6月13日より開催中の「E3 2017」にあわせて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏へ合同インタビューを行った。

――『ワンダと巨像』はリメイクという形になるのでしょうか?

吉田氏:ぱっと見たところではPlayStation 4(以下、PS4)時代の新作に見えますが、ゲーム内容は原作に忠実に作り直しています。一部の操作性などに今の時代のユーザーさんが期待するようなアレンジを加えています。リメイクではありますが、新作として見てほしいため、原作と同じ名前をつけました。

――開発はどの程度進んでいますか?

吉田氏:かなりできています。2018年発売と発表しましたが、『グランツーリスモ SPORT』や『V!勇者のくせになまいきだR』も秋、『GOD OF WAR』は2018年初旬予定です。タイトルの規模も大きくなっていますし、最終的な調整やデバッグに時間もかかるので、皆様にご迷惑をお掛けしないように、しっかり制作を進めた上で発売日を発表させていただくことに致しました。ただ、『ワンダと巨像』もそうですが、開発自体はかなり進んでいます。

――今、上田さん(ゲームデザイナーの上田文人氏)はSIEの社員ではないと思いますが、本作に関わっているのですか?

吉田氏:そこまで関わってはいません。ただ、オリジナルに忠実に作るためにPlayStation 3版から開発に携わっているBluepoint Gamesが手がけているので、原作をリスペクトした良いタイトルになると思います。

――PlayStation 4 Pro(以下、PS4 Pro)がでてから4K、HDR(※HDRはPS4全機種で対応)に注力されていますが、それらのスペックの全部入りが『グランツーリスモSPORT(以下、GT SPORT)』だと思います。ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ(以下、SIE WWS)が主導して全世界的にHDRや広色域に対応していこうとすすめているのでしょうか?

吉田氏:あれは、ポリフォニー・デジタル(グランツーリスモシリーズの開発会社)が自らやっていた試みです。そういう時代がくると想定して先回りして準備していたのだと思います。

――吉田さんが『KNACK ふたりの英雄と古代兵団』などでやっていこうということはないですか?

吉田氏:『GT SPORT』のように自然な色合いを表現するのであれば、こだわることは正しいと思いますし、車の色などもテレビで表現できない色を使っていたり、すごく合っていると思います。ファンタジーなどのように作られたものの場合、ある狙いをもった絵作りをする上で、HDRにすることで理想の表現から離れてしまうことがあるかもしれません。両方で良い形になるように注意する必要があります。

ただ、PS4 Proをうまく使うという意味ではハードの設計段階から意見交換をしていますし、どのチームもすごく頑張ってやっています。

――SHAREを使うとHDRや広色域が無くなってしまいますが、プラットフォームとして対応する仕組みを考えていませんか?

吉田氏:今のインターネット環境で4KやHDRを伝えるのは非常に難しいと思っていますが、今後はさまざまな配信サービスで対応されていくと思っていますし、それにうまく合わせる形でできるようになるのが自然だと思います。

――昨年、PlayStation VR(以下、PS VR)で一番人気が高かったタイトルは何でしょうか?

吉田氏:もちろん無料でダウンロードできる『THE PLAYROOM VR』は人気が高いのですが、グローバルでは『PlayStation VR WORLDS』です。

日本ですと『PlayStation VR WORLDS』と『サマーレッスン』が人気です。『PlayStation VR WORLDS』は、サメのインパクトが強烈で、よく売れているようです。

――VRに対応した『The Elder Scrolls V Skyrim VR(以下、Skyrim VR)』が発表されましたが今後VRに対応した本格MMORPGは実現可能でしょうか?

吉田氏:『FINAL FANTASY XIV』のデモなどもありましたし、ユーザーさんは期待されていると思いますが、ゲーム中の移動には工夫が必要だと思います。また、60フレームで安定して動き、120フレームに対応する高いパフォーマンスが求められるので、そこが解決すればできるのではないでしょうか。

今回の『Skyrim』や『Fallout 4』のVR対応は、『バイオハザード7 レジデント イービル』もそうですが、VRに全対応するという野心的な試みです。カプコンさんは見事にやり遂げましたし、これはひとつの大きな指針になると思い、私もVRのコンテンツは専用で作らなければならないと思っていたのですが、方針を見直しました。

もちろん、「グランツーリスモ」シリーズや「DRIVECLUB」シリーズなどのレースゲームや、「エースコンバット」シリーズのようなコックピットものはそのまま全部対応できると思いますが、やはり高いパフォーマンスが必要になるとは思います。

VR専用でMMOを作るというのは非常にコストもかかりますから、しばらくはないと考えています。それ以前に、Facebookさんがはじめた、人と人とのコミュニケーションをサポートするソーシャルVRのようなサービスが先に出てくるのではないかと思います。同時に複数人で集まって遊ぶコミュニケーションスペース的なもので、人に会っていると感じられるのはVRの良さです。

――「PlayStation E3 Media Showcase」では『KNACK ふたりの英雄と古代兵団』が出ませんでしたね。

吉田氏:Media Showcaseとは別にPre Eventを行なっていて、そこで『GT SPORT』や『New みんなのGOLF』、『KNACK ふたりの英雄と古代兵団』を紹介しました。発売時期の近いものをPre Eventで紹介し、会場で実際に遊んでもらうという形です。

――「PlayLink」もそこで発表されたんですね。

吉田氏:そうです。まずは7月に欧米でPlayStation Plusメンバーに無料配信します。ひとつの部屋で遊ぶソーシャルツールのようなクイズゲームで、お互いにどう思っているかなどを楽しむ、大人が笑えるゲームになっています。

――PlayStation Vita(以下、PS Vita)のタイトルはこのあとどうなっていきますか?

吉田氏:日本やアジアでは継続的にハードも売れていますし、サードパーティさんがPS Vitaのコミュニティを支えてくださっていることには感謝しています。海外デベロッパーやインディー好きのコアユーザーさんもPS Vitaを好んでいます。

Pre Eventの中で『Undertale』という2DゲームがPS4とPS Vitaでリリースされるという発表がありましたが、これは結構盛り上がっていました。SIE WWSとしては、PS4とPS VRに注力しています。

――業界関係者のみが参加していたE3に今回から一般ユーザーも入場できるようになりました。E3の変化についてどう思われますか?

吉田氏:過去になかったことなので、どんなことになるのかという気持ちです。ただし、(入場できる一般ユーザーの)人数がある程度までに制限されているようなので、それほど混乱はないと思います。まだ会場に行っていないのでわからないのですが、普段よりも活気があると嬉しいですね。

――最後に、PS4とPS VRファンにメッセージをお願いします。

吉田氏:PS4では、シリーズ最新の野心作である『New みんなのGOLF』と『GT SPORT』がでますし、『アンチャーテッド 古代神の秘宝』や来年の初頭には『GOD OF WAR』など、SIEのタイトルだけでもラインナップには期待してほしいです。他社さんからも夏の『ドラゴンクエストXI』を皮切りにさまざまなタイトルが出てきますので、PS4を持っていない方は今がチャンスだと思います。遊びきれないくらいの良作、新作が出てきますし、ぜひ手に取ってほしいです。

PS VRに関しては、品薄の状態が続きましたが、5月にはかなり改善していますし、販売店舗の拡大を機にもう一度体験会なども行っていくので、これからは買いやすくなります。『Farpoint』や『サマーレッスン:アリソン・スノウ』なども発売されるので、この機会にぜひ遊んでみてほしいです。

――ありがとうございました。

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