ブロッコリーは、9月9日・10日に池袋サンシャインシティでアニバーサリーイベント「うたの☆プリンスさまっ♪ 7th Special Anniversary」を開催した。ここでは9日のスペシャルトークショーを中心にお届けする。
目次
寺島さん&上松さんによる久しぶりのトークショー
本イベントは2010年6月24日に1作目となるPSP用ソフト「うたの☆プリンスさまっ♪」発売から7周年を記念したもので、さまざまな企画展示コーナーや新規ビジュアルを使用したグッズ販売、マスコットキャラクターが登場するステージイベントなどを実施。9日には一十木音也役の寺島拓篤さん、原作・音楽プロデューサーを務めるElements Gardenの上松範康さんに加え、MCに「うた☆プリ」の大ファンであるハライチの岩井勇気さんを迎えたスペシャルトークショーが行われた。
上松さんは「おはやっほー!」という挨拶と共に登場し、ファンと直接触れ合える機会に嬉しそうな様子をみせる。寺島さんも「ライブはあってもトークイベントは久しぶり」と感慨深そうに会場を見渡し、まずはゲームなどの発売に先駆けて2009年9月23日に行われた制作発表会の話題へ。
会場は「プリンス」にかけた、グランドプリンスホテル高輪の貴賓舘。上松さんとゲストに一ノ瀬トキヤ役の宮野真守さんを迎え、ファンなど50人ほどを招いて行われた。上松さんはこの頃から「皆に愛されるコンテンツになる」という予感があったそうで、この制作発表会にいたファンが今回のイベントにも参加していたことからも長い間ファンに愛されている作品なのが伺える。会場には男性ファンも多く駆けつけ、上松さんたちから男性のファンネームを「うた☆プリ男子」にしようという提案も。
2010年5月22日には、寺島さんと上松さんがゲームの世界観や魅力について紹介するトークイベント「うた☆プリ Welcome Party♪」をアニメイト秋葉原店で実施。寺島さんはリズムゲームの経験はあったが「うたの☆プリンスさまっ♪」の仕様は独特のため、やや難しく感じたと当時を振り返る。上松さんは「アイドルたちの歌を感じてほしい」という願いからリズムゲーム要素の導入に踏み切ったそうだ。
7周年で明かされる、ゲーム発売当時の苦労や思い出話
ここからはスタッフの思い出話へと移り、ゲーム発売当時は「うたの“プリンセス”さま」と何度か言われたことや、最初に作られたグッズはコミケで配布された「Aクラス3人のラフスケッチ柄ポケットティッシュ」、制作発表会の時は招待者へ手折りで招待状を送ったことも明かされた。上松さんは「『うたの☆プリンスさまっ♪』の話をブロッコリーに持って行った際、プロデューサーが“命を懸けます”と言ってくれて。一人ひとりにきちんと届けたいという強い想いが、こうした部分にも表れていると思います」と話す。
ゲームの発売当時はアイドルをモチーフとした作品がそう多くなかったため、あまり想像がつかず「真っすぐ向き合う気持ちは変わらないけれど、音也と同じようにがむしゃらだったかも」と振り返る寺島さん。今は自身と音也という人物が乖離していき、一対一で向き合っているような不思議な感覚だと説明する。上松さんはそんな様子を、キャラクターと一緒に成長しているようだと表現。「ライブを重ねていくごとに音也は寺島くんしかいない、寺島くんでよかったという思いが強くなりました」と改めて言葉にする。
とくに2017年5月27日・28日に開催された「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVELIVE 6th STAGE」で寺島さんが最後に挨拶した時、音也にしか見えなかったと上松さん。寺島さんは他のメンバーの挨拶の間は頭の中でずっと音也と相談し、音也が伝えたいメッセージを言葉にしようと考えていたそうだ。
さらに関連商品の営業を開始したとき、通販サイトによっては「☆」や「♪」といった記号が使えないと知らされてすごく動揺したという話題に「それは自分のせい」と上松さん。「文字でどのようにキラキラ感を表現するか」と試行錯誤した中で「☆」「♪」「っ」を入れようと考え、「ST☆RISH」などのロゴにも星があるように星をとても大事にしていると話す。
また「うたの☆プリンスさまっ♪」はゲームの発売前に「オーディションソング」というCDをリリースしている。当時はゲーム発売前にも関わらずトップアーティストのように展開してくれる店舗もあり、それが非常に嬉しかったと紹介。さらに話題は上松さんの曲作りへと移り、まず前提として「頭に春歌を降ろさないといけない」としながら「アイドルたちが何を伝えたいのか」を考えることから始めるそうだ。さらに「音也は何を歌いたい?」とキャラクターと対話するように問いかければきちんと答えが返ってくるので、音楽制作に対してプレッシャーはとくに感じないという。
「一十木音也」という名前に込められた想いとは
音也の人物像について聞かれた寺島さんは、テレビアニメ4期「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター」を振り返りながら「音也の隠れていた部分は出てきたけれど意図して隠すようなことはなくて、言っていることは全部本当という気持ちの良い人間だと思います」とコメント。とくにアニメではスタッフに「音也の回は大変なのでよろしくお願いします」と言われたり、音響監督から「今回は一人ひとりが問題を乗り越えるので頑張ってください」と説明されたりしたそうだが、寺島さん自身は当初「音也はもうすでに乗り越えたのでは?」と思っていたそうだ。
アニメで描かれた音也に対して「ファンの皆が一緒に乗り越えてくれたら嬉しい」と感じていた寺島さん。上松さんもライブでの演出を思い返しながら「気持ちはファンに伝わっていたはず」と頷く。寺島さんはライブの資料用の映像を確認した際にファンの悲鳴へ申し訳なさを感じつつ、身体的にも音也と通じることができたと満足げな様子をみせる。鳳瑛一にも「瑛一はきっと音也が乗り越えられると思っていただろうから、引き出してくれたことに感謝」と語った。加えて岩井さんから「音也と似ている部分はありますか?」と聞かれると、寺島さんは「ないです!」ときっぱり断言。しかしカレーが好きなことには共通する部分があり、上松さんと「カレーのCMをする音也が見たい!」と盛り上がる一幕も。
上松さんは音也について「最初に考えたキャラクター」という思い出深い存在であることを明かし、Twitterでも語ったという「一十木音也」の名前について改めて紹介。「一」「十」「木」が直線の文字なのは「音也には音楽に対してずっと真っ直ぐであってほしい」という願いが込められており、最初は誰も「いっとき」とは読めなかったものの自分の想いを押してこの名前にしたそう。最初は「一十木」と検索しても何も出てこなかったが、どんどん件数が増えていくことに「こんなにもたくさんの人に音也を知ってもらえたんだ」と嬉しく感じていると上松さん。そして「一」「十」「木」の総画数は7で、これはST☆RISHの7人がイメージされていて「音也がいてこその“うたの☆プリンスさまっ♪”」という想いも込められているそうだ。
こうした隠れたメッセージはいたる所に用意されていて、寺島さんも「デュエットアイドルソングのタイトルの頭文字を繋げると…」という仕掛けにはびっくりした様子。上松さんは「音楽を作ることは得意だけれど、物語となるとアイデアは出せても脚本家さんやスタッフの力を借りることになります。そこに若干コンプレックスがあって、原作という立場の自分が何を伝えられるかと考えたら、キャラクターをこんなに想っているという“愛”しかないなと。そうすれば、キャラクターを愛してくれている皆さんにもきっと伝わるだろうなと思いました」と自身のもつ作品への深い愛情について語る。
ここで寺島さんが岩井さんへと話を振り、音也についてどう思っているのかを質問。岩井さんはまず「その世界に自分がいたらと考えた時、誰が一番に話しかけてくれるかと考えたら音也」と誰に対しても優しい雰囲気だという事を挙げた。続いてテレビアニメ2期「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE2000%」の5話で「バザーへの誘いをトキヤに一度断られた後、来てくれた時の嬉しそうな顔がたまらん!」と熱弁をふるう。さらに四期の最終回でライブの時にセンターにいた感動についても熱く語り、上松さんから「笑顔のアカペラで」という歌詞はメンバーが音也に向けて「響け、届け」と、音也の笑顔のために歌を届けたいという想いで作られたことが明かされる。これには寺島さんも全く気付かなかったと驚き、上松さんは隠れたワードやメッセージについて「気付いた人がいても、そうじゃない人がいても、色んな意味で捉えるのが大事」と付け加えた。
新たな展開を続ける「うた☆プリ」の世界
8月28日には、スマートフォン向けリズムアクションゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪Shining Live」がリリース。寺島さんは開催中のイベント「怪盗オトヤーヌの活躍記」で、上位2%につけていると話し会場は騒然となった。上松さんはブロマイド獲得の運はあるもののリズムゲームは得意ではないそうだが「同じように苦手意識のある人にも少しずつ遊んでほしい」と話し、寺島さんも「好きな音楽に一緒に参加できる喜びがある」とそれぞれの視点でゲームの魅力をアピール。アイドルたちが普段どのような仕事をしているのかが分かる充実のシナリオも、ぜひ楽しんでほしいと訴えた。
さらに、展示会で試着も行われていたメガネブランド「Zoff」とコラボレーションした「Zoff×うたの☆プリンスさまっ♪ IDOL PRODUCE Glasses」がステージに。上松さんは、寺島さんに「どれでも似合う」と称賛されながら那月モデルを、全11種のモデルをすべて注文した寺島さんは音也モデルと翔モデルを、岩井さんは真斗モデルを試着すると会場からは大きな歓声や拍手が巻き起こった。10月2日12時までZoffオンラインストアで受注生産を行っているため先行販売に間に合わなかったファンもチェックしておこう。
今後の展開について聞かれると、上松さんは「プロデューサーとも“10年いけたらいいですね”ということを目標に続けてきた」と7周年を噛みしめつつ、力強く「皆が愛してくれる限り、ずっと続けていきたい。それはここで約束します」と断言。「続けるためには、今後新しいことにもチャレンジしていかなくてはいけないので、破天荒なアイデアが出てくるかもしれないけれど皆さんに温かく見守ってもらえたら嬉しいです」と語った。
寺島さんは、役者として応えていく立場のため要望はそれほどないと前置きしつつ「ST☆RISHで旅番組がしたいってのはずっと言ってます(笑)」とコメント。一方ライブではヒアリングの際、アニメでデュエットをした那月や嶺二などの衣装に共通項を作ってほしいと頼んでいるそうで、共通の布や襟の形、左右対称など「その時、一緒にいる人との繋がり」をとても重視しているという。「一ファンとしても、気付いたらすごく喜んでもらえるだろうなと思って。こういう場じゃないと言える機会があまりないので、そういうところも楽しんでもらえたら嬉しいです」とファンに呼びかけた。
最後に寺島さんは「この規模でやってしまうのは勿体ないと思うくらい、1人じゃ受け止めきれないほどの愛情を皆さんから頂いています。ここには『ST☆RISH』の皆にも『QUARTET NIGHT』にも『HE★VENS』にもいてほしいし、皆で愛情を受け止めたいなと思っています」と挨拶し、とくに最初にファンの前に立った宮野さんにも今のこの光景を見てほしいという想いを強く抱いているそうだ。「今日来られなかったたくさんの方にも『うたの☆プリンスさまっ♪』を愛して頂いていると思うので、その愛情にお返しできる何かを作っていかなきゃいけないと前向きでポジティブな責任感を抱いています。これからも責任をもって音也と向き合って素敵なものを作っていこうと思っていますので、これからも楽しみにしていてください」というコメントに併せ、音也としての一言もファンに伝えた。
上松さんは「7年なんて奇跡で、最初からとか途中からとかもあるかもしれませんが“愛”という気持ちはみんな一緒だと思っています。これから色々な挑戦もあるでしょうが、それは続けるため。新しいことへの挑戦から逃げないのがアイドルたちでしょうし、皆さんとアイドルたちが一緒にいる時間をもっと増やしたいという気持ちが常にあります。7周年、10周年といっていますけどそれ以上に続けていきたいというのが本気の気持ちなので、これからも皆で楽しみながら『うたの☆プリンスさまっ♪』を盛り上げていけたらと思います」とトークショーを締めくくった。
展示コーナーも大盛り上がり!
このほか、展示コーナーではまず「Special Anniversary」を彩る倉花千夏さん撮りおろしのビジュアルがお出迎え。ゲーム内のスチル、ポスター、CD、さまざまなパネルなども並び、7年という長い歴史を思い返しながらじっくりと体感。アイドルたちが挑戦した「シアターシャイニング」「Shining Dream Festa」の企画展示では、小物や手書きのメモ、衣装なども展示されていた。
アイドルのコメントが付いたBGM楽曲投票キャンペーンの結果発表も行われ、「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining LiveテーマソングCD」のMV上映のスペースは大画面で動くアイドルたちに黄色い悲鳴を上げるファンで埋め尽くされるほど。「Zoff×うたの☆プリンスさまっ♪ IDOL PRODUCE Glasses」試着会にも多くのファンが押し寄せ、PRINCE CATたちが可愛らしく夏を満喫しているジオラマ展示も会場を彩っていた。
※画面は開発中のものです。
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