バンダイナムコエンターテインメントが2017年12月21日に発売予定のPS4用ソフト「アイドルマスター ステラステージ」。本作を一足先にプレイしてのインプレッションをお届けする。
「アイドルマスター ステラステージ」は、プレイヤーがプロデューサーとなり、765プロのアイドルたちと伝説の大型ライブ“ステラステージ”の成功を目指す、「アイドルマスター」シリーズの家庭用最新作。765プロのアイドル13人はもちろんのこと、今作では961プロの大型新人アイドル・詩花(CV:高橋李依)が登場する点も注目のタイトルだ。
グラフィックの進化、そして基本的なシステムは前作を踏襲しつつも、アイドルプロデュースゲームとしての新たな要素が加わった。ここでは、それらの要素について改めて触れつつも、プレイして感じた「アイドルマスター」最新作としての魅力を紹介していこう。
営業・レッスンを通じてライブを成功に導こう!
アイドルたちをプロデュースしていく上での活動拠点となるのは、765プロの事務所。今作ではプロデュース開始当初から全てのアイドルと面識のある状態だが、最初は新米プロデューサーということで、13人の中から1人のアイドルを選んで新たな活動をスタートさせていくことになる。
もちろん今作でもゲーム進行に応じてプロデュースできるアイドルは増えていくが、やはり最初に選ぶアイドルはプロデューサーにとっても大事な局面。今回、TOKEN Pは熟考を重ねた結果、伊織を選択。選ぶ言葉はきつくても、可愛らしく芯のあるお嬢様という点が個人的に魅力だと思うのだが、今作では家族にアイドルとしての自分を認めてもらう、というところから彼女のエピソードが描かれる。
そこからは、プロデュースするアイドルのアイドルランク、そして自身のプロデューサーランクを上げるべく活動していくことになる。アイドルプロデュースはこれまでのシリーズと同様に、ライブ、営業、レッスンの3つがあり、コーチングやオフといった活動も登場する。それぞれの要素に触れていこう。
開催するライブはアイドルランクに合わせて選択可能。765プロ主催のライブのほか多種多様なライブが開催されているが、ライブ毎にソロ(1人)・デュオ(2人)・トリオ(3人)・クインテット(5人)と参加人数が決まっている。今作ではゲーム当初からほかの765プロアイドルを含めたアイドル編成が可能になっており、お気に入りの組み合わせで臨むことができるのは嬉しいところだ。
また楽曲選びもプレイする上で楽しめるポイントのひとつ。新曲の「ToP!!!!!!!!!!!!!」や「アイドルマスター ミリオンライブ!」の楽曲である「Thank You!」などこれまでに発表されている楽曲はもちろんのこと、プロデューサーランクがアップした際やライブをEXクリアした際に手に入る楽曲は、「アイドルマスター」シリーズの人気楽曲が用意されている。筆者も「SMOKY THRILL」、「Vault That Borderline!」と個人的に好きな楽曲をチョイスし、プロデュースを進めていった。
ライブと相性の良い衣装やアクセサリーをセットしたら、いよいよライブスタート。ターゲットに向かって流れてくる□△○のアピールアイコンに合わせて、該当するボタンを押すだけというシンプルなものだが、時折登場する×ボタンの「思い出アピール」、ボタンを押し続ける「長押しアイコン」、タッチパッドを操作する「スクラッチアイコン」などが遊びの幅を広げている。難易度はDEBUT、REGULAR、PRO、MASTERの4種類が用意されているため、自分のレベルに合ったものを選択するといいだろう。
ファンを増やしてアイドルランクを上げていくにはライブは必要不可欠だが、もちろんそれだけでは足りない。合間に営業やレッスンを行い、アイドルの成長やファン獲得を促していくことが大切だ。
営業やレッスンの大きな効果は、ライブで有効な「ブースト」を獲得できること。ライブで獲得するマニーが増える「通常営業」、ライブで獲得できるファン人数が増える「資金営業」(マニーが必要)、選んだレッスン内容に応じて、ライブ中の特定のスコアが上がる「レッスン」(マニーが必要)の大きく3つに分かれている。
状況に応じた選択をしたり、営業先と交渉したり、レッスン内容に応じたミニゲームに挑戦したりと、ライブ以外にも取り組むことは盛りだくさん。ブーストを獲得することはライブを成功に導くカギの一つになっているので、バランスよく取り組んでいこう。
コーチング、オフでより幅広いプロデュースが可能に
さらに今作では、コーチング、オフの2つを上手に活用することが重要だ。それぞれがもたらす効果にも触れておこう。
コーチングはライブを通じて手に入るCP(コーチングポイント)を使用して、アイドルの秘めたる才能や能力を開花させることができる。コーチングスキルはアイドルごとに習得可能で、リーダーのスキルのみ発動する「LEADERスキル」、ユニットにいるメンバー全員のスキルの値を合計して発動する「UNITスキル」に分けられている。
コーチングを通じて習得できるスキルの中にはライブの盛り上がりとスコアアップに欠かせない「バースト」(ターゲットの中央に☆が重なった時にタッチパッドを押すことで発動可能)のバリエーションも用意されている。最初はソロバーストのみだが、スキルを習得する過程でデュオ、トリオ、クインテットそれぞれのバーストも獲得できるので、ライブがより一層華やかになっていくことだろう。
そのほか、コーチングでは楽曲、衣装、アクセサリーも入手できる。コーチングはすでに習得したパネルと隣接したパネルしか習得できないため、アイドルごとにどのスキルを習得するかはプロデューサーによって異なってくる。ここもアイドルプロデュースの見せ所になってくることは間違いないだろう。
また、アイドルたちは仕事をしていくことで徐々に疲れが溜まっていく。元気がある時はライブも盛り上がりスコアもアップするが、逆に疲れている時はライブはなかなか盛り上がらない。そんな時はオフを活用して、アイドルたちの疲れをとってあげよう。
あまりに疲れが溜まってしまうと、場合によってはアイドルが体調を崩してしまいその週のお仕事が禁止に。同じ仕事を休むのであれば、アイドルたちをリフレッシュさせ、オフを一緒に過ごすほうがより楽しみも増すというものだ。画面右上の表情マークはプロデュースする上で忘れずにチェックしておこう。
961プロの大型新人アイドル・詩花と競い合うストーリーにも注目
ステラステージの大成功、そしてトップアイドルを超えた先にあるレジェンドアイドルにたどり着くまでのストーリーも、プロデュースするアイドルごとに用意されている。アイドルごとの思いも垣間見えるところではあるが、その中で登場する詩花の存在も本作のポイントのひとつだ。
オーストリアの楽都ウィーンで一通りの音楽を学び、バレエやファッションモデルなど幅広い経験を積んできた帰国子女という経歴を持ちながら、アイドルになるために日本へとやってきたという彼女。最初の出会いではベールに包まれている部分も多いが、その立ち振る舞いは優雅で可憐で、そして何より普通の女の子だ。伊織のアイドルランクを上げてストーリーを進めていくと、その人柄に思わず相談に乗ってしまうというエピソードも見ることができた。
しかしながら、ステージに立つと彼女はトップアイドルとしてのその風格を存分に見せつける。どのような楽曲となっているのかも含め、そのパフォーマンスはぜひ実際のプロデュースを通じて味わってもらえればと思う。
前作で個人的に衝撃を受けたビジュアル表現の進化は、「アイドルマスター」シリーズ最新作である今作でより洗練されており、コーチングなどの新要素はアイドルプロデュースの面白さをさらに広げている。新旧問わず全てのプロデューサーにオススメしたい一作だ。