GameJeansからリリースされた「オーディンクラウン」は、3DアクションRPGのようにお手軽に楽しめるMOBA。この記事では、まだまだ日本では馴染みの薄いMOBAの楽しさとともに、本作の魅力をお伝えしたい。

目次
  1. eスポーツの花形ジャンル!チームでの駆け引きを楽しむMOBA
  2. MOBAの楽しさを3DアクションRPGライクにわかりやすく提示!
  3. 「避けて勝つ」ではなく「成長して勝つ」楽しさがポイント
  4. 仲間と連携して戦う楽しさ!3つのレーンを駆使
  5. 短時間で楽しめるスマホ時代の「MOBA」

GameJeansが2月6日に配信開始した3DアクションRPG×MOBA「オーディンクラウン」は、「白猫プロジェクト」のような3DアクションRPG的ルックスと、MOBAと呼ばれるゲームジャンルを融合させた新しいタイプの作品。本作を送り出したGameJeansは、Cygamesを立ち上げ「神撃のバハムート」リリースにも携わった飯野晃広氏が率いているということもあって、リリース前から注目していたという人も少なくないだろう。

ただ、ユーザーレビューなどを見ると、まだまだ日本では馴染みの薄いMOBAというゲームジャンルということもあってか、ゲームシステムに戸惑いを見せる声も存在している。そこで、この記事ではMOBAというゲームジャンルのおもしろさとともに、「オーディンクラウン」の魅力を紹介したい。

eスポーツの花形ジャンル!チームでの駆け引きを楽しむMOBA

「MOBA」は、マルチプレイ・オンライン・バトル・アリーナの頭文字をとったもの。その名の通り、複数人でオンライン対戦を楽しむゲームジャンルだ。その競技性の高さから、eスポーツの花形ジャンルとなっており、PCでは「リーグ・オブ・レジェンド」や「Dota2」、スマホ向けでは「Vainglory」といったタイトルが人気を集めている。

MOBAのベーシックなルールは、5人のプレイヤーが1チームとなり、敵チームのコア(本拠地)を破壊するというもの。逆に自分のチームのコアが破壊されると敗北だ。敵チームのコアと自分のチームのコアは、レーンと呼ばれる道によって繋がっており、レーンにはタワーと呼ばれる拠点が存在。タワーは強力な攻撃機能を持っていて砦や関所のように機能するため、いずれのチームも敵タワーを破壊することでルートを開拓しつつコアへ接近していくことになる。もちろん、自分のチームのタワーが破壊されると戦況は悪化。なので、タワーをめぐってプレイヤー同士のバトルが繰り広げられるわけだ。

このバトルでカギを握るのがチームワーク。MOBAもベースはRPGなので、レベルに伴うパラメーターや、強力なスキルというのは非常に重要だ。ただ、いかに強力なスキルを持っていても、1対2や2対3といった人数的に不利な状況では勝ちにくい。いかに効率よくレベルアップするかという点も含めて、チームで連携しつつ有利な状況を作り出していくという点が、競技の肝になっているのだ。

※画像は「Vainglory」のもの。

MOBAの楽しさを3DアクションRPGライクにわかりやすく提示!

ルールの基本的な部分は、本作「オーディンクラウン」においてもMOBAを踏襲している。対戦でメインとなる5VS5のモードでは、5人1チームで、敵チームのコア破壊を目指しキャラを育成しながらレーンを侵攻していくというものだ。ただ本作は、そもそも対戦ではなく「クエスト」と呼ばれる一人用モードが押し出されている。

「クエスト」は、ステージをクリアしていく一人用モード。「敵タワーを破壊」「敵コアを破壊」「敵キャラを5回倒す」などステージ毎に異なる条件が用意されており、条件を達成すればゲームクリアとなる。この「クエスト」、実はMOBAの1ゲームの1部分を切り出したものだ。

たとえば、「敵タワーを破壊」が条件として設定されているステージでは、自分も敵も保有するタワーは1つずつ。もちろん、レーンも1つ。つまり「5VS5」の中から、あるタワーを巡るバトルだけが切り出されたような形。当然、決着もスピーディーにつく。一般的なMOBAで「5VS5」をプレイした場合、20分~50分程度のプレイ時間がかかるが、本作の「クエスト」は5分程度でプレイ可能だ。ストーリー仕立てになっていることもあり、MOBAを知らなければ、「白猫プロジェクト」のようなアクションRPGのちょっと変わった形式と見えるのではないだろうか。MOBAを上手にスマホナイズしている。

また「クエスト」はMOBA初心者に向けたチュートリアルとしても機能している。バーチャルパッドによる移動や、タップによる攻撃といった操作。タワーを巡る攻防戦。コアを巡る戦い。レーンが複数ある場合の他キャラとの連携…などなど「MOBA」の持つ要素を、それぞれ段階的に覚えていくことができるからだ。やがて「5VS5」の本格的な試合を行うステージも登場するため、まったくのMOBA初心者が3DアクションRPG感覚でプレイしていく中で、自然にMOBAのルールを習得できる。

「避けて勝つ」ではなく「成長して勝つ」楽しさがポイント

キュートでキャッチーなキャラクターデザインによって、一見すると「白猫プロジェクト」のような王道ファンタジー3DアクションRPGにも見える本作だが、アクションRPGとは大きくことなる点が1つある。それは、戦闘のポイントが「成長して勝つ」という点に置かれているところだ。

現在のアクションRPGの多くは、戦闘のポイントを「避けて勝つ」という点に置いているものが多い。「敵の攻撃を見切って回避し、敵の隙に攻撃を当てる」というテクニックの上手さが勝利に繋がるというゲーム性だ。

一方本作は、「相手をパラメーター的に上回るため、効率よくレベルアップする」という戦略が勝利に繋がるというゲーム性。これは、そもそも本作のゲームジャンルであるMOBAが、戦略ゲームである「リアルタイムストラテジー(RTS)」から派生しているためだ。

MOBAでもRTSでも操作テクニックも重要なものの、中心となるのは効率のよい育成戦略。アクションの上手さで強敵を倒すというのが楽しいゲームではない。このため本作をプレイする場合も、「育成」に重点を置かないと、真のおもしろさに気づきにくい。

プレイにあたってまずポイントになるのが、タワーが自動的に生成する「ポーン」というNPCと足並みを合わせること。「ポーン」は生み出された後自動的に敵コアに向かって前進。敵のポーンや敵タワーが攻撃範囲内に入ると、これまたオートで攻撃してくれる。アクションのテクニックではなくパラメーターが戦闘の鍵となる本作なので、敵と戦う際にはポーンと一緒に戦った方が有利だ。

特に、敵タワーを攻略する場合、「ポーン」がいると敵タワーの攻撃が「ポーン」に向かう。敵タワーの攻撃は追尾性能を持っており回避できないため、「ポーン」がいない状態で敵タワーを攻撃するのは自殺行為と言えるだろう。

また、「ポーン」は成長においてもポイント。自分のキャラも敵チームのキャラもゲームスタート時はレベル1、強さにほとんど差がないので、レベルアップのために敵チームのキャラを倒すというのは現実的ではない。このため、序盤は敵の「ポーン」を倒してレベルアップするというのが基本なのだ。自分のチームの「ポーン」とともに敵キャラをけん制しつつ、どう効率よく敵の「ポーン」を狩るか?育成を巡る楽しさがここにある。

レベル以外にキャラの強さを左右するのが「装備」。本作では敵を倒したり、一定時間経過したりすることで「フォースストーン」というリソースが貯まっていき、「フォースストーン」を消費することで、装備の力を解放、強化することが可能だ。レベルアップや装備の力の解放を行いつつ敵の様子を見、「戦力が上回った」と思ったら攻める。戦力のバランスを見た上で攻め時を伺う駆け引きがアツい。

仲間と連携して戦う楽しさ!3つのレーンを駆使

育成と並ぶMOBAのだいご味が、仲間との連携だ。本作ではレベルアップによって、キャラがスキルを習得、このスキルを上手く使って他プレイヤーと連携プレイを行う。

たとえば、敵チームのキャラを倒せば「ポーン」を倒すよりはるかに大きな経験値をゲットできるものの、慣れているプレイヤーはある程度HPが減ると深追いせず撤退してしまう。そこで、敵のスピードをダウンさせるスキルを使い、強力な攻撃スキルを持っている仲間に敵を倒してもらう。こうした連携ができれば、一気に成長し、敵チームとの戦力差をつけることが可能になるのだ。

また、「仲間と連携する際の立ち回り」をわかりやすく提示している点も本作の特徴。本作では、各プレイヤーの立ち回りを5つポジションとして提示。1つめのポジションは「Center」で、敵コアへの最短ルートとなる中央のレーンを担うポジション。

2つめのポジションは「Night」。倒すことで味方となる強力なモンスターである「ゴーレム」が近くに存在するレーンを担う。

3つめのポジションは「Sun-Atk」。倒すことで味方となる強力なモンスターである「ドラゴン」が近くに存在するレーンを担う攻撃役で、4つめのポジション「Sun-Sup」と共に行動する。

4つめのポジションは「Sun-Sup」は、「Sun-Atk」と共に行動し、「Sun-Atk」のサポートを担当。「ゴーレム」よりも「ドラゴン」の方が早い段階で倒せるため、2人がかりで狙うのだ。

5つめのポジション「Jungler」は、レーンとレーンの間に存在する「Jungle」に入って中立モンスターを退治、レベルアップを担うポジション。

こうしたポジションを、どんな「ジョブ」のキャラが担うか?というのが戦略上のポイントとなる。キャラに設定されている「ジョブ」は5つ。攻撃力が高い近距離タイプの「ファイター」、耐久力が高く壁役を担える「タンク」、遠距離攻撃が可能な「ハンター」、遠距離攻撃型で状態異常スキルを使える「ウィザード」、近距離攻撃型で状態異常スキルを使える「アサシン」。自分のキャラのジョブと担当ポジションを考えながら、上手に連携を取っていく楽しさは、本作の醍醐味だ。

短時間で楽しめるスマホ時代の「MOBA」

MOBAというジャンルの一作として本作を見た場合、1戦にかかる時間が短時間という点が最大の特徴だろう。一人用の「クエスト」ではなく、「5VS5」で対戦する「バトル」の場合でも制限時間は10分。また、MOBAでは敵にトドメを刺したキャラのみ経験値をゲットできる「ラストヒット」という概念を導入しているものが多いが、本作は「ラストヒット」を導入しておらず、他のキャラが敵を倒した場合でも経験値が手に入る。このため非常にテンポがいい。MOBAは好きなのだけど、なかなか時間を捻出できないという人にとって本作のプレイ時間の短さ、テンポのよさは魅力といえるだろう。

本作は、MOBAのおもしろさを、わかりやすく、気軽に楽しめるようにした作品と言える。これまでMOBAを知らなかった人にとっては、本作がMOBAのおもしろさを知るきっかけになるだろうし、既にMOBAをプレイしている人にとっては、本作によって短時間でもMOBAが味わえるようになる。初心者もMOBAファンも、いずれにもプレイする価値のある一作だ。

オーディンクラウン

GameJeans

iOSアプリiOS

  • 配信日:2018年2月8日
  • 価格:基本無料

    オーディンクラウン

    GameJeans

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2018年2月8日
    • 価格:基本無料

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

      コメントを投稿する

      この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

      オーディンクラウンサービス終了
      関連ワード
    • アプリレビュー