バンダイナムコエンターテインメントより発売中のPS4用ソフト「ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチ」。プレイを通じて感じたのは、原作の魅力をさまざまなアプローチで表現していること、そして戦車アクションとして遊びやすく仕上がっていることでした。
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「ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチ」は、アニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)を原作とした戦車アクションゲーム。「ガールズ&パンツァー」といえば、TVアニメからスタートし、「ガールズ&パンツァー 劇場版」(以下、劇場版)はアニメ映画としては異例のロングランを記録、そして現在は「ガールズ&パンツァー 最終章」(以下、最終章)全6話が展開予定となっています(現在は第1話が劇場公開中、Blu-lay&DVDは3月23日に発売予定)。
本作「ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチ」は、劇場版のストーリーを振り返る「感想戦モード」をメインにさまざまなゲームモードを楽しめますが、それらのプレイを経て感じたのは、ガルパンのストーリー、キャラクター、そして戦車の魅力をそれぞれゲームの要素として落とし込んだものになっていること。ここでは、一つずつの要素をピックアップして紹介していきます。
「感想戦モード」では劇場版ストーリーをさまざまな目線で再確認!
本作のメインモードともいえる「感想戦モード」では、劇中で行われた試合の感想戦という形式で、劇場版のストーリーを追体験していきます。感想戦というのは、将棋などの対局終了後にその内容を再現しながら局面を振り返るというものですが、戦車戦はまさにお互いの戦術の応酬が魅力となっていることから、そのワードにピッタリと言えます。
実際のモード進行は、大洗女子学園のメンバーが今までの戦いをまとめるプロモーションビデオを作っていく顛末を描くストーリーパートと、実際の試合の流れをさまざまな視点から追っていく戦車戦パートに分かれます。
まずは劇場版の最初に描かれる、混成チームでのエキシビションマッチから振り返っていくのですが、メインの進行役はおなじみあんこうチームの面々。そのほかの大洗女子学園メンバーや他校の生徒も混ざり、和気あいあいとした雰囲気の中、試合の展望を占ういくつかのポイントをピックアップしていくことになります。
ガルパンファンにとっては何度も見ていて流れを知っているストーリーをもう一度見るだけなのも…と思われるかもしれません。ですが、劇場版の映像は試合ならではの臨場感にこそ魅力がある作りになっていて、いざ振り返ってみた時にそのシーンごとにどういった駆け引きが生まれていたのかという点はあまり語られることがなかったように思います。
感想戦モードでは、各シーンの顛末がその場にいたキャラクターたちの目線から語られていきます。フルボイスで劇中では絡むことの少なかったキャラクター同士のやり取りが繰り広げられ、その上でシチュエーションごとに幅広い目線で楽しめるという点で、新鮮な感覚も味わえるのではないでしょうか。
そしてもう一つ触れておきたいのが、モードの途中に用意されている幕間です。ここでは、エキシビジョンマッチから島田愛里寿ら大学選抜チームとの試合に至るまでにあった出来事などを振り返っていくのですが、劇中では知ることのなかった出来事をほかのメンバーが知るという、今作だけの場面も用意されています。キャラクターの心情を補完するという意味でも、単なる劇場版の追体験に留まらない面白さが詰め込まれている、オススメのモードです。
争奪戦モードやエクストラミッションでガルパンの世界やキャラクターをもっと味わう!
感想戦モードとともに本作のメインモードとなるのが、豪華賞品を目指して学園ごとに全5戦の勝ち抜き戦に挑む「争奪戦モード」。こちらはより各学園にフォーカスした内容で、ランダムで対戦相手も決まるため、アニメでは見たことのない組み合わせによる会話も楽しめます。試合場やルールもランダムで決まるので、遊びごたえも十分です。
また、指定された条件下で戦う「エクストラミッション」というモードでは、TVアニメの各校との戦いをイメージしたミッションや特殊なミッションが用意されています。こちらもガルパンファンであれば懐かしさを味わえるようなシチュエーションだと思いますし、さらに言うとCV33 カルロ・ヴェローチェ同士でバトルする殲滅戦「カルロ祭り」など遊び心のあるミッションも楽しめます。
それらを楽しんだ上で自由に条件を設定できる「フリーマッチ」、そして4つのマッチからプレイヤーのスタイルに合わせて選ぶ「オンラインマッチ」なども含めて、幅広くガルパンの世界に触れられるゲームになっています。
戦車アクションは遊びやすくガルパンならではのこだわりも!
と、ここまで触れて本作のメインである戦車アクションについては触れていませんでしたが、ゲームをプレイしてみて一番驚いたのは実はこの部分だったりします。この手のゲームは操作がとにかく複雑化するか、逆にシンプルになりすぎて味わいが無くなることがありますが、本作はそのちょうど中間の遊びごたえになっています。
それこそガルパンを通じて戦車には興味は持ったけれど、ゲームで操作するのは大変なんじゃないの、と思っていた筆者みたいなタイプにはピッタリでした。どの点がそう感じさせたのか、具体的な操作を交えて触れていきます。
まず最初に感じたのが、移動に関する部分。基本中の基本となる前進後退・旋回(Lスティック)、視点操作(Rスティック)をまずは理解しておけば、単純に移動するだけであれば十分です。そこにブレーキ(×ボタン)、ブーストダッシュ(×ボタン+Lスティックでエンジンを吹かして×ボタンを離す)、ドリフト(一定速度以上の旋回中に×ボタンを短押し)といった操作は加わりますが、そのあたりの操作は順次慣れていけば大丈夫です。
また、シンプルな操作にも関わらず、アニメを彷彿とさせるアクションがしっかりと戦車の挙動に反映されるのも嬉しいです。その上で、車長スキルやパンツァー・ハイといったガルパンならではのキャラクターにフォーカスしたシステムも盛り込まれているので、こちらも活用していきましょう。
さらに戦車ごとの特徴を活かした戦いもガルパンならではの魅力。ゲーム中には各校の戦車が登場、それぞれ操作できます。アニメを見ているとどうしても大洗女子学園の戦車ばかりに目が行きがちですが、こういうかたちで実際にその操作性を試すことでその特徴も感じられるのではないでしょうか。
分かりやすくもしっかりとガルパンらしさを詰め込んだ戦車アクション。ゲームを進めることで新たな戦車やキャラクター、さらにはカラーバリエーションやデカールも手に入って、カスタマイズの楽しさも広がっていきます。まずは冒頭の感想戦モードを遊びつつ操作を覚えていって、その上でゲームならではの戦車道を味わってみてください!