ポポロクロイス物語 ~ナルシアの涙と妖精の笛」は、プレイステーションで発売されていた人気RPGシリーズの最新作。シリーズならではの童話のように優しく温かい世界観は本作でどうなったのか、詳しく紹介したい。

目次
  1. キャラクターの魅力に引き付けられる!ハートフルな物語
  2. デフォルトはオート!アクティブレーンを使用したバトルシステム
  3. 20人対20人!大規模対人戦も用意
  4. スマホでストーリーを楽しみたい人!童話的なファンタジーが好きな人はぜひ

「ポポロクロイス物語 ~ナルシアの涙と妖精の笛」は、5月8日にセガゲームスが配信を開始したRPG。プレイステーションやプレイステーション2を中心に発売されていた人気RPGシリーズ「ポポロクロイス物語」の最新作だ。シリーズの設定はそのまま引き継いでおり、ピエトロ王子とナルシアがそのまま主人公として登場。童話のように優しく、暖かい雰囲気が特徴だったシリーズの魅力は、スマホ版になってどう表現されているのか? この記事で詳しく紹介したい。

キャラクターの魅力に引き付けられる!ハートフルな物語

本作をプレイして最大の魅力だと感じたのは、その世界観とストーリーだ。本作の時系列は、「ポポロクロイス物語II」と「ポポロクロイス はじまりの冒険」の中間に位置しており、ピエトロ王子は青年へ成長しているものの、ナルシアとはまだ結婚しておらず、ピノン王子は生まれていない。

「ポポロクロイス物語」は剣と魔法が存在するファンタジーストーリー。王道ファンタジーと呼んで差し支えない世界観だが、絵柄のタッチや物語、メッセージにいたるまで、童話的な暖かさに満ちている点で、“ゲームでよく見られる王道ファンタジー”とは一線を画している。もちろん、スマホ版の本作でもこうした童話的世界観は健在だ。

“童話的”というと、大人には物足りないように思うかもしれない。だが、全くそんなことはない。というのも、キャラクターやストーリーにさまざまな角度から光が当てられ、キャラクターの魅力やストーリーの裏側を深く描写するつくりになっているからだ。

ゲームのメインストーリーでピエトロ王子とナルシアの旅を中心に描く一方、サイドストーリーでは旅の裏側で発生している不穏な事態を描いていく。日照りによって井戸が枯れ、水を求めるモルグ皇国でデイモスという男が不気味に暗躍していく…。モルグ皇国で何かが起こっているらしいことはメインストーリーでも断片的に描かれるのだが、サイドストーリーをプレイするとくわしく事情がわかる…という形になっているのだ。このおかげで、物語が立体的に把握でき、描かれる出来事へ強く感情移入できる…という仕掛け。

また、ブレイブストーリーでは、キャラクター個々の物語が描かれていく。本作は、キャラクターを3DCGで描写し、音声と合わせた演技によってキャラクターの心情を魅力的に表現している。このため、メインストーリーをプレイしただけでもキャラクターのセリフや人間関係に一喜一憂し、ずぶずぶその魅力にハマっていってしまうのだが、ブレイブストーリーによってさらに深くキャラクターにハマれるわけだ。

メインストーリー+キャラクターごとの個別ストーリーで物語を見せていくという方式は他のスマホRPGでも見られるが、本作はセリフの掛け合いが魅力的な上、プレイステーション版のエピソードも引き合いに出してキャラクターのエピソードを深く描いていくため、ストーリーの楽しさが群を抜いているように感じた。

デフォルトはオート!アクティブレーンを使用したバトルシステム

一方、ゲームシステムの方はどうなっているかというと、全体的にはスマホRPGで標準となりつつあるシステム。クエストを選んでバトルを行い、バトルの結果入手したお金や素材を使ってキャラクターの育成を行っていくというものだ。

中核となっているバトルシステムは、同社の「オルタンシアサーガ」に似たシステム。時間とともに各キャラクターの行動ゲージが貯まっていき、行動ゲージが満タンになったキャラクターを画面右上のアクティブレーンに登録。アクティブレーンは、敵まで含めた全キャラクターの行動順を示すとともに、「攻撃力×1.5」や「必殺技ゲージ50%」といった追加効果も示している。さらに、味方が連続で行動するとコンボが成立するという要素もあり、いち早くアクションを起こすか?それとも追加効果ゲットを狙うか?コンボを狙うか?といった戦術を考える楽しさを持ったバトルシステムだ。

さらに、バトル中考えなければならない要素としてあるのが、攻撃属性。自分に近い敵をヨコ一列に攻撃できる「斬」、敵をタテ一列に攻撃できる「突」、タテヨコ4マス分を攻撃できる「打」、自分から遠い敵をヨコ一列に攻撃できる「遠」の4つの属性が存在。どの「属性」キャラクターをどのタイミングでレーンに登録するかが重要になってくる。また、攻撃属性は攻撃時だけでなく、防御にも関わっている。キャラクターをどんな陣形で配置するかによって、敵の攻撃範囲を上手に回避することができるからだ。

なかなか深い戦術が味わえるバトルなのだが、こうした要素が関わってくるのはバトルをマニュアル操作でプレイした場合。本作ではデフォルトがオートバトルとなっていて、必殺技ゲージが貯まったキャラクターをフリックするとき以外、プレイヤーは見ているだけでOK。オートバトルとマニュアルバトルは画面上に配置されたボタンをワンタップするだけで切り替えできるが、よほどの強敵との戦い以外、オートバトルで乗り切れるバランスだと感じた。

このため、基本的にはバトルは戦術を楽しむものというより、流し見していく感覚が強い。ただ、ストーリーが魅力的な本作にとっては、オートバトルが向いているように思う。バトルをオートで流しながら、ストーリーをサクサク見て行くことができるからだ。

20人対20人!大規模対人戦も用意

本作には20人対20人の大規模対人戦である「船団戦」が用意されている。完全にバトルに特化したモードなので、「ポポロクロイス物語」の世界観を楽しむ…という方向性からすると、ちょっと違和感を覚えなくもない。ただ、本作をガッツリとプレイしてキャラクターが育った暁には「キャラクターの強さを試してみたい!」という欲望が出てくることもあるだろう。物語重視派のプレイヤーは物語を楽しみ、育成重視派のプレイヤーは「船団戦」を楽しむ…という形で、自分の好みに応じたモードを楽しむのがよさそうだ。

スマホでストーリーを楽しみたい人!童話的なファンタジーが好きな人はぜひ

ゲームシステムを見た場合、特に目新しい独自のシステムは無いため、そこに重きを置くプレイヤーには、本作は向かないかもしれない。しかし、本記事で触れた通り、本作最大の魅力はストーリーにある。スマホRPGでストーリーを楽しみたい人、とりわけ、優しく暖かい童話的なファンタジーストーリーを求めているという人は、ゲームシステムにこだわらずプレイする価値のある一本だ。極めて丁寧に作られた世界観にどっぷりと浸る、昔のRPGをプレイしているような感覚が堪能できるだろう。

ポポロクロイス物語 ~ナルシアの涙と妖精の笛

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  • 配信日:2018年5月8日
  • 価格:基本無料

    ポポロクロイス物語 ~ナルシアの涙と妖精の笛

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    • 配信日:2018年5月8日
    • 価格:基本無料

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