「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。第18回ではPS Vita用ソフト「参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~」についてお届けします!

目次
  1. 「参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~」ここがポイント!
  2. 「参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~」とは?
  3. “もう1人の自分”を守り、世界の秘密に迫る女性バウンティハンターの物語
  4. トモエが出会う、4人の男性をチェック!

「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回は2018年9月27日に発売したPS Vita用ソフト「参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~」についてお届けします!

「参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~」ここがポイント!

  • 強くて格好良いバトルヒロインが活躍するSFファンタジー
  • 恋愛面だけでなく、世界の謎に迫っていく読み応えのあるストーリー
  • 既存スチルもPS Vita向けにリファインされ、追加エピソードにも新規スチルがたっぷり

「参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~」とは?

2013年12月に発売されたPC女性向け恋愛アドベンチャー「参千世界遊戯 -Multi Universe Myself-」のPS Vita版タイトル。原作ブランド「girls dynamics」全面協力のもと、新シナリオやイベントスチルを追加している。

原画担当の斗目氏により既存のイベントグラフィックがリファインされ、高解像度なスチルと直感的なタッチスクリーン操作でプレイすることができる。PS Storeでは体験版も配信中。

“もう1人の自分”を守り、世界の秘密に迫る女性バウンティハンターの物語

本作の舞台は、今から100年以上先の未来の「トウキョウ」。ここでは、懸賞金のかかった犯罪者を追うことで生計を立てる「バウンティハンター」という存在が公に認められています。主人公のトモエ・ナカハラ(CV:中島沙樹)もそんなバウンティハンターの1人で、とくに高額賞金の凶悪犯を追跡するアグレッシブなタイプです。女性向け恋愛ゲームにもさまざまなタイプの主人公がいますが、トモエはその中でも屈指の“強くてカッコイイ!!”と叫ばずにはいられない、戦うヒロインですよ。

それではさっそく、ストーリーのポイントについてご紹介。物語はトモエがいつものように犯罪者を追い詰めているところから始まり、とくに問題なく進むかと思われたところ、犯人の1人を逃がしてしまいます。ここでトモエは並行世界にある「もう1つの地球」と、そこにいる「もう1人の自分」の危機について知ることとなります。

この世界では数十年前に、並行世界にある「もう1つの地球」が発見されました。国は犯罪などの懸念から一部の関係者を除き関与をシャットアウトしたため、トモエをはじめほとんどの人はその存在をおぼろげにしか知りません。よく似ているけれど、どこかで決定的にズレたような世界には姿こそ違えど命を同じくする「もう1人の自分」がいて、片方が死ぬともう1人も死んでしまいます。ここにトモエの逃がした犯人が逃げ込み、もう1人のトモエを殺そうとしている……という事態に。トモエは自分の命を守るべく、別の世界へと足を踏み入れます。

もちろん、取り逃がした犯人を捕まえればそれではい終わり……とはいきません。「何故、一介のカルト教団が並行世界を移動できるほどの科学力を備えていたのか?」といった疑問から始まり、トモエの命を狙うさまざまな存在が現れ、2つの世界に隠されていた大きな秘密が明らかとなっていきます。その中には、トモエの両親が惨殺されてから行方不明となっているトモエの兄の存在も……。

タイプの異なる魅力的な男性たちとの恋愛もじっくり楽しめますが、まずはこの濃密なストーリーにもぐいぐい引き込まれました。ちょっとSF色を強く感じるかもしれませんが、トモエもそうした方面に明るいわけではないので、似たような視点や感情で読み進められますから置いていかれる心配はありません。きっちり話がまとまっていて、謎や疑問もきちんと解明されるのでクリアした後はとてもスッキリできました。

メインの攻略キャラクターだけでなく、サブキャラクターも味のある人が多いので最後の最後までどっぷりと世界に浸れます。トモエのような格好良い女性を取り巻く大人の恋愛や、読み応えのある物語を求めるプレイヤーにうってつけのタイトルとなっていますよ。

トモエが出会う、4人の男性をチェック!

それでは、各キャラクターについて紹介していきましょう。まず美しい黒髪や意志の強い眼差し、豊満なボディと魅力たっぷりの主人公であるトモエ・ナカハラは、代々続く武人の家柄「ナカハラ家」に生まれた女性。常に剣と共に生きていて、男性顔負けの強さを誇ります。

「板額御前」と呼ばれる刀を扱い、犯罪者たちを文字通り叩き斬ります。非常にさっぱりとした性格で思い切りが良く、彼女の行動にはスカっとさせられることばかり。思わず抱き着き、その胸に飛び込みたくなるような衝動にかられます。戦うシーンも多いですがケーキが大好きという可愛い一面やユーモアもあって、共感できる部分も多かったです。

そんな彼女の「もう1人の自分」となるのが、中原静(CV:中島沙樹)です。静の住む並行世界はトモエたちの世界よりもやや科学の発展が遅れていて、私たちの住む世界に近いようなイメージですね。当然バウンティハンターもおらず、命のやり取りとは無縁の中で生きてきました。しかし、平和な世の中で生きてきた彼女もこの世界の秘密にまつわる事件へ否応なしに巻き込まれていきます。

トモエと名前は似ているものの外見も性格もまったく違いますし、同じ声優さんが演じているとは思えないほど声も違います。でもストーリーを進めていくと、トモエと静の魂は一緒なんだなと自然に納得できました。攻略キャラクターのルートによってはあまり接点のないまま進む場合もありますが、最終的には本当に静という存在の大きさが分かります。彼女ももう1人の主人公であり、ヒロインなんだろうなと思いました。

吉良誠士郎(CV:樋口智透)は、並行世界での移動を管理する国の機関「移転管理局」に勤める男性。立場上、別の世界にも詳しいので、もう1人のトモエを守る際に頼りがいのある味方となってくれます。性格は外見の印象どおり真面目で、トモエとは真逆といってもいいほどの常識人です。最初はあまり融通も利かず、まったくそりが合わないように思えましたが、接してみると意外と話の分かるタイプなんですよね。

また、恋愛面でも奥手そうに見えて意外とそうでもないというギャップにびっくり。こちらが照れるような行動を意識せずさらりとやってのける……なんてことも。彼は仕事にも誇りをもっているので、それが裏目に出てしまい「なんでここでそういうことを言うの!!」と胸倉を掴みたくなったこともありましたが、少しずつ特別な感情が生まれていく過程にはグっとくると思います!

オライオン・ドレッドノート(CV:川原慶久)は、トモエと同じくトウキョウでバウンティハンターをしている男性です。外見通りのパワーファイターで軽々と大剣を操り、それと同じく性格も豪快で飄々とした雰囲気をまとっています。

出会うきっかけは「トモエを殺す依頼を受けた」ということもあり、第一印象としては。最悪の部類に入るでしょう。とはいえ憎めないタイプなので、打ち解けるまでそう時間はかかりません。一見だいぶ粗野と思えるような言動が多いものの、実はとても繊細な面を持ち合わせていて、明るさの中にも悲しみが見え隠れするのが段々と分かってきます。オライオンの本音が分かった後は、2人にずっと寄り添ってほしいなと思いました。

フェリクス・ジョフロワ(CV:小田久史)は、ある理由でテロリストとして追われる青年です。トウキョウ以上のテクノロジーを駆使することができ、天才といっても過言ではない頭脳派で、彼もまたこの世界の秘密に大きく関係する1人です。

トモエとも出会いは最悪ですが、行動を共にするようになるとその一途な可愛らしさがよく見えてきてニコニコしてしまいました。恋愛面では隠しているようで恋心が駄々洩れで、少し背伸びをしてトモエに追いつこうする姿が微笑ましかったですね。

フェリクスは訳あって仲間で行動していて、その中の1人がフェリクスの戦う理由でもあるヴィヴィアンヌという聡明な少女です。まだまだ小さいのに器が大きく、でも子供らしい部分もあってその可愛らしさにキュンとなってしまいました。こんな子に「おねえちゃま!」と呼ばれて慕われたら、どんなことでもしてあげたくなっちゃいます。

ライコウ(CV:子安武人)はトモエの3歳上の兄で、稀代の天才として将来を期待されていました。しかし、彼らの両親が惨殺された時から行方不明に。トモエはずっとライコウを探していたのですが、今回の事件が起きるまでまったく居場所を突き止めることができませんでした。

あまり多くは語れませんが、ライコウも本作の真実に絡む重要な人物です。彼の強すぎる想いはなかなか簡単に受け止めきれるものではありませんでしたが、目を逸らしてはいけないなと思いました。

格好良く戦うヒロインや、丁寧に描かれたストーリーにのめり込むこと間違いなしの「参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~」。プレイし終わったあとは壮大な物語を体感できた充実感や満足感に満たされましたので、皆さんもぜひ遊んでみてくださいね。

※画面は開発中のものです。

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