1998年に初代PlayStation用ソフトとしてスクウェア・エニックス(当時エニックス)から発売されたシミュレーションゲーム「アストロノーカ」。2019年1月15日に開催される20周年イベント「アストロパーティー2019」を前に、本作の思い出を存分に語っていきたいと思います。

「アストロノーカ」は、宇宙を舞台に野菜を育てていく宇宙作物育成シミュレーションゲームです。広大な宇宙、その果てにある小惑星。そこで自分の畑を持ち、種から野菜を育て、さまざまなコンクールでの優勝を目指していきます。農家として少しずつ名声を挙げながら、最終目標は伝説の野菜“アストロキング”を作り、宇宙一の農家になる!という、宇宙(astro)の名にふさわしい農家(noka)ゲームになっています。

よりよい野菜を作り出すために行う種の交配、コンクールの開催日と野菜の収穫タイミングを考えて作物を育てる計画性、バブーという害獣から畑を守るトラップバトルなど、ちょっと異色な雰囲気からは想像もつかないゲーム性の高さが魅力のタイトルです。もちろん、異色作らしく面白い設定やネタも盛りだくさんです。

一言では語りつくせないほど魅力の詰まった名作なのですが、昔から周りにおすすめしても「ああ、なんか『スターオーシャン セカンドストーリー』に体験版が付いてたやつね」という反応しか返ってこずに、悲しい思いをしました。ですが20周年イベントを間近に控えている今こそ、「アストロノーカ」の面白さを語るべきでしょう!

「アストロノーカ」のここがすごい:野菜編

さて、「アストロノーカ」は宇宙農家ゲームですから、何を語るにしても野菜の存在は欠かせません。育てるものはシマイモや星カブなど、地球上には存在しない“宇宙野菜”です。似た名前のものがあっても、透明キャベツや電灯キューリなど、どれも地球では実現しえない宇宙レベルの野菜なのです。私が宇宙農家なら自己紹介でこう言います「ただの野菜に興味はありません」と。

この宇宙野菜にはそれぞれ大きさや重さ、栄養、糖度といった、全部で10種類の“属性”が存在します。例えば大きさなら「やや大」「大きい」「ビッグ」といった順番で属性のランクが上がっていくのですが、高ランクになると「家ほどもある」「山のような」「惑星サイズ」など、地球の常識では考えられない大きさになります。

ちなみに属性はプラスの方向とマイナスの方向にそれぞれ強化していくことができます。「大きさ」を例にすると、プラス側に育てていくと大きくなり、マイナス側に育てていくと小さくなる、といった感じ。これが栄養の属性になると、プラス側なら「不老長寿」「死者復活」といった奇跡の効果を持つ野菜になりますし、マイナス側なら「呪いの猛毒」「即死注意」のように、危険物取扱の資格でもないとダメなような野菜になります。

やろうと思えば「原子レベル」なサイズで「星より重い」うえに、「地獄へ直行」するほどの毒素を持ち、耳を傾ければ「天使の歌声」が聞こえてくるほどの音色が鳴るのに「危険な悪臭」を漂わせ、「破壊不能」な食感の野菜も作れるわけです。うん、一体どんな野菜なんだ。すごすぎるぞ宇宙。

「アストロノーカ」のここがすごい:種の交配編

こんな風に野菜には属性があり、ゲームシステム的にも重要な要素となっています。コンクールで優勝を目指すには、コンクールごとに評価対象となる属性が決まっているため、いかに評価基準に基づいた理想の野菜を作れるかが勝負です。この属性の値を強化するのに必要なのが“種の交配”です。

最初はお店から購入できる、何の変哲もないシマイモと星カブの種しか育てられないのですが、ゲームを進めて交配マシンを入手することで、属性値を増減させたり、新しい野菜の種を生み出すことが可能になります。最初に交配を行うときにできる組み合わせは、

  • シマイモ×シマイモ
  • 星カブ×星カブ
  • シマイモ×星カブ

の3パターンです。属性はシマイモなら「重さ」、星カブなら「大きさ」といったように、野菜ごとに強化できるものが決まっています。そのため、初期の種を使ったシマイモ×シマイモの交配では、属性は「やや重」か「やや軽」なシマイモの種が狙えます。最初のシマイモのコンクールでは「重さ」が評価されるため、「やや重」の種を作り、さらに「やや重」の種同士をかけ合わせたりして、今度は「重たい」シマイモの種を作っていくといった流れになります。

この交配ですが、種を選ぶと相棒のピート君が交配結果を予測してくれます。予測内容はL/Rボタンを1回押すごとに切り替わるため、重たいシマイモの種を作りたいのに「やや軽」やただのシマイモだったり、失敗扱いの「くず野菜の種」と表示されたら、目当ての予測が出るまでひたすらL/Rボタンを押していきます。

ゲームシステム的には何度でもデメリットなく予測結果の切り替えができるのですが、ひたすらL/Rボタンを押していると、目当ての内容が出たときも思わず流れで切り替えてしまうので注意しましょう。Rボタンを押して切り替えていたからといって、Lボタンを押せば1個前の理想の結果に戻れる、なんて考えてもダメです。そんなシビアな交配なのですが、なぜかクセになってしまうんですよ。たぶん、連打したときのポポポポポという効果音と、ボタンを押すたびにピート君の頭がぴょんぴょんするところがヤミツキになるのかなと思います。

また、シマイモ×星カブで別の野菜“腰かけレンコン”の種が作れるように、異なる野菜の種を組み合わせると新しい野菜の種を生み出すことも可能です。腰かけレンコンは重さでも大きさでもなく「模様」が重要となるため、交配では模様がプラスの属性に傾いた「面白模様」な腰かけレンコンの種を狙いたいところ。ですが重さだけを見ればよかったシマイモ同士の交配とは異なり、交配結果の候補としては、

  • シマイモ
  • やや重なシマイモ
  • やや軽なシマイモ
  • 星カブ
  • やや大な星カブ
  • やや小な星カブ
  • 腰かけレンコン
  • 面白模様な腰かけレンコン
  • 変な模様な腰かけレンコン
  • くず野菜(交配失敗)

というパターンが存在します。実際には「面白模様な何かの種」といった曖昧な予測もあるので、こうした中から「面白模様な腰かけレンコン」が出るまで粘り、無事に目当ての種が完成したときの喜びをかみしめるのが交配の醍醐味と言えるでしょう。新しい種が手に入り、ウキウキしながらL/Rボタンを押していたら数時間が経過していた、なんてゲーム、ほかには知りません。

なお、同じランクのなかでも、属性値は微妙に異なります。「面白模様」のなかで属性値が高いもの同士を掛け合わせると、さらに上の「ゆかいな模様」が出やすくなりますし、一定の数値を超えていないと次のランクができないときもあります。野菜を収穫する際に種が3つ取れるため、属性値の高い種ができたら時間をかけて収穫して種を増やすか、それとも交配でもう1つ属性値の高い種を狙うか、このあたりはプレイする人の性格が出て非常に面白いところです。

同じ野菜でも模様の属性ランクが違うとグラフィックに変化が出るこだわりよう。

ちなみに交配マシンやピート君はゲーム序盤だとそれほど性能が高くありません。交配マシンをバージョンアップすればいい交配予測が出ても失敗して「くず野菜の種」になってしまう確率が減りますし、ピート君をバージョンアップさせると予測できる属性の種類が増えるといったメリットがあります。いい予測が出ても、結果としてくず野菜の種ができてしまった絶望も、マシンの性能が良くなれば懐かしい思い出に変わるというものです。

「アストロノーカ」のここがすごい:トラップバトル編

種を畑に植えたら、あとは収穫までに必要な日数が経過するのを待つだけです。水やりなどは全自動で勝手にやってくれるので、手動でお世話の必要はありません。ただし、バブーと呼ばれる害獣が畑に入るとせっかく育てた野菜を食べられ、傷物になったり、場合によっては枯れて商品にならなくなってしまいます。そのため、バブーが畑に入らないように対策が必要です。

発見したバブーは図鑑で確認できます。可愛く思えるのは最初のうちだけですよ。たぶん。

畑の前にはちょっとしたスペースがあり、ここにトラップを置いてバブーの侵入を防ぎます。トラップには、バブーを恐がらせるカカシをはじめ、落とし穴やジャンプ台、匂いで引き付けるエサ、捕獲用のオリ、パンチングマシンにビリビリマシンなど、さまざまなものが存在します。

最初のうちはトラップの種類も少ないので、カカシで怖がらせてやる気を奪ったり、トリモチや乗ると回転するぐるぐる台を使ってスタミナを減らして追い返す手法がメインになります。ゲームを進めてトラップの種類が増えると、オリで捕獲したり、扇風機やジャンプ台でバブーを場外に飛ばして川に落としたり、風船をつけて空へと飛ばして強制退去させるといった、特殊な撃退もできるようになります。

こうしてみるとトラップバトルは一方的にバブーを撃退できる面白そうな要素に思えるかもしれませんが、そんなに甘くはありません。まず、トラップはカカシだろうと落とし穴だろうと、どんな物でも電力を消費するようになっています。そして使用できる電力も限られているため、効果が低めのものを数多く設置するか、効果が高いものを効率的に配置するかといった工夫が重要になってきます。

さらに同じトラップばかり使っていると、バブーが進化していきます。例えばジャンプ台をずっと使っているとバブーの体重が増え、バネの力でバブーを飛ばすことができず、トラップが効果を発揮してくれなくなってしまいます。これは扇風機や風船をつけるトラップを使い続けた場合も同様です。

体重が重いなら落とし穴を使えばいいじゃない。

バブーの成長を逆手に取り、別のトラップを配置するのも有効ですが、落とし穴ばかり使っていると今度はジャンプ力が高くなってしまいます。最終的には羽まで生えます。このようにバブーが成長しては別のトラップを試しと、常に相手の進化を上回っていかなければ畑を守れないのです。その日にやってくるバブーは事前に特徴が確認できるため、今まで通常だった体重が重くなっていたら今のトラップ配置がそろそろ突破されるかも……といった具合に様子をチェックしておくことが欠かせません。

ちなみに畑は最初2×3マスのものが1つだけなのですが、ゲームを進めると最大4つまで拡張できます。そしてバブーが侵入した場合は必ず畑1→畑2→畑3→畑4という順番で作物を食べていきます。この性質を利用して、畑1はバブーへの供物、畑2以降は大事な作物といった区分けを設ける、トラップを使わない対策も可能です。

とはいえこの方法にもメリット・デメリットもあります。メリットはトラップを使わないためバブーが強化されないこと。むしろ何もトラップを仕掛けずにいると、ほんの少しずつですがバブーが弱体化していくので、手に負えなくなってきたときにこそ有効です。そしてもう1つ、バブーに野菜を食べられると、まれにゴールデン強化種という種を入手できることがあります。この強化種を交配に使うと、その作物に限り“ゴールデン野菜”になるんです。

一方のデメリットは、まず畑をフルに使えないことが1つ。作物を育てるのは収穫時に種を入手したり、コンクールに出品するためだけでなく、単純に売却してお金を稼ぐことにもつながるので、バブー対策用の畑があると、それだけ売れる作物が減ってしまうということになります。それから、畑1に食べたいものがない場合、そのまま畑2に進むこともあるので、事故が怖いというのもあります。

ほかにも、バブーをしっかりトラップで撃退すると芸術点と呼ばれるポイントが得られます。この芸術点が高いと作物の状態がよくなるため、コンクールに出す際などはなるべくなら良い状態にしておくのが理想。ところが、バブーの侵入を許すと芸術点が0になって状態が良くならないのです。トラップバトルは非常に奥が深いため、早いうちから諦めず、ぜひとてつもなく強くなったバブーを撃退してみてほしいです。

バブーを撃退すると「バブーの羽」が手に入ることも。これを集めると種やトラップを交換できます。
ほかにもたくさんすごい「アストロノーカ」

「アストロノーカ」を語る上では交配やトラップバトルは外せませんが、細かいネタや作りこみも魅力のひとつです。例えば主人公が参加する野菜のコンクールには、ライバルたちも登場します。そのライバルのなかには、ゴボウ玉と呼ばれる野菜への愛が強すぎるアブドゥル・ドゥバ・ドバドというキャラクターがいます。

もう一度書いておきましょうか。アブドゥル・ドゥバ・ドバドです。

彼のゴボウ玉への愛は、ゴボウ玉のコンクールではないのにゴボウ玉を出品してくるほどです。コンクールの規定に合わない野菜を出展すると、それだけで評価は最低ライン。審査員から、それはもう容赦なくボロクソにけなされます。それでも彼はゴボウ玉を出展し続けるのです。アブドゥル・ドゥバ・ドバドは本作の中でも個性が強い部類だと思いますが、彼が好みの男性だという美女もいますし、並みの個性では宇宙では輝けません。

また、野菜の属性について触れましたが、大きさ、模様、形状、音色の4つについては、属性のランクが作物にも反映されるようになっています。大きさのランクを上げれば畑から溢れんばかりのサイズになり、ランクを下げればそれに応じて小さくなる。コンクールに出展する際は、音色のランクによって効果音が変わるという手の込みようです。

もうすぐ2018年も終わりというときに「アストロノーカ」20周年イベントのニュースが流れ、懐かしさのあまり勢いで原稿を書いたのですが、こうして思い返してみると本当に細かいところまでこだわっている作品だなと、改めて感じます。PlayStationアーカイブスで配信されていて、PSP/PS Vita/PS3のいずれにも対応していますので、当時ハマっていて遊びなおしたい人や、「スターオーシャン」に体験版が付いていたという印象しかない人も、チェックしてみてください。

アストロノーカ

スクウェア・エニックス

PS3PSVitaPSPダウンロード

  • 発売日:2008年6月25日
  • 全年齢対象
  • PlayStation アーカイブス
アストロノーカ
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※画面は開発中のものです。

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