2019年1月16日、東京都の北千住・シアター1010にて、「逆転裁判 -逆転のGOLD MEDAL-」の幕が上がった。本レポートでは、舞台初日に先立って行われた出演者からのメッセージと、その舞台の魅力をお届けしよう。
目次
キャスト陣・スタッフからのコメントと、ショートインタビューをお届け!
加藤将さん:成歩堂龍一役の加藤将です。今回初座長いうことでやらせてもらっていますが、頼れる先輩ばかりで頼りっぱなしなので、本番では僕が座長としてみんなを引っ張れるように頑張りたいです。キャスト一同魂をこめて作品作りをしてきましたので、「逆転裁判」という作品を楽しみに、ぜひ劇場にきてください。
中村麗乃さん(乃木坂46):綾里真宵役の中村麗乃です。今とても緊張していて、色々はじめてのことが沢山で不安もあるんですけれど、楽しい舞台にしたい気持ちも大きいので、一生懸命がんばります。
小波津亜廉さん:御剣怜侍役の小波津亜廉です。僕は成歩堂のライバルとして今回は登場します。御剣といえば固いイメージがあるかと思いますが、今回の舞台ではコミカルな部分も盛り込んであるので、作品のスパイスになるように支えられたらと思っています。
友常勇気さん:ゴドー役の友常勇気です。今回の「逆転裁判」は、歌あり、ダンスあり、謎解きありの、ぎゅぎゅっとたくさんのものが詰まった2時間になっていますので、ぜひ劇場に足を運んでください。
大矢真那さん:深鴫ヨーコ役の大矢真那です。私は普段緊張することがあまりないのですが、私が演じるヨーコはとても緊張感のある役なので、役としての緊張感をうまく保っていきたいと思います。
小南光司さん:ヨークシャー・ベルジャン役の小南光司です。みなさん全部言ってくださったのであまり言うことがないのですが、熱い稽古を重ねてきたのであとは本番を見ていただくだけかと思っています。
――今作の見どころをお願いします。
中村さん:舞台のオリジナルキャラクターがたくさんいますので、原作キャラはもちろんのこと、舞台ならではのオリジナルキャラクターにも注目してほしいです。
――今回、原作者の巧さんに何かアドバイスをいただきましたか?
加藤さん:稽古中、かなり具体的に「ここは成歩堂なら笑顔でいいよ」というようなアドバイスをたくさんしてもらいました。巧さんご自身が、リアル成歩堂という感じの方だなぁと思いました。
――それぞれのキャラクターの気に入っているところをお願いします。
加藤さん:この髪型からのスピード感でしょうか。前からだとわかりにくいですけど、横からだとこの髪型がまさに「逆転裁判」のスピード感を出してくれるかなと(笑)。巧さんも、この髪型はスピード感だとお話されていました(笑)。
中村さん:真宵ちゃんは丸っこいアクセサリーがたくさんついていて、そこがとても女の子らしいなって思うので、ぜひそういった衣装の細かいところを見ていただきたいです。
小波津さん:貴族っぽい恰好ですが、一番苦労したのはスカーフで、これをいかに再現するかが大変でした。カプコンさんと共に、最もこだわった部分です。
大矢さん:頭に刺さっているウサギのナイフです。これが物語の重要なカギを握っているのでそこもポイントなのですが、かんざしとして舞台上で抜き差ししなければならないので、そこが上手く出来るかも私自身としては重要です。
友常さん:僕は仮面がキーなんですけれど、この仮面を見ればわかるように視界にずっと線があるので、それをどう捌いていくかという感じです(笑)。
小南さん:このキャラクターは、目にもうるさく、耳にもうるさいキャラクターなので、そこに注目していただければと(笑)。僕は稽古場ではすごい静かなのですが(※全員から「え?」というツッコミ)、――(笑)、舞台ではにぎやかにいきたいです。
――ゲームをプレイしたことがある方がいたら、原作の魅力をお願いします。
小波津さん:僕はプレイしたことがあるんですが、「逆転裁判」といえば探偵パートと裁判シーンで画面が切り替わっていくのですが、舞台上でそれを転換するのが本当にゲームならではの雰囲気になっているかと思います。効果音などやギミックもゲームのほうからかなり多く導入させていただいていますので、ゲームファンは絶対にテンションがあがると思います。
――ありがとうございました!
キャスト総入れ替えの新舞台版「逆転裁判」のストーリーあらすじ紹介
これまでの舞台「逆転裁判」シリーズは、ほぼ全て小劇場クラスのホールで、キャストもほぼ継続で行われてきたが、今作ではキャストを一新、ホールもシアター1010と大規模クラスの演劇ホールに場所を移して行われる。
まずは、舞台版オリジナルキャラクターも多数登場し、ストーリーは巧舟氏の完全監修となっている本舞台の、あらすじを紹介しよう。
戦いの舞台は、法廷から闘技場(アリーナ)へ!
世界のスゴ腕弁護士・検事たちが技を競い合い、その頂点を極める夢の大会、それが<司法オリンピック>。成歩堂龍一と綾里真宵は、会場である世界司法連盟本部へ。御剣怜侍、狩魔冥をはじめとする一流の法廷戦士たちが睨み合う中、高らかに開会宣言をしたのは、大会実行委員長にして全てが謎に包まれた男、ゴドー検事。
そして、栄光のゴールドメダルがWinnerの首にかけられた瞬間、事件の幕は切って落とされる! 全世界に生中継される闘技場の法廷……その弁護席に立つ成歩堂の頭上で今、開廷の木槌(ガベル)が鳴り響くのだった。
巧舟完全監修、おなじみの個性的なメンバーと新たなキャラクターが暴れ回る究極のリーガルアスリートエンターテインメントショー、ついに開幕!(※公式サイトより)
シリーズ人気キャラがほぼ大集合!
今作の舞台ではシリーズの人気キャラがほぼ一堂に会するが、その舞台として本作オリジナルの「司法オリンピック」という場が設けられた。この場が用意されているおかげで、ゲームのキャラクターも新規のキャラクターも、様々な垣根を越えて違和感なくキャラクターが集い、そしてシナリオが進んでいく。よって、シリーズのファンも、今作で初めて「逆転裁判」に触れるという人も、どちらも楽しめる内容となっている。
前半は、事件の導入から今回登場するキャラクターたちが次々と壇上に集う。個性の強いキャラクターたちは一度見たらすぐに覚えられるが、より深く知っておきたい人はあらかじめパンフレットで人物像などを頭に入れておくとよいだろう。特にゲーム原作キャラクターたちの説明や背景は、基本的に舞台上ではほぼ省略されているため、注意してほしい。
ファンなら思わずくすりと笑ってしまう仕掛けが随所にあるのは、やはり「逆転裁判」シリーズならでは。「待った!」「異議あり!」といったおなじみのセリフは舞台ならではの工夫を凝らした演出がいくつも用意されており、使用されている効果音もゲーム内と同じものなので、ぜひ見逃さないように目と耳を凝らしてほしい。
ゲーム内で名物となっているような数々の名場面も、舞台上で再現されている。特にゴドーのコーヒーを投げつけるシーンや、冥の鞭捌きなどは思わず唸ってしまうほどだ。真宵の動きなども、実に彼女らしい。舞台をぴょんぴょんと飛び跳ねるように動く姿は、最高にキュート。そして成歩堂の永遠のライバルである御剣は、洗練された動きで観客を魅了する。
ラップ裁判にダンス裁判!?新しい舞台「逆転裁判」では度肝を抜く演出が山盛り!
これまでの舞台「逆転裁判」は事件と法廷という、あくまで”推理もの”に寄った内容だっただけに、脚本は面白くとも演出などがどうしても地味という部分があった。もちろん、舞台は派手さばかりが求められるわけではないが、今作では”華やかさ”が足され、舞台ならではの演出で様々なキャラクターたちの姿を垣間見ることができる。
まずは司法オリンピック内で開催される”ラップ裁判”や”ダンス裁判”。ラップ裁判では、成歩堂や御剣のラップバトルはもちろんのこと、それ以外のキャラクターたちも混ざってきたり、ダンス裁判ではある意味で実に成歩堂らしいコミカルなダンスが見れたり、登場人物がほぼ全員そろっての社交ダンスが行われたりと、舞台の広さを活かしたゴージャスな演出を楽しむことが出来る。
そんなはちゃめちゃ具合も「逆転裁判」だから、ということで受け入れられるのが、このシリーズが持つ良さだ。
なお、この舞台では多数の新キャラクターが登場するが、そのキャラクターデザインやメインビジュアルを描き下ろしたのは、「逆転裁判」シリーズファンにはお馴染みのイラストレーター岩元辰郎氏。
今作の舞台を艶やかに彩るオリジナルキャラクター・深鴫ヨーコなどもその一人だ。抗議団体「Rabbits」の指導者でありつつ歌姫という経歴も持ち、舞台でも美しい歌声を披露してくれる。「Rabbits」のメンバーである矢張は、「Rabbits」の活動そのものよりも不思議な魅力を纏うヨーコに惹かれているだけなのだということも、シリーズのファンならばすぐ解るのではないだろうか。
岩元氏描き下ろしのビジュアルを使用したクリアファイルやポスターなどもグッズとして販売されるため、そちらもぜひ注目してほしい。
後半は、成歩堂と3人の検事との戦いが熱い!
前半部分を“お祭り”とするなら、後半部分は通常の「逆転裁判」。この舞台には休憩がないため、前半から後半はするりと物語や場面が急転する。舞台上にいる人数こそ多いものの、ここからは事件の真実を追っていく“法廷パート”だ。
事件の再現なども舞台という場をうまく使っており、死んだはずのキャラクターにも様々な場面で出番があるのが舞台「逆転裁判」の良いところ。そして“再現”パートであるはずなのに、何故かただの“再現”にならないのも、良い慣習。事件の再現でありつつも、決して同じ演出を何回も見せるのではなく、そこに更なるスパイスを盛り込んで、観客が楽しめるようになっているのだ。
成歩堂と御剣、冥、ゴドーの4人が中心となって、熱い法廷バトルが繰り広げられる展開になると、見ているこちらの心もどんどん高まっていく。ゲーム内ではプレイヤーが対峙する検事は一人のため、成歩堂vs検事3人、という展開も実に美味しい。実際には成歩堂vs検事3人という構図よりも、まさに舞台上の全員が一丸となって真実を追求するというほうが正しいだろう。
そもそも司法オリンピックとは本当にただのお祭りだったのか?
成歩堂が得た”ゴールドメダル”とは。
ゴールドメダルを取り巻く陰謀とは。
そして、真犯人は誰なのか。
真実は、ぜひ実際に舞台を見に行って、確かめてほしい。そこにはまさに驚きの「逆転劇」が待っているだろう。
公演概要
公演タイトル:「逆転裁判 -逆転のGOLD MEDAL-」
2019年1月16日(水)~1月21日(月) 全9公演
シアター1010
S席(1階席10列以降):7,800
パンフレット付きS席:9,800
A席(2階席):6,800
※パンフレットはグッズコーナーで販売されるパンフレット(2500円)と同じものになります。
※1階席1~9列のプレミアム席は完売です。
公式サイト
https://gyakuten-stage.com/
スタッフ(順不同・敬称略)
原作:CAPCOM
監修:江城元秀(CAPCOM)、巧舟(CAPCOM)
脚本:斎藤栄作
演出・脚色:ほさかよう
キャラクターデザイン:岩元辰郎
製作:舞台「逆転裁判 -逆転のGOLD MEDAL-」製作委員会