3月28日に発売される「レゴ ムービー2 ザ・ゲーム」を直感赴くままに10時間プレイしてみましたので、その状況をゆるく正直に正確に、そして、なんとなくモヤっと伝えていきます。
目次
レゴ系のゲームというと、「LEGO ムービー ザ・ゲーム」を含め、PS4向けに発売されているタイトルに関しては、複数のキャラクターやギミックを使い分けながらステージクリアを目指していき、一度クリアしたステージはフリーに楽しめるような、ストーリーが主体ながらもやり込み要素が強めのゲームでした。
フィールド内に配置されているオブジェクトを破壊すると、組み立てられるブロックがその場に残り、そのブロックを組み立てることで便利なオブジェクトを完成させて先に進めるようになる状況が多々あり、レゴらしさを満喫することができました。「LEGO ムービー ザ・ゲーム」の場合は、主人公の「エメット」がマスタービルダーではないため、マスタービルダーに該当するキャラクターを操作しているときにはバラバラになったブロックを組み立ててオブジェクトを完成しているのに対して、「エミット」だと完成できずに失敗し、別のシチュエーションでは設計図を使ってオブジェクトを完成させる能力を発揮する等、独自の要素も盛り込まれていました。
そんな前作に対する先入観がある中で、3月29日公開予定の映画「レゴ ムービー2」のゲーム化作品にあたる「レゴ ムービー2 ザ・ゲーム」を発売前にプレイさせていただく機会を頂いたため、早速ゲームに挑んでいきます。
1. 「ボクはマスタービルダーだ!」と気負って1時間半経過
2. 「ボクのズボンはどこ?」と銀河を駆け巡って6時間経過
3. 「すべてがもっとサイコー!」と心で叫んで10時間経過
4. そして、まとまらないまとめ
「ボクはマスタービルダーだ!」と気負って1時間半経過
「LEGO ムービー ザ・ゲーム」では、建設作業員の「エメット」が、マスタービルダーたちと共に冒険をして、「おしごと大王」から世界を救うことに成功しました。当然ながら、今作はその後の話になります。
ゲームを始めると早速オープニングから知っている顔が多数登場します。
いや、確かにオープニングから登場はするのですが、今作では「シスター星雲」からやってきた侵略者に「エメット」たちが生活する惑星が乗っ取られてしまう衝撃の展開でゲームの幕が開くため、冒頭からいきなり破壊の限りを尽くされ、ボロボロになった街から冒険を始めることになります。
だからと言って「ボロボロシティ」だなんて……。
タイトル画面の「自由の女神」の姿に映画「猿の惑星」のラストを思い出しますが、「エメット」たちがこれから何かを作り出していく未来を期待する意味では、いいスタート地点なのではないかと心に思い、冒険を始めることになります。
「ボロボロシティ」はまさにボロボロなのですが、人々は元気に生活をしていて、3Dのマップを自由に移動することができます。「これは前作のフリーモードにあたるマップなのかしら?」と思いながら歩いていると、画面に金色の矢印が出ているのに気づきます。
この「金色の矢印」に従って進んでいくと「ストーリークエスト」の依頼を受けることができ、クエストを達成することでストーリーが進行していくことになるのですが、いきなりブロックを回収しろとの依頼が発生。
前作でも「ブロック」を回収することはできたのですが、オブジェクトを破壊した時などに回収できるのはお金だけだったため、今作ではかなり違うことに気づいてしまいました。最初の依頼は赤、青、黄色のブロックをそれぞれ3個ずつなので、対象となる色のオブジェクトを探すことになるのですが、クエストで必要なモノに対しても「金色の矢印」がナビゲーションしてくれるため、ここでは迷わずブロックを回収することができました。
ブロックを回収して依頼主のところに戻ると、今度は「ビルダーページ」が与えられ、「ロボ・サイコロン」を作れるようになります。
「ロボ・サイコロン」といえば、前作では敵として登場し、空から攻撃してきてかなり苦しめられた記憶があるのですが、今回はいきなり作れてしまうんですね。
ここで注目すべきは、「ロボ・サイコロン」を作るために必要なブロック数が表示されていること。つまりは、オブジェクトを作るためには「ビルダーページ」と「指定されたブロック」が必要になります。試しに近くにあるオブジェクトを破壊して、破片が飛び散っている周辺をウロウロしてみたところ、いろいろな色のブロックを回収することができました。何を作るにしてもブロックが必要になることだけはわかったため、オブジェクトを破壊したら回収できるブロックは根こそぎ回収するという方針でプレイしていきましょう。
前作では黒くて不気味だった「ロボ・サイコロン」も、今作ではかなりフレンドリーなビジュアルになっています。「ロボ・サイコロン」を使うと、「ロボ・サイコロン」はプレイヤーの後を付いてきて、特定のオブジェクトや敵を攻撃してくれます。ここでは、建物に閉じ込められている「ルーシー」(前作の「ワイルドガール」)を助けるために、扉を塞いでいるスパボンを壊してもらいます。
これで「ルーシー」を助けることに成功し、「ルーシー」が同行することになります。とはいえ、前作のように「ルーシー」が「エメット」の後ろを追随するわけではなく、「キャラクタータブ」に「ルーシー」が登録されることになります。
操作するキャラクターを「ルーシー」に変えて「バットマン」に話しかけると、「スキャナー双眼鏡」を使えるようになりました。この「スキャナー双眼鏡」を使うと現在探索しているフィールド内にある、まだ「ビルダーページ」に登録されていないオブジェクトをスキャンできるようになります。
ここでは「バウンサー」というオブジェクトをスキャンすることでストーリーが進行していくことになるのですが、この「スキャナー双眼鏡」を使った探索が楽しくて、30分くらいスキャンをしながらの「ボロボロシティ」探索を繰り広げることに。
放置されている乗り物にも容易に乗ることができるため、自由度の高いゲームを楽しめる予感がしてきました。
さて、本題に戻って「バウンサー」を作ることになるのですが、この「バウンサー」を作ると高い場所に登ることができるようになります。
「ボロボロシティ」の「ストーリークエスト」をこなしていくと、「ビルダーページ」で作れるオブジェクトが増えていくのですが、このオブジェクトには大きく分けて、ゲームを進行するために必要なオブジェクトと、マップを装飾するオブジェクトがあることに気づいていきます。
例えば、放電しているマシンを見つけたら「発電機」を置くと、マシンを起動することができます。
煙の出ている土の山の周りに「サンパー」を置くと、土の山を壊すことができます。
火が燃えていたり花が枯れているところには、「スプリンクラー」を置くと、水を掛けることができます。
このように、「ビルダーページ」で作るオブジェクトの中には、周りの状況を記号的に把握しておくと効率よく攻略できる場合があります。
「ビルダーページ」では、配置するオブジェクトだけでなく、「乗り物」を作れるようになります。「ウルトラキャット」を作ると、フィールドマップを豪快に素早く移動することができ、バトルでもかなり威力を発揮します。
「ウルトラキャット」を使わなくてもバトルはでき、通常のキャラクターの場合は、殴って敵を倒すことになります。ツールを手に持っているときは、そのツールを使って殴っているのですが……。
「ストーリークエスト」を順調にこなしていくと、「ボロボロシティ」では最終的に強大な敵に遭遇することになります。この強大な敵は殴って倒すのではなく、「ビルダーページ」の各種オブジェクトで気絶させては、体の上をアスレチック的に移動した上で、弱点となる部分を攻撃することで攻略していくことになります。
「ストーリークエスト」で目的を達成すると「マスターピース」をもらうことができ、この「マスターピース」が目標数溜まると次の星に移動できるようになっています。
但し、「ストーリークエスト」だけでは「マスターピース」が集まり切らない可能性があるため、適度にサブクエストをこなしていくことになります。「ストーリークエスト」は全体マップでは「!」と表示されているのですが、サブクエストは灰色で「?」と表示されているため、見つけたら適度に挑戦しておきましょう。
「ボロボロシティ」では、撃つと壁やオブジェクトにステッカーを貼ることができる「ステッカー銃」なるモノをゲットすることができ、「はたしてこれは役に立つのだろうか?」と思ってしまうのですが、サブクエストの中には「ステッカー銃」が役に立つこともあるので、「もしや?」と思ったら積極的に行動をした方がよさそうです。
サブクエストはマップ上にたくさん用意されているのですが、1度に1つしか受けることができないので、現在のクエストが達成されるまでは無視してしまってもいいのですが、今受けているクエストが厳しいと感じたらさっさと乗り換えるのもアリのようです。
あと、「マスターピース」は、クエストをこなさなくてもマップ上に落ちていることもあるので、見つけたら忘れないうちに拾っておきましょう。
というわけで、「マスターピース」を目標数だけ集めることができたため、これを特殊な機械に規定数入れてポータルを起動します。ポータルに飛び込むとギャラクシーマップから新しいマップに進むことができるようになりました。
「ボクのズボンはどこ?」と銀河を駆け巡って6時間経過
「ボロボロシティ」を攻略したことで、このゲームにおける基本方針が確定しました。「ストーリークエスト」を攻略し、途中で見かけたオブジェクトを破壊してブロックを確保しつつ、サブクエストを攻略していき、できるだけ効率よく「マスターピース」を調達していくことにします。あまりに当たり前なことを書いているような気がしますけど、あまり欲張りすぎなくても、目の前にあるブロックに集中しているだけでも楽しいことが飛び込んできそうな感じなんですよ。
そんな基本方針を持ちながらも、マップによってだいぶ環境が変わり、新しいギミックが増えていくので、そのあたりをまとめて紹介していきます。
「ニセボロボロスター」は、緑の綺麗なマップで人はそれなりにいるのですが、建物がほとんどない未開拓の地。
「スーパービルダーページ」を使って大きな建物を建てていくことになります。但し、「スーパービルダーページ」で作るオブジェクトは大きいため、たくさんのブロックを使うことになるので、本格的にこの惑星を楽しむのはしばらくしてからになりそうです。
「アステロイドフィールド」は、宇宙服で行動した方がよさそうな、いかにも開拓中の宇宙基地といった様相。
「デンジャーフィスト」を使うことで、硬いブロックを破壊できるようになります。
「西部の町」は、西部劇をモチーフにした世界。
「カメラ」を使って撮影をできるようになります。
「シスタージャングル」は、ジャングルと呼ぶにはあまりに薄暗い、紫を基調としたお化けが出てきそうなビジュアルのマップ。
「ペンキ棒」を使うと、特定のオブジェクトに対して自由に色を塗れるようになります。
「ハーモニーシティ」は、ノー天気なほのぼのとした街並みで、アメコミのヒーローたちが普通に生活しています。
「ロボヒゲの頭」を使うと、特定のオブジェクトをコントロールできるようになります。
「分類エリア」は、働く乗り物や機械が自分たちの意思をもって生活している世界。
「溶接ツール」を使うことで、特定のオブジェクトの切断や修理をすることができます。
一つ一つの惑星では、「ストーリークエスト」をこなしつつ、「マスターピース」を目標数集めることで次の惑星に進めるようになるため、さっさと先に進むのもそのマップでしっかりとやり込むのも自由。但し、惑星内には特定のツールを使わないと達成できないクエストもあるため、むりやりすべてのクエストを達成するよりは挑戦できる惑星を増やすことを優先した方が攻略しやすいように感じました。
「すべてがもっとサイコー!」と心で叫んで10時間経過
「分類エリア」までで約6時間が経過したのですが、意外とサクサクと達成できるクエストがあるため、かなり順調にゲームを進めることができています。ここまでの進行があまりに順調すぎるため一本道のゲームに見えてしまうかもしれませんけど、実のところ、並行して攻略できるマップがいくつかあります。
先ほどまでに訪れた星の中で、「西部の町」以外は「シスター星雲」の惑星で、「西部の町」のみが「レックスプローラー星雲」の惑星になります。「レックスプローラー星雲」についてはメインのストーリーの進行には影響しないようですが、クエストを行えば「マスターピース」をゲットできますし、ブロックを収集することもできるため、こちらの惑星のクエストにも挑戦していきましょう。
「中つ国」は西洋の中世ファンタジーのような街になっていて、ファンタジー系RPGっぽいクエストに挑戦していきます。
「惑星ユニキャット」は、「ユニキャット」の生活する世界で、パーティに関するクエストを要求されます。
「クラシックブロックシティ」は前作で「エメット」が生活していた町で、「おしごと社長」に関わるクエストに挑戦していきます。
「西部の町」、「中つ国」、「惑星ユニキャット」、「クラシックブロックシティ」と聞いて勘のいい方ならば、前作に関係する惑星と気付くのではないかと思います。とはいえ、モチーフにしているだけで、マップ自体は新規のマップになっているので、懐かしさと新しさが共存する中でのエピソードを楽しむという感じでしょうか。
「惑星スパークル」は、ゲームのメインビジュアルにも使用されている「メイヘム将軍」に関係する星のようですが、あえて中身については触れないでおきましょう。
今回のプレイでは10時間のプレイが終了した時点で「マスターピース」の数は253個までしか行けず、「マスターピース」400個でアンロックできる最後の惑星については、残念ながら確認をできませんでした。
そして、まとまらないまとめ
ここ数年のレゴ系タイトルをそれなりにプレイしていたため、同行するキャラクターを切り替えながらギミックをクリアしていくアクションゲームのイメージでプレイを始めたのですが、今作に関してはむしろサンドボックス系の「LEGOワールド 目指せマスタービルダー」に近いつくりのゲームだと感じました。
まぁ、公式サイトに「ブロックビルドアドベンチャー」とあったので、薄々、前作とはそれなりに違ったプレイ体験になるんだろうなぁ、と思っていたのですが、予想以上に違う楽しさのあるゲームでした。
とはいえ、「LEGOワールド 目指せマスタービルダー」がサンドボックスのつくりがメインなので、クラフト系の遊びの比重が高く、クエストの難易度が高く感じたのですが、今作に関しては、少なくとも今回の10時間プレイした範囲では、クラフト系の要素をあまり意識しなくてもサクサクとクエストをこなしていくことができました。
サンドボックス系のゲームの場合は、一つ一つのツールを使いこなすと精密なオブジェクトを作ることができる代わりにクエストにどうしても時間がかかってしまうのですが、今作に関しては、いわゆるデザイン系のツールにあたる「ステッカー銃」も「ペンキ棒」も大雑把な操作しかできないようになっているため、サンドボックス系のテイストを味わいながらも、お使いを達成していくアクションアドベンチャー的なノリの方が重視されています。
フィールド内では、「マスターピース」を探したり、「スキャナー双眼鏡」でいろいろなオブジェクトをスキャンしたりするような楽しみがあるのですが、宝箱もたくさん配置されていて、開けるとブロック以外に2つの「遺物」を手に入れることができます。
この「遺物」は「ショップ」に行かないと開けることができないのですが、貴重なオブジェクトやキャラクターが入手できるので、クエストに夢中になりすぎずに、適度にチェックすると楽しみが増えます。
特にキャラクターは手に入れると同時に操作するキャラクターを変更できるようになるため、いろんなキャラクターに切り替えてプレイすると冒険がさらに楽しくなります。前作のようなキャラクターの特性とギミックを組み合わせて攻略するような要素が少ないゲームなので、気になるキャラクターをどんどん使ってあげましょう。
一部のクエストは特定のキャラクターの時にしか受けられないようになっているため、ショップでキャラクターを見つけた際には、積極的に購入しておきましょう。
そして、「遺物」は「アイテム遺物」「キャラクター遺物」「建設遺物」「スーパーアイテム遺物」「メガ遺物」の5種類あるため、キャラクターが増えるだけではありません。「アイテム」の中には装着すると画面の見え方が変わるアイテムもあるので、いろいろと付け替えて楽しみましょう。
「レゴ ムービー2 ザ・ゲーム」が、クエストを達成したりアイテムを集めたりと、ひたすらやることが満載の「すべてがもっとサイコー」なゲームということは十分にお伝え出来たのではないかと思いますが、その一方でサンドボックス系の楽しさがどのあたりにあるか不安に思う人がいるかもしれません。でも、ご安心ください。ブロックを積極的に取った上でゲームをある程度進めれば、「スーパービルダーページ」で巨大な建築物をたくさん建てることができますので。
まぁ、ほどほどに……。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
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