千葉・幕張メッセにて9月12日より開催の「東京ゲームショウ2019」。KONAMIブースで9月14日に行われた、「PCエンジンmini 3本勝負!高橋名人VS 吉本初プロゲーマー」のステージをレポートする。

1987年に発売された家庭用ゲーム機「PCエンジン」をミニサイズ化。「天外魔境II 卍MARU」や「ときめきメモリアル」といったSUPER CD-ROM2のタイトルなども含む58本を収録し、2020年3月19日に発売される。

今回のステージイベントでは、吉本初のプロゲーマーである裏切りマンキーコングと、高橋名人が登壇。当時の裏話や、「PCエンジンmini」に収録されているタイトルを使ったゲーム対決が行われた。

写真左から、司会の森一丁氏、裏切りマンキーコングの西澤祐太朗さんと関谷風次さん、高橋名人。

高橋名人と言えば、「16連射」があまりにも有名だが、還暦を迎えたということで現在は12連射ぐらいにまで減ってしまったという。「PCエンジン」に関する話題も沢山あるそうだが、前日に行われたリハーサルで話した内容はあまりにも濃すぎたため、今回は営業戦略についての思い出話を語ることにしたという。

「PCエンジン」を発売するときに、どうやって売ろうか。どうやって家に持ち帰ってセットしてもらえるだろうかということを考えたという。当時、全国の家庭に任天堂の「ファミコン」が普及していた。この「ファミコン」には、RF端子が付いている。そこで、「ファミコン」を取り外して代わりに「PCエンジン」を取り付ければ動くように設計したそうだ。

ちなみに「PCエンジン」が発売された1987年当時は、まだビデオ入力が搭載されたテレビの数は多くなかった。2年後に発売した「PCエンジンコアグラフィックス」の頃にはかなり普及してきたため、映像出力もビデオ端子に変更されている。

「PCエンジン」といえば、ゲームソフトが収録されたROMカートリッジの「HuCARD」も特徴のひとつだ。こちらは、元々MSX用のICカード型ROMカートリッジとして開発されたものである。当時はバブルの時代で、大人は財布の中にクレジットカードを10枚ほど入れていることがステータスとなっていた。それをイメージしてカード式のものが採用されている。

高橋名人が手に持っているのが、「PCエンジン」用のROMカートリッジである「HuCARD」だ。

「PCエンジン」は、初期に60万台、最終的に日本とアメリカ合わせて1000万台ほど販売されている。今回の「PCエンジンmini」には58タイトルが収録されるが、高橋名人はKONAMIに「とにかくメモリーを増やしていっぱい入れてくれ」と頼んだそうだ。しかしCD-ROMのソフトもいくつか収録されることになった。CD-ROMは640メガバイトほどの容量があるため、その1本だけでファミコンソフトで換算すると4000本ほど収録できてしまう。そこで、高橋名人は笑いながら、「天外魔境IIをやめとけば、PCエンジンのゲーム全部入ったよね」と語った。

収録されるソフトの数は少なくなってしまったが、CD-ROMタイトルが遊べること自体はデメリットだけではなくメリットもある。当時の環境では、CD-ROMの読み込みに時間が掛かっていたが、「PCエンジンmini」ではアクセスが速く快適に遊ぶことができるのだ。ちなみに高橋名人は、今回発売される3機種すべて購入したそうだ。

「PCエンジンmini」で高橋名人と裏切りマンキーコングが対決!

続いて今回のメイン企画である、「PCエンジンmini」の中から3本を選び、高橋名人と裏切りマンキーコングが対決するコーナーがスタート。3本勝負で、先に2本取った方が勝ちとなる。対戦前、高橋名人に勝ったら名人を名乗っていいかと聞く裏切りマンキーコングのふたり。それに対して高橋名人からは、「勝手に名乗ったらいいんだよ」「俺負けたら髪生やすわ」などというやりとりが続いた。

そんなこんなで裏切りマンキーコングが1本目に選んだタイトルは、「ボンバーマン'94」だ。それ受けて高橋名人は「ボンバーマンは無理! ふたりに同時に挟まれたら終わりだもん」と不満を漏らしていた。

初戦は「ボンバーマン」対決に。2対1と高橋名人はかなり不利な状況だ。

ちなみに「ボンバーマン'94」は94というタイトルが付けられているが、発売は1993年12月だ。これは数週間後に古いイメージになってしまうからだ。同様に前作の「ボンバーマン'93」も、1992年12月に発売されたものである。

ゲームがスタートすると、爆風をジャンプで交わすなど数々のテクニックを披露する高橋名人。そのたびに、会場内からは大きな歓声が沸き起こっていた。関谷さんが先に倒れてしまい、西澤さんと高橋名人との一騎打ちに。結局そのままタイムアップとなり引き分けで1本目の勝負は終了した。

以前「ボンバーマン」のゲーム大会をやったときも、参加者が上手くなりすぎてゲームが終わらないということがあった。そこで、時間が来たときに画面を小さくしていくことにしたという。これで強制的に終わらせることができるのではないかと考えたそうだ。ある意味、原題のバトロワ系ゲームの原点がここにあったのかもしれない。

2本目の勝負は、高橋名人が選んだ「NEW ADVENTURE ISLAND」で勝負が行われた。日本では「高橋名人の新冒険島」として発売されたものの海外版で、いわば自分の名前が付いた作品を選んだことになる。

最初は「高橋名人の大冒険島」というタイトルにすることも考えたそうだが、そちらはスーパーファミコン用に譲られている。本タイトルでの勝負は、1面クリア時のスコアで競われることとなった。

だてに自分の名前が付けられているわけじゃないと言わんばかりに、高橋名人がすいすいと点数を稼いでいく。一方、裏切りマンキーコング関谷さんのほうは、なかなか苦戦している様子だった。結果的に勝負は高橋名人の勝利に。

石谷さん自身はプロゲーマーではないため、慣れないゲームに四苦八苦しているようだった。

ラスト1本、裏切りマンキーコングの西澤さんが選んだのは、なんと高橋名人が最も得意とする「スーパースターソルジャー」だ。こちらは、2分モードのスコアアタックでの勝負となった。

ちなみに、この「スーパースターソルジャー」というタイトル。高橋名人によると、前年に発売されたゲームが大人の事情で別のタイトルになってしまったことが影響しているという。ゲームを作っていたのは川田名人(川田忠之氏)だったのだが、それを超えるという意味から「スーパースターソルジャー」と名付けられたそうだ。

この前年に発売されたタイトルは、「ガンヘッド」の顔をした「スーパースターソルジャー」だったと、意味深なことを高橋名人は語っていた。

高橋名人のプレイは、もはや現役か? と思わせるほど軽やかだった。一方、吉本初のプロゲーマーとなった西澤さんだったが、途中からダブルスコアを付けられるほど苦戦。最終的にはそのまま高橋名人の勝利で勝負が決した。

勝負が決まった瞬間、高橋名人からガッツポーズが飛び出す。

3本勝負で見事勝利した高橋名人には、今回「PCエンジンmini」として発売される歴代「PCエンジン」3機種のロゴをあしらったTシャツがプレゼントされた。

最後に今回の感想を聞かれた、出演者たち。裏切りマンキーコングのふたりは、「一番ゲームが見えやすいです、こういうゲームは。これを見て感動した方は、ぜひともPCエンジンminiをゲットして、スーパースターソルジャーの免許皆伝(46万点超え)を目指して頑張ってください」と語った。

高橋名人は、「PCエンジンが発売されて32年ほどたちます。昔のゲーム機を引っ張り出しても、いまAV端子が付いてるテレビがなかなかありません。「PCエンジンmini」ならHDMIで簡単に繋ぐことができるし、58本遊び放題で1万円って、昔ならゲーム2本しか買えない値段です。それを考えたら、ぜひ皆さんに遊んでもらいたいです」と締めくくった。

「PCエンジンmini」の発売まではもう少し掛かるが、まだ予約が済んでいない人はこの機会に購入を検討してみるのもいいのではないだろうか?

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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