2019年12月9日に、PS4用ソフト「電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001」のメディア対抗戦が開催されました。「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」のプレイ歴20年以上のライター・茶谷葉(プレイヤーネーム:チャバネ)も、参加しました。
今回のメディア対抗戦の概要は以下の通りです。
- ゲームメディア5媒体が参加(ファミ通、電撃オンライン、4Gamer、Gamer、GAME Watch)※筆者はGamer代表として参加
- 2ラウンド1試合先取(いわゆる1先)、各ラウンド90秒
- フォースのトーナメント戦→OMGのトーナメント戦→オラトリオ・タングラムのトーナメント戦の順で実施
- 代表者が1人だけの媒体は、フォースはくじ引きで決定した助っ人と組む
- 各トーナメントの1位3点、2位2点、1位1点で、合計得点が最も多い媒体の優勝
筆者は、マスターピース収録作品のうちの1つ、「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」を発売当時の1998年頃からやり込み続け、多くの大会にも出場・遠征してきた、いわゆるガチ勢です。そのためオラトリオ・タングラム部門は自信がありましたが、「電脳戦機バーチャロン(通称OMG)」、「電脳戦機バーチャロン フォース」はプレイ経験が浅く、技量に不安がありました。
どこまでガチでやっていいか分からないけど、参加する以上は本気で優勝を狙いたい!
そう考えた筆者はマスターピースでOMGとフォースの練習を積んだり、友人知人からコツを聞いたり、対戦動画を調べるなど、自分なりに準備しました。ゲームセンターでは土曜日晩などの、人が集まりやすい日時以外では対戦することが難しいですが、マスターピースではどの時間帯でも対戦できて、新作家庭用ゲームのありがたみを感じました。
それでは、当日のメディア対抗戦の模様をお届けします。初めにバーチャロンシリーズの生みの親である“Dr.ワタリ”ことプロデューサーの亙重郎氏よる開会の挨拶があり、続いて亙氏とバーチャロン好きのセガゲームス社員(現在、「龍が如く7」バトルパート企画チーフ)・折原純氏によるエキシビションマッチが行われました。
エキシビションマッチはオラトリオ・タングラムで行われ、亙氏(テムジン)と折原氏(テムジン)が1ラウンドずつ取り合う、一進一退の攻防に。最後は前ダッシュライフルの撃ち合いを制した、亙氏の勝利となりました。
場が盛り上がったところで、いよいよ第一種目である「電脳戦機バーチャロン フォース」のトーナメント戦が始まりました。フォースのプレイ経験が浅い筆者は、“短期間の練習で最大限の戦果を挙げる方法”を模索した結果、スペシネフ13「戦」を使用することを選択。賛否が分かれるかも知れませんが、強力な武装である斜め前ダッシュCWを多用して、敵リーダーを集中撃破する戦術で挑みました。
Gamer代表として参加したのは筆者1人だったため、くじ引きで助っ人を準備して頂きましたが、一回戦の相方・折原氏、準決勝も折原氏、決勝も折原氏……という縁に恵まれました。「戦」の斜め前ダッシュCW押し付け戦術と、折原氏(テムジン747A)の巧みな立ち回りにより勝ち進み、決勝では4Gamerチーム(アファームドTタイプB、景清「山」)と激突。ダブルアタックで追い詰められる場面もありましたが、折原氏の援護により窮地を脱出して、逆転勝ちすることができました。
自分が追い詰められても、味方が助けてくれることがある……という2on2ならではの楽しみを体感しつつ、「フォース」部門では1位となりました。
続いて「電脳戦機バーチャロン(OMG)」のトーナメント戦では、筆者はテムジンを使用。立ちライフルで相手を動かしたり、ボムで爆風を張りながら、各種ダッシュRWを狙っていく……というオーソドックスな戦術で挑みました。OMGでもできれば優勝したいと考えていましたが、GAME Watchの石田賀津男氏(ドルカス)のプレイを見た瞬間、「あ、これ無理なやつだ」と思わず呟きました。
相手をファランクスで動かして、反撃されづらい状況を作ってからの前ダッシュRW、正確な硬直キャンセル、敵の隙を突き刺すハンマー……長年の蓄積を感じさせる、OMGからしっかりプレイされている方だと思いました。ちなみに石田氏は、コアなバーチャロンファンにはお馴染みの、あの共有掲示板の管理人wisさんでもあります。
筆者がトーナメントで戦ったファミ通代表の方も、ベルグドルで特殊テクニック「漕ぎ」を使用した立ち回りと、的確な後出しダッシュCWを使いこなしていました。結局、筆者はファミ通代表の方に敗北して3位に。決勝戦はGAME Watch石田氏(ドルカス)と、ファミ通代表(ベルグドル)の試合となり、安定感のあるプレイを見せた石田氏が勝利しました。
皆さんが楽しい雰囲気でプレイする中、筆者は栄養ドリンクをガブ飲みしながら、血眼でポイントを計算。現在の総合得点が筆者のGamer4ポイント、石田氏のGAME Watchも4ポイントで、同点首位であることを確認しました。
オラトリオ・タングラム部門では、筆者は長年の愛機であるフェイ・イェン・ザ・ナイトを使用。“壁の大きなステージに弱い”、“グリスボック戦では厳しい展開になりやすい”、“サンクチュアリのスペシネフ戦は修行僧の気分になる”など弱点も多いキャラクターですが、軽快な機動性、食らい判定の小ささ、近接耐性のうさん臭い硬さ、エモーショナルモード(通称ハイパー化)の爆発力……など、魅力たっぷりの機体です。
筆者はくじでシード枠を引いたため、いきなり準決勝でGAME Watch石田氏との直接対決に。エアポートステージで開幕にメガスピンドリルを仕掛けられて被弾。一気に体力を半分削られて焦りましたが、最後は逆転勝利しました。
決勝戦ではアバンダンドクオーリィー(通称洞窟ステージ)にて、電撃オンライン(エンジェラン)と対決。青春の時間をバーチャロンに注ぎ込んでいた先輩プレイヤーが、全国大会決勝戦で洞窟ステージを引いたことが脳裏によぎりつつ、最後の試合に挑みました。
相手のエンジェランは前ダッシュRWを多用するプレイスタイルだったため、筆者は回避しつつ硬直を狙う戦術で対応。リードされてしまう場面もありつつも、最終的には勝利しました。その結果、筆者のGamerは、フォース部門1位、OMG部門3位、オラトリオ・タングラム部門1位で、総合優勝することができました。
その後は表彰式があり、亙氏から表彰状を授与して頂けました。長年バーチャロンをやり込んできた身として、シリーズ生みの親である亙氏から表彰して頂けるのは、感慨深いものがありました。また賞品として、タニタさんの「ドリームキャスト体組成計 BC-CU-DC01」も頂けました。
以上で、メディア対抗戦のレポートを終わります。ライターというより、単なるプレイヤー目線で参加してしまいましたが、個人的には良い経験になりました。大会を目指して練習する過程や、大会本番での緊張感など、“やはりバーチャロンは大会があると、より一層楽しい!”と再認識しましたし、多くのプレイヤーが参加できる、開かれた大会が欲しいとも感じました。
発売から約2週間で、すでに800戦を越える試合数のプレイヤーもいるほど盛んに対戦が行われており、タニタによる良質なツインスティックも制作された「電脳戦機バーチャロン マスターピース」。筆者もプレイヤーの一人として、より一層の盛り上がりと、今後の展開に期待したいと思います。