カプコンは、東京・品川インターシティホールにて「ロックマンライブ 2020」を、2020年1月4から5日の2日間にかけて開催した。ここでは、4日に行われた公演の模様をレポートしていく。

目次
  1. 「ロックマン2」のステージクリアまでの流れが完全再現
  2. 「ロックマン エグゼ」のパートではTVアニメ版のキャスト陣もステージに
  3. カプコンサウンドチーム「カプチューン」に豪華ゲスト陣が登場
  4. 「ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション」サウンドトラックの発売も決定
  5. 1月4日 東京公演セットリスト

カプコンを代表する人気アクションゲーム、「ロックマン」シリーズの名曲たちが、バンドサウンドによるアレンジで蘇る「ロックマンライブ 2020」。今回は数あるシリーズ作品の中でも「ロックマン2」、「ロックマン エグゼ」、「ロックマン ゼロ&ゼクス」の3つのシリーズをフューチャーする形で行われた。

年明け間もない時期に行われたこともあり、ロックマンとメットールが乗った鏡餅の展示も。
イラストレーター陣からの色紙、発売予定のグッズにパッケージなど、会場内には様々な展示が用意されていた。

「ロックマン2」のステージクリアまでの流れが完全再現

この日の口火を切ったのはシリーズ屈指の人気を誇る「ロックマン2」から「OPENING」~「TITLE」へと繋ぐメドレー。ステージのスクリーンに映し出されるゲームのオープニングシーンに合わせて、ベースやキーボード、サックスやトランペットなどの楽器が次々に合流。重厚感のある低音から、次第に軽やかなメロディへと変わっていく、オープニングにピッタリな爽やかなアレンジで、ライブの幕開けを華々しく飾る。

続いて演奏されたのが、「ロックマン2」における、ステージセレクトからステージクリアまでの一連の流れを完全に再現した「STAGE SELECT」-「GAME START」-「AIRMAN STAGE」-「BOSS」-「STAGE CLEAR」のメドレー。

ステージ上のスクリーンでも、ステージセレクトからエアーマンステージをクリアするまでの一連の流れが楽曲の変化に合わせて映し出されており、ゲームプレイを疑似体験できる構成に。また特に「BOSS」のアレンジは、ギターの音色が全面に出たライブにぴったりのメタルアレンジで、大いに開場を盛り上げつつ無事エアーマンを倒すことに成功する。

その後も、「GET A WEAPON」「BUBBLEMAN STAGE」「CRASHMAN STAGE」「HEATMAN STAGE」と、次々と「ロックマン2」のボスを撃破していき、最後は「GAME OVER」で締めくくり。楽曲の合間には、金管楽器を担当するメンバーが、サイリウムを降ったりステージを駆け巡るというパワフルなパフォーマンスを披露し、ノリノリで演奏していた姿が印象的だった。

「ロックマン エグゼ」のパートではTVアニメ版のキャスト陣もステージに

その後には、TVアニメ版などで主人公・光熱斗の声を担当した比嘉久美子さん、ロックマンの声を担当した木村亜希子さんによるナレーションという、ファンにとってはたまらないサービスも行われ、「プラグイン!」のおなじみの掛け声と共に「ロックマン エグゼ」のパートへと突入。

メニュー画面のBGMとしてもお馴染みの「THEME OF ROCKMAN EXE」、そして名物ライバル・ファイアマンのテーマでもある「FIRE FIELD」の流れでは、客席のサイリウムもロックマンの青からファイアマンの赤へと一斉に変化。一体となってステージを作り上げていく。

さらに「オペレーション!」を皮切りとした「ネットバトル」-「VS.ドリームウイルス」-「WINNER!」のメドレーでは、メンバー全員がヘッドバンキングする激しいパフォーマンスも入り混じりながら、ライバル達との激闘を再現し会場の熱気を高めていく。

その後のMCパートでは、光熱斗役・比嘉久美子さん、ロックマン役・木村亜希子さんの2人のキャスト陣がステージへと上がる。二人が熱斗とロックマンを演じたのは、TV放送が終了して以降約13年ぶりだったそうで、アフレコ中では木村さんが比嘉さんに「ロックマン(の声)じゃなかったら言ってね」とお願いしていた、という裏話が飛び出す一幕も。

TVアニメの収録を行っていた当時は、キャスト陣の多くがゲームをプレイしたそうで、収録時にはどこまで進んだかの情報共有をしたり、ゲームの難易度の高さに苦労していたという思い出も振り返りつつ、トークの最後にはバトルチップ使用時の熱斗とロックのおなじみの掛け合いも披露され、客席を大いに喜ばせていた。

カプコンサウンドチーム「カプチューン」に豪華ゲスト陣が登場

その後には、カプコンサウンドチームによるバンド「カプチューン」が登壇し、「ロックマンエグゼ」から「Running Through The Cyber World」、「ロックマンゼロ4」から「Esperanto」、「ロックマン2」から「Dr. WILY STAGE 1」と、それぞれのシリーズを代表する曲を、本格的なメタルアレンジで演奏。どの楽曲も非常に人気が高いこともあり、客席の誰もがリズムに合わせて身体を揺らし、力の限りサイリウムを振る光景が繰り広げられる。

今回、カプチューンのメンバーは、実際に歴代「ロックマン」の開発に関わった面々で構成されているという。今回のステージが初ライブとなったカプチューンだが、今後も活動を継続する予定であることも明かされた。

続いて、「ROCKMAN 20XX~戦え!TEAM SHACHI~」で「ロックマン」とのコラボレーションを行った、秋本帆華さん、咲良菜緒さん、大黒柚姫さん、坂本遥奈さんによるユニット「TEAM SHACHI」が登場し、「Rocket Queen feat.MCU」を熱唱。

コラボのために制作されたゲーム映像で作られたMVをバックに、メンバー4人による息のあったダンスパフォーマンス、途中からは「Rocket Queen feat.MCU」の楽曲にも参加した、KICK THE CAN CREWのMCU氏も加わってラップを披露するという豪華な内容で、会場のボルテージも急上昇。

その後、現在の「ロックマン」シリーズを手掛ける土屋和弘プロデューサーも交えて行われたトークでは、大の「ロックマン」シリーズファンとして知られるMUC氏が自身のドット絵が作られていないことを残念がる一幕も。これに対し、次回以降ボスキャラクターとしての登場が検討されるかもしれないという気になる発言も飛び出した。

また、一度は発売延期となったPS4/Nintendo Switch/Xbox one/PCでリリース予定の「ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション」だが、2020年2月27日に確実に発売される見込みであることが、土屋氏の口から改めて強調され、多くのファンが胸を撫で下ろしていた様子だった。

「ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション」サウンドトラックの発売も決定

MCコーナーの後は、そんな「ダブルヒーローコレクション」から追加された新曲となる「Re-Boot!」と共に、再びバンドメンバーが登壇。ギターにバイオリンの音色が入り交じる、カッコよさの中にどこか悲壮感が漂う「ゼロ」シリーズらしいメロディ合わせて、ゼットセイバーの緑、ゼロの赤をイメージした2色のサイリウムが、鮮やかにステージを照らし上げる。

シリーズ屈指の人気曲「Departure」でその熱気がさらに高まった後には、「Cannon Ball」-「Theme of ZERO」、「Through the Lightning」-「Rockin' On」、「Trap Factory」-「Trap Phantasm」の3つのメドレーを立て続けに演奏。スクリーンには、オメガを筆頭とした歴代ボスとのバトル、ヴァンとエールの変身といったシーンの数々も映し出され、ゲームプレイ時の思い出を蘇らせてくれた。

さらに「ロックマン ゼロ」シリーズの新情報として、「ダブルヒーローコレクション」用にリマスターした、全208曲のゲーム音源を収録した「ロックマンゼロ&ゼクス サウンドBOX」の発売が決定したことが発表されると、客席から大きな歓声が上がる。発売は2020年3月25日を予定しており価格は8800円(+税)、中山徹氏と矢部誠氏による描き下ろしイラストも収録されるという。

一方、ライブのクライマックスでは、「PASS WORD」で「ロックマン2」の世界へと戻ると、いよいよDr.ワイリーとの決戦へ。ギターとベース、ドラムがメインとなっていたカプチューンとは異なる、壮大なアレンジが加えられた、シリーズを代表する人気曲「Dr.WILY STAGE 1」をバックに、ついにワイリーを撃破し、「ALL STAGE CLEAR」と共に見事な大団円を飾る。

終演後、鳴り止まないアンコールに応える形で、ロックマンとブルース、バンドメンバーが再登壇し、再びカプチューンとは異なるアレンジの「Running Through The Cyber World」が奏でられると、会場のボルテージは最高潮に。最後はしっとりとした「ENDING」から、フィナーレを飾るに相応しい、激しいバンドアレンジが加わった「STAFF ROLL」のメドレーと共に、本日の登壇者が勢揃いする形で、大盛り上がりのライブは締め括られた。

「ロックマン2」、「ロックマン エグゼ」、「ロックマン ゼロ&ゼクス」の3シリーズをフューチャーして行われた「ロックマンライブ 2020」。タイトル数を絞った分、これまでのライブではなかなか演奏がされなかった、演奏時間が短めの楽曲がいくつもチョイスされており、ゲームプレイ時の一連の流れをそのまま体験できるような構成になっていたのが印象的だった。それ故に、自然とプレイ当時の思い出が蘇る内容となっており、それぞれのシリーズファンにとっては最高の思い出となったはずだ。同時に、今回は演奏されなかった「X」や「DASH」といったシリーズに焦点を当てた、次回以降のライブの開催にも期待したい。

1月4日 東京公演セットリスト

M01「OPENING」-「TITLE」
M02「STAGE SELECT」-「GAME START」-「AIRMAN STAGE」-「BOSS」-「STAGE CLEAR」
M03「GET A WEAPON」-「BUBBLEMAN STAGE」-「CRASHMAN STAGE」-「HEATMAN STAGE」-「GAME OVER」
M04「THEME OF ROCKMAN EXE」
M05「FIRE FIELD」
M06「オペレーション!」-「ネットバトル」-「VS.ドリームウイルス」-「WINNER!」
M07「Running Through The Cyber World」
M08「Esperanto」
M09「Dr. WILY STAGE 1」
M10「Rocket Queen feat.MCU」
M11「Re-Boot!」
M12「Departure」
M13「Cannon Ball」-「Theme of ZERO」
M14「Through the Lightning」-「Rockin' On」
M15「Trap Factory」-「Trap Phantasm」
M16「PASS WORD」-「Dr.WILY MAP」
M17「Dr.WILY STAGE 1」-「ALL STAGE CLEAR」
EC01「Running Through The Cyber World」
EC02「ENDING」-「STAFF ROLL」

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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