2020年1月16日、人気歴史シミュレーションのシリーズ最新作「三國志14」がついに発売。コーエーテクモゲームスは本作の完成を記念して、同日に「三國志14」完成発表会を開催した。シンガーソングライターの岡本真夜さんやお笑いコンビ・スピードワゴンといった豪華ゲスト陣も参加したイベントの模様をレポートしよう。
まず、コーエーテクモゲームス代表取締役社長の鯉沼久史氏が挨拶を行った。鯉沼氏は上野や九州の国立博物館で昨年開催された「特別展 三国志」が好評を博したことや、大泉洋さん主演の三国志の映画が今年公開予定となっていることなどを紹介。日本でまた三国志が人気になっていることを喜ぶと同時に、その普及に一役買ってきた「三國志」シリーズは、常に三国志ゲームのトップを走り続けなければいけないと豊富を語った。
そしてシリーズ35周年記念作品となる本作は、長年の開発ノウハウの蓄積とAIなどの最新技術が融合した作品であるとコメント。「多くの人に楽しんでもらえるものになったと確信しています」と出来栄えに自信を見せた。
続いてゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウ氏が登壇。自身が手がけた1985年発売の初代「三國志」について触れ、武将たちが織りなすストーリーを人間ドラマとして国取りゲームの中に取り入れた、初めての歴史シミュレーションであることを改めて紹介した。
最新作となる「三國志14」ではAIが強化されていることを強調。武将たちが個性的な戦略や戦術を駆使して活躍する、エキサイティングな三国志世界を再現しており、「以前から遊んでくださっている方はもちろん、最近『三国志』に興味を持った方でも十分楽しめるゲームになっています」と語った。
「三國志14」のエンディングテーマ「旅人よ」を歌う、シンガーソングライターの岡本真夜さんも登場。本作のために書き下ろされた「旅人よ」だが、岡本さんによるとメロディー自体は15年前に作ったものだったという。だが、自分の普段作っているザ・ポップスと雰囲気が違うものだったため、「このメロディーにピタッとハマる環境作りができたときに出したい」と思い、「気づいたら15年たっていました」と笑った。
長年温めていた曲だけに今回のオファーは「すごくうれしかった」とのことで、話を受けたときに「これだ!」となったという。歌詞については「三國志」が男の世界、戦いの世界であることを意識したそうで、「自分の向かうべき場所に、ただ真っすぐに向かっていく気持ちを表現できたらと思って書かせていただきました」と語った。
この「旅人よ」についてシブサワ氏は、メロディーがすごくキレイで「三國志」の世界観にピッタリ合っていると絶賛。「三国志は男の世界だが、女性たちも活躍している。そうした女性の優しさが表現されていて、すごくウットリしました」と印象を述べた。
今年の5月でデビュー25周年を迎えるという岡本さん。「自分が作りためていた曲を、25周年の第1弾として出すことができました。まだまだこの先も30周年に向けて頑張っていきたいと思います」と抱負を述べた。
また、岡本真夜さんが歌うエンディングテーマ「旅人よ」が流れるローンチトレーラーも公開された。
本作のプロデューサーを務める越後谷和弘氏とスピードワゴンの井戸田潤さん、小沢一敬さんによるトークセッションも行われた。
三国志が大好きだというスピードワゴンのおふたり。井戸田さんが三国志と出会ったのは15、6年前で、ロケ先に貼られていた日本と中国の年表を見たのがきっかけだったという。日本がまだ弥生時代だったときに三国志の戦いが行われていたことにロマンを感じた井戸田さんは、その足で横山光輝さんのマンガ「三国志」を全巻大人買い。一気に読んでしまい、そこからハマってしまったそうだ。
小沢さんが「三国志」を好きになったのは小学生の頃で、友だちの間で「三国志」のマンガが流行っていたのだが、へそ曲がりなため最初は「水滸伝」を読んでいたそうだ。しかし、回りの友だちとまったく話が合わず、慌てて「三国志」を読み始めたところ、現在の少年マンガのベースになっている部分が多いことに気づき、すっかり好きになってしまったと振り返った。ちなみに、プロデューサーの越後谷氏も三国志が好きになったきっかけは、横山光輝さんのマンガだったそうで、父親が買っていた大判サイズのものをこっそり読んでいたとのことだ。
ゲームの「三國志」は小学生のときから「信長の野望」ともどもプレイしていたという小沢さん。ものすごくやれることが多いところに魅力を感じているそうで、「統一できたことはほぼないですけど、子供の頃から身近に感じていました」と語った。そうした要素は今作も同様で、越後谷氏は「クリアまで相当時間のかかるものになっていますので、たっぷり遊んでいただけると思います」と述べた。
ここで越後谷氏が「三國志14」の見どころを紹介。特に強調されたのが勢力の「色塗り」の部分で、視覚的に分かりやすいゲームシステムになっているという。チュートリアルも充実していて、クリアすると隠し武将的なものをゲットできるとのことだ。この越後谷氏の話を聞いていた小沢さんは、「“チュートリアル”といえば小沢さんって言われて、ドキドキしました」と反応。親友で活動自粛中のチュートリアル徳井さんに引っかけて会場を笑わせた。
武将たちの個性も要注目であると越後谷氏は語る。本作には1000人以上の武将が登場するが、個々の能力や必殺技、施政の組織図など、さまざまな形で武将たちの個性が出るように作っているとコメント。また、シブサワ氏らも語っていたが、AIにもかなり力を入れていて、それぞれの武将らしい動きを見せてくれるとのことだ。
ちなみに、井戸田さんが好きな武将は関羽で、水墨画の先生に頼んで関羽の絵を描いてもらったこともあるとか。小沢さんは周瑜のファンで、文武両道かつ眉目秀麗というパーフェクトなところやゲーム内での強さに憧れると語った。
気になるゲーム中での両者の能力だが、越後谷氏いわく、関羽と周瑜のどちらも全武将の中でトップ5に入るとのこと。もちろん能力が下位の武将でも、活かし方次第で活躍させることは可能。「劉禅(蜀滅亡の原因となった暗君とされている)でも統一できるんですか?」という井戸田さんの質問にも「君主なので部下次第で活躍の場はあります」と回答していた。
「三國志14」にちなんだ井戸田さん、小沢さんへの一問一答も行われた。「自分は軍師タイプ?猛将タイプ?」という質問に、小沢さんは「体力ないし、モノを考えると疲れちゃうんで、ただの兵士です。黄巾党のひとりです」と答えた。
井戸田さんは「小さい張飛ですね。僕も毎晩お酒飲んで、その日にしゃべったことをひとつも覚えていないから」と回答。張飛に自身をなぞられたコメントに、小沢さんは「止める権利は僕にはないので」あきれていた。ただ、自分から物事を切り開いていく猛将タイプではあるようで、「ハンバーグ(師匠)で、もう一山当てようとしている」と井戸田さんの密かな野望を明かした。
「2020年、覇権を取るには?」という質問には「お笑い界で覇権を取るなんてムリ!」と両者とも即答。「よくオレらに聞いたね」、「オレらは歩兵なんだから」と自虐的なコメントを連発し、「生き延びるために人間ドックに行ってみようっていうのが目標です」(小沢さんは)と控えめに答えた。
最後に井戸田さんは「ゲームはあまりやったことがないんですけど、これを機にちょっとプレイしてみたいと思いますので、みなさんもぜひ楽しんでください」とメッセージ。小沢さんは「昭和からあって、令和になっても『三國志』が続いていることが、すごいうれしいです。三国志の時代からすると、ずっと短いかもしれないけれど、このゲームと一緒に僕も成長して死んでいきたいと思っています」と熱く語った。
本作発売を記念したコラボ情報もふたつ公開された。ひとつは焼酎「薩州 赤兎馬」の蔵元として知られる薩州濱田屋伝兵衛とのコラボで、本格芋焼酎「薩州 三國志」が2020年4月に発売される予定だ。もうひとつは近畿日本ツーリストとコラボした「三國志14」中国古戦場ツアー。越後谷氏が推薦する三国志のスポットをめぐるというもので、2020年6月に実施予定となっている。どちらも詳細は公式サイトにて随時公開するとのことだ。