カプコンは2020年2月11日に、「戦国BASARA」のファンイベント「戦国BASARA バサラ祭2020~立春の宴~」を、東京・中野サンプラザにて開催した。本稿では、その昼の部の模様をお届けしよう。
目次
まずは幸村と天狗仮面による影ナレからスタート。天狗仮面とは言わずもがな、片倉小十郎が扮した仮(?)の姿。「録音撮影は控えよ」と幸村が述べれば「そんなに撮影がしたければ青葉山公園(仙台市)に行きやがれ」と天狗仮面。「飲食は禁止」という幸村には「宮城でずんだを食え」と、更に重ねる天狗仮面。天狗仮面は始終こんな調子で、最後には「仙台市博物館は3月まで休館だぜ。春になった頃に待ってるぜ」と言いたいことだけを言って去って行き、会場に集まったファンを笑わせた。
声優陣による「戦国ドラマ絵巻」からスタート!
ステージは、「戦国BASARA」出演の声優陣による「戦国ドラマ絵巻」(前編)からスタート。真田幸村役の保志総一朗さん、前田慶次役の森田成一さん、片倉小十郎役の森川智之さん、豊臣秀吉役の置鮎龍太郎さん、後藤又兵衛役の三木眞一郎さん、武田信玄役の玄田哲章さん、長宗我部元親役の石野竜三さん、毛利元就役の中原茂さん、前田利家役の坪井智浩さんによる朗読劇が上演された。
先陣を切るのは、長宗我部元親と毛利元就。豊臣の脅威に備えて瀬戸内を中心に中国四国の大同盟を結ぶという元就からの呼び掛けに、疑いつつも最終的には受け入れる元親。しかし、これまでにも元就には散々煮え湯を飲まされてきたからこそ、同盟は結びつつも元就の背中はしっかり見張っているという、元親だった。
2本目の朗読劇は、前田慶次、豊臣秀吉、前田利家、武田信玄の4人が登場。まだ幼いころの慶次、秀吉は信玄に勝負を挑むが、利家が3人の間に入り、信玄は慶次と秀吉の無礼を許す。そして場を上手くとりなした利家に向かって、「おまえとは小僧たちのいない戦場で相まみえたい」と告げる信玄だった。
次は、毛利元就と後藤又兵衛。元就に捕らえられた又兵衛は、閻魔帳の中を元就に見られてしまう。元就は又兵衛の存在自体には興味ないが、閻魔帳の中の、特に徳川、上杉、伊達の情報は素晴らしい、と絶賛。そしてこれだけの情報を得ながらもまだ復讐が出来ていない又兵衛を蔑み、自分ならばこの情報をもっと活かせると言う。しかし、そもそも又兵衛は竹中半兵衛の命令で元就の懐に潜り込みにきたのだった。
4本目は、前田慶次、真田幸村、武田信玄。慶次は旅路の途中で甲斐に立ち寄る。慶次を見て信玄は「あの時の小僧か」と笑った。前田の風来坊と言えば今や信玄の耳にも届くほどの存在になっていた。慶次の旅路の景気づけに稽古をつけてやろうという信玄と幸村を相手に戦う慶次。しかし戦い終わった幸村は、慶次のことを「まるで雲にでも打ち込んでいるようだ」と評す。それが流れる雲のような慶次の表れなのだという信玄。その言葉に、慶次は「さすがは甲斐の虎」と呟いた。
そして前半最後のドラマ絵巻は、豊臣秀吉と片倉小十郎。秀吉の側には必ず半兵衛がいるはずだ、という小十郎。半兵衛がいないことには理由がある、とあらゆる推測を立てる小十郎を秀吉は論破しようとするが、結局は小十郎の読みに負けてしまう。そして小十郎のことを「半兵衛がお前を推したのもわかる」と改めて見直すものの、だからこそ小十郎は今すぐに排除すべき敵だとも認識するのだった。
豪華声優陣によるトークコーナー!
ステージには先程ドラマ絵巻を演じた声優陣と、カプコンの小林裕幸プロデューサーが登壇。MCは毎度お馴染み、前田慶次役の森田成一さんだ。
ドラマ絵巻の感想について問われると、石野さんは「最近実は元親と元就は仲がいいような気がしてきた」と語り、楽屋でスイーツを交換したりしているのでは、など瀬戸内の2人の話に花が咲いた。
置鮎さんは秀吉の若いころを久しぶりに演じたが、2007年に発売された「戦国BASARA2 英雄外伝(HEROES)」でのことを10年以上経った今でも、すぐに思い出したという。しかし、慶次や秀吉にも小さいころがあったのに、信玄はいつの時代でも変わらない、と少しだけ残念そうな玄田さん。
三木さんは、又兵衛がいつも不自由な立場にばかりなるので、又兵衛は本当に大変だなぁと心の中で思いながら演じているという。そして中原さんも、なかなかない絡みなので、毛利も内心どうしようかと思っていたのだと、その胸の中を明かした。
森田さんは、保志さん(幸村)と玄田さん(信玄)という2人と組むことが珍しい上に、甲斐の2人が組むと怖い、と笑いながら感想を語った。保志さんも、玄田さんとこうして生で演じる機会はめったにないので緊張したという。
森川さんは、置鮎さんが良い声で演じてくるので自分も良い声で応じようと頑張ったそうで、その結果2人とも相当いっぱいいっぱいだったそうだ。ちなみに、置鮎さんはうっかり台本を噛んでしまって焦ったものの、森川さんも噛んでくれたので安心したと笑った。また森川さんは天狗仮面に話が及ぶと「それは僕の知らない人なので」と交わしつつ、「皆さん、宮城に足を運んでね」と、さらり。
そしてステージでは、今年はオリンピックイヤーということで、演じている武将がオリンピックに出るならば何の競技に出るか、という話題になったが、中原さんは「毛利は回転系が得意なので、円盤投げかハンマー投げ」、玄田さんは「信玄はきっとひとりで出る競技のほうが合うから重量上げ」、と次々と述べていく中、置鮎さんは「国立競技場のトラック(車)になりたい」、森川さんは「キャベツの千切り」、坪井さんは「あまり服を着ない競技で水泳」、三木さんは「どこかのチームのマネージャーになって相手チームの弱点を探っていそう」……などのキャラクタートークを繰り広げた。
斬劇「戦国BASARA」スペシャルコーナー
入れ替わって、ステージには斬劇「戦国BASARA」出演の俳優陣、石田三成役の沖野晃司さん、徳川家康役の永田聖一朗さん、片倉小十郎役の井上正大さん、山中鹿之助役の橘龍丸さん、そして次の公演で卒業となる黒田官兵衛役の伊藤裕一さんが登場した。
沖野さんは今回、斬劇「戦国BASARA」シリーズでは初の座長となるが、「豊臣滅亡」というタイトルが気に入らない、既に結末が解っているじゃないか、と小林氏に詰め寄り、「豊臣滅亡と言いながら、最後にステージのどまんなかでガッツポーズきめますから」と宣言した沖野さん。実際のところ、次回公演「豊臣滅亡」のストーリーはその時まで不明だが、これまでもタイトルから想定していたストーリー通りに進まないのが、斬劇「戦国BASARA」。その内容には期待をしたい。
そして次回から伊達政宗役と真田幸村役が変わることについて、長い間片倉小十郎役を演じている井上さんは「最初のうちは政宗様が去っていくたびに失恋のような気持ちになっていたのですが、慣れました」と会場のファンを笑わせた。なお、新しい政宗も相当気合いが入っているとのことなので、楽しみにしていてほしい。
永田さんは、家康は腹筋を見せなければならないので、筋トレを日々頑張っているというが、伊藤さんも今筋肉増量を目指して頑張っているそうで、これまでベルトがないと落ちてしまっていたパンツがベルトなしではけるくらいにまで筋肉が盛れてきているのだという。その反面、筋肉痛でパフォーマンスが落ちているので気を付けます、と笑った。
そしてステージ上では、用意したテーマで俳優陣に即興劇をやってもらうことに。テーマは「戦国BASARAの武将が現代に転生したら」。
制限時間は4分、全員にかつて斬劇「戦国BASARA」の舞台上で言ったセリフを劇内のどこかに入れること、また舞台上に突如なる効果音や音楽なども活かすこと、という大変な難易度のこの即興劇だが、実は「戦国BASARA」公式ファンクラブの会員のみが参加できるファンミーティングでいつも行われている、人気の催し物のひとつ。今回はそれを「バサラ祭」という大舞台に移して行うこととなった。
突然の即興劇はそのドタバタぶりが魅力なのだが、俳優陣が次々と起こるハプニングに右往左往しながらも演じ切る姿は、笑いと感動(?)に溢れている。途中には斬劇「戦国BASARA」のテーマ曲としても使われている「戦国BASARA3」のオープニング曲・T.M.Revolutionの「Naked arms」を俳優全員で熱唱する姿もあり、会場のファンは大いに盛り上がった。
東軍と西軍に分かれての対抗戦では、「バトパ」対戦も
ステージには再び声優陣が戻り、俳優陣とあわさって東軍・西軍に分かれてのミニゲームが開催された。西軍は、石野さん、玄田さん、井上さん、永田さん、沖野さん、森川さん、保志さん。東軍は中原さん、坪井さん、伊藤さん、橘さん、三木さん、置鮎さん、小林氏。
「毛利元就の輪刀による輪くぐり競争」は、各軍7名が横に並び、輪刀(フラフープ)を右から左へと身体をくぐらせて送っていき、早く右端から左端まで送り届けたチームが勝利というものだったが、こちらは西軍の圧勝。
「黒田官兵衛の鉄球競争」は、会場に集まったファンも参加して、会場の一番後ろから鉄球(バルーン)を送り、各軍早くステージまで運んだほうが勝利。こちらも結果は西軍の勝ちで、またもや西軍の勝利となった。
続けて行われた「戦国BASARA バトルパーティ」(以下、「バトパ」)対戦では、東軍西軍に分かれて「バトパ」で2回対戦をし、その勝敗を競う。使用可能キャラクターは、現在ゲーム内に実装されているキャラクターで、一戦目で選んだキャラクターは二戦目では使えないという縛りがある。東軍は、事前に強いと言われている編成をしっかり調べてきたそうで、その万全の準備が功を奏し、二戦とも東軍の勝利となった。
試合を見ていたメンバーたちも「自分のキャラが敵側にいると応援したくなっちゃう」「自分のキャラが出てくると声をあてなきゃいけない使命感がある」と東軍西軍勝敗問わず楽しめた様子だった。
「バトパ」新キャラクター情報も!
「戦国BASARA」シリーズの最新情報は、まず「バトパ」から。なんと「バトパ」に、「戦国BASARA」シリーズからも初となる新キャラクターが登場!
その一体目は「加藤清正」。まだどこの勢力にも属していないものの、九州の武将なので黒田官兵衛との絡みなどはある可能性が高いとのことだ。会場ではCVを務める江口拓也さんのビデオメッセージが流れ、「加藤清正は天才肌で、まだどこの勢力にも属していない自由な部分を楽しく演じました」とコメント。
二体目は「小松姫」。まかさの”あの”本多忠勝の娘だ。己の力を他者に認められたいと望んでいて、姫扱いは好まず、戦場で日々鍛錬をしているという。小林氏が「あの忠勝にいつのまにお嫁さんがいたのかとか、そういう妄想は皆さんで楽しんでください」と述べると会場のファンからは笑い声が上がった。なお、忠勝はもちろんのこと、家康との絡みなどもあるということだ。
そしてCVを務める茜屋日海夏さんは、ビデオメッセージで「小松姫は明るくて快活で戦が大好きで、今で言うところの部活少女みたいな感じ」と小松姫について述べ、強くなりたいと一生懸命でありつつ本物の戦場や世の中を知らないな彼女を、ユーザーの皆さんの手で育ててあげていっていほしい、と述べた。
なお、実装日は後日発表されるとのことだが、そう遠くはないようなので楽しみに待っていよう。また、斬劇「戦国BASARA」から新キャストとなる伊達政宗役の武子直輝さんと、真田幸村役の前田隆太朗さんの「新しい蒼紅に期待していてください」というビデオメッセージも流れた。
そして今年は、初代の「戦国BASARA」から15周年。15周年を盛り上げていくための記念ロゴと、記念イラストが公開された。
イラストは初代「戦国BASARA」から「戦国BASARA3」までキャラクターデザインを担当していた土林誠氏によるもの。15周年記念企画は、2020年7月頃を目処に色々発表していくとのことなので、続報を待っていてほしい。
声優陣による「戦国ドラマ絵巻」後編を紹介!
ドラマ絵巻後編、1本目は真田幸村と火男仮面。火男仮面とは、かつて幸村と熱い戦いを繰り広げた謎の漢。幸村と対峙した火男仮面は、幸村に強くなることの意味を問う。そして幸村と刃を交えた火男仮面は幸村にその仮面を割られてしまうが、その下から現れた顔に幸村は「お館様!?」と驚愕する。もっと精進する、と信玄を前に項垂れる幸村に、信玄は「よくぞ言った、幸村!」と、その姿を喜ばしく思うのだった。
2本目は、長宗我部元親と、片倉小十郎、前田慶次、前田利家。以前足利義輝の主催で行われた料理対決「御前食試合」について、まつの料理に負けた小十郎と元親は「俺の奥州の野菜が」「瀬戸内の海の幸が」と、納得がいっていない様子。素材には自信があるからこそ、まつの料理にあやかり、将軍を唸らせる糸口がほしい、と利家と慶次に迫る小十郎と元親。将軍の好物は知らないものの、まつが作ってくれたものは美味しいという利家にならい、慶次も「誰が作ってくれたかは大事」と語る。その言葉に小十郎も元親も目から鱗が落ちたようだ。
次は、豊臣秀吉と前田慶次。豊臣軍の京への進軍。その前に、慶次が立ち塞がった。秀吉は、慶次に「足利の民として義輝を守りたいのか」と問う。慶次はそんな秀吉に「やり合うつもりはない、酒をもってきたんだ」と酒瓶を差し出した。そして慶次は、義輝にとっては秀吉も朋だといい、義輝の朋ならば自分も一度は酒を酌み交わしておかなければ、と秀吉に告げた。そんな慶次に「興が削がれた」と、秀吉は進軍の足を止める。振り返りもしないで去って行く秀吉の背中に、慶次は「また話そうぜ」と声をかけるのだった。
4本目は、真田幸村、前田利家、後藤又兵衛。西軍に向かう途中の又兵衛は、加賀にいた。利家を西軍に引き抜こうとする又兵衛は、執拗にまつの居場所を尋ねてくる。その様子に不信感を抱く利家。そして幸村が、又兵衛は西軍に人を集めるために動いていることを話すと、利家はより一層不信感を強める一方で、又兵衛がそのような行為に走ったのは又兵衛が大事な誰かを、例えば黒田官兵衛を人質に取られているのでは、と勘違いをする。
「なんでアホ官?」と又兵衛が首を傾げるのにも気が付かず、幸村と利家の誤解はどんどん又兵衛の想像を超えたものへとなっていき、そしてマイペースな2人の誤解は結局解くことすらできないままなのだった。
後編の最後は、毛利元就、長宗我部元親、後藤又兵衛、片倉小十郎の4名。毛利軍には又兵衛が、長宗我部軍には小十郎がいる。元親の元に小十郎がいるのを見た元就は、長宗我部軍と伊達軍に同盟の気配有り、と察する。又兵衛はこれ幸いとばかりに、政宗を殺す前に小十郎を殺してその眼をくりぬいて政宗の隻眼に突っ込んでくれると息巻く。そんな又兵衛と毛利軍に、政宗の到着を待つまでもない、ここで決着をつけてやる、という小十郎と元親。瀬戸内での両軍の戦闘が、幕を開ける。
エンディングはみんなで「BASARA」コール
エンディングではこの日の登壇者が全員ステージに集結。ひとりひとり、今日の感想をひとことずつ述べ、ほぼ全員が会場のファンとのコール&レスポンスを楽しんだ。
玄田さんは、普段あまりイベントに出演しないこともあり、緊張したが楽しかったと述べる一方で、置鮎さんは豊臣軍がひとりだったのが寂しかったようで、「半兵衛、次はきてください」と呼ぶ場面も。坪井さんも今回が初めてのバサラ祭ということで、このステージの終わりになってようやく落ち着いておなかがすいてきた、という話からの「まつー、飯ー!」という安定の利家っぷりを披露。
そして沖野さんや永田さん、橘さん、井上さん、伊藤さんら舞台俳優陣らは改めて4月の斬劇「戦国BASARA」豊臣滅亡に向けての意気込みや、ぜひ舞台に足を運んでほしい旨を語った。
今年で15周年を迎える「戦国BASARA」。これから色々と発表があるようなので、ファンは楽しみにしていてほしい。また、シリーズ初登場となる武将の加藤清正と小松姫は、「バトパ」で近日実装されるので、こちらもぜひチェックしておこう。