2021年2月26日から全国の劇場で期間限定上映となる完全新作アニメ「Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-」のレビューをお届け!
Donutsが開発、運営を行うスマートフォン向けアイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム「Tokyo 7th シスターズ」(以下「ナナシス」)。本作を題材にした完全新作アニメ「Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-」を、公開前に鑑賞させていただく機会をいただいた。本稿ではこのアニメの魅力を、Gamer読者の皆さまにお伝えしていく。
作品内容を一切知らずに鑑賞したい人には鑑賞後に読むことをおすすめするが、観に行くべきかどうか迷っている人にとっては参考になるかと思う。ストーリー展開に関するネタバレは極力避けているので、その点は安心して読み進めてほしい。
完全オリジナルストーリー!「ナナシス」初期の名曲たちに心が踊る!
支配人(ゲーム「ナナシス」のプレイヤーのこと)たちの熱量が非常に高い「Tokyo 7th シスターズ」。当然、原作とかけ離れたアニメ化になっていた場合、納得できない人は多いことだろう。
筆者も支配人の端くれなので、原作のテイストがどの程度再現されているかという点は非常に気になっていた。しかし、これに関してはオープニング映像の時点でまったくの杞憂だったことを思い知らされた。
“あの曲”と共に描き出される777☆SISTERSの面々のビジュアルには、原作においてキャラクターたちが持っている、色とりどりの個性が満開! といったエネルギッシュな魅力が、見事に落とし込まれている。予告編の時点で期待して良さそうだとは思っていたものの、躍動する彼女たちを改めて本編映像で観ると、感動があった。
そして脚本は、「ナナシス」のプロジェクト全体を統括する総監督である、茂木伸太郎氏自らが手掛けている。ストーリーも、キャラクター同士の掛け合いも、紛うことなく「ナナシス」そのものだ。
事前に告知があったとおり、時系列としては777☆SISTERS結成初期の頃の、ゲームでは語られていない完全オリジナルストーリーを描いている本作。ここ数年ゲームで展開された激動のエピソードを経るまえの、無邪気で初々しいハルやムスビたちのやりとりは、“その先”を見届けた支配人だからこそ胸に迫るものがあるだろう。物語を彩る「ナナシス」初期の名曲の数々にも、心も踊る。
777☆SISTERSのメンバーや、マネージャーのコニー以外のキャラクターを推している人にとっては、自分が推しているキャラクターが登場せず、少々残念に思う可能性もある。しかし、より多くの支配人を満足させるためのファンサービスよりも、“777☆SISTERSの物語”としての純度の高さを重視した結果だと思うので、個人的には潔さを感じた。
はじめて「ナナシス」に触れる人も心配無用!
一方で、まだ「ナナシス」に触れたことがない人は、本作から触れるのはためらわれるかもしれないが、心配はいらない。
序盤で、777☆SISTERSのメンバーたちひとりひとりの個性や、本作の世界設定――これらが手際よく描かれていく。彼女たちを目にするのがはじめてだったとしても、彼女たちがどんなアイドルで、どういった状況に置かれているのかを、すぐに把握できるはずだ。
ひょっとしたら本作の鑑賞を終えるころには、「推し」ができているかもしれない(野ノ原ヒメちゃんをよろしくお願いします)。
また、ゲーム作品をアニメ化する場合、プレイヤー(「ナナシス」の場合、“支配人”のことだ)の存在をどうするか? という問題が生じるわけだが、本作の場合は「支配人が出張中の出来事」というシチュエーションにすることで、この問題を回避している。
これなら新規の人はアイドルたちの頑張りに集中できるし、すでにゲームで“支配人”をしている人にとっては、「自分がいないときにアイドルたちが頑張っていたおはなし」ということで、「なぜ支配人の自分が、この出来事をいままで知らなかったのか?」という疑問に、ある程度の言い訳が立つように思う。これからファンになる人にも、既存ユーザーにも優しい、一石二鳥の設定と言えるのではないだろうか。
理不尽で過酷な“現実”との戦いという「ナナシス」らしさは健在
そうして描かれるのは、少女たちと理不尽で過酷な“現実”との戦いという、「ナナシス」ならではの楽しいだけでは決してない物語だ。けれど、だからこそ、どんなときも希望を捨てることなく真っ直ぐな想いでステージに臨むハルたちの行動は、胸に響く。
華やかなライブシーンももちろんある。ゲームやCDでナナシスの楽曲に触れてきた人にとっては、777☆SISTERSの面々が歌い踊る光景は待望のものであるはずだし、ライブにも参戦してきた人ならば、さらに大きな感動を味わえることと思う。
ここまで、「◯◯してきたファンならばより感動できるだろう」といったことを何度か書いてきたが、これは順番が前後したとしても最終的な感動は同等ではないかとも思う。つまり、このアニメ「ナナシス」を観てからゲームをはじめたなら、アニメのエピソードも経た分だけゲームから受け取る感動は大きくなるだろうし、アニメ「ナナシス」を経て初めてライブ映像を観た場合、ライブはよりグッとくるものになるはずだ。
繰り返しになるが、本作は「ナナシス」ファンならきっと満足できるであろうアニメ化であると同時に、「ナナシス」に初めて触れる人にとっての“最適な入り口”にもなっている。もし、最近になって「ナナシス」に興味が湧いたという方がいたら、ぜひ劇場に足を運んでみてほしい。
個性豊かなキャラクター、シビアな現実と向き合いながらも希望を描き続けるストーリー、そして魅力的なたくさんの楽曲たち――そんな「ナナシス」の魅力が凝縮された本作に惹かれるものがあったならば、ゲームをインストールして“支配人”になってみるのは、いまからでも遅くはない。
「Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-」公式サイト
http://project-t7s-a.jp
(C)Project_t7s_A
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