カプコンより、2021年3月26日に発売予定のNintendo Switch用ソフト「モンスターハンターライズ」。今回は、新たなバージョンの試遊で判明した新情報を中心にレポートしていく。
いよいよ発売が間近に迫りつつある、「モンスターハンター」シリーズ最新作となるNintendo Switch用ソフト「モンスターハンターライズ」。基本システムや新アクションなどの概要はすでに以下の記事で紹介しているが、今回新たに試遊することがバージョンでは、体験版ではできなかった「カムラの里」の散策や、新モンスター「ビシュテンゴ」及び、「フルフル」のクエストができた。
まずカムラの里は、従来の「モンスターハンター」シリーズと同様、ハンターにとっての主な拠点となる。狩りの助けとなってくれる様々な施設も存在している。
とくに重要な施設となる、ハンターの武器・防具の生産・強化を行える加工屋及び、アイテムの購入を行える雑貨屋は本作でももちろん健在。防具を装備することで何らかのスキル効果が発動し、同種のスキルの防具や護石を装備することでスキルレベルが上がっていく、「ワールド」の時とほぼ同じ仕様になっていることを確認できた。シリーズ一式を揃えるだけではない、自由度の高い装備編成が可能になりそうだ。
オトモ広場では、オトモをスカウトする「オトモ雇用窓口」、プレイヤーがクエストに行っている間に特訓を行い、オトモの育成を進められる「オトモ道場」や、オトモ達による調査隊を編成し、様々なフィールドで入手できる素材を集めさせることができる「オトモ隠密隊」など、オトモに関連した様々な施設を利用できる。
本作では、クエストクリアや納品時に入手できるカムラポイントと素材やアイテムを交換できる「交易船」もこのエリアに振り分けられている。詳細な仕様までは把握できなかったものの、交渉によって、販売されるアイテムの数を増やすこともできるようになっているようだ。
ハンターとしての腕前を高めるための修練場は本作にも存在している。「ワールド」と同様に、入力した操作やダメージ、操作コマンドが表示されるようになっているので、初めて使う武器を練習したい時に最適。剣士だけではなく、ガンナー向けに動く的も用意されており、エイムの練習もできるようになっていた。
また修練場自体がかなり上下に広く作られているのだが、おそらくこれは翔蟲を使ったアクションの練習のため。空中を飛び回ったり、崖を登ったりと、翔蟲を駆使することでかなりの高さにまで登っていけるようになっている。
クエストの受注から出発を行う、シリーズ恒例の集会所ももちろん健在で、食事場では従来のシリーズと同様に、狩りの前に食事を取り、様々なスキルを発動することもできる。本作では、和風の世界観に合わせて食事内容が団子に統一されており、様々な効果をもつ団子を3つまで選択するという形式になっている。
発動する効果は、それぞれの団子ごとに1種類が設定されている。「キレもち」ならおだんご錬磨術、「金団あんもち」ならおだんご金運術といったように、発動する効果がひと目でわかるようになっているユーザーフレンドリーな作りで、使用頻度の高い特定の団子の組み合わせマイセットとして登録しておくこともできる。
郵便屋では、インターネットを介したマルチプレイやDLCのダウンロード、フレンドのリストなどを確認可能。今回はハードがNintendo Switchということで、久しぶりとなるローカルマルチプレイにも対応している。集会所の中だけではなく、一緒にカムラの里を回ったり、修練場で操作の練習をすることもできるようになっている。
カムラの里全体の規模は、オトモ広場や修練場など、ローディングを挟むエリアもあるためかなり広め。カムラの里の中でもガルクに搭乗したり、翔蟲を使っての移動ができるようになっているのに加えて、ファストトラベルで集会所や自宅、オトモ広場に瞬時に移動できるようになっているので、移動のストレスはまったくなかった。また施設以外にも多くのNPCの姿が配置されているのも確認できた。
集会所ではクエストを受註し、新モンスターである「ビシュテンゴ」と、シリーズおなじみのモンスターである「フルフル」に挑むこともできた。
ビシュテンゴは「天狗獣」の異名をもつ、コウモリのような翼と大きな尻尾が特徴のモンスター。大きさとしては中型程度の大きさで、素早い動きでハンターを撹乱してくる。
攻撃の内大きな割合を占めるのは、なんといってもその大きな尻尾。尻尾そのものを振り回すオーソドックスな攻撃方法だけではなく、果実を掴んでハンターに投げつけたり、尻尾を地面に突き刺して身体を振り回す、コマのような動きをしてくることも。投げる果実の中には毒状態を付与してくるものや、閃光玉のようにハンターを気絶させてくるものもあり、かなり豊富な攻撃パターンをもっている。
今回は初めてのモンスターで、攻撃モーションを図りずらかったこと、前回の体験版のプレイから期間が空き、翔蟲の操作を思い出すのに少し時間がかかったこともあって、かなりの苦戦を強いられることに。どうにか制限時間内に討伐はできたものの、壁に張り付いてこちらの近接攻撃が届きにくいタイミングや、高速突進で一気に距離が開いてしまうこともあって、翔蟲を使っての距離調整が攻略の上で重要になりそうだった。
一方のフルフルは、「モンスターハンターダブルクロス」(MHXX)以来の復活となる、シリーズおなじみのモンスター。目が退化しており、巨大な口がそのまま頭部になったようなビジュアルは引き継がれているが、「MHXX」の頃と比べ、グラフィックが向上したことで、ヌメっとした独特の皮膚の質感がリアルに再現され、より不気味さを増している。
身体の周囲に帯電させたり発射したりと、電気を使った攻撃アクションに咆哮など、特徴的な攻撃の多くがこれまでのシリーズを踏襲しているため、過去の経験を十分に活かせる。ただし、住処にしている洞窟の壁や天井に張り付いて、立体的な攻撃を仕掛けてくるお馴染みのアクションについては、洞窟そのものが広くなったことで姿を見失いやすくなっており、他の場所に移動したと思って油断したところを奇襲されることもあった。
それでも、これまでのフルフルの知識が活かせたこと、4人のマルチプレイでの挑戦だったこともあって、かなりスムーズに討伐を完了することができた。
またフルフルの狩猟エリアとなっていたのは、寒冷群島フィールド。これまでのシリーズであれば、寒さに対する耐性をつけるホットドリンクなどのアイテムが必須だったが、本作からはホットドリンクやクーラードリンクが廃止になっている。うっかり持ち込むのを忘れてクエストをリタイアしたり、持ち物枠を圧迫しなくなったのは純粋にありがたい。
発売も着実に近づき、その全貌が明らかになりつつある「モンスターハンターライズ」。あわせて辻本良三プロデューサー・一瀬泰範ディレクターへのの「インタビュー」も実施しているので、こちらもご一読を。