新曲をなんと5曲披露！ノンシュガースペシャルイベント「約束のてへペロピタですわ！」byプリパラ、ライブレポート 絶対叶えるってきっとみんな願ってた！1年越しの初単独イベント

“NonSugar（以下、ノンシュガー）”は「プリパラ」に3年目より登場した、主人公・真中らぁらの妹、真中のんを中心に、セレブアイドルの月川ちり、野生児アイドルである太陽ペッパーの3人で結成されたユニット。ライブイベントではこのキャラクターたちの声優である田中美海さん、大森日雅さん、山下七海さんがパフォーマンスを行う。

もともとは2020年の4月25日に大阪、5月16日に東京で開催予定だった彼女たちの初単独イベント。しかしこちらは新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言発令の影響で、開催自粛という結果になった。今回の公演は、そんな昨年のリベンジと言えるイベントだ。

タイトルが「約束のてへペロピタですわ！」である点は昨年の開催自粛になったイベントも今回のイベントも一緒だ。だが、心待ちにしていたファンにとって、ここに含まれる“約束”の意味合いは、より大きなものになっていたことだろう。

今回も緊急事態宣言下での開催だったこともあり、会場で鑑賞する観客はマスクの着用が必須、声援も控えるようにとのお願いが事前に行われていた。また、ネット配信による鑑賞にも対応しており、本稿も配信での鑑賞をもとに執筆している。

ノンシュガーワールド炸裂！寸劇では「プリパラ」らしいカオスも

開演時間である13:00になると、それまでイベントロゴを表示していたステージ中央に映像が流れはじめた。アニメ「プリパラ」本編でのライブ映像を中心に構成されたのん、ちり、ペッパーの紹介映像に続いて映し出されたのは、アニメ第123話「ノンシュガー漂流記」の本編映像。気持ちがバラバラだった3人が絆を深めた、ファンにとって思い出深いエピソードだ。実は今回のイベントは、3人が再び無人島を訪れて修行をするという、アニメの展開を踏まえたストーリー仕立てのイベントになっていたのだ。映像が流れる中、田中さん、大森さん、山下さんがステージに登場。声援が送れない観客は、喜びを拍手で3人に伝えた。

1曲目に披露されたのはノンシュガーはじまりの一曲である「シュガーレス×フレンド」。ポップな曲調と負けん気が強いのんたちの性格を表現した歌詞の組み合わせが彼女たちらしい楽曲だ。2曲目には「かりすま～とGIRL☆Yeah!」ノンシュガーVer.と、彼女たちを象徴する楽曲が続き、観客を一気にノンシュガーワールドへと引き込む。

続くMCでは3人の自己紹介があり、「てへペロ」、「かしこまりなさーい！」、「ペロピタ」といったキャラクターたちのくちぐせも披露。1年越しのイベントがついに始まったことによる高揚感が伝わってくる、終始明るく楽しいトークが印象的だった。

つぎに、無人島での寝泊まりのためのテントを模したセットに3人が腰を掛け、観客から募集した質問やメッセージに応えるコーナーがスタート。特に印象に残ったのは「テスト勉強をしなかったことへのお叱りの言葉をいただきたい」というメッセージに応えての田中さんからの言葉が、「お姉ちゃんみたいになっちゃうよ！」というものだったこと。「プリパラ」でのらぁらとのんの関係が思い出され、グッとくる。

その後も田中さん、大森さん、山下さんによるロケ映像や、SDキャラによる無人島修行を描いた寸劇など、“無人島修行”をテーマにしたバリエーション豊かなコーナーが続く。SDキャラによる寸劇では、ペッパーの故郷、サパンナへの“ぷるさと納税”の返礼品として、サパンナに生息する動物たちが大量に送られてきて大パニックになるといった「プリパラ」らしいカオスな展開も（この寸劇の脚本が、アニメ「プリパラ」でも脚本を担当していた福田裕子さんによるものだったことが、のちほどご本人のTwitterから判明した）。

また、サパンナの動物たちに紛れて「プリティーシリーズ」の現行作「キラッと☆プリチャン」で田中さん、大森さん、山下さんが演じるキャラクターであるラビリィ、メルパン、キラッCHUを思わせる声が聞こえるひと幕では、客席から大きめの拍手が起きていた。これもシリーズを通してのファンが多い本作ならでは反応だ。

3曲連続の新曲披露！ちりとペッパーのセンター曲はふたりの個性爆発

ミニコーナーを挟みつつ、ライブパートではペッパー、ちり、のん、それぞれがセンターを務める初公開となる新曲を披露。

ペッパーのセンター曲「タッ・ピーロペ・サパンナ！」はサンバを思わせる曲調に、ライオンやヒョウ、ゾウなどの動物の鳴き声が盛り込まれ、「ペロピタ」を表現した振り付けや歌詞があるなど、陽気なペッパーらしい楽曲。

ちりのセンター曲「三花三様、夢いろ花舞姫」はちりの気高さが表現された和風ロック。タイトルの“花舞姫”は“かぶき”と読む。3人ともがちりのトレードマークと言える扇子を持っての振り付けも新鮮な一曲だ。

のんのセンター曲「ノンピリオド」は、「かりすま～とGIRL☆Yeah!」の流れを汲むテクノポップ。「超絶クールバタフライ」など、のんがひとり3役を演じていたユニット“トライアングル”を思わせる歌詞が散りばめられつつも、間奏での田中さんの「トライアングルのときも楽しかったけど、いまのあたしはちりとペッパーといるほうがも～っと楽しい！」という言葉に目頭が熱くなる。

これまでのノンシュガーの楽曲はすべてリーダーであるのんがセンターだったので、ペッパーとちりのセンター曲はファン待望のものだったし、「ノンピリオド」は彼女たちの関係性の変化を知っていれば非常に“エモさ”を感じられる内容になっており、つまりは3曲とも最高のサプライズだった。

1年を経てパワーアップしたノンシュガーは、次の舞台を目指す！

新曲に関する3択クイズや2度目のロケ映像を挟みつつ、イベントはいよいよ終盤。ノンシュガーと関わりの深いプリパラの女神・ジャニスのコスチュームをモチーフにした新衣装に着替えた3人が披露したのは4曲目の新曲「カワイイ・ノンシュジェニック!!!」。プリパラの“いいね♡”を集めるシステムをテーマにしつつ、フォトジェニックなアイドルになる大変さをかわいさ全開で歌う。#（ハッシュタグ）を表現した振り付けも印象的だ。続いて披露した「リザーブ・ザ・リバース！」ではステージの床が回転するギミックを利用したパフォーマンスで、すべての観客に笑顔を届けた。

その後は「スペシャル生朗読」のコーナーへ。ノンシュガーのマスコットである“ウサチャ”が用意したログハウスでの、のん、ちり、ペッパーの共同生活を描くドタバタストーリーを展開。コミカルなやり取りが続くも、終盤はアニメ「プリパラ」で離ればなれになってしまったジャニスがいまも3人を見守っていることを思わせる描写もあり、多幸感に満ちた余韻を残してくれた。キャストの3人も、顔を見合わせての人前での掛け合いは実に久しぶりだったということで、感慨深げな様子だった。

そして修行を経て完成した新曲として披露された5曲目の新曲のタイトルは「DAI！BOM！ 大冒険だいっ！！」。チームワークもバラバラで苦労の連続だった最初の無人島での日々とはまったく別の、好奇心に身を任せ、様々な挑戦を楽しむいまのノンシュガーを表現するような元気いっぱいの楽曲に、心が踊った。

お知らせコーナーでは夏から配信が始まるアニメ「アイドルランドプリパラ」の本編映像の先行公開、飯田里穂さんが演じる新アイドル・香田澄あまりの情報解禁などがありつつ、続くコーナーはのんからちりへ、ちりからペッパーへ、ペッパーからのんへの手紙の朗読。田中さん、大森さん、山下さんともに目をうるませながらの、真心のこもった言葉の数々に、見ているこちらも涙腺がゆるむ。

続いて、3人から観客へのメッセージ。ペッパーを演じる山下さんは「1年間、本当にお待たせしました」としつつも、「1年前では見せられないものを見せることができたんじゃないかと思う」と、パワーアップしたステージができたことを誇る言葉を届けてくれた。ちりを演じる大森さんは「1年越しに新曲を今日初披露できたことが何よりも嬉しい」と喜びを素直に表現。のんを演じる田中さんは「いまこうしてステージに立てていることは当たり前ではないということを噛み締めながら、夜公演もがんばります。これからもノンシュガーの応援をどうぞよろしくお願いします」と、締めくくった。

最後に披露した曲は「スパイシー♪ホットケーキ!!!」。アニメでは未登場の楽曲ながら特別に制作されたCGライブをバックにパフォーマンスする3人の振り付けは、キャラクターたちと完全にシンクロ。最後まで“甘いだけじゃない”本物の実力を持つノンシュガーの魅力を惜しまず見せつけ、イベントは幕を閉じた。

最後に田中さんは「また、必ず会おうね！」と約束を交わしてくれた。「アイドルランドプリパラ」、そしてまだ見ぬ次の単独イベントでのノンシュガーの活躍が、いまから楽しみだ。

なお、イベントではノンシュガー初のアルバムが8月25日に発売決定したことが発表された。今回披露した新曲もこちらに収録されるものと思われる。また、イベントのBlu-rayも8月27日発売されることが分かっている。今回のイベントの想い出に浸りたい方も、見逃してしまった方も、ぜひチェックしてほしい。いずれの商品も、すでに予約受付中だ。